絶対音感 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
3.50
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本棚登録 : 505
レビュー : 56
  • Amazon.co.jp ・本 (430ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101482231

作品紹介・あらすじ

「絶対音感」とは音楽家に必須の能力なのか?それは音楽に何をもたらすのか-一流音楽家、科学者ら200人以上に証言を求め、驚くべき事実を明らかにする。音楽の本質を探る、ベストセラーノンフィクションの文庫決定版。

感想・レビュー・書評

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  • 正直に言って、焦点がぼやけてるというか、結局何が言いたいのかが良く分からない本だった。

    特に最終章がこの本に入っている理由が謎。

    私がノンフィクションという分野を読み慣れていないのが原因なのかなー。

  •  この本が出るまでまったく聞いたことがなかった「絶対音感」って言葉だけど、そのスジでは超がつくほど有名だったんだね(゚д゚)!
     なんと 戦前から(゚д゚)!

     霊能力やESPっぽくて「自分にもあったら面白いかも」なんて思ってたけど、本書を読み進めていくうち そんな大したもんでもないことに気がついた( ´ ▽ ` )ノ
     色で言えば、赤を赤 白を白と見分けるくらいなもんで、大枠さえズレてなきゃ 素人にはぜんぜん必要ない能力じゃん( ´ ▽ ` )ノ
     味で言えば、ワインのテイスティングとか( ´ ▽ ` )ノ
     
     絶対音感ブームの火付け役でありながら 内容はむしろその熱を冷ますもの、という皮肉な結果になってる面白い本( ´ ▽ ` )ノ

     終わりのほう、テーマに直接関係のない五嶋みどり&龍姉弟のミニ伝記が差し挟まれているけど、これはこれで面白かった( ´ ▽ ` )ノ
     こんな映画みたいなエキセントリックな家族、本当にいるんだね( ´ ▽ ` )ノ
     芸術が人を狂わせるのか、狂った人が芸術に囚われるのか?……人類永遠のテーマだ( ´ ▽ ` )ノ
     独立した評伝として長編化すればいいのに( ´ ▽ ` )ノ


     しかしまあ、読みづらい文章だったな(´ェ`)ン-…
     持って回った表現が多いし、時として冗長……まるで翻訳作品みたい(´ェ`)ン-…
     あとがきを見たらごくごく普通の文章だったから、「あれが作者ほんらいのスタイルではなく、わざとああいう書き方をしたんだ」と気づき 改めてびっくり(゚д゚)!
     ひょっとして、あらかじめ外国語翻訳を前提として変則的な書き方をしたんだろうか?……(´ェ`)ン-…

     取材協力者・参考文献の長大なリストには、ただもう頭がクラクラ……( ゚д゚ )

    2019/01/13

  • 絶対音感という言葉の意味について、また、音律や和音について、ずいぶん自分が誤解していたことがよくわかった。
    非常に多くの人に話を聞き、よく調べて書いているのがわかる。

    「絶対音感さえあれば音楽家になれるのか」という問いが発展して、最後は「音楽って何だ」という話になっている。
    それは本来のテーマからすれば「脱線」かもしれないが、絶対音感を考えていくと、どうしてもそこに行ってしまうのかも。

  • オリジナルは1998年刊。前々から評判は知っていたが、テーマへの興味がイマイチで読んでいなかった。このたび著者の新刊を読むにあたって予習的な気持ちで手にとった。最初のうちは「このテーマでどこまで書けるのか?」と思ったが、日本の音楽教育史、認知科学、現代のクラシック音楽の一断面まで、絶対音感をキーワードに話は広がっていく。著者がわりと表に表れてくる書きぶりだが、要所要所は抑制が効いて読みやすい。認知科学的なくだりなんか、感覚の相対性を強調するあたり一般のノンフィクションとしては先駆け的な気がする。

    ・固定ド唱法と移動ド唱法。専門教育は固定ドで、学校は移動ド。絶対音感があるなら前者しかないが、後者の方が相対音感だけだと馴染みやすいと。

    ・440ヘルツがA音というのが「一応」の基準とされているが、オケによって微妙に違う。高いほうが艶が出る、インフレピッチ。時代によっても違い、モーツァルトの頃は422だった。

    ・周波数比率が2対1のオクターヴや、3対2(完全5度)、4対3(完全4度)を心地よく感じるのは生得的な制約。哺乳類では同じらしい(→周波数が最小公倍数でキレイに重なるのがよい?)。その生得的な制約を分割して音階をつくる。→音階と音律の違いよく分からず

    ・オクターヴを均等に12分割した平均律。いまのピアノはたいていこれ。純正律と比べると3度や5度は少しにごって響くが、その濁りはどの音階でもバラつきがないため、無調の現代音楽などには適する。いまは純正律やピタゴラス音律よりも平均律が心地よく聞こえる学生が多い。日ごろ接する音楽の影響か。

    <blockquote>自分の持つ絶対音感に違和感を感じた時点で、それが「わが家のA音=440ヘルツで調律されたピアノでついた平均律の絶対音感」という極私的なものだと、彼らは気づいたのだ。</blockquote>

    ・「a」「i」「a」と個別に発音したものをつなげても「aia」とは聞こえない。「aia」とつなげて発音したものを機械的に分割しても「a」も「i」も「a」も見つけられない。聴覚とは時間的な変化につよく依存した感覚である。

  • 絶対音感とは幼いころに訓練して身につけることが可能なものである。
    それがこの本を読めばわかることだ。
    ただし絶対音感はそれを持っているだけでは良い音楽家になれるとは限らないもの。
    必要ではあるけれど、音楽家に求められるのはそれ以上の耳の良さ。
    また絶対音感は相対音感の対局にあるものはないし、それによって日常生活が困難になるようなものでもない。
    その証拠に絶対音感を持つバイオリニストでも国によって異なるオーケストラの音に合わせることができる。

    かつて天才が勝手に持って生まれてくるものと考えられていた絶対音感は実際には教育の賜物。
    その音感トレーニングはやがて戦争中の敵の飛行機を聞き分けるためのものへと転用されていく。
    音楽という美しい芸術が戦うことへと利用されていく様子はとても悲しい。

    ノンフィクションとしてとてもよくできていると思った。
    単なる事実の羅列だけではなく著名な音楽家のインタビューを随所に挟みながら、
    また当時の世界の音感についての研究を踏まえながら、
    絶対音感とは何であるのかを解明しようとする著者のやり方はスマートだ。
    ところどころ長ったらしいと感じるところもあるにはあるけど全体の完成度としてはかなり高いと思う。

    絶対音感は幼児期の訓練次第。
    それは親から与えられた刻印。
    人間の脳みそがまだ出来上がっていないうちに一定の教育を施せば誰でも身につく。
    しかし悲しいかな音楽の世界とはそれだけで何とかなるような易しいものではない。
    それに加えて天性の才能と環境が必要になる。
    素晴らしい音楽家になるということは本当に気の遠くなるような奇跡の積み重ねだ。

  • 絶対音感、を追いながら
    音楽教育の歴史、軍事利用まであったとは
    わが子の絶対音感習得に奔走する親
    絶対音感神話、指導者のジレンマ、
    いつの間にか、ヒトの耳、脳、を経て、音楽とは、
    そして科学者の挑戦へ、まで。
    音にラベリングできる技術だけではなく
    そのつながり、強弱、リズム、総合的に
    創り上げ、奏で、聴き、音を楽しむと書いて音楽。
    いい耳を持ちたいです。

  • 広さも深みも網羅した体系的な本。絶対音感とは、に終始しないからこそ、音楽とは、という本質に迫る部分があると思う。(物理量の追求に終始してたら音楽としては非常にナンセンスだよな、という説得力があるし、そこに好感が持てた)
    絶対音感とは、という点に関しては本のなかにも引用がある「あると便利でどっちつかず、時には厄介」という旨が語弊ないかなと思うし、それ以上踏み込みたい人は読もうねって薦められる本。
    あと七章にあるバーンスタインの引用が音楽とは、という語りとして非常に優れていると思う

  • 何故か小説と勘違いしてたが、絶対音感をテーマにした音楽家たちのエピソード交えた専門書のような印象。
    必ずしも絶対音感を持つ人が優れた音楽家、と言うわけではないということだ。
    そうだろうな。私も趣味でバイオリンを弾くが、譜面は早く読めるようになりたいが、絶対音感は特に羨ましいと思わない。まぁホントに趣味だからね。
    五嶋龍くんって家族中で有名音楽家だったのね。いつか演奏を聴きに行きたいな。

  • 医事新報の中野先生のコラムで「至高のエッセイスト」として紹介された最相葉月の著書。具体的な著書名には触れられていなかったがこの作品が代表作っぽい

  • 絶対音感に関する、渾身のノンフィクション。歴史的な経緯に触れつつ、その日本での熱狂ぶり、問題点、絶対性のゆらぎ。五嶋家の話だけはなじまない感じがするが、組み込まれたスピンオフとしてはあり、だろう。

    ・丸山圭三郎:ロゴスとしての言葉は、すでに分節され秩序化されている事物にラベルを貼りつけるだけのものではなく、その正反対に名づけることによって異なるものを一つのカテゴリーにとりあつめ、世界を有意味化する根源的な存在喚起力としてとらえられていた
    ・五嶋節:私、子どもに対して理解はないけど、反省はある。

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著者プロフィール

1963年生まれ。兵庫県神戸市出身。関西学院大学法学部卒業。著書に、『絶対音感』(小学館ノンフィクション大賞)、『青いバラ』『星新一 一〇〇一話をつくった人』(大佛次郎賞、講談社ノンフィクション賞ほか)、『れるられる』『セラピスト』『未来への周遊券』(瀬名秀明との共著)など。近刊に『ナグネ 中国朝鮮族の友と日本』『東工大講義 生涯を賭けるテーマをいかに選ぶか』。読売新聞紙上にて「人生案内」の回答者を7年以上つとめている。

「2015年 『辛口サイショーの人生案内』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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