現代作家100人の字 (新潮文庫 い 48-2)

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  • Amazon.co.jp ・本 (270ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101483122

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  • 2023.4.20市立図書館
    図書館の本棚でふと目に入って借りてみた本。筆墨硯紙(文房四宝)の江戸時代からペンとインキに取って代わられた近現代になって、人びとがどんな字を書いてきたか、著名な作家の原稿や色紙などを材料に解説。「京都新聞」での連載「書の交響(1984-1985)」が単行本になり、そこに書き下ろしでさらに一章十数人を加え「100人」になった文庫版。
    字(体)は筆記具につれ、漢字は「中国の字」ではない、など巻末の奥本大三郎との対談がひじょうに興味深い。

    ペンと原稿用紙がさらにキーボードにとってかわられた21世紀、もう「文字は人なり」とも言いがたくなってしまったが、手書きの文字はこれからはどのように評価されるようになるのだろう? 臨書や写経のような気持ちを鎮めたり祈ったりするために手を動かすことには何がとって代わるのだろう?

  •  文字を読む──言葉の意味を探るのではなく、筆跡を読む。線の一本一本に込められた“何か”を読み取ろうと丹念に注がれる視線は、点の打ち所をも見逃さない。京都芸術短大講師を務める書家が、現代作家100人の文字を眼光鋭く洞察する。写真を含めてわずか一ページ余りで論及する見事な手並みは、“「書」のレントゲン”とも言い得るものだ。

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著者プロフィール

書家。京都精華大学客員教授。1945年福井県生まれ。京都大学法学部卒業。1990年『書の終焉 近代書史論』(同朋舎出版)でサントリー学芸賞、2004年『日本書史』(名古屋大学出版会)で毎日出版文化賞、同年日本文化デザイン賞、2009年『近代書史』で大佛次郎賞を受賞。2017年東京上野の森美術館にて『書だ!石川九楊展』を開催。『石川九楊著作集』全十二巻(ミネルヴァ書房)、『石川九楊自伝図録 わが書を語る』のほか、主な著書に『中國書史』(京都大学学術出版会)、『二重言語国家・日本』(中公文庫)、『日本語とはどういう言語か』(講談社学術文庫)、『説き語り 日本書史』(新潮選書)、『説き語り 中国書史』(新潮選書)、『書く 言葉・文字・書』(中公新書)、『筆蝕の構造』(ちくま学芸文庫)、『九楊先生の文字学入門』(左右社)、『河東碧梧桐 表現の永続革命』(文藝春秋)、編著書に『書の宇宙』全二十四冊(二玄社)、『蒼海 副島種臣書』(二玄社)、『書家』(新書館)、作品集に『自選自註 石川九楊作品集』(新潮社)、『石川九楊源氏物語書巻五十五帖』(求龍堂)などがある。

「2022年 『石川九楊作品集 俳句の臨界 河東碧梧桐一〇九句選』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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