わが般若心経 (新潮文庫 に 14-5)

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  • Amazon.co.jp ・本 (235ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101485157

感想・レビュー・書評

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  • 般若心経の内容だけでなく、仏教上のありがたい説法に触れることができて良かった。2021.9.22

  • (2015.05.27読了)(2006.06.02購入)
    Eテレの「100分de名著」で「般若心経」が取り上げられたので、関連書として読みました。
    「般若心経」の紹介と解説も含まれているのですが、メインは、僧侶で仏師で、仏像修復師である著者の自伝的エッセイです。
    単行本は、『西村公朝が語る般若心経のこころ』と題してほるぷ出版から1998年1月に刊行されました。
    仏教や仏像についてもわかりやすく解説しています。

    【目次】
    第一章 仏師への道
    第二章 僧侶・仏師の世界に生きて
    第三章 今こそ必要な『般若心経』の知恵
    第四章 生まれてよかった一福千観
    第五章 知恵と徳をめぐるいろいろな話
    羅漢花まつり―あとがきにかえて

    ●理想的な仏像(56頁)
    理想的な仏像の姿としては、多くの参拝者に感動を与えるような荘厳さと美しさを持っていることが望ましい。仏教信者にとっては、その像を拝むことによって、仏の法力が発揮されるような仏像であってほしいのです。
    ●羯諦羯諦(105頁)
    羯諦羯諦 波羅羯諦 波羅僧羯諦 菩提薩婆訶
    「行け行け、彼岸へ行け、彼岸へ行った者に幸あれ」ということです。いいかえると、
    「修行せよ修行せよ、悟りの境地に至るように修行せよ、悟りの境地に至ったその者に幸あれ、きっと幸せの喜びを得られるであろう」というような意味です。
    ●仏の名前(113頁)
    仏教ではこの土のありがたさを分からせるために、仏の名前に切りかえて信仰の対象としたのです。土というのは、お地蔵さんです。同様に水というのは、観音さん、火は不動さん、風は神々とか天部というように、それぞれ仏の名に切りかえています。
    ●仏の分類(149頁)
    釈尊のいう仏の数は無量です。これらを大きく分類すると、如来(阿弥陀如来や薬師如来など)・菩薩(聖観音菩薩や地蔵菩薩など)・明王(不動明王や愛染明王など)・天部(毘沙門天や仁王など)と四種類に分けられます。
    ●五色(172頁)
    仏の世界は大きく五色に色別されているといわれています。中心部は黄または黄金色、東方は青色、南方は赤色、西方は白色、北方は黒色ですが、これは中国の四神(青竜・朱雀・白虎・玄武)の方位とよく似ています。
    ●四苦八苦(187頁)
    一、生(生まれるまでの苦)
    二、老(年をとる苦)
    三、病(病気をする苦)
    四、死(病没や水火などの難による死苦)
    五、愛別離苦(愛するものとの離別)
    六、怨憎会苦(恨み憎しみの相手、つまり嫌いな人と会う苦)
    七、求不得苦(欲しいものが得られない苦)
    八、五陰盛苦(はげしく盛んなときに生じる身心の苦。限りない欲の苦)
    ●将来何になりたい?(213頁)
    昔の子も今日のように、大臣の汚職ニュースを知っていれば、大臣になりたいといわなかったでしょうし、また軍人は、人の命をとり自分の命をも捨てるという本当の姿を知っていれば、軍人に憧れることもなかったでしょう。

    ☆西村公朝さんの本(既読)
    「やさしい仏像の見方」西村公朝・飛鳥園著、新潮社、1983.11.25
    「祈りの造形」西村公朝著、日本放送出版協会、1986.04.01
    ☆関連図書(既読)
    「お経の話」渡辺照宏著、岩波新書、1967.06.20
    「釈尊物語」ひろさちや著、平凡社新書、1976.05.08
    「釈迦と女とこの世の苦」瀬戸内寂聴著、NHK人間講座、2000.04.01
    「ブッダ『真理のことば』」佐々木閑著、NHK出版、2011.09.01
    「寂聴生きる知恵」瀬戸内寂聴著、集英社文庫、1997.03.15
    「「いいこと」がいっぱい起こる!ブッダの言葉」植西聰著、王様文庫、2010.12.20
    「ブッダ『最期のことば』」佐々木閑著、NHK出版、2015.04.01
    「般若心経」佐々木閑著、NHK出版、2013.01.01
    「「色即是空」の研究」山本七平・増原良彦著、日本経済新聞社、1984.10.25
    「生きて死ぬ智慧」柳澤桂子著・堀文子絵、小学館、2004.10.10
    (2015年5月28日・記)
    (「BOOK」データベースより)amazon
    美術学校で彫刻を学ぶごく普通の学生だった著者が、仏像の彫刻家になることを決断した背景には、あるお経との出会いがありました。たった266字からなる般若心経の不思議な力とは何なのか?中学生にもわかるようにやさしく説明します。「なぜ秘仏にするのか?」「仏は男か女か?」など、仏像・仏教についての素朴な疑問にもお答えします。

  • 仏師で僧籍の西村公朝さんのエッセイ。芸大の彫刻科を経て美術院の仏像修理・得度といった仏師への道、般若心経や仏教への思い・解説等。

  • ・3/25
    ・3/31 読了.

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著者プロフィール

大阪生まれ。1940年東京美術学校彫刻科卒業。美術院国宝修理所長、東京芸術大学教授、吹田市博物館長、天台宗愛宕念仏寺住職等を歴任。1941年から三十三間堂の十一面千手観音の千体像をはじめとして、全国各地の国宝、重要文化財1300体の仏像修復にたずさわる。1952年37歳で得度、1955年愛宕寺の住職となる。1983年母校の東京芸術大学教授を退官。社会人を対象にした仏像彫刻を造る講座の指導を始めるなど、仏教を通しての宗教活動を積極的に行う。1983年仏教伝道文化賞、1986年天台座主山田恵諦猊下から「天台大仏師法印」号を授与される。著書:『仏の世界観』『やさしい仏像の見方』、『ほとけの顔』、『仏像の再発見』、『祈りの造形』など他多数。

「2019年 『ほとけの姿』 で使われていた紹介文から引用しています。」

西村公朝の作品

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