梶原一騎伝 (新潮文庫 さ 45-1)

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (533ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101487311

作品紹介・あらすじ

「巨人の星」「あしたのジョー」「夕やけ番長」「愛と誠」など、中高年世代が若い頃に心を熱くした名作は、いずれも梶原一騎の原作である。しかし、彼の人生にはダーティーな影がつきまとい、事件・スキャンダルも絶えなかった。スポーツ劇画ブームを巻き起こした天才漫画原作者の実像を求め、その純粋な心根に深く迫った名著。

感想・レビュー・書評

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  • 長いこと本棚に並んだままに
    していた一冊
    ちょっと暇がぽっこり
    できた一日
    何気なくページを繰り始めた

    いゃあ
    一気に引き込まれました
    うすぼんやりと認識していた
    梶原一騎さんという物語の作り手の
    波乱万丈の人生、

    「巨人の星」
    「あしたのジョー」
    の原作者ぐらいの
    認識しかなかったのですが
    ご本人はむろんのこと
    その同時代にいらっしゃった
    編集者
    漫画家
    そして
    家族の方たち

    まさに
    激動の時代であり
    その時代であるからこそ
    生み出された数々の名作
    そして挫折の数々

    一つの昭和史としても
    読み応え十分である

  • 知らないことだらけでした。50歳で亡くなっておられたとは…。
    奥様が凄い。

  • 梶原一騎伝を読みながら
    少なくとも 私の成長過程に 大きな影響力があった
    と感じた。
    巨人の星 あしたのジョー この2作品はむさぼるように
    よんだ覚えがある。
    そういう時代だった。
    父と子 師弟というテーマは 永遠のテーマかもしれない。
    そのテーマの中で 二つの作品が生まれた。
    愛と誠は あまり読んだ感じがない。

    愛と誠と根性。
    そのキーワードが 少年から 青年に 移行していく時期
    に 深く身体の中に入ったのだろう。

    それにしても 梶原一騎は マンガの新しい時代を
    切り開いた 作家であるが・・・
    評価が 低いのは この作品を読みながら
    納得せざるを得なかった。

  • 梶原一騎って「こんなはずじゃない」って死ぬまで思い続けた人なんじゃないだろうか。

    あんなに成功しても、心の乾きを満たせずに暴走し続ける。
    ちばてつやとのコンビが生んだ「あしたのジョー」。そして燃え尽きたちばと、くすぶった梶原。
    あまりの違いに、泣ける。

    ちばてつやはどんな気持ちなんだろう。

  • 「巨人の星」「あしたのジョー」「タイガーマスク」等
    スポ魂・格闘技もの漫画の原作者として有名な梶原一騎
    その評伝であります

    作家としての栄光を極めた時代からスキャンダルまみれの時期を経て
    孤独の時代、そして逮捕へとつながるのだが
    晩年は、かつて嫌悪したマイホーム主義とも折り合いをつけ
    一個人として落ち着いた幸せを満喫したようだ

    生い立ちはモロにエディプスコンプレックスの物語である
    全ての根っこはお母さんの病弱だったようにも思えて悲しい

    年表がついてると良かったかな

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著者プロフィール

ジャーナリスト。1958年東京生まれ。早稲田大学商学部卒業。英国バーミンガム大学修士(国際学MA)。新聞記者、週刊誌記者を経てフリーに。さまざまな社会問題をテーマに精力的な執筆活動を行っている。『「東京電力」研究 排除の系譜』(角川文庫)で第三回いける本大賞受賞。著書に『日本が壊れていく』(ちくま新書)、『「心」と「国策」の内幕』(ちくま文庫)、『機会不平等』(岩波現代文庫)、『『あしたのジョー』と梶原一騎の奇跡』(朝日文庫)など多数。

「2019年 『カルト資本主義 増補版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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