孤独のチカラ (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 882
レビュー : 104
  • Amazon.co.jp ・本 (199ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101489261

作品紹介・あらすじ

私には「暗黒の十年」がある。それは受験に失敗した十八歳から、大学に職を得る三十二歳までに体験した壮絶な孤独の年月である。しかし、人生のうちで孤独を徹底的に掘り下げ過去の偉人たちと地下水脈でつながる時間は、成長への通過儀礼だ。孤独をクリエイティブに変換する単独者のみ、到達できる地点は必ず存在する。本書はそんな自らの経験を基に提唱する「孤独の技法」である。

感想・レビュー・書評

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  • 弁舌さわやかで、対人スキルは抜群に思える齋藤先生に、孤独感に苛まれた「暗黒の十年」があったという独白は、テレビを通して目に映る姿とのギャップにまずは驚く。

    逆に、そんな齋藤氏だからこそ、「人は孤独なときにこそ力を伸ばすことができる」という考えに至ったのだろう。

    孤独を乗り越えるための手法として3つ挙げている。すなわち、1.手先のことに集中する、2.翻訳、英語本にトライ、3.マニアな読書である。

    このうち、マニアな読書について、著者が「自分の気に入った本に関しては、自分が気に入っているというふうには思わない。向こうが私を気に入っている、と感じることがとても多いのだ。生きていたら、私を話し相手として気に入ってくれるし、絶対に楽しくなるだろうという気がする」というところに、著者の読書スタイルがよく表れていると感じる。

    過剰に孤独感を恐れることなく、孤独をネガティブに捉えることなく、自分自身を深掘りする大切な時間と捉えるべきという著者の考えに惹かれる。

  • 星10くらい。
    以前、齋藤先生の別の本に「若い時自分は自己肯定感が高すぎて〜」という旨が書かれており、それ以来シンパシーを感じていた。
    私も今が、もしかしたら暗黒の時代かもしれない。齋藤先生ほどの賢さは持ち合わせていないし、まだまだ沈潜の度合いも甘い。年齢的にも、こんなことを言っていられるぎりぎりの世代だし、まわりから見るとイタさすらあるのかもしれない。
    だけど、これが飛躍のための孤独の時代なら喜んで孤独を味わい尽くしたい。あらゆる芸術に触れ、本の世界に沈み、自分の感性を磨きたい。

  • 孤独だからこそ、得られるものもある。

  • 家で本読むとか1人でクラシック聴きに行くとか
    楽しいからやってて孤独だという実感がなかったけど
    世間様的にはこの状態を孤独と呼ぶらしい。
    若干被害妄想的な温度を感じつつも、読書とは先人との会話であるみたいなところはとても共感できるなぁと思った。

  • 薄いけれど読み応えがある。
    孤独の素晴らしさをつぶさに解説してくれている。
    あと、危険性についてもわずかに語られている。
    我が身を振り返れば、Twitter浸け、Discord漬け、LINE浸け、と碌な状況になく、
    いろいろと日々の在り方を考えざるを得なくさせる1冊。

  • 現代人は極度に孤独を恐れる。
    休日は予定を埋めないと落ち着かない、暇な時間はテレビをだらだら見てしまう、スマホを一日中握りSNSを通じてメッセージのやり取りに明け暮れる。。
    あなたもそんな経験はないだろうか?
    実はそれらの行動は、現代人の本質ともいえる孤独を恐れる感情が、実際に現象したものと解釈することもできるのではないだろうか。
    本書は孤独を恐れるそんなあなたにこそ、オススメしたい本である。

    筆者は一貫して孤独をポジティブなイメージで捉える。
    静かに自分の人生を見つめなおす、書物を読んで死者と対話するなどどいったことは、孤独な状態でないとできないことだ。
    情報が蔓延し、常に誰かとつながっていられてしまう現代だからこそ、”孤独力”をつけることの重要性を筆者は説く。

    「群れて成功した人はいない」
    冒頭の一番胸に刺さったフレーズだ。
    友達が少なく孤独に悩んでいるあなたも、四六時中友達とつるんで寂しい思いをしたこともあなたも、是非手に取っていただきたい本である。

  • とても読みたかった本。読み終わるまで時間がかかりすぎて、最後の章しか一気に読むことができなかった。もう一度読み返したい。
    孤独って必要な時があると思うし、自然とそうなっていた時期がやはりあったのを思い返した。

  • またきっと読み返す、読み返したい本。本当の孤独とは何か。
    斎藤先生の学生時代の話、オススメの本や禅の話までさまざまな切り口で孤独とは何かについて語られる。
    巻末についていた参考図書リストも有難い。
    自分は引用されていた林尹夫「わがいのち月明に燃ゆ」の一節が大変印象に残った。そちらも読みたい。

  • 孤独は精神の鍛錬により、人と絡むよりも自己を成長させる起爆剤になると言う主張に納得。確かに一人でコツコツする事、勉強なり練習なり読書なりが成長するし、捗るし、精神を高め、自己を肯定できるのだと思います。人付き合いや恋愛も孤独な時に思慮する事で人間力が醸成されてうまく行くとも言えます。
    1章でほぼ主張は書き上げており、それ以降は参考文献で地固めする内容でやや間延びしますが、氏の読書による深い知識に感嘆するとともに、これから読む本の参考になります。

  • 読了日 2019/02/25
    これはエッセイだと思う。
    齋藤孝が思う孤独の力と、それのすすめについて

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著者プロフィール

齋藤 孝(さいとう たかし)
1960年静岡県生まれ。東京大学法学部卒業後、同大大学院教育学研究科博士課程等を経て、明治大学文学部教授。専門は教育学、身体論、コミュニケーション論。学者、作家、文化人の役割で多くのメディアに登場している。
2001年『身体感覚を取り戻す』で第14回新潮学芸賞を受賞。2001年発行の『声に出して読みたい日本語』は250万部を超えるヒットとなり、第56回毎日出版文化賞特別賞を受賞。
その他、『語彙力こそが教養である』など多くの著書があり、発行部数は1000万部を超える。『こども孫子の兵法』など監修作のヒットも多い。NHK Eテレ「にほんごであそぼ」総合指導。

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