桶川ストーカー殺人事件 遺言 (新潮文庫)

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  • 新潮社 (2004年5月28日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (432ページ) / ISBN・EAN: 9784101492216

みんなの感想まとめ

テーマは、1999年に埼玉で発生した悲劇的なストーカー殺人事件で、著者がその詳細を追ったノンフィクションです。事件の背後には、単なる個人のストーカー行為ではなく、金銭が絡むストーカーグループの存在があ...

感想・レビュー・書評

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  • 桶川の21歳の女子大生が殺された。彼女は埼玉県警上尾署にストーカー被害を訴えていたのにも関わらず、警察は対応しなかった。さらに警察の無能ぶり、非道ぶりが明らかにされる。久々に心底腹が立った。そして、文庫本あとがきで筆者の不幸を知らされ、絶句。

  • 悲しい

    あとがきまで全部読んだ

    ストーカーの基準は難しいし、あったことはないけれど、よく聞くのが事件にならないと警察が動いてくれないっていう話なんだけど
    でもそれでも相談には乗ってくれるはずだし、子供たちは大人に相談して欲しいと思った

    何か自分が責められるんじゃないかって思って相談しないのか、本当にそれは残念なこと

  • 1999年、埼玉で起きた殺人事件を週刊雑誌記者(著者)が追ったノンフィクション。
    当時、自身は10代だったので内容がよくわかっていなかったが、今回読んでみて事件概要がよくわかった。

    ・単なる個人のストーカーではなく、金銭やり取りのあるストーカーグループだったこと。
    ・実行犯が元恋人ではなく、雇われの人間
    ・警察署にストーカー相談に行っても対応が悪く、初期解決に至らなかったこと
    ・名誉毀損で告訴まで手続きしたが、その後警察の怠慢を誤魔化すために書類が改竄されたこと
    ・改竄事実と被害者が残した遺言の相違を隠すために真犯人(元恋人)を捜査から除外していたこと

    被害者は、ストーカーグループと警察に殺された。どちらも事実とは思えないほど酷かった。


    自分が被害者にならないために学んだ教訓は、
    ・変な人間に興味を持たれそうな所へ出歩かない
    ・困ったら警察が何とかしてくれると思わない
    ・金で釣られるような知人、友人を持たない
    ・他人を簡単に信用しない

  •  1999年に起こった女子大生刺殺事件。一人の週刊誌の記者が警察に先んじ犯人を特定し、警察の不祥事を暴いた様子を記録したノンフィクション。

     まず普通の読み物としても抜群に優れていると思います。第三者として描くのではなく、記者の方の一人称として描かれているので、記者の方が実際に感じた思い、苦悩というものが伝わってきます。そして事件解明の経過も、そこらの小説よりもドラマチック!(本来の事件解決はそうあるべきではないものだとも思うのですが…)

     でもやはりこの本の真の役割は、清水さんが被害者の方から受け取った「何か」を僕たちも受け取ることなのだろうと思います。実際読み終えたとき、自分の心の中にも何か言葉にできないものが残りました。

     最近大学の関係で報道関連の本を読むことが多いのですが、その病理がこれ以上ないくらい顕れた事件だったのだなあ、と読んでいて思いました。真実を追求し、権力を監視するはずのジャーナリズムがこれほどまでに警察にいいように踊らされ、果てには被害者を二度、三度にわたって貶めてきた責任はやはり重いと思います。そして警察の不祥事が明らかになってからでも、結局被害者側の側につかない姿勢にも落胆の気持ちが浮かんできます。

     警察もやはり組織の人間なのだな、という感想も持ちました。当時はストーカーがまだ一般的な概念でなかったとしても、あまりの対応の鈍さ、果ては責任を逃れるための工作の数々は正義を守る姿などはなくひたすら組織を守ろうとしている姿が見えました。

     自分たちが普段絶対だと思っているものは、必ずしもそうではない、ということを教えてくれた本でした。この本に関しては「読んでほしい本」ではなく「読むべき本」だと自信を持って言えます!

  • これは本当に皆さんに読んで頂きたい。

    「相棒」「踊る大捜査線」「ストロベリーナイト」「アンフェア」
    といったような警察ドラマを見ていて、警察という組織は
    関係者、関係者の家族を守ることを最大のミッションとし、
    その余力で市民を守るものだ。
    と私の中で定義をしていました。

    だって、どのドラマを見ても警察内部、特にトップクラスの方々は
    もはや悪人のように描かれているのだから。
    ここまで多くの作品でそう描かれるということは、
    実際の警察もそういうものなんだろう、という
    定義をしていたのですが。

    本当に警察が事実をゆがめ、1人の女性を死に追いやった。

    余りにも嘘だろう、という事実が続いていくために、
    まさに小説のような展開を見せていきます。

    ページをめくる手を止められない本でした。

    警察の中でも、詩織さんの録音したテープを聞き
    「これは恐喝だよ恐喝」と言ってくれた若い警官は、
    正義感を持って仕事をしていたのだと思います。
    事件がこのような展開になり、後悔したのではないかと思います。

    マスコミの中でも、多くが警察の言いなりの報道をしているのを見ると、
    「正義」というのは組織、団体に属するものではなく、
    あくまでも個人に宿るものなのだと痛感されました。
    この本で出てくる信頼できるものはすべて「人」です。
    組織、団体、会社ではありません。

    自分が事件に巻き込まれたことを考えると、
    こちらに出てきた人をメモしておこう、という気持ちになりました。

    文庫版に収録された「補章」のメッセージで号泣させられ、
    たとえこの後清水さんや、清水さんのご家族が大変なことに
    なりそうでも、清水さんには「正義」をもって報道を続けて頂きたい、
    と思った矢先、文庫版あとがきの最後1ページで本当に
    衝撃を受け、涙が止まらなくなりました。

    そんな清水さんは、この事件の後も様々な事件を
    追っています。
    去年の年末に、「殺人犯はそこにいる」
    という本が出版されています。
    清水さんの活動を後押しするためにできることは
    一人でも多くの方に、知っていただく、読んでいただくことかな
    と思います。是非、読んで頂きたいと思います。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「その余力で市民を守るものだ。」
      何と言うか、、、恐ろしいコトです。
      「文庫版に収録された「補章」のメッセージで」
      早く読まなきゃ、、...
      「その余力で市民を守るものだ。」
      何と言うか、、、恐ろしいコトです。
      「文庫版に収録された「補章」のメッセージで」
      早く読まなきゃ、、、実は予約中。
      2014/04/21
    • ヒロセマリさん
      nyancomaruさん、是非時間のある時にお読み頂きたいと思います。止まらなくなってしまいます。
      nyancomaruさん、是非時間のある時にお読み頂きたいと思います。止まらなくなってしまいます。
      2014/04/21
  • 以前この著者の「殺人犯はそこにいる―隠蔽された北関東連続幼女誘拐殺人事件―」を読んでから、凄まじい取材への熱量と執念を持った記者がいる!と度肝を抜かれた。桶川ストーカー殺人事件は当時ニュースで幾度となくTVで報道されていたし、この事件によりストーカー法が成立したことも知っていた。
    元週刊誌記者の著者が真相を究明し週刊誌で報じなければ、実行犯やそのグループにまでたどり着けず真相は闇に葬られる可能性もあったのではないか。
    過去の事件が風化されることなく、当時事件を知らない生まれていなかった人達にも読んで欲しいと思う。

  • 桶川ストーカー殺人事件は、1999年10月26日に、埼玉県のJR桶川駅前で白昼に21歳の女子大学生が刺殺された事件である。被害者の猪野詩織さんは、刺殺される前からストーカー被害を受け、ご両親と一緒に上尾警察署に出向き助けを求めていたにも関わらず、警察は何もしなかったばかりか、詩織さんからの告訴状を改竄し、告訴がなかったことにしてしまう。更に、事件後の上尾署の捜査は、やる気を疑うほど進捗しなかった。
    筆者の清水潔氏は、写真週刊誌FOCUSの記者であったが、いくつかの偶然にもより、犯人の居場所を特定し写真に撮ることに成功する。これがきっかけともなり、ようやく、犯人は逮捕されることとなった。
    犯人逮捕後、埼玉県警と上尾署は、詩織さんからの助けを求める声をきちんと聴いていれば、事件を防げたはずであるという批判にさらされることになる。また、警察は事件捜査中に、詩織さんについてプラダやグッチを愛用するブランド好きの女子大生であり、風俗店で働いていた的なニセのイメージをマスコミに流し(警察への批判をかわすためであろうが)、大手のマスコミも、事実を確かめようとせずに、そのままの形で報道し、詩織さんの悪いイメージをつくってしまう。
    こういったことを受けて、被害者のご家族は、「娘は犯人と警察とマスコミに3回殺された」と怒りの発言を行った。

    読後感は皆同じではないか。
    被害者の詩織さんご自身とその関係者、特に、ご両親が感じられた無念さ・怒り。埼玉県警と上尾署の無能さと責任感の無さ。そして、筆者の本事件に対しての執念。その執念は、犯人に対して、警察に対して、そして大手のマスコミに対しての怒りから来ているものだ。
    そういったものが、迫力を持って描かれている傑作ノンフィクションだと思う。

  • ストーカー規制法のきっかけとなった桶川ストーカー殺人事件の真実を暴いた、1人の週刊誌記者のノンフィクション作品。

    真実を暴いてくれてありがとう…と身内でもないのに感謝と敬意しかない。
    そして真犯人の死で終えたのは上尾署の大大大失態でしかない。

    事件自体は知ってたけど詳細を読んで改めて警察のずさんな対応に腹が立つ。市民を守るはずの警察と、真犯人に彼女は殺された
    その後の民事裁判も腸が煮えくりかえる。判事もまとめてクソだった。
    例の埼玉県警の映像も見たことあるけど終始ヘラヘラした会見で被害者と国民をバカにしてるとしか思えなかった。


    わたしは20年以ほど前、自分が一人暮らしを始めたばかりの頃
    部屋に誰かがいると勘違いして警察を呼んでしまったことがある
    その時の警察官は「何かあってからじゃ遅いんだから気にせずどんどん頼っていいから」と言ってくれたし
    わたしの帰宅時間にはしばらくパトロールすると約束してくれて1年間くらい本当にその時間にパトロールしてくれた。
    いい警察官もいるのに一部のクズ人間のせいで警察全体が悪く思われそうなのも大迷惑でしかなかっただろう。

  • 本読みならば、読まなければならない本があると思う。
    これは、そういう1冊。

    ひとりの週刊誌記者が、殺人犯を捜し当て、警察の腐敗を暴いた。

    埼玉県の桶川駅前で白昼起こった女子大生猪野詩織さん殺害事件。
    彼女の悲痛な「遺言」は、迷宮入りが囁かれる中、警察とマスコミにより歪められるかに見えた。

    だがその遺言を信じ、執念の取材を続けた記者が辿り着いた意外な事件の深層、警察の闇とは。

    詩織さんの死後に自宅に届いた、つくば万博のときに未来の自分に宛てて書いたた手紙に思わず落涙。。。

    上尾署の対応と隠匿、隠蔽工作には驚愕。
    更にその続く事件にも・・・。

    「記者の教科書」と絶賛された、事件ノンフィクションの金字塔!

  • 2020/12/05
    読了時間 5時間半

    桶川駅前で起こった殺人事件担当することとなった週刊誌記者。取材の中からあらわとなる事件の真相と警察の闇を暴いたノンフィクション。


    読む手が止まらず、一気に読み切ってしまった。

    この話が事実として、存在していたことにおぞましくなった。警察とは市民を守り安全を保証する存在では無いのか。

    “ここはダメだ。「人間」がいないのだ。詩織さんはふたつの不幸に遭遇した。一つは小松に出会ったこともう一つは上尾署の管内に住んだことだ”
    P201より

    こう思わせてしまう警察とは何なのか。怒りとやるせなさで胸が苦しくなった。

    この事件を風化させてはいけない。伝えなければならない。そう思いました。

  • 警察が本当に怖い組織だと思いました。

  • テレビで何度か映像化しているのを見ていたので、作品自体に新鮮な驚きはないが、桶川ストーカー殺人事件は、当時FOCUSの記者であった作者がいなかったら、全然別の結果を招いたかもしれないと思うと、ゾッとする。
    そもそも、この事件には2つの要素がある。
    猪野詩織さんが殺害されたストーカー殺人と、上尾署の隠蔽。
    今作では、悩みながらも、諦めずに取材を続けた作者の執念にただただ脱帽…
    来年で事件から20年。
    その間にストーカー規制法が施行された。
    今、殺害された時と同じ年齢の女子大生は、この事件を知らないかもしれない。
    1人の女子大生の死が世の中を大きく変えたことを、リアルタイムで報道を見ていた私達は風化させない義務があることを忘れないでいたい。

  • 「殺人者は~」を先に読んだし、大体の経緯は知っていたにもかかわらず、物凄い迫力。それ程の勢いで迫って、あの時世論も結局かなり警官不祥事に盛り上がったと思うのに、結局トカゲの尻尾切りで終わったらしいところが何より恐ろしい。

  • 途中、ちょっと読むのが辛くなりましたが読み始めたらするすると読んでしまいました。確かに一時期、犯罪被害者を貶めるような報道が続いた時あったよなぁ。よしんば被害者が売春婦だろうがホームレスだろうが被害にあったという一点だけを報道するべきであってその人の過去や人物像とは本来事件は関係ないものだよな、と改めて思いました。大体、人格や来歴と刑事事件が結び付けられるのであればとっくの昔に犯罪被害者になってなきゃおかしいような人はもっと他に居るはずだし。

    それにしてもこういう、粘着気質の話が通じない人に見染められちゃった場合、どうしたらいいんだろう?警察は及び腰だし、なんせ話が通じないから法的機関に訴えてもなぁ…という感じだし。
    暴力に暴力で対抗するわけにもいかないし(大体普通の人はそんなツテが無いし…)ボディーガードを雇うにもお金が無いと無理だろうしなぁ…。

    出会った時はそんな人だと思わなかった、という言葉がすべてのような気がする。でも犠牲になられた方が運が悪かった、で終わらせてもイカンのですよね。それこそが彼女が後に残した遺言だろうと思うから。

    そして警察の保身には吐き気を覚えますね。一人一人、個人的にはそんな悪い人ばかりじゃないと思うんだけど組織になるとどうしてこうも、固まってしまうのか。今も政府要人の知り合いだか友人だかという繋がりで極端なぐらい優遇措置を取ろうとする公的組織が問題となっておりますが… なんでこうなっちゃうんだろう?とホゾを噛む思いです。もっと自分の仕事に誇りを持とうよ、公務員!と言いたい。出世や保身を考えるばかりではなく誰のための、何のための組織なのだという事をもう一度考え直してほしいものです。

  • 間違いなく星5つ。ノンフィクション。熱量がすごい。文章もわかりやすい。ストーカー規制法ができるきっかけの事件。警察のよくないところも知れた。残念。

  • 読めば読むほど辛かった。上尾署のクソ対応、マスコミのクソ報道、そして犯人の超クソ男。 どうしようもない(呆)
    真実は1つなのに、このクソ達のせいで真実がどこにいったのか分からない状況になってしまっていて、被害者や被害者家族の心境を思うと辛くて辛くて。

    結局私たちが最終的に頼るところ、助けを求めるところって警察しかなく、
    そこがダメダメだとどうにもならないと思った。保身に全身全霊をかけててもうびっくり。

    そして、ネットやSNSが蔓延っている今の時代。
    真の情報はどうやって見つけたらいいのか分からない。

    著者の清水さんがこの事件を取材しなかったら犯人も特定されなかったし、
    上尾署もミスを認めなかったのかなーと思うと、ただただ怖い。

  •  実際に警察は働いていない。それは刑事だけでなく、白バイだって、交通警官だって同じ。
     でも、ここに描かれている上尾警察は酷い。こんなもんだろうなと思う

  • ばちばちにやる気の出る本だった。

    1人の報道人としてのあるべき姿が記されていた。

    こんなふうになれるのはいつになるか分からないが、しっかり勉強していくしかないな。

  • これが現実の話だと思うと怖いと共に
    たしかにあるのだと垣間見えてる気がして
    警察不信になりそう

  • この事件を通して、当時、写真週刊誌FOCUSの記者であった著者が追ったものは、ストーカー殺人の犯人そのものと、被害者の求めに応じず、事件後も適切な対応を行わなかった警察組織の暗部、このふたつです。

    ストーカー事件における主犯者の異常性と卑劣さ、そしてもう一方では著者によって「人間がいない」表される、とある警察組織の事なかれ主義や出世主義による改ざん、隠蔽、無神経さ。二つの問題それぞれを通して、本書には見るべきところが多々あります。また被害者の遺族に対しては不謹慎にあたるかもしれませんが、ミステリー要素も含む読み物としても非常によくできいます。

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著者プロフィール

昭和23年生。皇學館大学学事顧問、名誉教授。博士(法律学)。
主な著書に、式内社研究会編纂『式内社調査報告』全25巻(共編著、皇学館大学出版部、昭和51~平成2年)、『類聚符宣抄の研究』(国書刊行会、昭和57年)、『新校 本朝月令』神道資料叢刊八(皇學館大學神道研究所、平成14年)。

「2020年 『神武天皇論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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