好色義経記 (新潮文庫 な 36-4)

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  • Amazon.co.jp ・本 (211ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101498249

感想・レビュー・書評

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  • 大好きな中丸明氏の著作なので喜び勇んで読んだけど、今回はいまいち。
    中丸明で好色な源義経なんだから面白くないはずないという素材なんだけど、私が編集者ならば両手をあげて賛成だけど、逆に企画だおれしてしまった感じ。
    好色は筆で遊んでいるだけだし、歴史の流れの肝心なところの洞察がいまいち。
    自作に期待しております!

  • (2005.12.29読了)(2005.12.16購入)
    著者は、スペイン文学者なのだろうと思っていたのですが、単にスペインが好きなだけの文筆家のようです。スペインに関するものを読むつもりで、何冊か積読中なのですが、スペインとは関係のない本から先に読むことになってしまいました。

    義経に関するものをあれこれ読んだついでに、つい手を出して読んでしまいました。司馬遼太郎の「義経」でも、義経が実にたくさんの女性の相手をしたということを書いていたように思いますが、この本は義経のそちらのほうの話題のみを集めた本です。義経その人を知りたいと言う人には、ちょっとお勧めできません。えっちな話の嫌いな人にもお勧めしません。最終的な山場は「壇の浦夜合戦記」と言うことになるのでしょう。古典の素養のある方は、直接「壇の浦夜合戦記」を読むほうが早いかもしれません。

    ●股間のものの呼称(10頁)
    義経が、同族の木曾義仲や宿敵の平家に対して振るった軍事的活動は、そのつど目覚しい成功を収め、これがために京での人気が、ぐらぐらに沸騰した。
    上は法皇から、下は市で物をひさぐ女たち、さらには股間のモノ―つまりは於芽古のことだが、於芽古だとか於万古という言葉は、この当時使われていないから、やちを濡れ濡れにして、この男に夢中になった。やちは窪とか谷地(湿地)と当てるが、貴賎もろとも、義経と言う青年に夢中になった。
    ●女遊びの妙味(31頁)
    天保5年、1834年の『色道禁秘抄』に、
    「女を選ぶに、妓(芸者)、娼(女郎)、妻、妾、娘、婢(下女)、嬬(後家)、尼、いずれが佳なりや」
    「答えて曰く。妻は妾に如かず、妾は婢に如かず、婢は盗に如かず」
    と言う問答があるが、こんなに区別を細かくしなくとも、「一盗、二婢、三妓、四妾、五妻」という古今不動の格付けがある。「盗」とは人のカカアをごっつぁんすることだ。
    (世の中が変わってきたので、男遊びと言うのも出てきているのかもしれない。)
    ●奥州の馬(64頁)
    当時の一般の日本産馬が、現在わずかに天然記念物として保護されている、木曾馬のような南方系の小型のものであったのに対し、奥州では、北方系の大型で、能力も優れた馬を飼育していた。平泉では、ペルシャから種馬を輸入していたと言われる。

    著者 中丸 明
    1941年 ソウル生まれ
    同志社大学卒業
    出版社勤務を経て、執筆活動に。
    1968年より毎年スペインに滞在。(スペインと日本半々)

    ☆関連図書(既読)
    「義経(上)」司馬遼太郎著、文春文庫、1977.10.25
    「義経(下)」司馬遼太郎著、文春文庫、1977.10.25
    「炎環」永井路子著、文春文庫、1978.10.25
    「絵巻」永井路子著、角川文庫、2000.08.25
    「大塚ひかりの義経物語」大塚ひかり著、角川ソフィア文庫、2004.09.25
    「義経」宮尾登美子著、日本放送出版教会、2004.11.25
    「平家物語を読む」永積安明著、岩波ジュニア新書、1980.05.20
    「平家物語」高野正巳訳・百鬼丸絵、講談社青い鳥文庫、1994.04.15
    「女人平家(上)」吉屋信子著、朝日文庫、1979.05.20
    「女人平家(中)」吉屋信子著、朝日文庫、1979.05.20
    「女人平家(下)」吉屋信子著、朝日文庫、1979.05.20
    「平家物語 巻之一」光瀬龍著、角川文庫、1987.07.25
    「平家物語 巻之二」光瀬龍著、角川文庫、1987.08.10
    「平家物語 巻之三」光瀬龍著、角川文庫、1989.04.25
    「平家物語 巻之四」光瀬龍著、角川文庫、1989.06.25
    「平家物語 巻之五」光瀬龍著、角川文庫、1989.08.10
    「平泉 よみがえる中世都市」斉藤利男著、岩波新書、1992.02.20
    「奥州藤原氏 平泉の栄華百年」高橋崇著、中公新書、2002.01.25
    「源義経」五味文彦著、岩波新書、2004.10.20

    (「BOOK」データベースより)amazon
    源義経は「判官びいき」に代表されるように、母・常盤御前との生き別れや、兄である頼朝との確執など、その生涯が常に悲劇として描かれた。が、中丸流に史料のウラ側を眺めれば「こいつはただの寿毛平な男じゃないか」という結論になる。事実、彼は出っ歯で赤毛、色白の小男でカッコよくないという。そんな義経の素顔を求め、大胆な推理と解釈を加えて講談調に仕立てた、爆笑の一代記。

  • 中山義秀・訳「現代語訳 平家物語」をオススメします・・・。2007 5/8読了

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