- Amazon.co.jp ・本 (303ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101800110
作品紹介・あらすじ
“封印”された奇書。圧巻の暗黒ミステリ。どうにかしてくれ――。夏休み、友人の建御からの電話に、杵築は耳を疑った。曰く、「俺の家に、天使と悪魔と死神がいる」と。助けを請われた杵築は、神々を名乗る変人を“追い出す”ため、街で起きている連続猟奇殺人事件を調べるが……。繰り広げられる形而上学的論争。尽きぬ謎。そして、幼馴染の狂気。殺人と悪魔召還は、いったい誰の仕業? 『絶望系 閉じられた世界』改題。
感想・レビュー・書評
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男子高校生の建御の元へ現れた飄々とした浴衣の天使、ゲーマーの悪魔、裸でいたがる幼女の死神、暗い顔の幽霊。助けを請われた友人の杵築と、連続猟奇殺人事件と幼馴染み姉妹の狂気。前半はやたらと品のない会話に転ぶけれど淡々としている分嫌悪感には傾かない。終盤のまとめが作品世界を弄ぶようでよくわからなかった。
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電撃と一緒ならそう書いとけ!!!/ 微妙にタイトル変えやがって/ 騙されたわ/ 浮かれてポチった自分が馬鹿みたいだわ/
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旧家の姉妹の妹である烏衣ミワ(うい・みわ)とデート中の杵築(きづき)に、親友である建御(たけみ)から電話がかかってくるところから物語はスタートします。建御の部屋に、天使と悪魔と死神と幽霊が現われた、というのです。助けを求められた杵築は、事代和紀(ことしろ・かずき)という幽霊の少年が死んでしまった原因をさぐることになります。そしてその結果、彼のよく知る人物が、和紀をふくむ多くの人びとの殺害にかかわっていたことが明らかになります。
『涼宮ハルヒの憂鬱』(角川スニーカー文庫)とは一見したところ大きく作風の異なる印象を受けます。ただ、SFないしファンタジー的な要素をとりいれつつも、現代ミステリの問題設定をストーリーに反映させる手法は共通しているといえるように思います。「絶望系」というタイトルが示すように、猟奇殺人の被害者である和紀の永遠回帰的な運命と、真の犯人およびその人物に寄り添う杵築の「日常」への絶望が、古典的なライトノベルの主人公のようにヒーローとしてのキャラクターを演じる建御の対比が、ストーリーの大きな基軸になっているというのが、最大公約数的な解釈だろうと思うのですが、「涼宮ハルヒの憂鬱」シリーズにくらべても、こうした物語設定とプロットのつながりが弱いという印象はいなめません。
著者がめざしているものはよく理解できるように思うのですが、「涼宮ハルヒの憂鬱」シリーズもけっきょくのところ頓挫してしまったことからもわかるように、こうしたテーマを作品のなかで展開するにはちょっと力量不足なのではないかという気がしてしまいます。 -
2017.4.18読了 37冊目
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作者のダークサイドがでた作品
特殊すぎる世界観とエログロ描写に嫌悪感を抱く人は多そう
乙一や京極夏彦に抵抗のあるハルヒファンには避けることをおすすめ -
天使と悪魔と死神と幽霊と連続猟奇殺人事件の話。
読みやすかったけど、内容は薄め。 -
「俺の家に、天使と悪魔と死神がいる」
理不尽な狂気と絶望に彩られる作品
うーん、西尾維新の劣化版という感じ
漫画だったら面白かったのかも -
よくわからなかった。
2016/8/6 -
なぜ自分はこれが読みたかったのだろう?読み終わった今となってはあらすじにも何も惹かれるところがないのになぜ。気の迷いで読んで失敗だったパターン。
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一気に読んでしまったので、ながるん流石やなってところです。読者が感情移入しやすいであろう建御の精神を会話劇でゴリゴリと削り耕す三日目の濃度がやはりたまらん。
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”絶望系”谷川流著 新潮文庫nex(2014/09発売)
(2005/04発売 電撃文庫の再刊。表紙:huke)
・・・どうにかしてくれ――。夏休み、友人の建御からの電話に、杵築は耳を疑った。曰く「俺の家に、天使と悪魔と死神がいる」と。助けを請われた杵築は、神々を名乗る変人を"追い出す"ため、街で起きている連続猟奇殺人事件を調べるが......。繰り広げられる形而上学的論争。尽きぬ謎。そして、幼馴染の狂気。殺人と悪魔召還は、いったい誰の仕業? 『絶望系 閉じられた世界』改題。(公式サイトより)
・・・天使・悪魔・死神・幽霊の同居話を減らして連続猟奇殺人と幼馴染の狂気、悪魔召還を全面に押し出した方が良かったかも?(ラストには繋げにくくなりますが)
まったくもって救いようのない話。
”実験作”(電撃文庫版)・”奇書”(本書)と銘打たれていたのも納得ですね。
・・・あと、ドリームキャスト版バーチャロンが大々的に出ていたのが一番の謎(笑) -
表紙の雰囲気に惹かれて手に取りました。
文章は端正で読みやすかったです。「俺の家に、天使と悪魔と死神がいる」、というあらすじの一文からどんな奇特な物語が展開されるのかと内心わくわくしていたのですが、見事に予想を裏切られました。
それが良い意味でか、悪い意味でかは微妙なところですが……。
内容に関しては淡々と進んでいく感じです。物語上の起伏も特になく、読んでいて胸が詰まるような〝閉鎖感〟を覚えました。
ラストに際しての登場人物たちの会話は純粋に新鮮な観点だったので、「なるほど」と面白く思いました。 -
何がしたいのかよくわからない
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ライトノベルにはまったく明るくなくても、『涼宮ハルヒの憂鬱』のタイトルぐらいは知っているが、プロフィールを読むまでこの人の著作だとはまったく知らなかったw
本作は不条理コメディ要素を多く含むダークファンタジーだろうか。ストーリーはテンポが良く、気軽に楽しめる。 -
ワザと後味を悪くしている感じの、不条理系ファンタジー。天使と死神のクソの役にも立たない言葉遊びで、著者の作風を思い出して、懐かしくなる。 電撃ってたまに本作みたいな濡れ場ありのも出してるけど、とはいえ、このご時世にこういう作品を新潮から出し直すってのも、色んな意味で新潮NEXの本気を感じた。
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【結論から言うと】
読まなくて言いし買わなくていい。定価で買うと後悔すると思われる。すくなくとも私はした。一番してはいけないことは、「ハルヒの著者だから~」という期待。
【読後感想】
谷川流かと思ったら西尾維新もどきだったでござる、みたいな作品。たぶん書いてる人も売れるとか売ろうとかまったく思っていない私小説的なものだと思う。八年前に出た小説の改題だという罠に引っかかったのは私だけでないと思いたい。その頃の勢いで仕事引き受けて、普段自分が書いているモノでは書けない内容や作風をここにぶちこんで執筆バランス取ったんじゃなかろうか。
【内容に関して】
「内容が無いようだ」のダジャレで済ませられるレベル。設定なり人物背景なりもう少し真面目に詰めてくれてもバチは当たらないのよ? 広げた風呂敷だけは一応畳んで終わっているので、星二つ。とはいえ、ハルヒの完成度と比べると、正直ゴーストライターを疑いたくなる。「こういう作品も書けるんですよ」アピールが失敗に終わっている印象強。 -
【内容紹介】
“封印”された奇書。圧巻の暗黒ミステリ。どうにかしてくれ――。夏休み、友人の建御からの電話に、杵築は耳を疑った。曰く、「俺の家に、天使と悪魔と死神がいる」と。助けを請われた杵築は、神々を名乗る変人を“追い出す”ため、街で起きている連続猟奇殺人事件を調べるが……。繰り広げられる形而上学的論争。尽きぬ謎。そして、幼馴染の狂気。殺人と悪魔召還は、いったい誰の仕業? 『絶望系 閉じられた世界』改題。