こちら、郵政省特別配達課(2) (新潮文庫nex)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (382ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101800189

作品紹介・あらすじ

省庁再編で特配が危機に。ついに休業命令が──宅配便各社が台頭するなか、政府は地下深奥部に郵便用リニアを走らせるG-NET計画を進めていた。コンピュータ制御システムは大幅な時間短縮が望める一方、人員削減も必至。しかし、どんな山奥でも、車の入れぬ繁華街の小路でも、人から人へ届けることがモットーの特配。存亡を懸け、ミッションに挑む鳳一と美鳥だが。──特別書下し「暁のリエゾン」60枚、感動の短篇を収録。

感想・レビュー・書評

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  • 2023/07/15-07/23

  • さすがの小川一水さん
    らしい本だった
    前の版でなくてこの版で読めてよかった
    書き下ろしの短編が読めたのはお得
    しかもちょうど3.11の今日に読むなんて
    改めてあの震災きっついなと感じた

  • なんでも採算度外視で届ける、郵政省特配化の活躍を描く完結編。

    今回は対官僚、省庁再編との攻防に。郵便配達に公務員としての矜持をかける主人公たちの戦いが熱い。

    もともとはソノラマ文庫で出ていた作品。
    新潮文庫NEX版では、3.11当時の三陸を舞台とした書き下ろし短編「暁のリエゾン」が追加収録されてます。

  • 宅配便各社が台頭するなか、政府は地下深奥部に郵便用リニアを走らせるG-NET計画を進めていた。コンピュータ制御システムは大幅な時間短縮が望める一方、人員削減も必至。しかし、どんな山奥でも、車の入れぬ繁華街の小路でも、人から人へ届けることがモットーの特配の存亡を懸ける鳳一と美鳥――そして、2011年3月の三陸を描く特別書き下ろし短篇「暁のリエゾン」60枚収録。
    (2005年)

  • 軽くてササッと読み終える。元祖ラブコメともいえるか。多分いろんな人に影響与えていそう。

  • 設定にちょっと無理があるかな〜SFくらいぶっ飛んでたらいいけれど中途半端に現実的なのであまり受け入れられなかった。
    一巻読了時点では「まだ!まだ二巻があるから…!」と思っていたけど、最後まで主役二人が好きになれず。
    お話としては面白かったのでこれはわたしには向いてなかっただけかな。
    細かいことは気にしない、漫画っぽいドタバタ劇が好きな人にはオススメ!

  •  前作「こちら、郵政省特別配達課」の続編。本作は省庁再編で存続危機に陥った特配課の抵抗を追う長編。
     前作のような派手な配送シーンがメインではなく、存続危機に陥ったメンバーがどのように抵抗を試みていったのかが主に描かれている。何でもかんでも機械化が進み、それは配送事業にもいずれは訪れることのようにも思える。しかし、人から人へ送るものだから、やはり人の手を経由して心や思いまで届けるということは大切なことかもしれない。そうした部分ではやはり機械は人にはかなわないし、忘れてはいけないことのようにも思えてくる。

  • ソノラマ文庫→ソノラマノベルス→nex、何故か全ての版を古本で買ってたりするのだけど、どれも放置していたものをようやくnex版で読了。

    若き小川一水の出世作、と言って良いのか…
    マンガ的な暴走が酷くて、若気の至りで済ませるには、ちょっとばかり疵が大きいかな。

    後半の展開はいかにも小川一水ではあるし、おまけの短編も悪くないんだけど、少なくともダービーの話は書き直すべきだったと思うなぁ…

  • 「2014 特別編 暁のリエゾン」
    特配のフットワークの軽さとプロフェッショナルぶりが良い。
    災害の多い今、読んで考えさせられた。

  • 物語としては面白かったのだけど、前半のレーシング小説的な内容と、政治的駆け引きが主体の後半への転調、更には突然の幕引きと、一冊の中でのあまりの変化に戸惑いました。
    本当はもっと長く続くシリーズにしたかったところが、何らかの事情によって二巻目で終わらざるを得なかったのか。
    少し残念な終わり方でした。

  • さっぱりした2人だなぁ。
    相棒としてずっと変わらない関係でいきそう。
    丸く収まるのがわかっていたけど、どんなに最新のシステムになっても最後は人の手なんだ、と改めてわかる。
    最近もらわない切手を貼った手紙はちょっと特別に思えます。

  • 一冊目も大して面白く無かったが二冊目もあまり面白くない
    シリーズが二冊で終わると言う事は大して反響がなかったんじゃないか?
    書き下ろしの短編はつまらなさそうなので未読

  • まさかの特配課解散…。驚いたわ。
    そんな展開が待ち受けてるとは露知らず、カーレース熱いなーと呑気に楽しんで読んでたら…いや、予想外という点に関してはいいのかな?うん?
    G-NETか、将来的に実装されそうなシステムだよなこれ。
    地下鉄とか作ってるくらいだから、こういうシステム導入するようなことが未来ではあるのかもな。
    どんどん近未来化していくもんな、ここ最近の日本というか世界は。
    首都移転とかも本当に現実問題たびたび浮上する話題でもあるし。
    かなり現実的な話作りしてるよなこの作品って。

    それにしてもカーレース熱かった!
    やっぱ美鳥の運転スキルって並じゃないよな(笑)
    一巻読んだ時に、絶対ドライブテク上級者だと思ったもん。
    まさか走り屋のトップに上り詰めた相手をぶち抜いてしまうとは…・
    しかも、仕事の最中の出来事って。なかなか凄いよな。
    ちはるにとって、美鳥と対戦出来たことは良かったよな。
    やりたいことが分かるってのは大事。
    それにしても静の年齢いくつなんだろうか(笑)
    めっちゃ達観してたから気になる。
    というか、まさかのカナがレーサーになるなんて思わなんだ。
    なるとしたら静の方がまだ有り得ると思ってたのに。
    まさかのカナの方だったか。
    ちはるはお父さんを継いでトラックの運転手になったんだろうな、あのまま。

    水無川長官も、元々根は良い人なんだろうけど履き違えちゃったのが敗因だな。
    ただ最後、妻にきび団子届けることでようやく初心に戻ったのは偉い。
    しかし、一体遭難した水無川を助けた先での避難小屋でどんな説得したのやら(笑)

    慧も灘も自分を見なおせて良かったな。
    あの年齢くらいに自分の身を振り返れるのは大きい。
    きっと灘はちゃんと前を歩いていける。
    それに慧がしっかり寄り添っていくんだろうなぁ。

    で、ようやく美鳥と鳳一納まった!
    前回くっついたとこで終わっちゃったからな。
    今回はちゃんとプロポーズもして納めたな、偉いぞ鳳一!
    鳳一、なんだかんだこういうとこちゃんとしてるから言うとは思ってた。
    遭難した水無川助けに登山してたときも、体力温存を念頭に行動してたしな。
    ちゃんとしてるよな。

    最後の震災の話は泣きそうになった。
    タイムリーすぎた。
    こういう救助に来てくれる人いたら本当に心強いよねきっと。
    鷹野はお姉ちゃんと会えて良かった。

    これで終わりっぽいよね?
    綺麗に納まったし、良い作品だった。

  • 主人公が、とんでもない(しかし有効な)閃きでチームの思い込みを打破する。パートナーがそれに乗っかって、やたら理解のいいオジサン上司が許可を出す。
    どこかで見かけたことのある使い古されたプロットは、一体何が初出の元ネタなんだろう。

    権謀術数渦巻く行政を、政治を相手取って、「何でもアリ」と泥臭さだけで勝負する。「機械やデータVS人とその心」(あるいは新しいモノVS古いモノと言い換えてもいい)という構図もそうだけど、設定の突飛さを除けば、物語のパーツ自体は使い古されたものばかり。それでも、今からの視線に耐えうる面白さで、三たび形と版元を変えて読み継がれてきたのも頷ける。

    元々は「追伸」と題して書かれた続編。これは、物語を終わらせるための物語だ。

  • 【収録作品】本編/暁のリエゾン

  • 07/14/2015 読了。

    図書館から。

    後半は組織の話…郵便というか、救助の話になりましたが、
    それでもこういうお話好きだ。

    鳳一と美鳥の仲が、徐々によくなっているけれど、
    詳しくは書かずにさくっと進むあたり。

    書下ろしの暁のリエゾンもいい話でした…。

  • 前巻に続いての荒唐無稽な設定に、やはり若干の違和感を隠しきれない展開。荒唐無稽なればこそ、もっと大胆にホラを吹いて欲しいな、というのは贅沢なのか。文章のリズムがワシと合わないのもあって、折角の設定に入り込めなくて残念。

  • 新書でリアルタイムで読んだ際には郵政民営化前だったので時代に即した話ではあったと思うが、今になっての再刊は第1巻を読んだ時にも思ったのではあるが、何故、今という感もあったが、新たに書き下ろされた短編を読んで納得。でもこの話であれば、もう少し早くてもよかったかも。

  • シリーズ2作目。
    相変わらず突拍子もない設定で、かつ前作より話のスケールが大きくなってました。
    政治はよく分からないけど、色々あるんだなぁと。

  • 郵便ならどんなものでもお届けしますが、モットーの郵務部特別配達課、通称 トクハイ の仕事を描いた作品の第二巻。
    今回はそんなトクハイの存続を脅かすG-NETと呼ばれる配送システムに美鳥と八橋の二人が挑む。そのなかで二人は郵便物を運ぶということがどういうことなのかを改めて実感することとなる。果たしてトクハイはどうなってしまうのか、そしていい感じの二人の関係もどうなるのか。

    一巻を読んでこの作品に引き付けられたのでこの二巻を読むのを楽しみにしていた。実際にこんな仕事があったら面白そうだなと思う。この作品では所々に車などの機械についての説明が細かく描写されていてそういうのが好きな人には面白く感じられると思う。

    あなたは郵便物にどんな気持ちを込めますか? そしてその思いは相手に届いていますか?

  • 一気に、2も読んでしまった・・・・。でも最後の暁のリエゾンが、比べるのは申し訳ないけど・・・「空飛ぶ広報室 有川浩」のあの日の松島のようで、ちょっと悲しくも、前を向いて進んでいこうとする気持ちを表してて好きかもしれません。。お話としては1の続きだから、突拍子もない事を平気でするし、でもやっぱしみじかな場所(京都)の話とかでてきて嬉しかった。
    また続きがあれば面白いのにって思った。

  • 本編の方は、出だしのレース展開はよかったのに、その後の話が前巻とは異なり、郵便とはかけ離れた割と突飛すぎる内容となっており、ちょっと引く展開のため、いまいちと言っていい感じだったが、今回文庫版のために書き下ろされた「暁のリエゾン」はよかった。
    東日本大震災という題材に、きちんと郵便を絡めた味付けをして感動をもたらす展開はグッドでした。なので★4つ。

  • 宅配便各社が台頭するなか、政府は地下深奥部に郵便用リニアを走らせるG‐NET計画を進めていた。コンピュータ制御システムは大幅な時間短縮が望める一方、人員削減も必至。しかし、どんな山奥でも、車の入れぬ繁華街の小路でも、人から人へ届けることがモットーの特配の存亡を懸ける鳳一と美鳥―そして、2011年3月の三陸を描く特別書き下ろし短篇「暁のリエゾン」60枚収録。

  • 特配課 vs G-NET が違った方向に転がって…
    鳳一と美鳥もあそこまで行ったのに、書き下ろしでも以前のままだった。あの距離感がいいのかもね。

  • この本にだけではなくて、今までの著作を通して思うのは、小川一水は絶望も希望も丁寧に書いてくれる作家だという尊敬。同時代に生きて作品を追いかけられるのが本当に嬉しい。

  • 1巻に引き続き、やはり主人公補正が強い…。しかし相変わらず設定が面白い。結末は少々意外だったが、なるほどそういうのもアリか、と思わされた。

  • 今の仕事を守るのは自分のエゴじゃないのか?という問いに、鳳一らしい答えを出して、周りを巻き込む過程は良かった。美鳥は1巻からちょっとパワーダウンな印象。走り屋とか京都とか雪山とかその辺のオーバーな演出も含めて、古典的ヤングアダルド文庫といった感じ。

  • なぜ、郵政省がこんなに強い。。。
    民間配達業者も巻き込んで、大乱闘。
    「〒」マークが輝いて見えるかも。

  • G-NETの構想は面白いと思った。
    効率向上による省力化と、組織の人による仕事、二律背反だけどどちらが正解でも不正解でもない。仕事をしている身としては身につまされるテーマです。
    主人公たちが正義とも言えない話なので、1冊目ほどの爽快感はないです。でもエンディングは結構好きな感じでした。
    追加エピソードは震災がテーマでしたが、どれだけ時間が過ぎても涙が出そうになるテーマです。

  • 巻末にある特別書き下ろし短編の「暁のリエゾン」が秀逸。

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著者プロフィール

’75年岐阜県生まれ。’96年、河出智紀名義『まずは一報ポプラパレスより』でデビュー。’04年『第六大陸』で、’14年『コロロギ岳から木星トロヤへ』で星雲賞日本長編部門、’06年「漂った男」で、’11年「アリスマ王の愛した魔物」で星雲賞日本短編部門、’20年『天冥の標』で日本SF大賞を受賞。最新作は『ツインスター・サイクロン・ランナウェイ2』。

「2022年 『ifの世界線  改変歴史SFアンソロジー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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