天久鷹央の推理カルテII: ファントムの病棟 (新潮文庫nex)

著者 :
制作 : いとう のいぢ 
  • 新潮社
4.01
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本棚登録 : 767
レビュー : 101
  • Amazon.co.jp ・本 (299ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101800271

作品紹介・あらすじ

その病気(ナゾ)、命にかかわるぞ? 炭酸飲料に毒が混入された、と訴えるトラック運転手。夜な夜な吸血鬼が現れる、と泣きつく看護師。病室に天使がいる、と語る少年。問題患者の巣窟たる統括診断部には、今日も今日とて不思議な症例が舞い込んでくる。だが、荒唐無稽な事件の裏側、その“真犯人”は思いもよらぬ病気で……。破天荒な天才女医・天久鷹央(あめくたかお)が“診断”で解決する新感覚メディカル・ミステリー第2弾。

感想・レビュー・書評

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  • 医学の知識は超人的だが、技術力と協調性がまるでない異色の天才、天久鷹央の活躍するシリーズ2作目。

    医学の知識がなければ分からない謎ばかりなのですが、こんな症状がこんな病気に繋がる、こんな特殊な病気がある、など分からないからこそ楽しかったりします。

    相変わらず登場人物たちの勝手ぶりにはちょっとしらけますが、鷹央先生のキャラクターに深みをあたえたのは面白かったです。

    【甘い毒】コーラをがぶ飲みした男が、意識を失い事故を起こして運び込まれる症例。
    「コーラの味が変だった」という証言もあって、多発しているという毒物混入事件の方向に話が向います。しかし、いかにも不健康そうな肥満体の男に読者としては事件なのか病気による事故なのか惑うところ。
    男の横柄な態度等が全て暗示的に一つの答えを指し示しているのが見事です。

    【吸血鬼症候群】輸血パックが盗難されるという事件に加え、粗雑な対応をしている病院の殺伐さが相成って、ホラーテイストの不気味な事件です。
    物のように扱われる患者の様子などがショッキングでした。
    人の機微に疎いという鷹央先生ですが、今回は病院側の内情や面子を慮った対応をしています。

    【天使の舞い降りる夜】原因不明の症状の謎、壁や天井に現れる天使の謎が、一人の少年を軸に多発します。
    ホワイダニットがキーとなっており、切ない真相に行きつきました。傍若無人な鷹央先生があまり好きではなかったのですが、彼女の内面を深く掘り下げる良い話だったと思います。
    ほのぼのとしていたシリーズですが、ここにきて医療の現場のシリアスな面が見れたのは面白かったです。
    小鳥遊先生を気の毒だと思っていましたが、どうやら惚れっぽくしかも積極的なようで、彼も現状を楽しんでいるようで安心しました。

  • 天才的な頭脳を持つ女医・天久先生と、そのわがままにいつも振り回される小鳥遊先生。
    この2人の活躍が様々な『謎』を解く医療ミステリーシリーズ、第2弾。

    今回は、短編2編、中編1編の3編。
    普通の炭酸飲料に毒が混入されたと主張するトラック運転手、夜間に吸血鬼が現れると泣きつく看護師、そして、天使がいると主張する少年。

    特に、最後の『天使』の話は、現代の小児科医療の問題も見え隠れし、たった8才で亡くなった少年の想いを考えると、ウルウルしてしまいます。

    最後の小鳥遊先生の言葉が、印象的です。
    『医者は無力です。でも、無力だからこそ、それを知った上で、はじめて真摯に患者さんと向き合えるんです。』

  • 本当に不思議です。
    第1作目の時もそうでしたが、僕はこの天久鷹央という探偵(厳密には医者ですが)の言動が、鼻について仕方がないのです。
    これまでいろいろとエキセントリックな探偵を見てきているのにもかかわらず、何となく好きになれないのです。
    ワトソン役!?に当たる小鳥遊先生には感情移入して、彼の苦労を思い浮かべて胸が痛くなるほどです。
    それやのに、読み終わって本を閉じる頃には、そんな鷹央が好きになりかけている自分に気づいて、ちょっとうろたえてしまうのです。
    おそらく、いや間違いなく続編が出たら、また買ってしまうでしょう。
    ストーリーは、そうですね、一言で言うと内科の女医版「ブラックジャック」と言ったところでしょうか。
    病院内(時には外)で起こる謎めいた出来事を、天久鷹央が超人的な医学を中心とした知識を駆使して解決するというものです。
    今回は、さらに医者としての葛藤や哀しみも盛り込まれて、読み応え抜群でした。
    って、あれ、やっぱり褒めてます?

  • 知念実希人さんの「天久鷹央の推理カルテ2」読了。推理カルテの短編集。今回はトラック運転手と毒の「甘い毒」、輸血パックが盗まれる「吸血鬼症候群」、少年と鷹央の物語「天使の舞い降りる夜」の三編。二巻は最後の話が特に良かった。久しぶりに目頭が熱くなりました。鷹央の研修医時代の事にも触れられています。相変わらず医療用語はわからないけど、説明もされているし、登場人物の会話も軽快で読みやすいです。次巻以降も読んでいきます♪

  • 破天荒な天才女医・天久鷹央(あめくたかお)が”診断”で解決する新感覚メディカル・ミステリー第2弾。(裏表紙より)

    Karte.01 甘い毒
    ペットボトルに農薬が混入される事件が世間を騒がしているなか、トラック運転手の男が事故を起こし、運ばれてくる。
    意識を戻した男は、運転中に体がけいれんして動かなくなったと訴える…。

    事件との因果関係は、この男自身の問題で起こったのか。
    いろいろ考えましたが、やっぱり外れました…。
    家族の愛が引き起こした悲劇でした。
    細やかな描写が印象的。

    Karte.02 吸血鬼症候群
    療養型病院で輸血パックが消える。
    夜勤の看護師が血液が空になったかじられたパックを見つける…。
    この看護師が鷹央の噂を聞き、調査を依頼する。

    吸血鬼ということで銀製のものやニンニク、十字架のペンダントまで持参してる。
    確証を得るまで否定しない鷹央らしい。
    療養型の問題点をこの事象で取り上げている。
    患者のその後のケアも考えてトリックをしかける鷹央がカッコよかった。

    Karte.03 天使の舞い降りる夜
    小児病棟で退院間近の3人が相次いで急変。
    それと同時にこの病棟で”天使”が目撃されていた…。

    天敵の院長であり、叔父でもある大鷲登場。
    医師として向かい合わなければならない”死”。
    それを避けてきた鷹央。
    前作同様、最後のエピソードは鷹央が人として成長するための一歩を描く。
    鷹央の研修医時代の描写もあります。


    鷹央のいろんな感情、喜怒哀楽が詰まった一冊でした。

  • 短編2本と中編1本の構成。話し方など前回感じていた違和感もなくなり、読みやすくなった。物語は、病気の種類が少し難しくなった感じがあるけれど、わかりやすく解説も入っているので、止まることなく読める。今回も最終編は、鷹央先生が自分と向き合おうと努力するお話。著者が実際の医師ということもあるのか、現場の状況描写が真に迫るところもあり、ドキッとした。題材は少し重いが、読書感は重すぎない。終わり方も辛いだけではないのでほっとする。次作も楽しみ。

  • 2019/6/19~

    炭酸飲料に毒が混入された、と訴えるトラック運転手。夜な夜な吸血鬼が現れる、と泣きつく看護師。病室に天使がいる、と語る少年。問題患者の巣窟たる統括診断部には、今日も今日とて不思議な症例が舞い込んでくる。だが、荒唐無稽な事件の裏側、その“真犯人”は思いもよらない病気で…。破天荒な天才女医・天久鷹央が“診断”で解決する新感覚メディカル・ミステリー第2弾。

  • コーラに毒が混入されたと訴えるトラックの運転手、"吸血鬼"が現れると相談にきた看護師、天使がいると語る少年たち…不思議な症例を天久鷹央が解決するメディカルミステリー。

    3話めは外で読んだらダメ…

  • 鷹央の健太に対する気持ちが、一般人っぽくて、じーんとした。
    鴻ノ池のような人になりたい。

  • 前作と違って知らない病名が出てきて面白かった。ようやく独特なキャラクターにも馴れてきて楽しめるようになってきました

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著者プロフィール

知念 実希人(ちねん みきと)
1978年、沖縄県生まれ。医師。2011年、第4回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞を受賞した『誰がための刃 レゾンデートル』で作家デビュー。その他の作品に『螺旋の手術室』(『ブラッドライン』改題作)、『優しい死神の飼い方』(死神シリーズ)、『天久鷹央の推理カルテ』シリーズなどがある。
近刊として2018年9月刊行の『ひとつむぎの手』。

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