天久鷹央の推理カルテII: ファントムの病棟 (新潮文庫nex)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (299ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101800271

作品紹介・あらすじ

その病気(ナゾ)、命にかかわるぞ? 炭酸飲料に毒が混入された、と訴えるトラック運転手。夜な夜な吸血鬼が現れる、と泣きつく看護師。病室に天使がいる、と語る少年。問題患者の巣窟たる統括診断部には、今日も今日とて不思議な症例が舞い込んでくる。だが、荒唐無稽な事件の裏側、その“真犯人”は思いもよらぬ病気で……。破天荒な天才女医・天久鷹央(あめくたかお)が“診断”で解決する新感覚メディカル・ミステリー第2弾。

感想・レビュー・書評

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  • 天久鷹央シリーズ第2弾!
    ちょっと泣けた。
    子供系は弱いです。
    3篇からなる短編連作ストーリ。

    ■甘い毒
    コカ・コーラに毒が混入されて、それで事故を起こしたと訴えるトラック運転手。
    しかし、薬物は検出されず。
    いったい何が起きたのか?
    鷹央の見立てが事件の真相を明らかにします。

    ■吸血鬼症候群
    生活保護者を受け入れている病院で発生した吸血鬼騒動。血液パックが盗まれ、捨てらていた事件。
    血を求める吸血鬼がいるのか?
    途中、異食症が血液を求めるって本当?、ちょっと無理かるかなって思っていたら、その先がありました。
    なるほど、という展開。
    スッキリ解決して良かったです。

    ■天使の舞い降りる夜
    病室に天使が舞い降りるのを見たという健太。
    さらに、過去その少年をいじめてた少年3人。
    その少年3人が退院近くになって、ほぼ同時期に症状急変。3人に何が起きたのか?
    そして、今回はその事件の真相を明らかにしようとしない鷹央。
    過去、鷹央と健太に何が起きたのか?

    鷹央の真の想い。その想いに涙が出た。
    鷹央が見せた本音。
    健太への想い。
    これは、泣ける。

    とってもお勧め!

  • 知念実希人さんの医師としての矜持を見たような気がする「天久鷹央の推理カルテ』シリーズ巻の二です

    どんな病気(ナゾ)もスバリと解き明かすスーパードクター天久鷹央に2巻目にして挫折を味あわせます

    すごいね〜
    「早くも!」って感じです

    だけどそこに知念実希人さんの強い想いを感じ取れました
    全ての病気を治せる医者なんていないんだよ
    どんなに悲しくどんなに不条理でも受け止めて前に進まなければならないことがあるんだよ
    それは医師という職業、立場に限ったことでなく

    天久鷹央と一緒に前に進もうぜ!

    それが知念実希人さんのメッセージのような気がしました

    • 1Q84O1さん
      ドクター天久鷹央、私のストレスという病気を治して〜!
      ドクター天久鷹央、私のストレスという病気を治して〜!
      2023/12/29
    • ひまわりめろんさん
      うーん、無理じゃね?(現実的回答)
      うーん、無理じゃね?(現実的回答)
      2023/12/30
    • 1Q84O1さん
      やっぱり…(;^ω^)
      やっぱり…(;^ω^)
      2023/12/30
  • レビュー1,000冊記念に手にした天久鷹央シリーズ第1作、あれからもう3ヶ月半もたったんだ^^;

    シリーズ作品、ながらく積読になっていた間にシリーズ完全版が発売...

    気にはなりますが、ここはグ~ッと我慢して先ずは元祖を読まないとね^^;

    やっぱ凄いなぁ、知念先生(`✧ω✧´)
    シリーズ第2作となる本書には「甘い毒」「吸血鬼症候群」「天使の舞い降りる夜」の3つのストーリがおさめられていました。

    ふと疑問に思ったのですが...
    医療従事者の方や医師が本シリーズを手にしたらどんな風に感じるんだろう...

    きっと数多の読者の中には医療従事者の方や医師の方もいらっしゃるはず。
    宜しければ是非とも感想を教えて頂きたいです。

    主人公の天久鷹央は間違いなく天才医師です。
    でもそれは現役医師でもある知念先生が医師としての知識を使い、もしかすると結論(答え)ありきで仕組まれたプロット故になせることなのかも知れません。

    各話毎に仕組まれたプロットもさることながら、本シリーズの魅力を際立たせているのはやはりキャラ設定。

    天才医師の天久鷹央の設定が一層際立ってみえるのはやはり「天使の舞い降りる夜」。

    8歳の親友健太の死と向き合う天久鷹央の姿は多くの読者を一層物語の世界に引き込んだことでしょう。
    健太を看取りが自分の無力さを感じている鷹央に小鳥先生が発した言葉
    「みんな無力ですよ。でもたぶん、医者は自分が無力であることを知らないといけないんだと思います。そうしてはじめて患者さんに真摯に向き合えるんじゃないですか」
    これが本書の全てだった。

    いろんな謎が仕組まれ、天久鷹央の知識により真相が解明される。
    それがきっと本シリーズの大筋なんだと思います。

    しかし、そこに個性派のキャラが揃うことで、本シリーズは更に魅力ある作品へと昇華した。

    医療に関する知識なんて持ち合わせていない私でもこんなにのめり込める作品と出会えたことには感謝しないと(ㅅ´꒳` )





    その病気(ナゾ)、命にかかわるぞ? 炭酸飲料に毒が混入された、と訴えるトラック運転手。夜な夜な吸血鬼が現れる、と泣きつく看護師。病室に天使がいる、と語る少年。問題患者の巣窟たる統括診断部には、今日も今日とて不思議な症例が舞い込んでくる。だが、荒唐無稽な事件の裏側、その“真犯人”は思いもよらぬ病気で……。破天荒な天才女医・天久鷹央(あめくたかお)が“診断”で解決する新感覚メディカル・ミステリー第2弾。

    内容(「BOOK」データベースより)

    炭酸飲料に毒が混入された、と訴えるトラック運転手。夜な夜な吸血鬼が現れる、と泣きつく看護師。病室に天使がいる、と語る少年。問題患者の巣窟たる統括診断部には、今日も今日とて不思議な症例が舞い込んでくる。だが、荒唐無稽な事件の裏側、その“真犯人”は思いもよらない病気で…。破天荒な天才女医・天久鷹央が“診断”で解決する新感覚メディカル・ミステリー第2弾。

    著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

    知念/実希人
    1978(昭和53)年、沖縄県生れ。東京慈恵会医科大学卒業。2004(平成16)年から医師として勤務。’11年、「島田荘司選ばらのまち福山ミステリー文学新人賞」を「レゾン・デートル」(『誰がための刃』と改題し、’12年刊行)で受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

  • 「天久鷹央の推理カルテ」の2冊目。

    それにしても世の中には聞いたこともない病気がたくさんあるものね。それを全部頭に入れているお医者さんて本当に凄い。
    最初の2つの話は前作と同様のテイスト。ユーモラスな雰囲気の中、ほっこりさせたりさりげなく社会的問題に触れたり。一件落着したと見せかけてそこからもうひと転がりするところも捻りが利いている。

    3つ目の話は二話分のページを割いて描かれる鷹央と患者の少年の物語。
    子どもの死と向き合わなければならなくなって、無力感にさいなまされ丸まってしまったり、空気を読めないことを自覚して会うのをためらったりするところは、いつもの姿からするとやや違和感があるが、まあ、そういうキャラクターということね。
    最初にお医者さんて本当に凄いと書いたが、そういう医師であっても治せない病気や救えない患者がいることを示して、その無力さを自覚しながら、それでもまた患者に向き合わなければならない医師という職業について、作者の思いを知るところ。


  • あぁ…泣いた…(༎ຶ⌑༎ຶ)
    小児科系はやっぱりキツイなぁ……。



    今回も安定の面白さ(*´∀`*)
    医療系のトリック、ホント面白い!!


    【甘い毒】

    肥満体のトラック運転手が事故で搬送される。
    本人はコーラに毒が盛られていたと言う。
    検査の結果、毒は検出されず…。


    菓子やコーラばかり摂取し、170cm、140kgの肥満体。
    糖尿病かなと思いきや、健康体。
    謎だらけの事故に、鷹央が挑みます(*^^*)

    体内では、気づかず色んな事が起きていますね…(-_-;)
    初めて聞く病気ばかり。勉強になります。


    【吸血鬼症候群】

    生活保護者を積極的に受け入れている病院。
    意識のない患者ばかりなのをいい事に、積極的なリハビリもせず、ひどい環境。
    そんな病室で、血液の減った輸血パックが捨てられていた。
    吸血鬼の仕業だと噂がたつ。
    果たして吸血鬼は存在するのか…。


    ●異食症 無機物などの本来食用にならないものを、無性に食べたくなる症状。
    土やチョーク、氷など。貧血のある女性に多く、特に妊娠中によく見られる。原因としては鉄欠乏、亜鉛欠乏、強い精神的ストレス。脳の疾患による異常行動としてあらわれる場合もある。

    私の知り合いに、異食症だったのかも…?と思い当たる症状の方がいました。
    氷をひたすら食べていた彼女…。
    今思うとストレスを感じていたのかな(´・_・`)

    知っているのと知らないのでは対応も変わりますよね…。
    知っていたら何かできたかも…と思ってしまいます。

    ●ヘモクロマトーシス 体内に過剰に取り込まれた鉄が様々な臓器に沈着し、障害をきたす疾患。特に肝臓や心臓などに蓄積すると、肝硬変や心不全を引き起こし、致命的な症状をきたすこともある。

    鉄、不足しがちっていう感覚ですが、取りすぎても怖い…:(´ºωº`):


    【天使の舞い降りる夜】

    「天使を見た」と証言する、小児科の患者と看護師。
    いつもなら鷹央が食いつきそうな不思議な現象だが、あまり乗り気ではない様子。
    心配する姉、真鶴(まづる)と、ここぞとばかりに統括診断部を廃止しようと機会を伺う叔父。
    鷹央の過去と、小児科との関係は…?

    泣きました(༎ຶ⌑༎ຶ)
    ダメですって〜。小児科…。
    小さいのにすごく頑張って病気と闘っている事を考えると、自分はなんて甘いんだろうと思っちゃいます…(´;︵;`)
    なんか、色んな事を忘れて日常生活を送っているのが申し訳なくなってしまう。

    これは、鷹央の成長のお話でもあります。

    鷹央を通して興味深い症例をたくさん知る事ができるので、とても勉強になります。
    中高生のうちに読みたいシリーズだなと思いました。
    鷹央と小鳥君の関係も気になるところ♡
    個人的に鴻ノ池舞ちゃんが好き(*´ー`*)

    続きも是非読んでいきたい!!

    おすすめです!




  • 天久鷹央の推理カルテII

    今回もイッキ読みです。

    今回は医療知識のある人は、謎解きが出来ると思います。
    切なくなる話でした。←読んだらわかります。

    短編が3つ
    ・甘い毒
    ・吸血鬼症候群
    ・天使の舞い降りる夜

    ファントムの病棟の『ファントム』ってそう言う事だったのね。

  • シリーズ2作目。
    今回の事件はどれも切ないものだった。
    特に「天使の舞い降りる夜」は、子どもの死に向き合いきれない鷹央やお母さんに共感しながら読んだ。
    小児病棟ものには、やっぱり弱いみたい。

  • 天久鷹央の推理カルテの第二弾。
    今回も見事な推理力で問題を解決していきます。
    最後の天使が舞い降りる夜という話では目頭が熱くなりました。

  • 今回も面白かった(*^^*)
    医師としては優秀でも、人としては未熟。そこが天久先生の魅力なんでしょうね。

    うー、いりいろ積んであるというにまずい(;^_^A

  • 鷹央ちゃんと小鳥くん、いいね!
    バタバタしてる楽しいコンビなのに、お話はジーンときちゃう。このギャップがいいかも。
    軽く読みたい時に。

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著者プロフィール

1978年沖縄県生まれ。東京慈恵会医科大学卒業。医師。2011年、第4回「ばらのまち福山ミステリー文学新人賞」を受賞し、12年、同作を改題した『誰がための刃 レゾンデートル』で作家デビューする。代表作に、「天久鷹央」シリーズがある。その他著書に、『ブラッドライン』『優しい死神の飼い方』『機械仕掛けの太陽』『祈りのカルテ』「放課後ミステリクラブ」シリーズ等がある。

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