その白さえ嘘だとしても (新潮文庫nex)

著者 :
制作 : 越島 はぐ 
  • 新潮社
3.73
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本棚登録 : 1045
レビュー : 90
  • Amazon.co.jp ・本 (348ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101800349

作品紹介・あらすじ

あの頃の僕らは、誰かのヒーローになりたかった。クリスマスを目前に控えた階段島を事件が襲う。インターネット通販が使えない――。物資を外部に依存する島のライフラインは、ある日突然、寸断された。犯人とされるハッカーを追う真辺由宇。後輩女子のためにヴァイオリンの弦を探す佐々岡。島の七不思議に巻き込まれる水谷。そしてイヴ、各々の物語が交差するとき、七草は階段島最大の謎と対峙する。心を穿つ青春ミステリ、第2弾。

感想・レビュー・書評

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  • 階段島シリーズ第2弾。
    ライトノベル的ファンタジーの雰囲気に騙されそうになるけれど、実は非常に鋭く厳しい視点を持つ作品。だけどその先には、人の欠点すらも肯定する優しさがある。
    若者向けの外面ながら、いい大人でも充分楽しめると思います。
    ただ、今回は少々叙述トリックを多用し過ぎかな。

  • 今巻で魔女が誰なのか分かってびっくり。
    堀が魔女だったのか。
    最初堀かなーとは思ったけど、途中からやっぱ違うかなって思ったから少し驚いた。
    でも、七草の発言が気になる。
    時任さんは恐らく魔女だって言ってたのに、堀が魔女だと確信して聞いたから一体どういうこと?
    時任さんだと思ってたけど、E線を持ってきたのが掘だからそこで堀だと確信して思い直したってこと?
    それとも時任さんのことも魔女だと思ってる?
    魔女は2人?
    そこがちょっと気に掛かった。

    七不思議のトリックは見事だった。
    豊川が仕組んだとはね。
    そんなにバネの上の店主に演奏聴かれたくなかったのか。
    というか、店主がバイオリン奏者だったなんてな。
    もう弾くことは無いのかな階段島にいる限りは。

    トクメ先生が超絶ゲーマーとかまじか。
    しかも、美女。
    トクメ先生何者なの。
    これ掘り下げてくれるよね!?
    トクメ先生のこともっと知りたくなったわ。

    委員長が結構腹黒で笑ってしまった。
    でも、由宇との距離が縮まったみたいで良かった。

    七草と由宇はまた少し良い感じに。
    由宇はやっぱり七草相手だと違うよなぁ、委員長の言うとおり。
    他の人には確かに無頓着だけど、七草のことはちゃんと考えてるもんな。
    プレゼント渡してたし。
    手袋だと思ったわ(笑)

    一巻で結構綺麗な区切りがついたからどう続くのか不安だったけど、杞憂だったわ。
    これなら次も読んでみよう。

  • 〇クリスマスイブに向けて起こるたくさんの謎。解決する七草たちの姿は愛おしささえ。
    突然、階段島で起こる事件。
    突然ネット通販の荷物が届かなくなり、島のみなが大混乱に陥った。
    真辺は七草と共に探し始める。
    しかし、他にも次々と事件が起こり始める。
    大量に配達しなければならないクリスマスカード(時任さんの仕事)、中等部の少女の切れてしまったE線(探すのは七草のクラスメイトの佐々岡の仕事)、豊川さんに浮上したストーカーされている疑惑(水谷委員長の仕事)、大地くんがいなくなってしまったこと。探したい魔女の正体。
    そして、クリスマスに関する七不思議が、島中に広がっていて、それが少しずつ実現してきていること。
    七草と真辺、そして水谷・佐々岡・時任たちはこの謎を一人ひとり連携しながらバラバラに探していく。そこでそれぞれがたどり着いた真実と、謎が起こった理由とその結論は・・・!


    一つひとつの謎が一つの結論に収斂していくさまは秀逸。
    すべてが違うように見えて実は一つの課題を解決するために一人によって仕組まれたことだとは、明かされるまでは全く気付かないだろう。―――前作も読んでいる勘のいい人以外は。犯人がわかっても、どのみちその思考までは読めないはずだ。

    再読してはじめてわかったこと。
    p247をじっくり読まないとタイトルの意味を推測できなかった。
    水谷が、真辺に嫉妬する(ようにわたしには見える)場面がある。水谷は真っすぐに正しいつもりなのだろう。しかし、真辺は水谷以上に真っすぐだ。自分の行動の軸がどちらにあるか、の違いなのだろうか。どちらも正しく、どちらも間違っているようにも思える。
    しかし、"白はなんにも混ざらない色だ。あらゆる混色が決して届かない色だ。まっ白なヒーローを目指す混色の少年は、まっ白な優等生を演じる混色の少女は、きっとそのことに自覚的だ。なのに純白から目を逸らせない。それが美しい色だと知っているから。純白を目指す混色の幸福とはなんだろう?僕にはその答えがわからない。(p247)"
    と七草に筆者が語らせているように、真辺は純白だ。真辺は誰にも混ざらない。誰からも混ざらない。混ざってはいけないのだ、と七草が願っている。
    たとえ、水谷や佐々岡が嘘の白さだったとしても、(彼らの高校生らしい一生懸命さには嘘の白さも読者は感じることはないのだろうけど、)本当の白さはこの物語では、否、ほとんどすべての人間は持ち合わせていないのではないか。真辺以外は。


    p66の比喩の意味はわからない。
    でも、七草と真辺の関係性を示しているのだろうし、きっと次作以降を読んだらわかるかもしれない。しかし信頼しあっているが恋愛関係ではないかもしれない、みたいなこの関係は切なくなる。悪い意味ではなく、応援したくなる意味で。

    たくさんの謎を解決する七草は頼もしい探偵だが、それ以上に、この物語に出てくるお互いがお互いに思いやりやそれに近い感情を持っていて、愛おしい。ここに出てくる感情を大事にしたいな、と思った。

  • ■あの頃の僕らは、誰かのヒーローになりたかった。

    クリスマスを目前に控えた階段島を事件が襲う。インターネット通販が使えない――。物資を外部に依存する島のライフラインは、ある日突然、遮断された。犯人とされるハッカーを追う真辺由宇。後輩女子のためにヴァイオリンの弦を探す佐々岡。島の七不思議に巻き込まれる水谷。そしてイヴ、各々の物語が交差するとき、七草は階段島最大の謎と対峙する。心を穿つ青春ミステリ、第2弾。

  •  ある日突然起こったインターネット通販の停止
    噂になるクリスマスの七不思議
    前作でもおなじみの登場人物がクリスマス・イブに
    それぞれの目的のために行動を起こします。
    ある人は"ヒーロー"になるため、ある人は"他人に認めてもらいたい"ため、ある人は”魔女を見つけるため”
    普段の日常とはちょっとちがう、でもどこか懐かしいそんな雰囲気を感じることのできるファンタジー作品

    要約すると七草君マジイケメンって話

  • 河野裕のその白さえ嘘だとしてもを読みました。

    階段島を舞台にした物語の2冊目でした。
    主人公の七草、同級生の真辺由宇、佐々岡、学級委員長の水谷たちが、クリスマスの七不思議に翻弄されながら、クリスマスパーティの準備に走り回ります。

    登場人物たちはそれぞれ性格に欠けたところがあるのですが、それでも必死に行動していきます。
    七草はクリスマスのうちに、階段島を管理しているという魔女を探すことが出来るのでしょうか。

  • 最初はなんだかよくわからない

    クリスマスイブの階段島で何が起こっていたのか

    それらのことがどう繋がっていくのか

    七草の頭の中はどうなっているのか

    でも今回、何人かの心の中がわかったし
    魔女の正体もわかったので
    今後の展開か楽しみではある

  • 階段島シリーズの2冊目。

    プロローグの中で、真辺由宇について『ルールを破る人を目にしたときに顔を覗かせる健全な感情に、手足を生やして人の形にしたような、そんな女の子』と書いてあるのを見て、確かにと笑ってしまう。
    更に『階段島はあまりに都合よく設定された箱庭だ』とあり、ここだけ切り取るのはどうかと思うのだけど、反面、作者もそう思っているのかと苦笑いが続く。
    前作から引き続き、自分に捨てられた人々が住む、しかし、それなりに快適な島という設定だが、今回は、クリスマスを前にネット通販が使えなくなってというところから始まる話。そうそう都合良く生きられないってか。

    ところどころに思索的な文章が挟まれながら話が進むのは前作の通り。例えば、七草と真辺との些細な会話、七草が考える”ヒーロー”について、佐々岡がこだわる”主人公”について…。
    『彼女に対して、なにか、愛情と呼べるものがあることは間違いない。でもそれを好きって言葉でまとめちゃうと、色々ややこしいことになる』って、どうよ。

    階段島のクリスマス七不思議、佐々岡が探すバイオリンの弦、委員長のプレゼント選び、突如送られてきた大量のクリスマスカード等々、色々なイベントが積み重なり、その重なりの謎が七草によって解きほぐされるというか、七草には最初から分かっていたという風な話にまとまるのも前作と同様の運び。
    水谷や佐々岡の自分から捨てられた人格・性格が良く分かったのだったが、それぞれ人の誰もが持つような弱さであったが故に、なかなか愛おしい話になった。

    比喩と断られて綴られる金貨の話や、時々訳の分からない独り言ちがあったりする時任の存在など、まだまだ謎だな。

  • 目的不在の物語である。階段島の秘密という大きな謎のあった前作と違い、本作では劇的な物事は起こらず、奇妙な事件の解決に奔走する作りとなっている。微妙な距離感の登場人物たちが纏う喪失感と叙情的な語り口はマッチしているため、雰囲気は素晴らしいのだが、肝心の事件が何かを脅かす重大なものではなく、解決に走る動機も目的意識もいまいち伝わらなかったのが残念だった。階段島は所謂モラトリアム的な空間であるのだが、そのモラトリアムにつきものの不安感や焦燥感などが無いのが大きな違和感として残っている。恐らく次作以降に描かれるのであろうが、せっかくの続編なのに中継ぎのような話だったのは非常に勿体ないと思った。

  • 七草くんは無口なので、何を考えているのかわかりにくい
    事なかれ主義を貫くためにあまり感情的にはならない
    でも、周りの人を守ろうと、人より色々を考え行動している
    守るために真実を隠したり、自分が悪者になろうとする
    真辺さんはみんなが幸せになるために原因を白日のもとに晒し向き合う
    ふたりは真逆だけれど思いは同じ
    階段島は捨てられた人たちが生きる島
    みんな自分の欠点に悩む
    でも、欠点があるから人間は面白いんだ、と信じたくなる回だった

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著者プロフィール

徳島県出身。グループSNE所属。2009年に『サクラダリセット CAT,GHOST and REVOLUTION SUNDAY』で、角川スニーカー文庫よりデビュー。若者を中心に人気を博し、シリーズは7冊を数える。他著作に「つれづれ、北野坂探偵舎」シリーズ(角川文庫)、『いなくなれ、群青』(新潮文庫)などがある。

「2017年 『ベイビー、グッドモーニング』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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