謎好き乙女と壊れた正義 (新潮文庫nex)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (314ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101800455

作品紹介・あらすじ

その青春(ミステリ)は間違っています。紫風祭。藤ヶ崎高校の学園祭を早伊原樹里と回ることになった春一は、その道中で相次いで“謎”に遭遇する。開会式で用いる紙ふぶきの消失。模擬店と異なる宣伝看板を並べる実行委員。合わない収支と不正の告発。初夏の一大イベント真っただ中で起こる事件を追う中で、二人は学祭実行委員長・篠丸の暗躍を知る……。正義とは何か。犯人は誰か。切なくほろ苦い青春ミステリ、第2弾。

感想・レビュー・書評

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  • 高校生たちの恋愛模様の心理戦を扱ったものといっていいかな。でも、人のためにするのは偽善なのか、結局は自分のためと割り切るのか、人の心理を推理できるのは思いやりなのか、という結構難しいことを問うているよ。主人公のミステリーを引き寄せる体質のために近づいた早伊原樹里は、毒舌の気の強い女子のようでいて、主人公の過去に向き合わせるおぜん立てをしたし、今回もまだいろいろ引きずっている主人公に新たな決心をさせている。樹里本人もいろいろ抱えているのかもしれない。次回も楽しみになる。それにしても、作者が平成4年生まれとはなあ。驚くね。

  • 「宣伝されている模擬店が存在しない理由」
    グダグダな司会と張り出された昨年の案内板。
    彼の言うとおり全てを知ったうえであの勝負を挑んでいたとしたら、狡いとかの問題でなく周りの迷惑などを考え自ら先に解決すべきだったのではないだろうか。

    「紙ふぶきの中に「好き」と書かれたものが混ざっている理由」
    前日に無くなったノートの行方と刻まれた紙ふぶき。
    本当の心情は関係者にしか分からないだろうが、親友と呼べるほどの友人が常に意中の相手のことしか自分に問わなくなったら寂しく感じはするだろうな。

    「学校のいたるところに同じラクガキがある理由」
    不正の事実と正しい答えに辿り着きたくない訳。
    言葉ではうまい事言っておいて事実はただ私欲のために作られたレースなど、誰も認めることは出来ないだろうし悔しいだろうな。

    「シフトに入らなかったことになっている理由」
    作成したシフトと皆が知る異なるシフト。
    これに至っては彼女の意見に同意せざる得ないと思うが、傷付く怖さを知った彼からするとその正論も枷の一つになりうるのかもしれないな。

    「彼女の理由」
    全てを背負い自分を殺し終えようとした学園祭。
    感情の変化に気付いた時、彼女は自分を殺す事で友人が幸せになるならと無意識に身を引いたなど普通なら中々出来ることではないだろうし、本当の自分を偽るのはかなり苦しかったろうな。

  • 学生時代の学園祭を
    思い出しながらこの本を楽しめることが
    できました。

    主人公と謎好き女子高生との
    会話にニヤニヤしたね

    主人公の姉さんの言葉の
    愛とは、恋とは、正しいとは
    なかなか為になったね

    青春したいなぁ

  • なるほど。
    篠丸先輩はそうでしたか。叙述トリックをここまで引っ張ったことに賛同できるかは微妙なところ。
    内省的な記述がやや過剰なところは良さではあるものの、時には読みにくさにも繋がっているかな。
    この先の展開も期待できそうなので、読み続けてみます。

  • 文化祭が充実していて何よりです(べ、別にうらやましくはないんだからな)。
    ちょっとした誤解やアイデアのために文化祭中に発生したミステリーを解くなんて、ものすごい面白そう。
    死なないミステリーの醍醐味という感じがする。
    それにしても一週間くらい?でこんなにミステリーに遭遇するなんて、つくづく「体質」はすごい。
    それが正義でも偽善であっても、後悔しないように自らが正しいと思ったことをするという答えには脱帽。
    生徒数が1000人で一年生が160人という人数比に違和感。中等部と高等部合わせて1000人、高等部の一年生が160人の間違い?
    もしかして文化祭一日だけ?
    あんなに凝っているのに残念。

  • 前巻に引き続いて、謎の裏に秘められた人の想いが大事にされているのがよいですね。善意と偽善、他人のためか自分のためか、正しいことはよいことか。前回で一旦は区切りをつけた主人公の過去ですが、そう簡単に乗り越えられるものではなく、ストーリーの中で自分の心にさらに深く向かい合っていくのがよかったです。友人もてすぎですね。

  • 主人公が本当の意味で過去を乗り越えられたシーンが印象的。そこから驚きあり、感動ありでラストの畳み掛けが凄い。

  • その青春(ミステリ)は間違っています。紫風祭。藤ヶ崎高校の学園祭を早伊原樹里と回ることになった春一は、その道中で相次いで“謎”に遭遇する。開会式で用いる紙ふぶきの消失。模擬店と異なる宣伝看板を並べる実行委員。合わない収支と不正の告発。初夏の一大イベント真っただ中で起こる事件を追う中で、二人は学祭実行委員長・篠丸の暗躍を知る……。正義とは何か。犯人は誰か。切なくほろ苦い青春ミステリ、第2弾。

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    ラノベ感すごいけど、おもしろいからさくさく読める。

  • 主人公二人のディスり合いが面白くなってきました!

  • 前作で"謎を呼び込む体質"の根本と対峙した春一は、しかし結局向かい合えても受け入れることまではできていなかった。的な。

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著者プロフィール

作家

「2019年 『アオハル・ミステリカ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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