天久鷹央の推理カルテIV: 悲恋のシンドローム (新潮文庫nex)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 2212
感想 : 141
  • Amazon.co.jp ・本 (314ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101800578

作品紹介・あらすじ

小鳥。この事件は、お前が解決するんだ。天医会総合病院の看護師、相馬若菜から友人の殺害事件について相談をうけた天久鷹央(あめくたかお)と小鳥遊(たかなし)優。喜び勇んで謎の解明にあたる鷹央だったが、その過程で“事件から手を引く”と宣言する。なぜ、彼女ではこの謎を解けないのか。そして、死の現場から“瞬間移動”した遺体に隠された真実とは――。驚きのどんでん返しと胸を打つクライマックスが待つ、メディカル・ミステリー第4弾。

感想・レビュー・書評

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  • 天久鷹央の推理カルテⅣ

    今回もイッキ読みです。

    短編が3つ
    ・迷い込んだ呪い
    ・ゴミに眠る宝
    ・瞬間移動した女 

    悲恋のシンドローム←このシンドロームが事件の鍵です。 
    読み進めて行くと、医療知識のある人はわかると思いますよ。

    自分は楽しんで読みました‼︎

  • ☆4

    シリーズ4作目

    本作も(いつもの事ながら)続きが気になり過ぎて…一気読みでした!
    「瞬間移動した女」が特に印象に残ったお話だったのですが、最後は温かい気持ちになれたものの…とても切ないお話でした。
    大好きなシリーズなので、次作も楽しみたいと思います❁⃘*.゚

  • '22年5月24日、読了。Amazon audibleにて。知念実希人さん、5作目。

    温かい終わり方で、とても満足しました。でも…

    作品に罪はありませんが、ちょっとシリーズにハマり過ぎかなぁ、と思い始めました。いい歳こいたおっさんが、なんて…╮(╯_╰)╭

    知念さんの、シリーズ外の作品に行くか、それとも…ま、いいか(~‾▿‾)~好きなものを好きに読む(&聴く)のが、一番幸せだもんね〜ハハハ(^∇^)ノ♪

  • このシリーズはどこから読んでも良いので、いいなぁ。
    天久兄が、名前だけだけどここで登場なのね。しかし、ここの兄妹は共に人が苦手というのがなんともσ^_^;

    それが面白さかもしれないけど。

  • 「瞬間移動した女」より。

    『この事件は、私には解決できない』
    『お前が、この事件を解決するんだ』
    『お前以外に、この事件を解決できる者はいないんだ』
    なるほど、天久先生が小鳥遊先生に言った言葉は、そういう意味だったんですね...

    看護師・相馬 若菜から看護師の友人の殺害事件について相談を受けた天久先生と小鳥遊先生の2人。

    なぜ、遺体は殺害現場から『瞬間移動』し、何十kmと離れた場所で発見されたのか?

    最後、運命のいたずらと言うには、あまりにも悲しい真実に、涙が出ます...

    また、「ゴミに眠る宝」では、なぜ男性はゴミを溜めるのか?
    その真実が明らかになったとき、男性の家族を想う一途な気持ちに、こちらも涙、涙、となります。

    天才的頭脳の持ち主・天久先生が活躍するシリーズ、第4弾。ますます好調です。

  • 天久鷹央は二人称は全て「おまえ」である。英語も全て「you」なのだが、日本語はこの部分も複雑だと思うのである。

    迷い込んだ呪い、呪いに限らず原因不明の病状は身辺でしばしば耳にする。天久鷹央がいる病院に行けば適切な診断をしてもらえるのだろうか?原因不明の場合は大抵がストレスと言われる。鷹央は見事に原因を診断する、その姿は爽快である。

    ゴミに眠る宝、ゴミ屋敷の住民はある意味病気ではないだろうか?そして真犯人は誰なのかを鷹央が暴く。ストーリーも面白い作品だった。

    瞬間移動の女、副題の悲恋のシンドロームがこの作品の真の題名である。高尾が男サイドで合コンに参加する。その訳がわかる。

    これまでの天久鷹央の推理カルテシリーズの中で、最もミステリーらしい作品で、愉快であった。
    そして恋愛も事件も日本語と同じく複雑なのである。

  • 天久鷹央が活躍する医療ミステリ、推理カルテシリーズ第四弾。今回は元恋人からの呪い、ゴミ屋敷で起きたらしき殺人事件、被害者が瞬間移動した殺人事件の三作が描かれる。どれも恋や愛情をテーマとして背負ったストーリーになっていてそこも見どころ。鷹央が言った「小鳥にしか解決できない事件」とは何なのか?!

    『迷い込んだ呪い』
    腹痛に強い咳、そして喀血。プロポーズされるたびにその症状に悩まされる秋恵。それは、昔の恋人・恭介のプロポーズを断り、自殺させてしまったことによる呪いだと思い込んでいた。彼女は霊能力者と称する佐山香織のお祓いを希望するが、統括診断部はその呪いを診断することに。

    検査しても原因不明、結婚しようとするたびに激痛と喀血。これでは呪いと解釈してもしょうがないと思えるほど。不安だからこそ、人は何かにすがりたくなる。かと言って、一般的な治療を拒否して霊能力や民間療法を頼ってしまうのは、本人の意思とはいえやり切れないよね。鷹央と霊能力者の鮮やかな対決。呪いを祝福に変えた鷹央の診断が爽やか。

    『ゴミに眠る宝』
    アパートの管理人から、近くのゴミ屋敷について相談された鷹央。ゴミ屋敷の主人・沼田が殺人事件の犯人かもしれないと聞き、意気込んで捜査を開始するも被害者と思われた大学生・市ノ瀬は生きていた。しかし、ゴミ屋敷内には血痕らしきものが残されていて──。

    まさかのゴミ屋敷に関わる殺人事件の依頼を受けることになろうとは(笑) ノリノリで捜査し始める鷹央。被害者が生きていてはしごを外されたかと思いきや、むしろ熱が入ってくる描写が面白かった。今回は普通にミステリしている感じ。その中にも医者であることが鍵になってくる。それにしても、ゴミ屋敷の問題は他人事ではないので考えさせられる(さすがにここまでではない)。溜め込んだ結果だけじゃなく、そうなった過程や心にも寄り添える解決ができればいいなと思う…けど難しいよね。

    『瞬間移動した女』
    小鳥遊が気になっていた看護師・若菜から持ち込まれた依頼。それは看護学校時代からの親友・桜子が殺された事件を解き明かしてほしいというものだった。なんと被害者は殺害現場から瞬間移動をしたという話で──。

    「小鳥。この事件は、お前が解決するんだ」
    意気揚々と捜査に励む鷹央。ほとんどの謎を解き明かしたはず。それなのに、最後に手を引いて小鳥遊に託した意味が切ない。遺体の瞬間移動という大仕掛けに隠された悲恋の病。確かにこの事件は小鳥遊にしか解決できなかった。彼の活躍と哀愁。まだ冷たい潮風と波音が耳の奥で余韻として残るような物語だった。

  • 今回のカルテは3つ。なんと二つも殺人事件があり、警察が天久鷹央に協力してしまうという、コナン化?みたいな展開でした。
    でも、病気や症例も幾つか掛け合わせて謎解きしたりと、推理物として結構楽しめました。謎が長くないから読んでいて飽きちゃうこともないし、相変わらず小鳥遊先生の女性運が悪いっていうか、潰されてるのとか、以外と武道派で男らしいのに救われないキャラ設定も好きです。

  • 医療ミステリーシリーズ4冊目。
    相変わらず面白いです。
    ただ『ゴミに眠る宝』では、そのなり替わりは無理があるだろう…と思ってしまった。
    身近な病気だけでなく、聞いたこともないような珍しい症例の存在を知り、勉強にもなります。
    助手の小鳥と鷹央がくっつく日は来るのかな…いや無いな。舞ちゃん、遣りて婆はもう勘弁してあげて(笑)

  • このシリーズは、何が原因だったの??
    気になって一気に読んでしまう
    そんな本でしたね。

    世の中いろんな病気があるなぁ~
    毎回この本を読みながら思います。
    あと今回はいろんな恋も。

    小鳥と鷹央の今後の関係も楽しみです。

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著者プロフィール

1978年、沖縄県生まれ。医師。2011年、第4回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞を受賞し、『誰がための刃 レゾンデートル』で作家デビュー。その他の作品に『ブラッドライン』、『優しい死神の飼い方』、『天久鷹央の推理カルテ』などがある。

「2022年 『祈りのカルテ 再会のセラピー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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