ハルコナ (新潮文庫)

  • 新潮社 (2016年6月28日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (240ページ) / ISBN・EAN: 9784101800691

作品紹介・あらすじ

世界を救うハルコ。ぼくは君に何ができる? 5年前、遠夜(とおや)の隣に引っ越してきたハルコは特異体質をもつ少女。数十キロにわたり花粉を消滅させるかわりに、自分の身体には猛毒となるため、宇宙服のような防護スーツを着けなければ外出ができない。通学は遠夜が毎日サポートを続けているなか事故が起き、やがてクラスメートを巻き込む事件に発展する。世界を敵に回してもハルコを守りたい──17歳の決意が迸る圧倒的青春小説!

みんなの感想まとめ

特異な体質を持つ少女ハルコが、世界を救うために自らを犠牲にしながらも、周囲の人々との絆を深めていく姿が描かれています。彼女は数十キロにわたり花粉を消滅させる力を持つものの、その代償として有毒な環境に身...

感想・レビュー・書評

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  • 花粉を無毒化する代わりに自分にとっては花粉が猛毒となってしまう少女の周りの人たちのお話。

    春はいいけど花粉症的に関係のない季節でも何かしらの花粉はいつでも飛んでるわけだし、それもハルコにとっては有毒なんだろうし、体質者が社会的にみとられていて、近隣に受けいれられている世界なのが救いというか。

    「青春小説」であるらしいですが、読後にきいてもそういう印象はあまりない。
    でも遠夜とハルコの関係性はとてもいいと思った

  • 背表紙の解説に「圧倒的青春小説」とあるがそういう類いではないような。。。トークルームの中の”貴族”が最後にリアルな世界に出てくるのかと思ってたらそうじゃなかったのが肩すかし。あと、最終ページに"防護スーツ"のイラストは少しだけスッキリ感を演出していてよかったです。

  • 世界を救うハルコ。ぼくは君に何ができる?

    5年前、遠夜(とおや)の隣に引っ越してきたハルコは特異体質の少女。数十キロにわたり花粉を消滅させるかわりに自分には有毒となるため、宇宙服のような防護スーツを着けなければ外出ができない。通学は遠夜がサポートを続けるなか、事故が起きる。それはクラスメートを巻き込む事件へと発展するのだが。――世界を敵に回してもハルコを守りたい、と願う17歳の決意が迸る圧倒的青春小説!

  • 頭のページから秋田節満載。

    これこれこの畳み掛けるようなキャラクターの会話。
    求めてたものはここにあった。

    まずは読了します。

  • 5年前、遠夜の家の隣りに引っ越してきた
    ハルコは特異体質をもつ少女だった。
    数十キロにわたり花粉を消滅させる代わりに、
    自身の身体には花粉が猛毒となるため、
    宇宙服のような防護スーツを着けなければ
    外出ができないのだ。
    ハルコの介助者としてサポートする遠夜。
    そんな中、事故が起こり、それはクラスメイトを
    学校を、地域を巻き込む事件へと発展する…

    う、うーん…読み終わった後に困惑…
    設定が面白いだけにもったいない…
    中心人物であるハルコがほとんど感情を出さず
    会話もできないスーツに入っているので
    今ひとつ存在を感じられないというか…
    遠夜も遠夜で高校生にしては達観しているというか…

    これ、そういう帯がついていたので
    恋愛ものとして読んでいたので困惑しましたが、
    花粉症とアレルギーの関係や
    群集心理の怖さの方に重きを置いてたら
    ちょっとしたホラーめいた感じで面白かったのでは…
    それにしてもどっちつかずな印象…
    ただ、ハルコと遠夜、二人の間に流れる
    雰囲気というか空気は好きです。

  • 初期の「ドミニオン」を彷彿とさせる世界観で期待したのだけれど、なんだかいまひとつ物語とならないまま終わってしまった感じがする。登場人物たちの境遇をもっと描いた長篇にしたなら面白いと思うのだけれど。社会風刺としてはあまりに現実的でストレートすぎて小説としての面白味に欠ける。

  • オーフェンシリーズの秋田禎信の新作一般小説。

    存在するだけで一つの町の花粉を無害化する能力があるが、自身にとっては有害であるため外出時には宇宙服のようなスーツが欠かせない。そんな荒唐無稽な設定のあらすじから想像できないが、とてつもないマイノリティとマジョリティの話だと受け取った。

    花粉を無害化する当人にとって花粉が有毒であるという設定が絶妙。みんなのために一人を犠牲にしているのではなく、その制度がなければ本人は狭苦しい施設で一生過ごさなければならなかったかもしれないため、絶対的に悪な制度とは言えない。

    中心人物であるはずのハルコがほとんど話さず意志も示していないことが不思議な雰囲気を醸し出している。クリームが入っていないシュークリームのように、どこかぽっかりしている。
    遠夜はハルコと少し会話するもののハルコはほとんど喋らず、それでも世界の中心はハルコである。世界系ではないのだけれど、二人の世界は確かにあって、でも外界とも繋がっており、ハルコの周りが勝手に騒ぎ立て、熱を起こして燃え上がっている。

    ハルコの母親が家から出ないという設定が非常に秀逸。母親の不憫な我が子に対する思いが非常によく現れてる。ハルコのために丸坊主にして転職し、家でもなるべくハルコに近付かないようにしているという父親も。派手なことはないけれど静かに日々を戦っており、それが日常になっている。

    設定の緻密さやSF的面白さを求める物語ではない。その設定、その舞台で流れる人々のやりとりや行動、関わりが「ハルコナ」という物語になっていく。
    すっごく面白かった。なんだろう、楽しいとも笑えるとも切ないとも一言で言えない、そもそもなにかを得たり失ったりそういうんじゃなくて。

    ベテラン作家だけあって文章はこなれており、物語を読むのに全く邪魔にならなかった。一般作をいくつか書いているらしいので読んでみよう。オーフェンも小説版は読んだことがないから買ってみようかな。

  • 帯もあらすじもほとんど見ずになんとなく買ったからかこの体質だとかの謎が核になるのかと思ってしまった…

    終盤はとても面白かった。理解した上でもう一度読んだらもっと考えさせられそう。貴族との会話がよかったなぁ…。
    (帯は見なくてよかったけど、あらすじちゃんと読んでたらもっと楽しめたかもしれない…!

  •  純愛ものとして帯やあらすじを書かれているけれど、この小説のよさはそこではないと思った(出版社の方には申し訳ないけれど)。
     いや、純愛要素はたしかにあるし、恋愛小説として魅力的な場面もある。ハルコは可愛い。ふたりの関係は切ない。だけどそれでもわたしにとってこの小説は、怒りと暴力についての物語であって、義憤や、義憤に姿を借りた自己弁護がいかに簡単に人の目を眩ますかという話だ。
     人と人は、どうしようもなくわかり合えない。世界は複雑で、人間は複雑だ。だからわかりやすい話に飛びつく。わからないもの、自分に都合の悪いもの、自分を否定する他者を拒絶し、自分の怒りを正当化するために敵を作りたがる。群れて、自分と同じ意見の者に囲まれて安心したがる。それがいかに不毛で、危うく、寂しいことか。これはそういう物語だと思う。
     主人公はそれに甘んじない。安易に他者の声に流されることを拒み、自分の怒りに流されることを危ぶむ。自分の守りたいものを見失うことをおそれる。人が理解せずに拒絶するものを見定めようとする。
     わたしたちは、簡単に怒って、いちばん大事なことを見落とす。自分を疑えない人間は怖い。

  • ハルコは花粉を消滅させられる特異体質だけど
    その花粉はハルコにとって猛毒で
    家から出る時は防護服が必要になる。

    その防護服が宇宙服みたいなら
    外出そのものが一苦労で危険も伴うし
    交友関係を築くのも大変だから
    遠夜がハルコを守る役目を担うのは
    誰にでも出来ることではないけど重要だと分かる。

    ハルコと遠夜の通学中に事故が起きて
    自分の役目や責任について悩みながら
    1つずつ壁を乗り越えながら
    覚悟を決めて強くなっていく遠夜と
    絶大な信頼を寄せるハルコの姿に励まされた。

  • 2016年7月新潮文庫nex刊。書下ろし。長編。ユニークな世界設定で、対抗花粉体質症というのも、防護スーツというのも面白い。ハルコと遠夜の互いの想いを中心にした話と二人を取り巻く世界がバランスよく配置されていて楽しめました。ラスト付近にあった防護スーツのイラストで、話の理解が深まりました。二人を描いた、またよしさんのイラストが素敵です。

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著者プロフィール

1973年東京都生まれ。1991年『ひとつ火の粉の雪の中』でファンタジア長編小説大賞準入選を受賞し、作家デビュー。「魔術士オーフェン」シリーズが累計1000万部を超える大ヒットとなり、ライトノベル作家として活躍を続ける。一方、一般文芸、アニメノベライズ、PCゲームの脚本などにも活動の場を広げている。その他の著書に『機械の仮病』『虐殺機イクシアント』「巡ル結魂者」シリーズなどがある。

「2017年 『攻殻機動隊小説アンソロジー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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