青の数学 (新潮文庫nex)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 644
レビュー : 74
  • Amazon.co.jp ・本 (319ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101800721

作品紹介・あらすじ

その数式(まほう)が、君の青春を変える。雪の日に出会った女子高生は、数学オリンピックを制した天才だった。その少女、京香凜(かなどめかりん)の問いに、栢山(かやま)は困惑する。「数学って、何?」――。若き数学者が集うネット上の決闘空間「E2」。全国トップ偕成高校の数学研究会「オイラー倶楽部」。ライバルと出会い、競う中で、栢山は香凜に対する答えを探す。ひたむきな想いを、身体に燻る熱を、数学へとぶつける少年少女たちを描く青春長編。

感想・レビュー・書評

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  • 面白かった!
    青春を数学に捧げるという人は少ないかもしれない。
    でも、彼らが感じる高揚感や不安感、達成感や挫折感は、まさに青春そのものだ。

    いくつになっても青春小説を読むのはいいものだと思った。
    10年後もう一度読みたいと思う。

  • タイトルに惹かれて読んだ本。
    数学オリンピックに挑戦するような人には物足りないと思うが、数学ができる人をすごいと思える人なら読んでみて損はないと思う。
    数式などがあまり出てこないように配慮されているので、全くわからない人も(多分)大丈夫でしょう。わからない部分は飛ばし読みでも楽しめますよ。
    それよりも、数学って何ですかと問う主人公の生き方を感じてほしい。
    気になったのは、主人公の数学のレベル。好きにやって良いと言われて高校生になったという設定だったが、過去の有名問題を知らなさすぎかも。まあ、人の事は言えないけど。
    今はオンライン数列辞典なるものもあるので、読者は簡単に回答は得られるが、この本の登場人物はそんなものに頼りたくないのでしょうね。京の出した数列は出ていないようだった。次作に期待。
    高校生の時に数学オリンピックあれば出たかった。やはり予選落ちかもしれないが...

  • こんなにどっぷり数学に浸れるなんて!(゜▽゜*)何てステキな生活!(*´-`)羨ましい!(*≧∀≦*)しかし数学の才能がなく、他にもやらなくちゃいけない事がある私は小説で我慢します(-.-)久しぶりに数学やったら、驚くほど出来なくなっているし(--;)

  • 自分には決して見る事のできない世界を見ている人たちのお話。
    面白い。

  •  「読売中高生新聞」というところがやっている「君に贈る本大賞」というのがあって、それの2018年度の結果発表のリーフレットに載っていた本。1位は『君たちはどう生きるか』、2位が『星の王子さま』、3位は『蜜蜂と遠雷』と続いているが、おそらくランク外で「数学先生編」というところで、数学の先生がおすすめしたらしい本、ということで紹介されていた。理系をネタにした話が結構好きなので、これも何かの出会いだと思って読んでみた。
     高校生たちがひと夏を数学にかける、という話で、数学について、自分についてあれこれ思いをめぐらしながら、時には孤独に、時には仲間と悩むという物語。数学の先生が勧めるくらいだから数学好きの人は楽しめるんだろうけど、数学オンチでも、中高生なら楽しめる本、なのではないだろうか。大人が読むと、ちょっと青春臭すぎる感じがどうも素直に受け取れない、という感じ。あと主人公本人に自覚はないみたいだが、超天才集団に属する1人が主人公なので、あんまり共感できないという点でもマイナスかもしれない。
     最近どこかで「中学受験は数学だけやりゃいいんじゃないか。結局数学出来る奴は何でもできるんだよ、地頭がいいから。」という雑談を聞いていて、そういうことを考えながら読む本だった。おれも、数学出来る人と出来ない人、つまり頭がいい人と悪い人の差って何なんだろう、ということを考えながら読んだが、いくつかヒントになりそうなことが書いてあった。数学の出来ない友達が主人公に聞く場面で、数学は論理的だから、と主人公が答え、さらに論理的って何?という話から始まり、「でも。例えば入試のとても難しい問題は、誰もが解けるわけじゃないでしょう?誰でも解けるなら、差がつかずに全員合格になる」「解けないかもしれないけれど、答えを見たら、理解できるし納得できる。ああ、そのやり方をすれば確かにそう解けるって」(略)「つまり、やり方に気づける人と気づけない人がいる、ってことでしょう」(p.70)というやり取りとかは、気づくか気づかないか、の違い、というのがあるということらしい。そしてその部分と似ているのは「閃き」について、主人公自身が考えを巡らせている場面で、「閃きは、閃くか閃かないか、それしかない。努力すれば閃くのならばやりようもあるが、それで閃くとは限らないから、閃きと言うはず。(略)しかし、と思う。考え続けなければ、閃かない。そして閃きは、決して何もないところから湧いてくるわけではない。閃きは多分、それぞれの中にある数学世界からくる。自分でもその全容を自覚できないけれど、自分のなかに確かに育まれ、培われ、形成されている数学世界から、閃きはやってくる。」(pp.256-7)と書いてある。これはおそらく、経験とか経験から生み出される勘のようなものだと思うが、それを言ってしまうと結局英語と同じだ。英語も経験値を積んで、自分でも全容が分からないくらいになった「英語世界」から色々引き出してきて、目の前の状況に対峙するんだから。
     だから、やっぱり数学ができるというのは、経験を積んで論理的なものなら出来る、ということでもないような気がする。論理的なものを論理的として理解できる、とか、その理解のスピードがある一定の速度以上である、とか、1つを見たら勝手にその先まで論理を構築できる、とか、その辺の能力が数学の力、というか「地頭」というところなんじゃないだろうか。経験で補える部分もあるのだろうが、それだけでは少なくともこの天才集団には入れない。
     ということを、ごちゃごちゃ考えながら、結局頭の悪い残念な人も存在するし、そういう人はそれぞれの分野で頑張って下さい、と裏を返すとそういう話、とも取れてしまい、ある意味で残酷な話。というひねくれた見方をするのは、心の汚い大人だと思うので、純粋に青春ストーリーとして楽しみたい本。(18/11/14)

  • 高校一年生まで数学は好きな科目であり得意科目でもあった。微分積分で降りたけど、特に証明問題を美しい解法で解けた時は快感で、ピタゴラスの定理の証明方法を知った時も痺れた。

    そんな美しさと快感に触れた時のことを思い起こさせてくれた作品。

    数学に全てを賭ける高校生たちが主人公の青春小説は、静かなる苛烈さをもっている。言ってしまえば登場人物たちは、ひたすら問題を解いているだけだ。それなのに彼らの葛藤、諦観、そして歓喜が伝わり、数学が苦手な人でも楽しめると思う。

    世界を最もシンプルに記述する学問は、やはり面白い。

  • ☆信州大学附属図書館の所蔵はこちらです☆
    http://www-lib.shinshu-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BB21827625

  • なぜ数学をやるのかと聞かれたら、この本を勧めようかな今度から。笑
    混沌として一見無秩序なものたちを、ちょっとした式や考え方で、なんの矛盾もなくすっと整えることができる、そんな数学が美しいと思うのです。でもそれが今簡単にできるのは、過去の数学者たちの苦悩だらけの人生があったお陰で。その恩恵を戴くばかりで、今から自分で新たな道を切り拓いて突き進んでいく自信はないのです。若者よ、これを読んで熱い青春時代を送ってくれたまえ、と言いたい。

    著者も数学が好きなんだろうなぁと思って調べてみたら早稲田文学部だった…そうか…。
    私の中で数学は青、というイメージがあるのでタイトルも好き。でもきっとこの青は青春の青なんだろうな。青春はむしろ夏だという一文には大いに共感します。数学に熱を捧げる夏もいいなぁと思える一冊。

    この作品が好きな方には、サイモン・シンの『フェルマーの最終定理』もおすすめです。再読したくなりました。

  • なかなか面白かった

  • 15:数学×青春、というわけでどんな感じなのかと思っていたけれど、文学でも数学でもスポーツでも何でも、のめりこむほどに自分の内面へと潜ってゆくのは同じ。
    シンプルで端整な地の文とほのかなユーモア。はるかな高みは静寂と余白の果てにあるのか。
    文系の方にもお勧め。素数が無限にあることの証明は、本当に、何度見ても美しい。
    今年のナンバーワン候補。

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著者プロフィール

一九七八年八月、神奈川県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。二〇一四年、第十回C★NOVELS大賞特別賞を受賞した『天盆』(「天の眷族」を改題)で鮮烈なデビューを飾る。著書に、奇病に冒され、世界中を跳躍し続ける少女の青春を描いた『マレ・サカチのたったひとつの贈物』(中央公論新社)、本の雑誌社『おすすめ文庫王国2017』でオリジナル文庫大賞に輝いた『青の数学』(新潮文庫nex)がある。

「2018年 『マレ・サカチのたったひとつの贈物』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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