小暮写眞館IV: 鉄路の春 (新潮文庫nex)

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 22
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  • Amazon.co.jp ・本 (305ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101800882

感想・レビュー・書評

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  • 本書最終章。父の家出に端を発して、家族・親族との関わりが解き明かされる。また、7年前に亡くなった主人公の妹のことも家族と親族であったわだかまりも解決。
    なによりも、不動産屋で勤める女性との関わりと彼女自身の人生の過去を知った主人公。
    助け、助けあい繋がっていく人間。その中でも「家族」の絆の大切さをラストシーンでは見事に表現されている。
    涙する1冊。
    そして・・・再出発した女性とはもう逢えないのか・・・
    そこは、読者の感想によるところかな。

  • 柿本さん、いいヒトだった。
    またどこかで会えたらいいのにな。

  • とてもいい読後感でした。

  • 走り出せ。
    心地よい落とし所にキレイに着地。さすがです。
    最初はぼんやりした印象だったけど、最後まで読んで良かった(^^)

  • おねしょをするようになったピカと当時四歳の真ん中の風子の死に纏わる七年前の父の実家と母の事情、焦りから薬を過剰摂取した順子の事情。整理されピントが合うようにスッとしていて入り込み易かった。順子と英一の仲の奥床しいような詳らかにし切らない独特の趣が良い。切なくて寂しい結末の先にほのかな余韻があった。

  • 花菱英一の父親が家出した。理由を問う息子に対し、祖父危篤の知らせを受けて、縁を切った大船の実家に行くかどうかで母親と喧嘩をした、と弁明する秀夫。夜風を浴びながら、二人は生家と断絶する契機となった七年前の出来事、妹・風子の死について語り合う。そうした中、今度は垣本順子の抱える過去と問題が明らかになる―。
    ------------------------------------------

    前3作と違い今回は心霊写真云々は出て来ず、花菱家の過去や成長するピカちゃんのこと、それを見守る兄やその友達など、心温まるものだった。英一と垣本順子のやりとりはぶっきらぼうだけど涙が出そうなシーンもあって…イヤミスじゃない宮部さんの作品もよかった。

  • 最後、スカッとしたなー

  • 2017.4.17読了

  • 心霊写真の謎を解く事から始まった物語。
    でも結局心霊写真じゃなく様々な家族の物語だったのかな?
    最終話は花菱家とST不動産の垣本順子さんのお話。

    花菱家の本家と絶縁状態の花ちゃん達家族に
    本家より祖父が危篤と連絡が入り家庭の中が微妙な空気に。
    そんな頃、花ちゃんは
    苦手意識を持ってた垣本さんと距離が近くなる。
    また垣本さんも家族から逃げてきた人だった…。
    お互い家族にケジメを付けた時に……

    花ちゃん大人の階段上がってる最中。
    走り出せ、花菱英一。
    出会いと別れが切ない花ちゃんの成長物語。
    これはこれで良かった。




    ナイス

  • 2017/03/20

    ・家族の大事が起きた時に、全員が自分のせいだって思える家族ってかなり幸せな形じゃないか。
    ないほうがいいけど。
    ・泣く場面全然ないんだけど、おばさんに抱きしめられた時、胸がギュッとするものがあった。

著者プロフィール

1960年東京都生まれ。87年『我らが隣人の犯罪』で、「オール讀物推理小説新人賞」を受賞し、デビュー。92年『龍は眠る』で「日本推理作家協会賞」、『本所深川ふしぎ草紙』で「吉川英治文学新人賞」を受賞。93年『火車』で「山本周五郎賞」、99年『理由』で「直木賞」を受賞する。その他著書に、『おそろし』『あんじゅう』『泣き童子』『三鬼』『あやかし草紙』『黒武御神火御殿』「三島屋」シリーズ等がある。

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