- Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101801018
作品紹介・あらすじ
どうかこの夜を恐れないでほしい。 親に抑圧されて育った無気力な高校生・有森澪音は、喫茶カグヤのマスター・小野寺豪から奇妙な忠告を受けた晩、《夜》と呼ばれる異形が跋扈する廃墟に迷い込んでしまう。そこで澪音は、自分を一方的に知る謎の少年・イザヨイに導かれ、悩みを抱える人のトラウマが具現化した《夜》をなりゆきで退治することになるのだが……。優しくて、ちょっぴり切ない青春異界綺譚、ここに開幕。
感想・レビュー・書評
-
人のトラウマが作り出す〈夜〉という世界。高校生有森澪音と喫茶カグヤのマスター小野寺豪は、トラウマが作り出す異形を退治することになる。
「ほんのみせコトノハ」選書サービスで頂いた本。
この本の感想というよりは、この本を選書してくれた本屋さんの感想になってしまうのですが、、
アンケートの好きな本のところに、源氏物語〜花の宴〜というマイナーな部分を上げたのですが、おそらくそこから私の趣味を推測してくださったのだと思います。
花の宴は朧月夜という女性が光源氏に恋をするお話。女性の名前の通り月にも深い関わりがありますし、日本の神話のイザナギなんかとも関係しているのではないかと研究されています。竹取物語なんかとも一緒に研究されてますね。
この『夜と会う』には喫茶「カグヤ」謎の少年「イザヨイ」など、私の好きな設定が盛りだくさん。あらすじを読んだ途端に大いに興味を惹かれました。
そして、廃墟。〈夜〉と呼ばれる異世界には必ず廃墟が存在しています。廃墟の写真集とか買ってしまう私にはたまりませんでした(笑)
調べてみたらこの小説は三巻まで出ているとのことで、また見かけたら必ずゲットしようと思いました。
異形との戦闘シーンなのですが、持っている武器の強さは関係なく、勝てると思ったらその分強くなるという世界。精神力がものをいうんですね。だから、動揺したり自分の武器のほうが弱いと思ってしまったら相手に攻撃は通用しなくなります。主人公の精神力がもろに試される。これからの、澪音くんの成長が楽しみです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
こういうかっこいいお話すき。
ものすごい勢いで読み切ってお友達に勧めたな〜 -
澪音が変わっていくのはもっと先の話なのかなと思ったから、1話で変化があって驚いた。色んな謎があるからこれからどうなるのか楽しみ。
-
<学生選書コメント>
悩みを抱える人のトラウマが具現化した世界「夜」に迷い込んだ主人公が自分を見つめ直す物語。 -
設定をみた第一印象では、精神世界をねちっこく描く本格SFかな?と思ってたので、当初の印象に比べてかなり読みやすかった。
-
「もうすぐ会えるよ、雨君。」
目の前で繰り広げられる口喧嘩。
子供の前で常に破綻した状況を見せたうえで、子供の為に離れないと言葉で縛るのであれば一度距離を置いた方が皆の為な気もするけどな。
「それはきっと、怒っていたんだね。」
理不尽な社会に絶望を抱いて。
立場が弱い者が自分たちより使えるものだったからという理由だけで、理不尽な言葉の暴力でストレスを発散していい訳ではないだろう。
「さよなら、雨君。」
周りと違う変な事が気になって。
自分が好きな物や環境が周りと違うというだけで友人の輪から弾いてしまうのは、どうしてもその良さを分かり合えない人達ならではの結果なのだろうな。 -
人と人、時間と空間、遺されたものたちに込められた想いたち。
その中から"何か"を求めて『夜』を駆け巡る主人公。
次巻も楽しみだ。 -
親に抑圧される儘な高二の根暗イケメン的澪音が夜毎夜の世界に取り込まれ人のトラウマが具現化した異形を陽気な喫茶店のマスターらと退治する。出し抜けに表れる作風の若い隙はちょっと目眩がするようだけれどひんやりした静謐に満ちた空気が心地好い。澪音の美味しい顔を目指して料理を振る舞うマスターのおまけが楽しい。
-
内容紹介:
親に抑圧されて育った無気力な高校生・有森澪音は、喫茶カグヤのマスター・小野寺豪から奇妙な忠告を受けた晩、<夜>と呼ばれる異形が跋扈する廃墟に迷い込んでしまう…。『yom yom』掲載に書き下ろしを加え文庫化。