断片のアリス (新潮文庫nex)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 109
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (329ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101801186

作品紹介・あらすじ

狂った VR 内の殺人ゲーム 予測不能の脱出ミステリ。雪と氷に閉ざされた現実世界から離れ、人々は生活のほとんどを VR システム ALiS の中で過ごしていた。傷つくことのない穏やかで平和な仮想空間で。しかし突如、椎葉羽留は囚われた。痛覚も“死”も存在する恐怖の VR クラスタに。ログアウト不能の狂気の館で、連鎖する殺人。そしてたどりつく、この創られた世界の真相と、彼女の正体とは !? 衝撃の結末に驚愕する VR 脱出ミステリ。

感想・レビュー・書評

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  • VR世界内の脱出ゲームに巻き込まれる話。アリスやピノキオネタの辺りは良かったけど、殺伐としてからは面白くなかった。

  • なかなか面白かった。全感覚VRだけど、世界観的にはSAOよりも「GAME WARS」のOASISに近いかな。閉鎖環境でのサバイバル脱出ものですが、VRの設定をうまく活かしています。世界観的には1作で終えるのはもったいないですね。

  • VR脱出ミステリ。
    実は全員人間じゃなくて、AIでしたという話。
    一人だけ生き残れば助かる(かもしれない)状況とはいえ、いきなり殺し合いが始まるのが疑問だったが、実験ならば納得。サクサク進めるために好戦的な人格が組み込まれていたのだろうな。

    現実世界の人口が減ることで、仮想空間アリス内の人口も減り過疎化するのを防ぐために人工知能をつくるということであったが、過疎化したら何が問題になるのかがよく分からなかった。
    元々AIマークのついた人々は存在しているのに、何が問題なのだろう?

  • 設定がVR内というとても変わった設定なのが面白かったです。物語の展開もスピード感があり、するすると読み進めていける爽快感がありました。

  • 1980年代に書かれ、VRとミステリーを組み合わせた『クラインの壺』と対比してみると面白い。
    比較してみると、人工知能が話に組み込まれるようになったり、バーチャル空間に入るための装置の詳細な説明を省けるようになったりと、約30年の技術進歩を感じることができる。
    共通点も挙げることができ、理想のVRとは、バーチャル空間内で現実世界と同じように行動できるということなのかなと考えられる。

  • 死というものが存在しないはずのVRの世界で始まる生き残りをかけたサバイバルが始まる。
     
    人が1人いなくなる度に先に進めるようになる密室世界。
     
    果たしてVRの世界を抜け出して、元の世界に戻れるのはいったい誰なのか?
     
    そして、青い髪の少女はいったいどこにいるのか?
     
    予測不能のVR脱出ミステリ。
     
    久々に結末に衝撃を受けた作品。
     
    PSVRとかオキュラス、ハコスコに夢中になった人には特におすすめしたい作品です。

  • 電脳空間のサバイバルゲーム、だけで終わらないのがただのサバイバルゲームではなくここを舞台にしたSF小説な感じです。いかにもSFな終わり方で気持ちいい。

  • これは...なかなk「凄い世界観」(^ ^

    舞台は、遠い未来の「一度わやになった後」の世界。
    人類全体、実生活はかなりアレな感じで、
    人々はVRの世界をメインに生活している。

    そのVR「アリス」の中で、
    次々と「あり得ないこと」が起こっていく。
    ざっくり言うと、トラディショナルな
    「雪山閉じ込められ一人ずつ減ってく系」惨劇。
    その中で、主人公の若い女性(たぶん)は、
    生き残っていけるのか...というストーリー。

    ただ「世界観の設定」がもの凄く独特で、
    しかもかなり細かいところまで練られている。
    なので、かなりな変化球が続々と投げかけられる(^ ^;

    一応「細かく練られている」ので、破綻はない。
    が、その分「説明くさい」描写が多いか(^ ^;
    中々に実験的な作品...というレベルよりは、
    もっとエンタテインメントとして成立してはいる。

    最後のどんでん返しというかネタバラシは、
    まぁ結構「反則ギリギリ」という気もするが(^ ^;
    でも、この「世界観を構築した作者の勝ち」か(^ ^

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著者プロフィール

1972年大阪府生まれ。公務員退職後、『パチプロ・コード』で第八回『このミステリーがすごい!』大賞優秀賞を受賞し2010年にデビュー。

「2017年 『散り行く花』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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