だから見るなといったのに: 九つの奇妙な物語 (新潮文庫nex)

  • 新潮社
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本棚登録 : 222
レビュー : 19
  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101801322

作品紹介・あらすじ

色とりどりの恐怖をどうぞ召し上がれ。あのとき、目をそらしていたら。でも、もはや手遅れ。あなたはもとの世界には二度と戻れない。恐怖へ誘うのは、親切な顔をした隣人、奇妙な思い出を語り出す友人、おぞましい秘密を隠した恋人、身の毛もよだつ告白を始める旅の道連れ、そして、自分自身……。背筋が凍りつく怪談から、不思議と魅惑に満ちた奇譚まで。作家たちそれぞれの個性が妖しく溶け合った、戦慄のアンソロジー。

感想・レビュー・書評

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  • アンソロジー。背筋をぞくりとさせるような短編たち。

    恩田陸「あまりりす」
    37年に一度祭りが行われるという村。事故で亡くなったとされる森太郎の死因は、本当に事故なのか。村で言ってはいけない言葉「あまりりす」とはなんなのか。

    芦沢央「妄言」
    念願の一軒家に引っ越してきた夫婦。隣人も良さそうな人で一安心だ。しかし次第に妻は夫の言うことよりも、隣人の言うことを信じ、傾倒していく。

    海猫沢めろん「破落戸の話」
    全身に入れ墨の入った男、謝花。彼の周りではたびたび不思議なことが起こるらしい。

    織守きょうや「とわの家の女」
    会社の先輩が芸者を呼んでくれた。「とわの家」という置屋の芸者だ。しかしみな口をそろえて言う。「とわの家の女には惚れるな。死ぬぞ」と。

    さやか「うしろの、正面」
    イラスト

    小林泰三「自分霊」
    家賃が格安で駅からも近く、きれいな物件。不動産屋に聞いても事故物件ではないという。しかしその部屋には不思議な発光体が出現する。それは未来の自分だと言うのだが…。

    澤村伊智「高速怪談」
    会社の先輩たちと乗り合わせ、関西へ向かうことになった。その道中、高速を走っている間は退屈なので、1人1人怪談を披露していくことになり…。

    前川知大「ヤブ蚊と母の血」
    ある日、母が消えた。父は母を探そうともしない。家庭のことから目を背け続ける父をよそに、アユムは家庭菜園を耕し、野菜を取り、料理をし、どうにか日常を維持していこうとする。

    北村薫「誕生日 アニヴェルセール」
    俺は双子として生まれた。光のように溌剌とした兄に比べ、俺はどうにもぱっとしない。しかし、ふとあることに考えが及ぶ――。

  • ちょっと気持ち悪い、不可解で、「怖い話」というよりも「怖いもの見たさ」の話を集めたアンソロジー。「だからみるなといったのに」というコンセプチュアルで印象的なタイトルが秀逸。

    一台の車に数人が分乗して高速道路で関西に行く間、ひとりひとりが順に怪談を披露する話が妙に印象的だった。幽霊ではない怖さが混ざっていたからかな。


  • 派手さはあまりない感じの、ぞくっとするような話を集めたアンソロジー。

    ・あまりりす/恩田陸
    森太郎という男の葬儀が行われている会場で繰り広げられる村民の会話。
    村では37年に一度、あるお祭りが行われる。「あまりりす」という謎の存在のために催される祭りだが、村民の会話から洩れる「あまりりす」の正体は、何とも恐ろしい感じ。
    「あまりりす」の情報の出し方が秀逸で、怖さをかきたてられました。

    ・妄言/芦沢央
    マイホームを購入した夫婦。しかし妊娠中の妻は隣人の言葉によって疑心暗鬼になり、夫の浮気を疑うようになる。隣人はなおも、夫が人殺しをするという不吉なことを言う。夫は隣人を恨み……。
    実は隣人は未来のことが「視えて」いた。そしてその通りの結末になる。

    ・破落戸の話/海猫沢めろん
    主人公の男は、知り合いで破落戸の謝花から、彼の周りで起こった不思議な話を聞く。
    人の顔を持つシーモンキーの話が本当に不気味だった。リアルで鳥肌立ちましたわ(恐怖とは別の意味でw)。

    ・とわの家の女/織守きょうや
    神楽坂の置屋「とわの店」にいる芸者に恋をしてしまった主人公の会社員。本気で彼女との結婚を考えるが、周りは止める。「死ぬぞ」。
    読んでいて、「とわの家」の芸者と付き合った「男性」が死ぬのかと思ったら……。
    神楽坂は不思議な街ですね。行ってみたくなりました。

    ・自分霊/小林泰三
    安さに惹かれ、何やらいわくつきの物件に住むことになった主人公の女子大生。やがて部屋に自分そっくりの霊のようなものが出るようになった。その霊は主人公にいろいろ生き方のアドバイスをするようになる。正体は「未来の自分」だと言う。
    霊現象ではなく、SFのようなストーリー。結局生き方を変えられないというラスト。

    ・高速怪談/澤村伊智
    高速料金を浮かせるため、一台の車に便乗して関西へ向かうことになった面々。知り合いもいれば初対面の者もいる。道中、怪談を披露することになったが、初対面だった人物が不穏なことを話し始めて車内は混乱。
    しかし実はタチの悪いドッキリでした……で終わるはずが、さらにもうひとひねりで真の恐怖に気が付く。
    好きな終わり方です。

    ・ヤブ蚊と母の血/前川知大
    はじめてお目にかかる作家さんでした。
    主人公は小学生の少年アユム。ある日、アユムや家庭菜園を残してふと母が消えてしまう。父は抜け殻のようになって母を探そうともせず、アユムや家庭のことをほったらかしにする。アユムはつんつるてんの服を着た酷い有様で学校に行き続け、母の残した家庭菜園で野菜を育てて、どうにか生き延びる。
    そのうち身体が大きくなったアユム。何もしない父に最後、彼は抵抗してみせる。

    ・誕生日 アニヴェルセール/北村薫
    双子の弟として生まれた主人公。家では何につけても兄が優先だったが、日なたにいるのが厭な性分なので気にならなかった。むしろこれからいろいろ背負っていかなければならない兄に対し「よくぞ兄として生まれてくれた」と有難がっていたくらい。
    しかし、自分たちの名前に籠められた意味から、本当は自分が兄より数時間……日付にすると一日早く生まれた。あとに生まれたのが兄だということに気付いてしまう。
    法律上では兄と弟が逆転するが、主人公の家では、胎内の具合を考えて先に生まれた方を弟とするという考えだったようだ。
    自分の真の誕生日を知り、改めて自分という者に想いを馳せる主人公。

  • 恩田陸は長編も大好きだけど、短編も面白い。気になる、というか心に引っかかる。
    芦沢央のはオチが秀逸。怖いよりうまいって思った。

  • 破落戸の話と高速怪談がお気に入り。

  • ホラー寄りのアンソロジー。黙っていれば、無視していれば、諦めればこんなことにはならなかったのに、という作品が多い。織守さんの作品の流れはラストのハードル高そうだと思いながら読んでいたが、そうきたか!

  • 2018.9.13読了。

  • 自分にはどうにも薄味な感じだった。
    一番、いわゆる「ホラー」だったのは【あまりりす】、個人的に好きだったのは【とわの家の女】。

  • 9人の人気作家とイラストレーターが、奇妙で怖い話で共演したホラーアンソロジー。
    芦沢央と北村薫を読みたくて購入したのですが、恩田陸が一番ホラーでした。
    ま、『六番目の小夜子』がデビューだから納得といえば納得ですが(^_^;)
    読みやすい短編集ですが、もっとホラーな内容を期待していたので・・・

  • アンソロジーはすきなんですが、これはイマイチだったかな。印象が薄いまま読み終わってしまいました。

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著者プロフィール

恩田 陸(おんだ りく)
1964年、青森市生まれ。幼少期は名古屋、長野、富山、仙台などを転々とする。高校時代は茨城県水戸市に在住。水戸第一高校を卒業し、早稲田大学進学・卒業。
1991年、第3回日本ファンタジーノベル大賞最終候補作となった「六番目の小夜子」でデビュー。2004年刊行『夜のピクニック』で第26回吉川英治文学新人賞及び第2回本屋大賞、2007年『中庭の出来事』で第20回山本周五郎賞をそれぞれ受賞。
2017年『蜜蜂と遠雷』で第156回直木三十五賞と第14回本屋大賞を受賞した。同作品による直木賞・本屋大賞のW受賞、そして同作家2度目の本屋大賞受賞は史上初。大変大きな話題となり、代表作の一つに挙げられるようになった。

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