- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101801414
作品紹介・あらすじ
骸を撫でる少女たちは皆十八で呪の痣に殺される大正二年、帝大講師・南辺田廣章と書生・山内真汐は南洋の孤島に上陸した。この島に伝わる“黄泉がえり”伝承と、奇怪な葬送儀礼を調査するために。亡骸の四肢の骨を抜く過酷な葬礼を担う「御骨子」と呼ばれる少女たちは皆、体に呪いの痣が現れ、十八歳になると忽然と姿を消す。その中でただひとり、痣が無い少女がいた。その名はアザカ。島と少女に秘められた謎を暴く民俗学ミステリ。
感想・レビュー・書評
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清水朔さんの作品が面白かったので、この作品も手に取ったのだが、序盤、方言と大正時代の背景が少し難しい印象。葬礼部分が想像しただけでゾワゾワ気味悪く、こわい。終盤に近づくにつれ、だんだんと物語に惹き込まれ、読む手が止まらなかった。謎が解き明かされたのが、切なく悲しい。結果アザカはこれで幸せだったのかな?そうであってほしい。
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せつない一気読み民俗学ミステリ。
時は大正、舞台は南洋の孤島、そして伝承と儀式…もうこれだけで心は半分持っていかれたも同然、共にこの謎めいた島を調査する気分で一気読みの作品だった。
おぞましさの中にもどこか美しさを感じる描写、せつなさあふれる描写が随所に感じられ、特に美しさとせつなさの共演とも言えるクライマックスの第六章にはがっつり惹きつけられてしまった。
心に永遠に閉じ込めておきたくなるほどの二人のシーン、これには涙がホロリ。 -
初朔。職場の人のオススメ。作風は京極夏彦と三津田信三を足して割って、さらに+αした感じ・・でわかりますか?w
"辺境"の地で"謎の風習"があり"不可解"に人が消えていく・・こんなキーワードが好きな方は楽しめると思います(^^) うまく纏められない…。オビのある一言が余計…かな。星四つ半。 -
すごく引き込まれた。
そして最後に涙が浮かんだ。
すごかったな。ラストにかけてじわじわと集まっていた情報がかっちりとはまっていく。
ああ、切ない。ほろ苦い。でも、救われたんだよね。 -
おもしろかったよおおおおおお。
ラストがとても切ない。でもアザカはこれでよかったのかもしれないね…
あの杖は仕込み杖だろうと最初から疑うくらいの目はわたしにもあるけれど、ラストがこうなるとは…
続刊も読もうっと。
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新たなミステリーの書き手発見!
いや〜切なかった。こうするしかないけど、切なかったね。
これからの奇譚蒐集録が気になるし、どんどん書いてほしいです。
鬼はやはりいるんだよ。
ぜひ〜
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あるモノの力が発揮されたあたりは多少雰囲気を軽くしてしまった感はあるし、手放しで絶賛するにはいろいろ思うところもないわけではないが、登場人物2人の心の通わせ方が切なくて切なくて、もう……元々民俗学絡みのものは大好物なことも上乗せで、今回評価は幾分甘めにした。というか、真汐かわいいよー。久しぶりに気になる作家に出会えて嬉しい。
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好きなシリーズの1巻
11月末発行の第3巻に備えて再読復習
匂いや温度まで伝わるような
土を感じる(全力の称賛)民俗学ミステリ
地域に根ざした風習の細かい描写と
畏怖や思いが幻想的なのにリアリティを持って迫り
物語の世界に取り込まれてしまう