きみの世界に、青が鳴る (新潮文庫nex)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 272
レビュー : 21
  • Amazon.co.jp ・本 (316ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101801469

作品紹介・あらすじ

『いなくなれ、群青』、シリーズ完結編! 2019年9月、実写映画化! [主演:横浜流星、飯豊まりえ]  真辺由宇。その、まっすぐな瞳。まるで群青色の空に輝くピストルスターのような圧倒的な光。僕の信仰。この物語は、彼女に出会ったときから始まった。階段島での日々も。堀との思い出も。相原大地という少年を巡る出来事も。それが行き着く先は、僕と彼女の物語だ。だから今、選ばなければいけない。成長するとは、大人になるとは、何なのかを。心を穿つ青春ミステリ、堂々完結。

感想・レビュー・書評

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  • シリーズの最初から追い続けてようやっと終わった!という感じ。
    大昔、「優しさとは」みたいなことを考えさせられたのを思い出した。

  • 人生に正解は無い。    
    人生に近道は無い。    
    群青色ってどんな色だっけってPCで調べたけど、こんな無機質な色なんかじゃなくて、自然界の中で見られる本物の群青色を見てみたいなって思った。

  • 長かった。
    2014年からなので、もう5年になるんですね。
    以下、ネタバレ注意。



    途切れ途切れの記憶を辿りながらだと、どうも見えなかった部分はある。

    「愛情」を預けてしまった母親と暮らす大地を、幸せにしてやりたい。
    そこで、真辺は魔法の力で、母親が大地を愛するようなシミュレーションを何度も繰り返す。
    失敗する度に傷つき、トライアンドエラーを繰り返し、やっと得た小さな幸せにも、満足しない。

    そんな真辺の崇高さに、七草は感嘆しながらも、対峙する。
    大きな幸せ、持続的な幸せという、たった一つの正解を探し当てるまで、トライアンドエラーを繰り返すのなら、真辺はこの世界から永遠に出られない。
    それはつまり、シミュレーションが現実にはならないことと同じだと突き付ける。

    彼女が壊れる前に、彼女を止めたのは七草だった。
    小さな幸せを積み重ねた世界を持って、真辺は階段島を去ってゆく。

    そして、七草は階段島に残る。

    自分の中の不要なパーツを残していける世界。
    不要なパーツたちが安心して暮らせる世界。
    それは魔女である堀の、人に対する優しさから生まれた、少し悲しい幸せの世界だった。
    その中で、七草は「何も捨てなくても、人は成長できるか」を目指そうとする。

    受け容れるということは諦めだけではなく。
    受け容れることが出来て、成長もあるのだと。
    私なりに勝手に落ち着けたのだけど、今の自分にはこう思えると、スッキリする。

    見たくない部分を切り離せたら楽で、現実世界と適応しない部分を、病的に遮断してしまわなければ生きていけない人もいる。

    こんな自分だったらいいのに、と思うことはあって、でもそこに辿り着く道筋は、きっと切り離すことだけではない。
    受け容れることは、難しい。
    どうすれば、諦めたのではなく、受け容れたことになるのかは、正直分からない。

    けれど、受け容れるべき部分があるのなら、それはつまり、切り捨てたかったパーツを明らかに出来るのなら、きっとそこから始められることがあるんじゃないかと思う。

    後半は、本に対するレビューというより、七草の結論に対する個人的な思いになった。
    随分、考えさせられたシリーズだった。
    難しいけれど、面白い。

  • 「いなくなれ、群青」シリーズの完結作。「愛」や「友情」、「憧れ」という青春時代の重要な価値観を基軸にしつつ、「理想」と「現実」の狭間で思い悩む少年少女たちの物語。
    魔法は誰にでも使えて、誰も使えなくなるもの。ただ、それがある内だけでも、守りたいものを守り続けることが、僕たちにできるささやかな抵抗なのだろう。

  • 『階段島』シリーズがとうとう完結。
    最初、シリーズが始まった時は、こういう方向に展開するとは思っていなかったので、巻が進むごとに楽しみだった。
    次回作がどうなるのか解らないが、期待している。

  • 真辺への信仰心の比喩を多用している場面が多すぎる。
    互いに尊い存在 ピストルスター として追い求め続ける二人の関係性に憧れた。

    どこまでも希望があるという絶望。
    この矛盾を何度も訴え続けている。

    それ理解してもなお、足を止めずに進み続けてく真辺、それを愛する七草。

    二人のどこまでも繋がり続け、信仰し続ける。

  • ついに完結…!
    長かったような短かったような。
    ラストは半分スッキリ、半分モヤモヤ(笑)
    章の表紙絵から、真辺と七草は結婚したんだろうなとは推察出来るけど、ハッキリ描写してほしかったな〜!
    あとは、大地のその後もしっかり描いてほしかったから残念だった……。
    いや、大地のそれまでの過程見てたら大丈夫だとは思うのだけど、やはり気になってしまうもの。
    ラストで大人七草が高校生の大地の誕生日を祝うところで、そこまで確実に成長出来たって分かるだけでも良しとすべきか…。

    それにしても堀だ!堀、積極的だった!
    七草にチュウをかますとは…!
    本当に頑張ったし、成長したなぁ堀。すごいよ。
    安達とは何だか和解出来そうな気配あるし、あの辺は大丈夫そう。
    時任さんもいるし、昔馴染みの3人でこれから仲良くやってくれ。

  • 星を見る物語だった。それは手が届かない理想を求める物語。そして誠実を求め続けた物語だった。

    6巻に渡る階段島シリーズの完結巻。本作を簡潔に総括することは大変な困難なのだけど、ワシはこの美しい言葉の群れに耽溺したと言える。

    それは同時に、木を見て森を見ずになってしまっている、すなわちこの物語をまだ咀嚼できてないのかもな、とも思っている。それでもその木は美しく、特に突然現れる、カタルシスとも違う唐突な登場人物の言葉に心揺さぶられる。

    人は何も捨てずに成長できるのか。捨てられた人たちの、捨てられなかった声に沈思する。

  •  階段島シリーズも本巻にて完結。

     これ読んでる同じ時期に、ちょうど涼宮ハルヒシリーズが文庫化してて、そっちも読み進めてるから、つい対比してしまう。

     真辺は一人で突っ走ってるハルヒなんだ。
     両人ともに自分の意志を貫き通してるけど、真辺は他人のあるべき姿を理想として突っ走って世界を変えようとする。
     変数が他人なわけで、絶対に理想の世界にはたどり着かない。

     七草は傍観者でありキョンなのだ。
     ただし、キョンは傍観してなすがままに流されているけど、七草は傍観しながらも真辺の否定すべきところはキッパリと否定している。

     シリーズは魔女だったり、家庭の事情のだったり、いろいろとテーマになっていたけど、
     最後には真辺と七草の物語に収束する。

     捨てたい感情を捨て、捨てられた感情が集まった島、階段島。
     「嫌いだよ。でも、悪くないところもある。そんなもんだろ、自分自身なんて」

     ラストが清々しい。

  •  「ピストルスター」光の届かない星、けれど、それが光っていることを知っている、のだ。

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著者プロフィール

徳島県出身。グループSNE所属。2009年に『サクラダリセット CAT,GHOST and REVOLUTION SUNDAY』で、角川スニーカー文庫よりデビュー。若者を中心に人気を博し、シリーズは7冊を数える。他著作に「つれづれ、北野坂探偵舎」シリーズ(角川文庫)、『いなくなれ、群青』(新潮文庫)などがある。

「2017年 『ベイビー、グッドモーニング』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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