半七捕物帳: 江戸探偵怪異譚 (新潮文庫nex)

著者 :
制作 : 宮部 みゆき 
  • 新潮社
3.43
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本棚登録 : 235
感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本 (261ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101801735

作品紹介・あらすじ

江戸の「シャーロック」半七親分から逃れる術なし。彼は江戸時代における隠れたシャアロック・ホームズであった──。雪達磨の中から発見された死体。通行人を無差別に殺し続ける“槍突き”。江戸の難事件に立ち向かうは、神田三河町に居を構える岡っ引・半七。殺人、怪異、怪談。彼の推理はすべての不可思議に真実の光を当てる。今なお古びない捕物帳の嚆矢にして、和製探偵小説の幕開け。全六十九編の中から宮部みゆきが選んだ傑作集。

感想・レビュー・書評

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  • 横溝さんの人形左吉は読んでいたけど、岡本綺堂さんはハードルが高くて読まなかったのですだ。
    激しく後悔!
    今、読んでも遜色ないです。
    先ずは青空文庫からかな。

  • 事件の中身も動機もお縄になった犯人たちの末路も陰惨ながら、語り口や半七親分のさっぱりとした気質や描かれる江戸の風俗の洒落た感じから、古さに新鮮さが乗っかり小気味良い読書体験ができた。

  • もしかして何かのアンソロジーで読んだことあるかもしれないけれどほぼ初読の岡本綺堂。この半七捕物帳はずっと読みたかったのにどれから手を付ければいいのか分からなかったから宮部さん責任編集版は渡りに船。おかげでやっと読めた。明治には楽隠居の半七親分が新聞記者の「わたし」相手に十手を預かっていた頃の手柄話を振り返って聞かせるスタイルなのが意外で、お江戸捕物と明治の時代感も併せて楽しめた。この令和時代にも創作されている時代物より、江戸時代に一番近い作家の捕物帳の方が禍々しさが無いのが不思議。他のも読むぞ。

  • 収録作:雪達磨、お文の魂、山祝いの夜、筆屋の娘、勘平の死、槍突き、少年少女の死、津の国屋
    の8篇。

    出版予定が出たときになぜこのレーベルから半七の、しかも撰集が?と疑問に思ってましたが、若い世代へ半七捕物帳の存在を知ってもらう事を目的とした一冊なんですね。なるほど。

    綺堂は怪談モノが得意なのでそのテイストも持った作品を多くセレクトしてるのが嬉しいですね(サブタイトルに怪異譚と入ってますし)。

  • 「雪達磨」「お文の魂」「山祝いの夜」「筆屋の娘」
    「勘平の死」「槍突き」「少年少女の死」「津の国屋」の
    八篇。
    時代ものを書くときは、仕事の前に必ず『半七』を読むといった宮部みゆきの編である。
    文政6年(1823年)生まれの江戸の岡っ引き半七。
    明治時代の新聞記者の「わたし」が半七老人に話聞きだすという構成。

  • (2022-04-21)(2022-05-12)

  • はじめての岡本綺堂。しかも新潮nex(!?)。
    ずっと読まねばと思っていたが、宮部みゆき氏編というのがよいきっかけになった。
    それだけに、90年近くも前の作品とは思えないほどすんなりと楽しみながら読めた。
    さすが捕物帖の先駆け。

  • 初読み。
    シリーズ化してるものを宮部みゆきがセレクトしたものらしい。
    江戸のシャーロックというには、微妙な気がする。
    短編だし読みやすいんだけどそのせいか半七が唐突に事件を解決してしまう感じで、肩透かしな気もする。
    江戸のシャーロックという触れ込みがなければ普通に楽しめたかな。

  • 3.5

  • 短編だったし、以前読んだことがあるものもあったので、だらだら読んでいたら結果的に何か月もかかってしまった。
    宮部みゆきセレクトだからかも。「お文の魂」「少年少女の死」「勘平の死」「津の国屋」ね。ま、何回読んでもいいんだけど。
    初めて読んでおもしろかったのは「雪達磨」だった。
    「津の国屋」は入り組んでいる。「半七」の「語り」によって種明かしされると単純なんだけど。種明かしは説明口調なので、このあたりも連作ものみたくそれぞれの事情とかもっと小品として書かれると、テレビドラマみたくなっておもしろいのでは…と勝手に思う。でもそうすると、それぞれの話にでてくる多くの人物の誰かに焦点化されないといけないし、そもそも事件に「半七」はでてこなくて、でてくるのは「桐畑の常吉」だから「半七」の「語り」を「わたし」が「聴く」という形式では難しいのかも。この話の最後に半七老人がこの手の事件がそもそも江戸時代という今(=明治時代)にはありえないような事件なんですけどね、とまとめているのはおもしろい。

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著者プロフィール

(おかもと・きどう)1872~1939
東京生まれ。幼少時から父に漢詩を、叔父に英語を学ぶ。中学卒業後、新聞、雑誌の記者として働きながら戯曲の執筆を始め、1902年、岡鬼太郎と合作した『金鯱噂高浪(こがねのしゃちほこうわさのたかなみ)』が初の上演作品となる。1911年、二代目市川左團次のために書いた『修禅寺物語』が出世作となり、以降、『鳥辺山心中』、『番町皿屋敷』など左團次のために七十数篇の戯曲を執筆する。1917年、捕物帳の嚆矢となる「半七捕物帳」を発表、1937年まで68作を書き継ぐ人気シリーズとなる。怪談にも造詣が深く、連作集『三浦老人昔話』、『青蛙堂鬼談』などは、類型を脱した新時代の怪談として評価も高い。

「2022年 『小説集 徳川家康』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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