オニキス -公爵令嬢刑事 西有栖宮綾子ー (新潮文庫 ふ 52-11 nex)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101801803

作品紹介・あらすじ

あふれでる財力と権力で難事件をスピード解決! 超絶的資産家にして日本皇室と英国王室の血筋をひく公爵令嬢、警察庁監察特殊事案対策官・西有栖宮綾子警視正は、今日も自家用オスプレイに弾薬10トンをぶちこんで出動する。検察の裏組織〈一捜会〉の隠謀によって引き起こされた全国警察の重大不祥事を秘密裏かつ迅速に解決するために。「悪魔の証明」をも可能にする彼女に不可能は無い。未だかつて見たことのない警察ミステリ、開幕。

感想・レビュー・書評

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  • 警視庁監察特殊事案対策官の警視正、西有栖宮綾子は母親が皇族で、父親がイギリスの侯爵でとんでもない金持ち、広大な屋敷と敷地を奥三河にもつ。ほほう、奥三河とはローカルな!古野まほろって、ひょっとして愛知県出身なのか。
    この綾子ことメアリは、警察の不祥事を大枚の札束を用いて解決する。ただ、有効に金を使うには事態の正確な把握とそれにふさわしいシテュエーションをしつらえなければならないが、そこは頭も切れるし度胸も冷酷さもある。厄介ごとを仕掛けてくる検事総長たちにも一泡吹かせる。ああ、なんて馬鹿馬鹿しいお話だことと思いながら読んだが、なんだかお決まり感が強くて、もうひとひねり欲しいところかな。

  • お嬢様刑事が財力と権力をふんだんに使って事件を解決・もみ消すお話

    収録は3編
    ・消えた八、五七二万円を追え!!
    ・"警察に不祥事なし"
    ・あの薬物汚染を討て

    筒井康隆「富豪刑事」と発想は似ているけど、こっちは設定をもっと作り込まれてある

    西有栖宮綾子
    本名:メアリ・アレクサンドラ・綾子・ディズレーリ
    父親がイギリス公爵、母親が宮家
    警察内部の不祥事を秘密裏に捜査処理する「監察特殊事案対策官」として事件の調査を依頼される
    (この若さで警視正は無理じゃないか?とも思うけど、その無理を可能にする裏事情もあるのだろうなぁと推測)
    公爵家の執事である安藤警視と共に自家用オスプレイに乗って現場へと向かう


    ・消えた八、五七二万円を追え!!
    I県警の安芸中央警察署で拾得した現金が警察署の中で紛失した事件

    容疑者は警察署内の人間すべて
    遺失者からの訪問連絡もあったため、呑気に捜査する時間はない

    誰が何のためにどうやって消したのか?
    お金をふんだんに使った捜査方法とは?



    ・"警察に不祥事なし"
    小規模警察署の署長が署員と署長室で腹上死してしまったという連絡
    検察やメディアが現場に到着するまでにとった大規模な工作とは?


    ・あの薬物汚染を討て
    県警本部や警察署に覚醒剤が蔓延していた中、新たに着任した県警本部長が爆弾で瀕死の重傷となる
    事件のもみ消しと、「敵」への反撃の方法とは?


    「富豪刑事」とは違って明確な「敵」が存在していて
    尚且つこちら側も違法な手段も取ってる
    その設定も歴史的な背景に基いているけど、実際はどうなんでしょうね?
    検察が捜査権を取り戻したがっているというのはあり得るのか?
    ま、その辺は検察側も同じく特異な存在によって率いられているから、そこも含めての設定なのですね


    不満な点としては、セリフの「」内で改行するのは読みにくい
    あと、視点が第三者神視点なのか?あまり馴染みがないのでちょっと違和感を覚える

  • 英国王族と皇族の血を引く超絶金持ちのお嬢様というものすごい設定なのがぶっ飛んでていい!ここまで突き抜けてるともう爽快。

  • 富豪刑事(筒井康隆)は面白かった
    貴族探偵(麻耶雄嵩)の奇才っぷり
    本作品の二つ名は「公爵礼状刑事」
    英国と日本の皇族が、有り余る金を
    1000憶単位で使い、強制的に解決

    設定が面白く、謎の裏検察組織との
    (表と同じ顔触れ)宿命の対決の様
    はエスカレートのみで次回作なんて
    果たして可能なのか分からない

    取り敢えず読んでね (´・ω・`)

  • 財力に物を言わせて解決するという点は『富豪刑事』みたいな印象。あるいは、別の印象で言うと、「二階堂蘭子」シリーズや、ちょっと違うけれど表紙から『medium』とかも思い浮かぶ。文体のせいなのか、理由はよく分からないのだけれど、読み進めても楽しくならないしワクワクも湧いてこなかった。第一話までで読むのを断念。

  • 2020/02/05 読了。

    設定盛りすぎや―。
    でも、それ込みで好みなので、構わない!

    安藤さん不憫なできる子…ツボですね。

    箱崎さんでてくるし、続くかなー。
    Red.の続きも天帝の続きも待ってる…。

  • メアリ・アレクサンドラ・綾子・ディズレーリという本名を持つ主人公は、英国のビーコンズフィールド連合王国公爵と日本の皇族西有栖宮家の女王との間に生まれた「家格と財力とにめぐまれすぎた令嬢(本文9ページ)」です。
    そして、警察庁直属の警視正で、全国の警察内部の不祥事を秘密裏に捜査処理する「監察特殊事案対策官」でもあります。
    ひとたび上官たる警察庁長官から命令が下ると、普段は公爵家の執事である安藤警視と、同じく二級従僕である鳥居巡査部長を率いて、自家用オスプレイで現場(当然どこかの警察本部あるいは警察署)に急行し、明晰な頭脳と(桁外れの)実弾の力で事件に挑むのです。
    古野まほろさんの他作品ともリンクした、パラレルワールドの日本が舞台で、前述の概要からするとスラップスティックなコメディを連想されるかも知れませんが、ぶっ飛んだ設定の可笑しさはあるものの、描かれる事件や警察組織の様子は「地に足のついた」ものですし、警察・刑事小説好きに広くオススメできるかと存じます。

    蛇足ですが、筒井康隆さんの「富豪刑事」もこんな感じなのかなぁ。深キョン主演のドラマ版を観ただけで、原作は未読ですけど。
    あっ、この4月からアニメ化もされるらしいですね(富豪刑事がねww)

  • 全て金で解決とあって、中々ダイナミックな事件解明の仕方で面白かった。ただミステリかといわれるとそうでもない。刑事の現場を切り取ったシチュエーションコメディのような作品だった。

  • 溢れ出る財力(カネ)と権力(チカラ)ですべてを解決という文言にひかれて読みました。
    超お嬢様が金と権力で問題解決していく様が見ていてすがすがしい。続編も読みたいなぁ〜

  • 『娯楽』★★★★★ 10
    【詩情】★★★☆☆ 9
    【整合】★★★★☆ 12
    『意外』★★★★☆ 8
    「人物」★★★★☆ 4
    「可読」★★★★☆ 4
    「作家」★★★★★ 5
    【尖鋭】★★★★★ 15
    『奥行』★★★☆☆ 6
    『印象』★★★★☆ 8

    《総合》81 A-

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著者プロフィール

東京大学卒。リヨン第三大学法学部第三段階専攻修士課程修了。元警察官僚。2007年『天帝のはしたなき果実』でデビュー。以後続く「天帝シリーズ」は、高校生、大学生を中心に熱狂的なファンを獲得。他著作に『絶海ジェイル』『背徳のぐるりよざ』『その孤島の名は、虚』など。

「2022年 『老警』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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