コンビニ兄弟―テンダネス門司港こがね村店― (新潮文庫nex)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 3561
感想 : 283
  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101801964

作品紹介・あらすじ

あなたの心、温めます。九州だけに展開するコンビニチェーン「テンダネス」。その名物店「門司港こがね村店」で働くパート店員の日々の楽しみは、勤勉なのに老若男女を意図せず籠絡してしまう魔性のフェロモン店長・志波三彦を観察すること。なぜなら今日もまた、彼の元には超個性的な常連客(兄含む)たちと、悩みを抱えた人がやってくるのだから……。コンビニを舞台に繰り広げられる心温まるお仕事小説。

感想・レビュー・書評

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  • 北九州で展開するコンビニチェーン「テンダネス門司港こがね村店」とここに集まる常連客たちの日常と抱える問題が描かれた連作短編お仕事小説。

    初町田そのこ作品。
    今は亡き私の母の出身が北九州だったこと、ブクログ文庫ランキングでも長きに渡りランクインしていたこともあり、随分前に入手するも積読。ちょうど気分が向いた頃合いを迎え通読に至った。

    ホストのようにフェロモンを醸し出す店長と、取り巻く登場人物が皆個性的で、キャラ設定の時点で既に面白かった。

    特に、第4話の『定年退職した偏屈じじい大塚多喜二語り』は、心がホッコリ目頭がジンワリ。本当に善き物語だった。

    私は普段、ほとんどコンビニを利用しない。いや、しなくなった。理由としてはお酒をやめたことが大きく影響しているが、何よりディスカウントスーパーと比較しても価格帯が高いこともあり利用に至らない次第である。

    しかし本作を読んで、無性にコンビニのドリップ・エスプレッソマシンのコーヒーが飲みたくなった。

    普段は会社内の休憩室にある自販機で買っているのだが、これを機にしばらくコンビニのドリップコーヒーに切り替えてみようと思う。

    本を読んで、生活習慣を変えてみる。

    本から得る感情の揺さぶりはもとより、生活に影響する副産物が得られるのもまた、読書の醍醐味であると改めて実感させてくれた1冊であった。

    • kamiya-kunさん
      ふと、コメント見て驚きました。

      「本を読んで、生活習慣を変えてみる」

      まさにその通り。
      実は私も一年半前お酒をグッと(いやかなり)減らし...
      ふと、コメント見て驚きました。

      「本を読んで、生活習慣を変えてみる」

      まさにその通り。
      実は私も一年半前お酒をグッと(いやかなり)減らし、その時間を読書に充てた身でした。
      …コンビニは使ってますが。
      朝プロテインも同時に始め、今では29インチの501履いてます(YES!)

      最近は、三日に一冊読んだとして一年間で120しか読めないんだよなぁ、と馬鹿な考えにふけりながら本を開いてます。
      これがまた、実に有意義な時間で〜

      書評と関係無い話でスミマセン。
      共感してしまったのでつい。
      勝手に仲間意識でした。
      2022/04/11
    • akodamさん
      kamiya-kunさん、こんばんは。
      コメントありがとうございます。

      kamiya-kunさんもお酒時間を読書時間へ充てられたとは、我々...
      kamiya-kunさん、こんばんは。
      コメントありがとうございます。

      kamiya-kunさんもお酒時間を読書時間へ充てられたとは、我々同士じゃないですか。

      しかし29インチとはスリムが過ぎます!

      小説読書を始めてから、私の生活は劇的に変わりました。最も変わったのはこのブクログを始めたこと、本や映画、音楽やゲームをこよなく愛する方々の愛情(時に叱咤)あるレビューを見て感化し、共感し、感動し、関心し、気が付けばただのおじさんである私にご意見くださる方々とまた一喜一憂している自分がいる。

      まさにkamiya-kunさんとの出会いもまたブクログのお陰であり、お酒を辞めた副産物があまりにも大きくて、今や読書もブクログによる記録や皆さんのレビュー閲覧も生活習慣化しています。

      1年120冊試算のお気持ちお察しします。本好き故の悩みですよね。一時私も多読の癖が高じて【速読】の本を何冊か購入するも全く響かず、結果今の遅読な自分を受け入れている次第です。

      仲間意識を抱いていただき嬉しかったです。
      今後ともよろしくお願いいたします^ ^
      2022/04/11
    • kamiya-kunさん
      酔って騒いで陽気になって〜も楽しいひとときですが、中々どうして、活字でも充実陶酔させて貰ってます。

      感想を参考に、書籍選びしてみます。
      返...
      酔って騒いで陽気になって〜も楽しいひとときですが、中々どうして、活字でも充実陶酔させて貰ってます。

      感想を参考に、書籍選びしてみます。
      返信ありがとうございました!
      2022/04/11
  • 『慣れない土地に行くたびに思うけれど、コンビニって不思議な場所だ。どこの街であろうと、この中に入るだけでどこか親しみのわく懐かしい空間に変わる。同じような店内で、同じような商品が並んでいるからだろうけど、安心感のようなものを覚えてしまう』

    日本全国津々浦々まで広がったコンビニのネットワーク。様々なことがそこに行くだけで叶い、中には用の有無に関わらずそこに行くことが日課になっている、そんな風に私たちの生活には欠かせないものになってしまっているコンビニ。でも、あなたがそんなコンビニを訪れた時、店員さんを意識したことってあるでしょうか?いつも行くコンビニにどんな店員さんがいたかをパッと思い浮かべることができるでしょうか?

    『彼が甘く微笑んだ。その瞬間、耳を塞ぎたくなるような絶叫が店内に響き渡った』という店員。『百戦錬磨の熟女たちで構成されてい』るファンクラブを持っている店員。そして、もう一度会うと『わたしは底なし沼に落ちてしまうような気がする』と感じさせる店員。そんな店員が店長を務めるコンビニがここにあります。それが『門司港』にあるという『コンビニ「テンダネス門司港こがね村店」』。この作品は、そんなコンビニを訪れた人たちが何かを掴み、再び前を向いて歩いていく姿を見る物語です。

    『やあーん!あたしの方を見てよお!』、『やだ、わたしよ!』と『アイドルのコンサート会場のような悲鳴が巻き起こり、思わず』後ずさった『わたし』。『目の前で、蝶々みたいに華やかな女性たちがうつくしい花に吸いつこうと舞っている』という光景を目にして『え、ここ、普通のコンビニじゃなかったの?』と周囲を見回す『わたし』は『どうしてこのコンビニに寄ったのか、無意識に記憶を巻き戻し』ます。『車の免許を取って、中古の軽自動車を買』い、『ピピエンヌ号』と名付けた『わたし』。『自分の運転する車でドライブするのが長年の夢』だったという『わたし』は、『車を買って初めての連休』に『夢を叶えるべく』出かけました。当初、福岡を目指すも方針変更。『地図を探』ると『指先がひとつの地名に触れた』、それは『門司港…』。『聴き覚えのある地名だ』、『フィーリングが大事なのだ』と車を走らせ『二時間後、無事に門司港に着』きました。『キラキラした海に、レトロでかわいらしい建物たち』を見て『最高じゃん、ここ』と『ひたすらに歩き回って街を散策した』わたしは『お茶でも買おうと目についたコンビニに入』りました。『ペットボトルを』手にしてレジに向かうと『そこにはわたしが普段コンビニで目にしないような光景が広がっていた』という衝撃。『これから合コンでもあるのかなと思うくらいに綺麗に着飾ったお姉さんたち』、『レジカウンターの中にはひとりの男性がいて、彼に熱狂している』というその光景。『その男性はコンビニ店員とは思えないくらいイケメンで、『色気』と呼ぶべきものをぷんぷん匂わせていた』というその店員。『いつもありがとうございます。あ、今日は何だか印象が違いますね』、『えー!店長、私のことちゃんと見てくれてるのね…』、『店長、あたしも見て!あたしだって今日はネイルを変えてきたのよ』、『ああ、由宇子さん…食べてしまいそうに可愛い』と交わされる会話。そして『彼が甘く微笑んだ』瞬間『耳を塞ぎたくなるような絶叫が店内に響き渡った』という光景。『ここ、アイドルのコンサート会場なの』と戸惑いながらも違うレジで会計を済ませて店をあとにする『わたし』に『ありがとうございました』と声がかかりました。『あの男性店員が、わたしの方を見て微笑んでいた』のを見て『背中の奥、皮膚と肉の内側に守られた神経を直接撫でてくるような視線にぞくりとした』という『わたし』。そんな何かを秘めたイケメン店員が店長を務めるコンビニを舞台に、様々な人たちの人生のドラマが交錯しながら物語は展開していきます。

    『初めてのドライブ以来、大好きな観光地となった門司港の魅力をもっと多くの人に知ってもらいたい』と語る町田そのこさん。六つの短編がプロローグとエピローグに挟まれて、八つの章からなるこの作品。コンビニ『テンダネス門司港こがね村店』を舞台にした連作短編として構成されています。そして、このプロローグに登場する免許を取って初めてのドライブに赴く『わたし』とは町田そのこさんご本人という想定。もちろん、コンビニの部分は創作だと思いますが、作品に描かれるほどに『門司港』の街並みの印象が強く残られたのは事実なのだと思います。作品中でも『夜景の綺麗な所』として『和布刈公園で海を眺めてぼうっとしてた』という形で『門司港』の街の色んな場面がさりげなく、それでいて多数登場します。私は『門司港』には行ったことはないですが地元の方、もしくは行ったことのある方にはリアルな街なみをイメージしながら違う楽しみ方もでき、そして行ったことのない私にも”行ってみたい街”=『門司港』がインプットされました。

    そんなこの作品の舞台となるコンビニ・テンダネスは『九州だけで展開するコンビニチェーン』であり『「ひとにやさしい、あなたにやさしい」をモットーとし、その人気は他のコンビニチェーンに劣らない』となんだかとてもリアルな設定です。そして、そんなコンビニ『門司港こがね村店』を舞台にしたこの作品に象徴的に登場するのが『イケメン店長』の志波(しば)です。『フェロモンを泉の如く垂れ流している』とされる志波。しかし、その印象は、男女、年齢によってもかなり異なってきます。この作品はそんな様々な登場人物に視点がどんどん移っていく連作短編の形式をとっていますが、それが実に巧みに構成されています。まずは同じ店員の光莉(みつり)視点です。『目の前の男がコンビニエンスストアの店長だとは、どうしても思えなかった』という面接での出会い。『フェロモンを半永久的に垂れ流す源泉のような器官ができているに違いない』と思い、『志波ならばもっと他にも人心を鷲掴みにすることで利益を得るような仕事がある』のではとも考えます。そして、コンビニ店長という現在の姿が『才能ともいうべきフェロモンの無駄遣いであるといえる』と断じる一方で『志波の人気は、絶大だ。出勤するとしないとでは、売り上げが違うほど』と、その存在の大きさに一目置いています。しかし、視点が変わるとこの印象が少し崩れていきます。同じ女性でも高校生の梓(あずさ)視点だと『レジでは、近寄ると背筋が痒くなる男性 ー 店長が胡散臭い笑みを浮かべて立っていた』とフェロモンに影響されていない様子がうかがえます。『店長がレジに立っていると避けたいほどに変なオーラがむんむん立ち上っている』と、マイナス視点にまでなってしまうその見方。さらには65歳で定年退職した多喜二(たきじ)視点ではさらに辛辣です。『ああいう男は、平気で女を食い物にする』と警戒するその姿勢。『俺は何百何千という人間を見てきたし、使ってきた。だから分かるんだ。あれはろくでもない男に違いない』とまで言い切る多喜二。濃すぎるキャラは万人に受け入れられるわけではないという結果論ですが、その一方で各短編内では、志波目指して押し寄せる女性陣が一貫して描かれることもあって、読者としてはなんともシュールな光景を第三者的に見ることになる、そんな印象も受けました。

    しかし、そんな見かけの印象だけでは志波の本来の姿は見えてきません。物語では、志波は、全く違う外見で対照的な兄弟として登場するツギとともに、コンビニを訪れる人、そして彼らと関わった人の人生を変えていく起点の役割を果たしていきます。それは、直接という場合、もしくは場面の背景としてゆるやかに登場する場合の両方があります。強烈なキャラが、色んな人たちの人生の転機に、起点に関わっていく人物というと、柚木麻子さん「ランチのアッコちゃん」のアッコさん、古内一絵さん「マカン・マラン」のシャールさん、そして青木美智子さん「お探しものは図書室まで」の司書の小町さん等が思い浮かびます。彼女たちに共通するのはいずれも短編の各話に登場したり書名になっていたりはするものの、主人公は各話にそれぞれ別に登場し、あくまで彼女たちは脇役であるという点、そして、全員女性(シャールさんも一応、女性枠)であるということです。一方で、この作品ではそれが男性であるという点がまず異なります。ただし、普通の男性ではなく、特別な立ち位置とすることで他の作家さん同様の独自のカリスマ的立ち位置は確保しています。しかし、上記の通り人によって見え方は千差万別であり、この辺り、逆に志波もあくまで普通の人間であるという側面も同時に感じさせるなどとても上手い構成がなされていると思います。そして、この作品で一番大きいのは、最後の〈エピローグ〉で、志波自身に視点が移ることになる点だと思います。他の作家さんの上記した作品では、この特別な立ち位置の人物に視点が移ることはありません。何を考えているのだろう、本当はどういった人物なのだろう、ということは全て読者の想像に委ねられます。そこに、ある種のカリスマ性の高まりを感じさせるその演出。それに対して、まさかの志波視点が登場するこの作品。これはかなりの冒険であり、この作品の独自性を強く感じる部分だと思います。そして、そこで語られるのは、志波の内面、フェロモンの泉の根源。それは、『料理の仕上げは愛情だというけれど、接客の仕上げも愛情だと思う。ぼくはいつだって、いま目の前にいるひとへ愛を込めて微笑むことを意識している』という純粋なまでの志波の真実の姿。一切の打算なき真摯な一人の人間の姿。そんな志波の内面に触れることのできる〈エピローグ〉。見かけの派手な印象だけではない志波の真の魅力を感じさせてくれるとても上手い演出だと思いました。

    “漫画家になる夢を諦めないまま何となく生きる塾講師”、”仕事に邁進して家庭を顧みないまま定年退職して時間を持て余す初老の男性”、そして”閉塞感のある毎日を過ごす二人の女子高生”などが各短編にそれぞれ登場するこの作品。それぞれに思い悩み、前に進むきっかけを得られずに戸惑う日々を送ってきた彼ら。そんな彼らが利用するコンビニと、そこで店長として働く志波兄弟との運命の出会い。しかし、私たちがそうであるように、コンビニを訪れてもそれ自体が私たちに代わって何かを解決してくれることなどありません。私たちの人生はあくまで私たちそれぞれのものです。どんな悩みも最終的には、私たちそれぞれが立ち向かい、解決していくしかありません。しかし、そのためにはきっかけが必要です。前に進むための最初の一歩、それを掴むための起点となる場、それを与えてくれたのが、コンビニに集う人たちの人を思う力でした。そして、そんな人たちが集う原動力となっていたのが、店長の志波の存在でした。『誰かの人生の欠片でも、手助けできたら、いいよね』と語る志波。そんな志波が店長を務めるからこそ、そこに集まった人たち。そして、そこから繋がった、そこから動き出したそれぞれの人たちの未来。

    ああ、私もこのコンビニに行ってみたい。まずは『門司港』へと赴いてみたい、そんな風に感じた、とても爽やかな読後感に満たされる作品でした。

  • あー面白かったー。
    フェロモンを振り撒く“フェロ店長“、そして彼をネタに漫画を描くパートの主婦。
    パート主婦目線でずーっと店長を観察しているお話なのかと思っていたら、そういうわけでもなく、コンビニで出会った人たちのそれぞれのドラマが描かれる。
    だけどパート主婦の観察眼、心の声がまぁ面白くて面白くて、パート主婦目線の箇所ではニマニマが止まりませんでした。
    しかし!そうかと思えば、中学生女子の複雑な友だち関係のお話では急に涙腺を攻撃されてしまい、(一人きりではなかったので)斜め上を見上げ瞼をシパシパさせ涙を乾かさねばならなくなりとても困った!
    こっちはニマニマする前提で読んでるんだから急にやめてくれよ〜町田さーん、って思いましたよ。
    でも、こういうニヤニヤしながらの読書が大好物なので、続編が出てくれたらいいなぁと思います。
    ただ私が図書館で借りた本の表紙は思いっきりフェロ店長の顔が出ているので、それはちょっと不満だったなぁ。そこはこちらの想像力で楽しみたかったな、と思いました 笑

    • しずくさん
      この作品は大好きで今でもコンビニに立ち寄るたびに思い出します。
      数年前、3、4階が独居マンション風になっているビルで、早い時間に1階のイー...
      この作品は大好きで今でもコンビニに立ち寄るたびに思い出します。
      数年前、3、4階が独居マンション風になっているビルで、早い時間に1階のイートインコーナでコーヒーを飲んでいたら、階段を下りて来たお年寄りの男性がパンと温かい飲み物を注文して、私の横で食べ、終えると普通に階段を上がって2階へ戻られました。店員さんと親し気に話されてて印象に残ったのです。
      その時はピンと来なかったのですが、もしかするとと後から考えたのでした。やはり本作を読んで確信できます。独りになったらそういう暮らし方もありです!
      2021/12/22
    • こっとんさん
      しずくさん、こんにちは。
      すごい!リアルコンビニ兄弟ですね!
      昔、物件を探していたら、一階に店舗があるマンションは人の出入りが激しいからあま...
      しずくさん、こんにちは。
      すごい!リアルコンビニ兄弟ですね!
      昔、物件を探していたら、一階に店舗があるマンションは人の出入りが激しいからあまり選ばない方がいい、なんて言われたこともありました。でも、将来、一人になった時などはこんなマンションがあったら本当にアリですよね!
      そして、店長がフェロだったなら、最高ですな 笑
      2021/12/22
  • 「あなたにとってコンビニとは?」と尋ねられた時、世の中の大多数の人たちはどのような回答をするのだろう?と、考えた。
    私なら「100円でドリップコーヒーが飲める」、「通販の支払いができる」、「銀行の代わりに使用できる」、「荷物が送れる」など、私にとってのコンビニのキーワードは何と言っても「便利」である。
    もしかしたら皆さんの中には「癒し」と答える方もいるかもしれない。しかしながら、キーワードの中に「美形」、「美形の店長」と回答する確率は極めて0に近いような気がする。(と、書いてしまうと、コンビニで働く方に失礼なのだが)

    ということで、本作はこの「癒し」かつ「美形」のキーワードを放つコンビニで起こる人生劇場である。

    当該コンビニは九州限定で展開するコンビニチェーン「テンダネス」。そしてこのコンビニの中で、「癒しの」「美形店長」のキーワードを放つのは門司港こがね村店である。テンダネスの中でも優良店舗である。
    優良店舗という業績は、イケメンフェロモン店長・志波三彦の力あってのこと。もちろん、店長の存在だけではない。高齢者専用マンションの一階にあるロケーション、マンションの住民や地域住民に向けたさまざまなサービスも展開、販売している製品の充実さ、加えて門司港こがね村店では、美形店長によるサービスにより店舗と比して、信頼も高い。
    また、店長、従業員、常連客のハーモナイゼーションも心地よい。

    こんな上手い話はないと分かっていながらも、楽しく気楽に読み進めることができるので、気分転換になる一冊であった。

    追伸: すごく細かく書いた感想を削除してしまい、しばらくの期間、落ち込んでおりました 泣

  • そのコンビニには、フェロモンを只でダダ漏れさせる店長がいらっしゃる。そして、悩みを抱えた人も抱えてない人もやってくる。ファン層の中心は高年齢だけど、小学生から高校生まで客層は広い。人生の交差点となっている。コンビニを介して、彼等の生活は、実質的にも精神的にも支えられている。
    “あなたの心、温めます。”
    是非、お弁当と共に温めてほしい。
    「コンビニ人間」「明るい夜に出かけて」「コンビニ兄弟」等々、近年の作品を考えても、コンビニは社会の重要拠点なのね。

    • Manideさん
      おびのりさん

      「あなたの心、温めます」は、いいですね。
      私の家の近くにあるコンビニにも、
      いつも笑顔の素敵な店員さんがいます。

      そうです...
      おびのりさん

      「あなたの心、温めます」は、いいですね。
      私の家の近くにあるコンビニにも、
      いつも笑顔の素敵な店員さんがいます。

      そうですね、コンビニは重要拠点かもしれないですね ^_^
      2022/06/20
    • おびのりさん
      Manideさん
      こんばんは。
      いいね、コメントありがとうございます♪
      最近、小説にコンビニが多数出現してきて、
      時代を感じてしまいます。
      ...
      Manideさん
      こんばんは。
      いいね、コメントありがとうございます♪
      最近、小説にコンビニが多数出現してきて、
      時代を感じてしまいます。
      人気作のようで、図書館予約から半年くらい待ちまして、読むのは一瞬!(^^)
      よろしくお願いします。
      2022/06/20
  • 町田そのこさんの小説を初読み。
    とても読みやすく、心が癒されるストーリーでした。

    老若男女を魅了する店長が働くコンビニが舞台の短編集。
    短編毎に登場するキャラクターがみんな活き活きして輝いていた。

    読後はコンビニに行きたい衝動に駆られて、久々にコンビニで買い物をしました。
    続きを早く読みたいです。

    • アールグレイさん
      初めまして、
      フォローを頂きありがとうございました。
      実は、私は自己啓発本は苦手です
      m(._.)m 小説専門のつもりだったのですが、最近絵...
      初めまして、
      フォローを頂きありがとうございました。
      実は、私は自己啓発本は苦手です
      m(._.)m 小説専門のつもりだったのですが、最近絵本を乗せました。奥深い意味のあるいい絵本です。
      東野圭吾さんは最近では“白鳥とコウモリ”を読みました。読後感のいい本でした。
      どうぞよろしく、
      (^O^)
      2022/06/26
    • なべさん
      はじめまして。なべです。
      いいね!とコメントありがとうございます。
      "白鳥とコウモリ"読んでみたいです。
      よろしくお願いします。
      はじめまして。なべです。
      いいね!とコメントありがとうございます。
      "白鳥とコウモリ"読んでみたいです。
      よろしくお願いします。
      2022/06/27
  • 何年か前に行った門司港駅の夜景が何とも言えず哀愁があって、日没時に撮った駅舎をfacebookのカバー写真にしています。
    その門司港が舞台であることと、町田そのこさんの作品は未読だったので読んでみました。

    最初は、コメディタッチのおちゃらけ小説なのかなと思いましたが、気が付けば引き込まれていました。
    街の描写はほぼ出てこないので、門司港を知らない人は何かで調べてイメージを作ってから読むとより楽しめると思います。

    お仕事小説というより、中高生の友情や恋愛、家族の愛情の要素が強いと感じました。

    ほんの些細なことで仲良くなったり、けんか別れしたり、家族も含めて他人の本質や本心を知ることは難しいです。
    みんな自分とは違う生き方をしてきて考え方も違うのだから、その言動にはその人ならではの理由があることに気が付かねばなりません。
    でも知っている一部の情報からしか他人の人物像って作れないので、思いもしない言動に遭遇すると対応しきれなくて困ることがありますよね。

    趣味や仕事に関しては、
    「好きな事を続けるってことは、案外難しいんだぞ。」
    「好きな事を仕事にして生きていけるのは、一握りのひとだけ。」
    「悩みはどこかで吐き出させてあげなければいけない。」
    などの言葉が頭に残りました。

    私自身、「好きな事を仕事にすると、うまくいかなくなった時に好きだった事が嫌いになるのでは」という強迫観念があって、
    「仕事は生活資金を稼ぐためと割り切り、多少の嫌なことは我慢する。そのかわり、好きな事は自由気ままに楽しみたい。」
    という考えで生きてきました。
    だから、好きな事を仕事にし続けている人は、幾つもの大きな壁を乗り越えてきているのだろうなと思います。

    コンビニ兄弟は、楽しそうに好きな事を仕事にしていて羨ましい。

  • 最初はマンガみたいで何だか軽いなーという感じでさらーっと読んでいたが、読み進めるうちにどんどん物語に深みが出てきて、第三章、第四章では涙、涙。
    油断してたー。町田そのこさんだもん。さらっと終わるはずなかった。

    店長がいい人すぎて胡散臭いのが気になる。
    絶対裏があるでしょう、と思っていたが最後までいい人だった。
    2も出ているので読んでみよう。

  • 舞台はコンビニ「テンダネス門司港こがね村店」の一冊。
    個性的な登場人物達がさりげなくちょっとした気づきを、言葉を添えてくれる物語は笑い有り、刺さる言葉多々あり。

    心の変化や友情、夫婦関係等には気がつけば涙が溢れていた。

    読みながらゆっくりほどよく温められていくようなこの感覚、やっぱり町田さんだ。良かったな。

    ここにくれば誰かがいる、さりげなく見ていてくれる安心感。

    一歩入れば心にもビタミンチャージ。

    こういう場所って誰しもが求めたくなるし、人には必要だと思う。

    ほどよく心もチン!をまた味わいたい。

  • 町田そのこさんの作品は、ほんとにやさしいなあ。
    (町田作品を読む度に思っていてこれで4回目。つまり町田作品4冊目。)

    あったかくて、やさしい。

    そんなイケメンフェロモン店長、現実には絶対存在しないだろ!とつっこみながらも、
    老若男女の悲喜こもごも、感情の機微を細やかに描いてて
    ああ、町田そのこさん、好きだなあ…と
    またもや思わされた。

    特に第三話の「メランコリックないちごパフェ」に共感。女子の友情って大変だ。

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著者プロフィール

町田そのこ

1980年生まれ。福岡県在住。「カメルーンの青い魚」で、第十五回「女による女のためのR-18文学賞」大賞を受賞。2017年に同作を含む『夜空に泳ぐチョコレートグラミー』でデビュー。他の著作に『ぎょらん』『コンビニ兄弟―テンダネス門司港こがね村店―』(新潮社)、『うつくしが丘の不幸の家』(東京創元社)がある。

「2021年 『星を掬う』 で使われていた紹介文から引用しています。」

町田そのこの作品

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