コンビニ兄弟―テンダネス門司港こがね村店― (新潮文庫nex)

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 602
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101801964

作品紹介・あらすじ

あなたの心、温めます。九州だけに展開するコンビニチェーン「テンダネス」。その名物店「門司港こがね村店」で働くパート店員の日々の楽しみは、勤勉なのに老若男女を意図せず籠絡してしまう魔性のフェロモン店長・志波三彦を観察すること。なぜなら今日もまた、彼の元には超個性的な常連客(兄含む)たちと、悩みを抱えた人がやってくるのだから……。コンビニを舞台に繰り広げられる心温まるお仕事小説。

感想・レビュー・書評

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  • 北九州で展開するコンビニチェーン「テンダネス門司港こがね村店」とここに集まる常連客たちの日常と抱える問題が描かれた連作短編お仕事小説。

    初町田そのこ作品。
    今は亡き私の母の出身が北九州だったこと、ブクログ文庫ランキングでも長きに渡りランクインしていたこともあり、随分前に入手するも積読。ちょうど気分が向いた頃合いを迎え通読に至った。

    ホストのようにフェロモンを醸し出す店長と、取り巻く登場人物が皆個性的で、キャラ設定の時点で既に面白かった。

    特に、第4話の『定年退職した偏屈じじい大塚多喜二語り』は、心がホッコリ目頭がジンワリ。本当に善き物語だった。

    私は普段、ほとんどコンビニを利用しない。いや、しなくなった。理由としてはお酒をやめたことが大きく影響しているが、何よりディスカウントスーパーと比較しても価格帯が高いこともあり利用に至らない次第である。

    しかし本作を読んで、無性にコンビニのドリップ・エスプレッソマシンのコーヒーが飲みたくなった。

    普段は会社内の休憩室にある自販機で買っているのだが、これを機にしばらくコンビニのドリップコーヒーに切り替えてみようと思う。

    本を読んで、生活習慣を変えてみる。

    本から得る感情の揺さぶりはもとより、生活に影響する副産物が得られるのもまた、読書の醍醐味であると改めて実感させてくれた1冊であった。

    • kamiya-kunさん
      ふと、コメント見て驚きました。

      「本を読んで、生活習慣を変えてみる」

      まさにその通り。
      実は私も一年半前お酒をグッと(いやかなり)減らし...
      ふと、コメント見て驚きました。

      「本を読んで、生活習慣を変えてみる」

      まさにその通り。
      実は私も一年半前お酒をグッと(いやかなり)減らし、その時間を読書に充てた身でした。
      …コンビニは使ってますが。
      朝プロテインも同時に始め、今では29インチの501履いてます(YES!)

      最近は、三日に一冊読んだとして一年間で120しか読めないんだよなぁ、と馬鹿な考えにふけりながら本を開いてます。
      これがまた、実に有意義な時間で〜

      書評と関係無い話でスミマセン。
      共感してしまったのでつい。
      勝手に仲間意識でした。
      2022/04/11
    • akodamさん
      kamiya-kunさん、こんばんは。
      コメントありがとうございます。

      kamiya-kunさんもお酒時間を読書時間へ充てられたとは、我々...
      kamiya-kunさん、こんばんは。
      コメントありがとうございます。

      kamiya-kunさんもお酒時間を読書時間へ充てられたとは、我々同士じゃないですか。

      しかし29インチとはスリムが過ぎます!

      小説読書を始めてから、私の生活は劇的に変わりました。最も変わったのはこのブクログを始めたこと、本や映画、音楽やゲームをこよなく愛する方々の愛情(時に叱咤)あるレビューを見て感化し、共感し、感動し、関心し、気が付けばただのおじさんである私にご意見くださる方々とまた一喜一憂している自分がいる。

      まさにkamiya-kunさんとの出会いもまたブクログのお陰であり、お酒を辞めた副産物があまりにも大きくて、今や読書もブクログによる記録や皆さんのレビュー閲覧も生活習慣化しています。

      1年120冊試算のお気持ちお察しします。本好き故の悩みですよね。一時私も多読の癖が高じて【速読】の本を何冊か購入するも全く響かず、結果今の遅読な自分を受け入れている次第です。

      仲間意識を抱いていただき嬉しかったです。
      今後ともよろしくお願いいたします^ ^
      2022/04/11
    • kamiya-kunさん
      酔って騒いで陽気になって〜も楽しいひとときですが、中々どうして、活字でも充実陶酔させて貰ってます。

      感想を参考に、書籍選びしてみます。
      返...
      酔って騒いで陽気になって〜も楽しいひとときですが、中々どうして、活字でも充実陶酔させて貰ってます。

      感想を参考に、書籍選びしてみます。
      返信ありがとうございました!
      2022/04/11
  • フォロワーさんの本棚にたくさん登録されていた本。気になって購入してみた。
    町田先生は穏やかな小説を書かれるから、きっとこの作品もそうなのだろうと。

    九州だけに展開するコンビニチェーン、門司港こがね村店で巻き起こる、心温まる優しい物語が短編で綴られる。
    このコンビニ店長はフェロモンを撒き散らす個性派の志波三彦。
    そしてそのコンビニによく現れる彼の兄、二彦。

    パート店員の光莉はフェロモン店長を観察し、漫画を描くことだ(笑)


    年齢的なものもあってか、この作品の中では、両親が離婚し、体育祭にこられない父のことで友達に虐められていたヒカルを庇うじいちゃんの話、これが一番良かったなぁ。
    出来ればこの話を長編で読みたかったし、体育祭がどうなったのか、その後まで読みたかったなぁ。

    次に良かったのは、学校カーストトップの幼馴染に従う自分が、ハブられている友達とコンビニで会い、変わっていく話。
    こちらも良かったなぁ。。。なんだか実際ありそうな話だなぁと感じた(笑)

    この本の続きも読んでみたい!
    読んでみたい本だらけで困ってしまう(^_^;)

    • Manideさん
      続きも面白いですよ(^^)
      続きも面白いですよ(^^)
      2023/11/24
    • bmakiさん
      Manideさん

      ですよね。絶対面白いやつですよね!!
      あーーー読みたい本が多すぎて、何から読むべきか。。。考えてしまいます(^◇^...
      Manideさん

      ですよね。絶対面白いやつですよね!!
      あーーー読みたい本が多すぎて、何から読むべきか。。。考えてしまいます(^◇^;)
      2023/11/24
  • 『慣れない土地に行くたびに思うけれど、コンビニって不思議な場所だ。どこの街であろうと、この中に入るだけでどこか親しみのわく懐かしい空間に変わる。同じような店内で、同じような商品が並んでいるからだろうけど、安心感のようなものを覚えてしまう』

    日本全国津々浦々まで広がったコンビニのネットワーク。様々なことがそこに行くだけで叶い、中には用の有無に関わらずそこに行くことが日課になっている、そんな風に私たちの生活には欠かせないものになってしまっているコンビニ。でも、あなたがそんなコンビニを訪れた時、店員さんを意識したことってあるでしょうか?いつも行くコンビニにどんな店員さんがいたかをパッと思い浮かべることができるでしょうか?

    『彼が甘く微笑んだ。その瞬間、耳を塞ぎたくなるような絶叫が店内に響き渡った』という店員。『百戦錬磨の熟女たちで構成されてい』るファンクラブを持っている店員。そして、もう一度会うと『わたしは底なし沼に落ちてしまうような気がする』と感じさせる店員。そんな店員が店長を務めるコンビニがここにあります。それが『門司港』にあるという『コンビニ「テンダネス門司港こがね村店」』。この作品は、そんなコンビニを訪れた人たちが何かを掴み、再び前を向いて歩いていく姿を見る物語です。

    『やあーん!あたしの方を見てよお!』、『やだ、わたしよ!』と『アイドルのコンサート会場のような悲鳴が巻き起こり、思わず』後ずさった『わたし』。『目の前で、蝶々みたいに華やかな女性たちがうつくしい花に吸いつこうと舞っている』という光景を目にして『え、ここ、普通のコンビニじゃなかったの?』と周囲を見回す『わたし』は『どうしてこのコンビニに寄ったのか、無意識に記憶を巻き戻し』ます。『車の免許を取って、中古の軽自動車を買』い、『ピピエンヌ号』と名付けた『わたし』。『自分の運転する車でドライブするのが長年の夢』だったという『わたし』は、『車を買って初めての連休』に『夢を叶えるべく』出かけました。当初、福岡を目指すも方針変更。『地図を探』ると『指先がひとつの地名に触れた』、それは『門司港…』。『聴き覚えのある地名だ』、『フィーリングが大事なのだ』と車を走らせ『二時間後、無事に門司港に着』きました。『キラキラした海に、レトロでかわいらしい建物たち』を見て『最高じゃん、ここ』と『ひたすらに歩き回って街を散策した』わたしは『お茶でも買おうと目についたコンビニに入』りました。『ペットボトルを』手にしてレジに向かうと『そこにはわたしが普段コンビニで目にしないような光景が広がっていた』という衝撃。『これから合コンでもあるのかなと思うくらいに綺麗に着飾ったお姉さんたち』、『レジカウンターの中にはひとりの男性がいて、彼に熱狂している』というその光景。『その男性はコンビニ店員とは思えないくらいイケメンで、『色気』と呼ぶべきものをぷんぷん匂わせていた』というその店員。『いつもありがとうございます。あ、今日は何だか印象が違いますね』、『えー!店長、私のことちゃんと見てくれてるのね…』、『店長、あたしも見て!あたしだって今日はネイルを変えてきたのよ』、『ああ、由宇子さん…食べてしまいそうに可愛い』と交わされる会話。そして『彼が甘く微笑んだ』瞬間『耳を塞ぎたくなるような絶叫が店内に響き渡った』という光景。『ここ、アイドルのコンサート会場なの』と戸惑いながらも違うレジで会計を済ませて店をあとにする『わたし』に『ありがとうございました』と声がかかりました。『あの男性店員が、わたしの方を見て微笑んでいた』のを見て『背中の奥、皮膚と肉の内側に守られた神経を直接撫でてくるような視線にぞくりとした』という『わたし』。そんな何かを秘めたイケメン店員が店長を務めるコンビニを舞台に、様々な人たちの人生のドラマが交錯しながら物語は展開していきます。

    『初めてのドライブ以来、大好きな観光地となった門司港の魅力をもっと多くの人に知ってもらいたい』と語る町田そのこさん。六つの短編がプロローグとエピローグに挟まれて、八つの章からなるこの作品。コンビニ『テンダネス門司港こがね村店』を舞台にした連作短編として構成されています。そして、このプロローグに登場する免許を取って初めてのドライブに赴く『わたし』とは町田そのこさんご本人という想定。もちろん、コンビニの部分は創作だと思いますが、作品に描かれるほどに『門司港』の街並みの印象が強く残られたのは事実なのだと思います。作品中でも『夜景の綺麗な所』として『和布刈公園で海を眺めてぼうっとしてた』という形で『門司港』の街の色んな場面がさりげなく、それでいて多数登場します。私は『門司港』には行ったことはないですが地元の方、もしくは行ったことのある方にはリアルな街なみをイメージしながら違う楽しみ方もでき、そして行ったことのない私にも”行ってみたい街”=『門司港』がインプットされました。

    そんなこの作品の舞台となるコンビニ・テンダネスは『九州だけで展開するコンビニチェーン』であり『「ひとにやさしい、あなたにやさしい」をモットーとし、その人気は他のコンビニチェーンに劣らない』となんだかとてもリアルな設定です。そして、そんなコンビニ『門司港こがね村店』を舞台にしたこの作品に象徴的に登場するのが『イケメン店長』の志波(しば)です。『フェロモンを泉の如く垂れ流している』とされる志波。しかし、その印象は、男女、年齢によってもかなり異なってきます。この作品はそんな様々な登場人物に視点がどんどん移っていく連作短編の形式をとっていますが、それが実に巧みに構成されています。まずは同じ店員の光莉(みつり)視点です。『目の前の男がコンビニエンスストアの店長だとは、どうしても思えなかった』という面接での出会い。『フェロモンを半永久的に垂れ流す源泉のような器官ができているに違いない』と思い、『志波ならばもっと他にも人心を鷲掴みにすることで利益を得るような仕事がある』のではとも考えます。そして、コンビニ店長という現在の姿が『才能ともいうべきフェロモンの無駄遣いであるといえる』と断じる一方で『志波の人気は、絶大だ。出勤するとしないとでは、売り上げが違うほど』と、その存在の大きさに一目置いています。しかし、視点が変わるとこの印象が少し崩れていきます。同じ女性でも高校生の梓(あずさ)視点だと『レジでは、近寄ると背筋が痒くなる男性 ー 店長が胡散臭い笑みを浮かべて立っていた』とフェロモンに影響されていない様子がうかがえます。『店長がレジに立っていると避けたいほどに変なオーラがむんむん立ち上っている』と、マイナス視点にまでなってしまうその見方。さらには65歳で定年退職した多喜二(たきじ)視点ではさらに辛辣です。『ああいう男は、平気で女を食い物にする』と警戒するその姿勢。『俺は何百何千という人間を見てきたし、使ってきた。だから分かるんだ。あれはろくでもない男に違いない』とまで言い切る多喜二。濃すぎるキャラは万人に受け入れられるわけではないという結果論ですが、その一方で各短編内では、志波目指して押し寄せる女性陣が一貫して描かれることもあって、読者としてはなんともシュールな光景を第三者的に見ることになる、そんな印象も受けました。

    しかし、そんな見かけの印象だけでは志波の本来の姿は見えてきません。物語では、志波は、全く違う外見で対照的な兄弟として登場するツギとともに、コンビニを訪れる人、そして彼らと関わった人の人生を変えていく起点の役割を果たしていきます。それは、直接という場合、もしくは場面の背景としてゆるやかに登場する場合の両方があります。強烈なキャラが、色んな人たちの人生の転機に、起点に関わっていく人物というと、柚木麻子さん「ランチのアッコちゃん」のアッコさん、古内一絵さん「マカン・マラン」のシャールさん、そして青木美智子さん「お探しものは図書室まで」の司書の小町さん等が思い浮かびます。彼女たちに共通するのはいずれも短編の各話に登場したり書名になっていたりはするものの、主人公は各話にそれぞれ別に登場し、あくまで彼女たちは脇役であるという点、そして、全員女性(シャールさんも一応、女性枠)であるということです。一方で、この作品ではそれが男性であるという点がまず異なります。ただし、普通の男性ではなく、特別な立ち位置とすることで他の作家さん同様の独自のカリスマ的立ち位置は確保しています。しかし、上記の通り人によって見え方は千差万別であり、この辺り、逆に志波もあくまで普通の人間であるという側面も同時に感じさせるなどとても上手い構成がなされていると思います。そして、この作品で一番大きいのは、最後の〈エピローグ〉で、志波自身に視点が移ることになる点だと思います。他の作家さんの上記した作品では、この特別な立ち位置の人物に視点が移ることはありません。何を考えているのだろう、本当はどういった人物なのだろう、ということは全て読者の想像に委ねられます。そこに、ある種のカリスマ性の高まりを感じさせるその演出。それに対して、まさかの志波視点が登場するこの作品。これはかなりの冒険であり、この作品の独自性を強く感じる部分だと思います。そして、そこで語られるのは、志波の内面、フェロモンの泉の根源。それは、『料理の仕上げは愛情だというけれど、接客の仕上げも愛情だと思う。ぼくはいつだって、いま目の前にいるひとへ愛を込めて微笑むことを意識している』という純粋なまでの志波の真実の姿。一切の打算なき真摯な一人の人間の姿。そんな志波の内面に触れることのできる〈エピローグ〉。見かけの派手な印象だけではない志波の真の魅力を感じさせてくれるとても上手い演出だと思いました。

    “漫画家になる夢を諦めないまま何となく生きる塾講師”、”仕事に邁進して家庭を顧みないまま定年退職して時間を持て余す初老の男性”、そして”閉塞感のある毎日を過ごす二人の女子高生”などが各短編にそれぞれ登場するこの作品。それぞれに思い悩み、前に進むきっかけを得られずに戸惑う日々を送ってきた彼ら。そんな彼らが利用するコンビニと、そこで店長として働く志波兄弟との運命の出会い。しかし、私たちがそうであるように、コンビニを訪れてもそれ自体が私たちに代わって何かを解決してくれることなどありません。私たちの人生はあくまで私たちそれぞれのものです。どんな悩みも最終的には、私たちそれぞれが立ち向かい、解決していくしかありません。しかし、そのためにはきっかけが必要です。前に進むための最初の一歩、それを掴むための起点となる場、それを与えてくれたのが、コンビニに集う人たちの人を思う力でした。そして、そんな人たちが集う原動力となっていたのが、店長の志波の存在でした。『誰かの人生の欠片でも、手助けできたら、いいよね』と語る志波。そんな志波が店長を務めるからこそ、そこに集まった人たち。そして、そこから繋がった、そこから動き出したそれぞれの人たちの未来。

    ああ、私もこのコンビニに行ってみたい。まずは『門司港』へと赴いてみたい、そんな風に感じた、とても爽やかな読後感に満たされる作品でした。

  • あー面白かったー。
    フェロモンを振り撒く“フェロ店長“、そして彼をネタに漫画を描くパートの主婦。
    パート主婦目線でずーっと店長を観察しているお話なのかと思っていたら、そういうわけでもなく、コンビニで出会った人たちのそれぞれのドラマが描かれる。
    だけどパート主婦の観察眼、心の声がまぁ面白くて面白くて、パート主婦目線の箇所ではニマニマが止まりませんでした。
    しかし!そうかと思えば、中学生女子の複雑な友だち関係のお話では急に涙腺を攻撃されてしまい、(一人きりではなかったので)斜め上を見上げ瞼をシパシパさせ涙を乾かさねばならなくなりとても困った!
    こっちはニマニマする前提で読んでるんだから急にやめてくれよ〜町田さーん、って思いましたよ。
    でも、こういうニヤニヤしながらの読書が大好物なので、続編が出てくれたらいいなぁと思います。
    ただ私が図書館で借りた本の表紙は思いっきりフェロ店長の顔が出ているので、それはちょっと不満だったなぁ。そこはこちらの想像力で楽しみたかったな、と思いました 笑

    • しずくさん
      この作品は大好きで今でもコンビニに立ち寄るたびに思い出します。
      数年前、3、4階が独居マンション風になっているビルで、早い時間に1階のイー...
      この作品は大好きで今でもコンビニに立ち寄るたびに思い出します。
      数年前、3、4階が独居マンション風になっているビルで、早い時間に1階のイートインコーナでコーヒーを飲んでいたら、階段を下りて来たお年寄りの男性がパンと温かい飲み物を注文して、私の横で食べ、終えると普通に階段を上がって2階へ戻られました。店員さんと親し気に話されてて印象に残ったのです。
      その時はピンと来なかったのですが、もしかするとと後から考えたのでした。やはり本作を読んで確信できます。独りになったらそういう暮らし方もありです!
      2021/12/22
    • こっとんさん
      しずくさん、こんにちは。
      すごい!リアルコンビニ兄弟ですね!
      昔、物件を探していたら、一階に店舗があるマンションは人の出入りが激しいからあま...
      しずくさん、こんにちは。
      すごい!リアルコンビニ兄弟ですね!
      昔、物件を探していたら、一階に店舗があるマンションは人の出入りが激しいからあまり選ばない方がいい、なんて言われたこともありました。でも、将来、一人になった時などはこんなマンションがあったら本当にアリですよね!
      そして、店長がフェロだったなら、最高ですな 笑
      2021/12/22
  • いいラノベだったな(悪いラノベがあるみたいな言い方!)

    はい、町田そのこさんコンプリーターへの道をひた走るひまわりめろんさんです
    それにしても「コンプリーター」ぜんぜん定着しないな(当たり前)

    まず最初に言いたいのは「ニセコ」正体は2秒で分かりました
    秒殺です
    秒殺で病院送りです(誰をよ)
    すごいでしょ(そうでもない)
    (;゚∀゚)=3ムッハー(だからそうでもないって)

    そもそも「ニセコ」って何よって説明は当然する気ありません
    気になるなら読めばいいじゃん!(逆ギレ)

    そして魅力的な登場人物たちの全容解明はまだまだ先そうだし、店長の兄弟も未登場者いるしで、町田そのこさん…長く続ける気やな!

    うれしい!(≧▽≦)

    • Manideさん
      ひまわりめろんさん、メロンパンナちゃんですね(^^)
      すごいストレートな感じです(笑)

      あんぱんまんでは、「ひまわりちゃん」というキャラも...
      ひまわりめろんさん、メロンパンナちゃんですね(^^)
      すごいストレートな感じです(笑)

      あんぱんまんでは、「ひまわりちゃん」というキャラもいるようなので、次はひまわりちゃんですね♪
      2023/09/20
    • ひまわりめろんさん
      わお!
      続けてのお役立ち情報あーざす!
      チェックしてみますよ!
      わお!
      続けてのお役立ち情報あーざす!
      チェックしてみますよ!
      2023/09/21
    • Manideさん
      メロンパン(^^)
      メロンパン(^^)
      2023/09/21
  • 楽しくて気持ちが明るくなる本を久々に読んだ。
    町田そのこさん、こういう雰囲気の本も書くのね…と
    思いながら読んだ。

    コンビニを舞台にして、キャラが濃い登場人物が多数登場し、コンビニに来る人たちの悩みや問題に光が見えて終わるような展開が良かった。
    まず気になったのは、フェロモンがダダ漏れしているという店長…。
    コンビニ愛を持って仕事に向き合うところは立派だし、お客様一人一人を思って接客するイケメン店長。

    そんな素敵な店長がいたら、私もそのコンビニに通ってしまうかもしれないな
    (でも、お釣りを渡されるとき手を握ってもらわなくて良いケレド…)
    どちらかといえばワイルドで行動力あるツギさん派なので、二人に会いたい(笑)

    好きな部分をいくつか…。
    「旨いもんを旨いって言いながら食うのが一番幸せだからな。辛いときほど食うんだぞ。栄養が足りてないときは変なことしか考えらんねえ。顔つきとか言葉だけで判断してると大きな勘違いをすることになる。じゃあどこで判断すべきかというと、僕は行動だと思ってるんだ。報われなくても続けられたってだけで才能って呼んでいいんじゃないの?」

    好きなものを続けるって、案外難しいー
    ほんとにそうだと思う。
    私は、とあるちょっとした趣味で、続けていることがあるのですが、のめり込むタイプなので、先月はそれで少し腱鞘炎になりそうだったり、寝不足にもなったり、家族からは「程々に」と言われたりもしていて、しんどい時もあったりしていて…。
    大したことではなくても、好きになれるものがあるのはそれだけでも良いよね…と、ちょっと救われた気持ちになれた。
    素敵な作品でした!

    • かなさん
      チーニャさん、こんにちは!
      この作品私も読んでいて、結構好きです(*^^*)
      まず、物語の舞台の門司港、
      ここに行ってみたくなります!...
      チーニャさん、こんにちは!
      この作品私も読んでいて、結構好きです(*^^*)
      まず、物語の舞台の門司港、
      ここに行ってみたくなります!!
      で、登場人物もまた個性的でいいですよねぇ(*´▽`*)
      2,3,4巻と楽しんでくださいネ♡
      レビュー楽しみにしてます。
      2023/10/15
    • チーニャ、ピーナッツが好きさん
      かなさ〜ん、こんにちは♪
      ね〜、かなさんも読まれてますよね〰️♡
      たった今、シリーズ2を読み終わって、ジ~ンとなっているところですよ…いいで...
      かなさ〜ん、こんにちは♪
      ね〜、かなさんも読まれてますよね〰️♡
      たった今、シリーズ2を読み終わって、ジ~ンとなっているところですよ…いいですねぇ( ⌯'֊'⌯) ও⸒⸒
      ょ…、4巻…!?
      4巻は2025年5/4あたりに発売するんですね。ビックリして調べましたよ!かなさんいろいろと早いです。流石だわ!感謝です(^_−)−☆
      2023/10/15
    • つくねさん
      チーニャさん、かなさん、こんにちは♪

      4巻ってそんな先なんですかぁ
      和菓子のアンちゃんも4巻でるし、ツバキ文具店の3巻も
      でるそう...
      チーニャさん、かなさん、こんにちは♪

      4巻ってそんな先なんですかぁ
      和菓子のアンちゃんも4巻でるし、ツバキ文具店の3巻も
      でるそうなので目が離せない
      2023/10/16
  • ◇◆━━━━━━━━━━━━
    1.あらすじ 
    ━━━━━━━━━━━━◆
    高齢者向けのマンションの1階にテンダネスという名前のコンビニがあり、そこの店長と、ちょいちょいお店に顔を出す店長の兄が主人公。と、思ったら、その周りの人たちのお話がベースになっています。
    2人はそれぞれのお話に登場してきますが、1話ごとに違った主人公が登場してくる展開です。


    ◇◆━━━━━━━━━━━━
    2.感想
    ━━━━━━━━━━━━◆
    よかったです!!
    全然、想像していたものと違って、よかったです。
    コンビニ兄弟ってタイトルですが、そもそも二人は脇役な感じでした(笑)それでも、チョコっとでてくるだけでも、とても強い個性が溢れていて、ファンになってしまう感じです。

    それぞれのお話に登場してくる人物たちに繋がりがあって、そういう繋がりも面白かったです。人の優しさとか、人の繋がりを感じられて、とてもほんわりする作品だと思いました。


    私の周りには、自分の趣味を持っている人がたくさんいて、羨ましく思うことがたくさんあります。作中に「好きなものを続けるってのは、案外難しいんだぞ」というコメントがあって、本当にそうだなって思います。

    コンビニが好きだと言う店長。お客様のことを第一に考えて、日々の仕事に励む姿は素晴らしい。自分にとって好きだと思える仕事でも、毎日継続していくことは大変です。それでも、日々、喜びを感じながら、進んでいくことは、いいですね。


    ◇◆━━━━━━━━━━━━
    3.主な登場人物 
    ━━━━━━━━━━━━◆
    (テンダネス 門司港こがね村店) ※コンビニ
    志波三彦 しば 店長 30歳
    中尾光莉 みつり 漫画が趣味 既婚者
    野宮 アルバイト 筋肉質 レスリング
    廣瀬
    村岡
    高木

    堀之内達重 テンダネス会長

    (家族)
    志波ニ彦 ツギ なんでも野郎 32歳
    志波樹恵琉 三彦妹 17歳


    (店員以外)
    梅田正平 強面 地元のパトロールをしている
    ニセコ(!) ご意見番
    浦田 じいさん


    二話
    桐山良郎 33歳 夢は漫画家 塾講師

    三話
    桧垣梓
    那由多
    桧垣美智代 梓母
    村井美月 梓幼馴染 グループリーダー
    加奈子

    四話
    大塚多喜二
      純子 多喜二妻
      七緒 多喜二娘
    健吾  七緒夫
    南方ヒカル 小5

    五話
    中尾恒星
    中尾光莉 恒星母
    中尾康生 恒星父 釣り好き
    小関大佑 友達
    三隅美冬

    六話
    志波樹恵琉 

    • ☆ベルガモット☆さん
      Manideさん、こんばんは!
      こちらがご紹介なさった本ですね♪
      「想像していたものと違って」というのがまた興味がそそられました(≧▽≦...
      Manideさん、こんばんは!
      こちらがご紹介なさった本ですね♪
      「想像していたものと違って」というのがまた興味がそそられました(≧▽≦)
      読みたい本リストに入れておきまーす
      2023/09/20
    • Manideさん
      ベルガモットさん、コメントありがとうございます〜。

      ベルガモットさんには、軽いかもしれないですね〜。
      町田その子さん作品初読みですよね(本...
      ベルガモットさん、コメントありがとうございます〜。

      ベルガモットさんには、軽いかもしれないですね〜。
      町田その子さん作品初読みですよね(本棚内になかったので。)
      私は、町田その子さん作品ハマる傾向高いんですが、ベルガモットさんがどう感じるかも楽しみですね(^-^)
      2023/09/20
  • 九州だけに展開するコンビニチェーン「テンダネス」コンビニといればマニュアル化された無個性なサービスでどの店でも同じに見えるのですがテンダネス門司港こがね村店はヤバすぎる。開放的なイートインスペースがあるのがいいのかな。
    フェロモン巻き散らす店長をはじめ常連さんたちがキャラが濃い。高齢者マンションの1階にあるこの店は地域の需要に合わせた品揃えが秀逸で痒いところに手が届くし店長のファンクラブまである始末。1話ごとにこの店に集まる人に焦点をあてたストーリー展開が面白い。そんな店長を観察することをライフワークにしているパート主婦の光莉さん。WEBに「フェロ店長の不埒日記」なる漫画をUPして絶賛好評中とか、店長の兄ツギもさりげなく憎い感じのナイスキャラで興味津々。姉妹編の「毛玉兄貴の野郎ライフ」も好評だとかww
    コンビニを訪れる悩める人たちを兄弟のナイスなフォローで支えます。
    登場人物も多くって脳内キャパオーバー気味なんですがどの人物も個性的で魅了されコメディタッチの心温まる作品を夢中で読んでしまいました。
    2巻はどんな展開になるのかも楽しみですww

  • ハートフルお仕事小説ですね。
    福岡県北九州市門司区にあるコンビニでおきる、心温まる物語です。
    プロローグとエピローグ、そして六話の短篇連作。

    コンビニの名前は「テンダネス門司港こがね村店」。
    高齢者向けマンションの一階にあるその店の店長が、毎日ファンが押し寄せるイケメン。
    それだけでも、数々の問題が生じるのだが、何故かこのコンビニは、問題を抱える客が集まっくる、頭が痛くなるお店のようだ?

    町田さんのゆったりとした優しい文章で、人間模様を描き出してゆく。
    自分ではなんともし難いフラストレーションを抱えた人物の心の有り様を綴る名手ですね。
    そして、ユーモアと人間味あふれた解決を導きだしていく温かさが、せつない、町田さんの世界です。
    キャラクターがユニークな人物ばかりで、物語展開を楽しみながら読み進めました。
    二作目のあるようなので、そちらも楽しみです。

  • 町田そのこさんの小説を初読み。
    とても読みやすく、心が癒されるストーリーでした。

    老若男女を魅了する店長が働くコンビニが舞台の短編集。
    短編毎に登場するキャラクターがみんな活き活きして輝いていた。

    読後はコンビニに行きたい衝動に駆られて、久々にコンビニで買い物をしました。
    続きを早く読みたいです。

    • アールグレイさん
      初めまして、
      フォローを頂きありがとうございました。
      実は、私は自己啓発本は苦手です
      m(._.)m 小説専門のつもりだったのですが、最近絵...
      初めまして、
      フォローを頂きありがとうございました。
      実は、私は自己啓発本は苦手です
      m(._.)m 小説専門のつもりだったのですが、最近絵本を乗せました。奥深い意味のあるいい絵本です。
      東野圭吾さんは最近では“白鳥とコウモリ”を読みました。読後感のいい本でした。
      どうぞよろしく、
      (^O^)
      2022/06/26
    • なべさん
      はじめまして。なべです。
      いいね!とコメントありがとうございます。
      "白鳥とコウモリ"読んでみたいです。
      よろしくお願いします。
      はじめまして。なべです。
      いいね!とコメントありがとうございます。
      "白鳥とコウモリ"読んでみたいです。
      よろしくお願いします。
      2022/06/27
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著者プロフィール

町田そのこ
一九八〇年生まれ。福岡県在住。
「カメルーンの青い魚」で、第15回「女による女のためのR-18文学賞」大賞を受賞。二〇一七年に同作を含む『夜空に泳ぐチョコレートグラミー』でデビュー。他の著作に「コンビニ兄弟―テンダネス門司港こがね村店―」シリーズ(新潮社)、『うつくしが丘の不幸の家』(東京創元社)などがある。本作で二〇二一年本屋大賞を受賞。
近著に『星を掬う』(中央公論新社)、『宙ごはん』 (小学館)、『あなたはここにいなくとも』(新潮社)。

「2023年 『52ヘルツのクジラたち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

町田そのこの作品

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