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本 ・本 (320ページ) / ISBN・EAN: 9784101803043
作品紹介・あらすじ
この町には、死者を蘇生(そせい)させる秘術があるんだよ。生まれも育ちもここ信津(しなづ)町の、健康(たけやす)、昇太、由佳里は、町を支配する信津寺の住職で、悪辣非道な町内会長の権造を殺害することを決意する。酒に酔わせて風呂に沈めて、大成功!のはずだったのに……。なぜか翌朝、ラジオ体操にピンピン元気な権造が。「誰だよ! せっかく殺したクソジジイを勝手に生き返らせたのは!?」殺人犯が蘇生犯を追う、痛快なユーモアメタミステリーの超傑作、爆誕。
感想・レビュー・書評
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死者を生き返らせる方法がある町を舞台にした、特殊設定ミステリー。狭い町の中ではありますが、主人公側と敵として設定されている町内会との駆け引きが楽しい1冊でした。
ちょっと切ないお話でもありますね。 -
あらすじと魅力的な題名に惹かれて手に取りました。物語の序盤は、殺したはずの権造さんがなぜ生き返ったのかを面白くおかしく追っていきますが、段々話しの雰囲気が変わり、ラストは意外な結末でした。想像していた以上のメタミステリー。
いい意味で裏切られた作品です。
作者・五条さんの別作品も読んでみたくなりました。 -
これからが期待される作家五条紀夫の待望作!
タイトルからして読みたくなる作品。
タイトル通りの特殊設定ミステリーだが、ユーモアもあり、驚きもありで満足出来る一冊だ!! -
田舎町で権力を振りかざす、悪徳町内会長の殺害を確実に遂行したはずの主人公御一行。
翌日、朝のラジオ体操に、悪徳町内会長は元気な姿で現れる。
どうやらこの町には「死んだ者を蘇生させる術」があるらしい。
"殺人犯"である主人公御一行が、余計なことをしてくれた"蘇生犯"を暴く!!
…という特殊設定ミステリー。
サクサク読めて面白かった。
蘇生できる条件がイージーなせいか、作品通して"死"という概念がめっちゃライトに描かれている。
『一方その頃、〇〇は自宅で死んでいる最中だった』みたいな。
死んでいる最中ってなんだよ。
死に関するハードルがドラゴンボールより低い作品に初めて出会った。
程よく切なくて、それでいて「これで良かったのかもね」と思わせてくれるオチも良かった。
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殺したはずの町内会長を生き返らせた蘇生者を探しつつ、もう一度町内会長を殺そうと主人公たちが奮闘する特殊設定ミステリ。
死者を生き返らせる魂玉と呼ばれるニコイチの玉の仕組みが複雑。死んだ人間と生きている人間の二人がふたつの石をそれぞれ持ち呪言を唱えると、死んだ方は生き返り、生きていた方は死ぬ。生き返らせることが出来るのは死んでから24時間以内。1度死ぬと、身体は24時間前の状態に戻るので、その間の記憶が抜ける。という仕組み。
その仕組みで主人公も何回か死ぬんですが、どこまでの記憶があって、どこからの記憶がないのかが分かりづらくて…これ、うまくやるとめちゃくちゃ面白い設定だと思うのだけど、結構ややこしくて何度か戻って読み直したりしました。映像化の方が向いてるのかも…??
主人公たちが町内会長を殺そうとしているのに、それを阻止しようとするはずの町内会長側の動きがなんだか鈍くて、どういうことだろう…と思っていたら、この結末は予想できなかったです。
面白かったんですが、地縁の強い古い村の厄介さがあまり描かれていないとこに少し物足りなさがあったかなぁ。 -
主人公達が自分達が殺したはずの町内会長を蘇生させた『蘇生犯』を暴くために奔走する特殊設定ミステリーで、「殺人犯が蘇生犯を追う」という外連味に溢れた状況ながら緻密に練られたフーダニットと隠された真相が意外性抜群で、切ない読後感も印象的だった。
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死人を生き返らせる秘術があるという町。
町の若者の健康、由佳里、昇太の3人は、町内会の会長である、町の権力者権造を殺害する。
しかし、殺した権造は翌朝何事もなかったように顔を出す。
確実に殺害したはずなのになぜ?と焦る3人。
本当に秘術はあるのか?
あるならば、なぜわざわざ生き返らせたのか?
謎が謎を呼ぶ奇怪なミステリーです。
タイトルから気になって仕方がなかった本作品。
殺人犯ではなくて、殺人犯が次こそは確実にターゲットを殺害するために蘇生犯を探したり、秘術を探るというなんとも不思議な話な上に、語り手の健康(タケヤス)の軽くてKYな性格のせいでどこかコミカルな雰囲気が漂っている作品。
ミステリーとしてはイロモノ感が凄いというのが読みはじめた時の感想。
ネタバレになるのでいろいろツッコミどころ満載(結局、権造を殺害したい動機は個人的にはよくわからない。)なところもありますが、秘術の由来がなかなかまともだったりする上、謎解きも筋がしっかりと通っている印象。
可哀想な人(特に町内会の副会長は可哀想のレベルを越えてる上に、人によっては好きじゃないかもしれない)もいたりして、なかなかぶっ飛んでるなぁとは思うものの、イッキ読みさせられる侮るなかれなミステリーだったなと思いました。
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設定のポップさとは裏腹にラストの伏線回収のまとまりの良さがよかった
五条紀夫の作品





