車輪の下 (新潮文庫)

制作 : Hermann Hesse  高橋 健二 
  • 新潮社
3.56
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本棚登録 : 6776
レビュー : 644
  • Amazon.co.jp ・本 (246ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102001035

作品紹介・あらすじ

ひたむきな自然児であるだけに傷つきやすい少年ハンスは、周囲の人々の期待にこたえようとひたすら勉強にうちこみ、神学校の入学試験に通った。だが、そこでの生活は少年の心を踏みにじる規則ずくめなものだった。少年らしい反抗に駆りたてられた彼は、学校を去って見習い工として出なおそうとする…。子どもの心と生活とを自らの文学のふるさととするヘッセの代表的自伝小説である。

感想・レビュー・書評

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  • タイトルはかなりなじみがあったけれども、ちゃんと読んだのは初めてだった。

    海外の訳語小説は読みにくいという先入観から敬遠していたけれど、思ったより読みやすかった。

    多感な時期に、周囲の期待を押し付けられ、自分本来の大切なものを損なわれたこどもがどうなっていくか、そのときに感じる感覚なども含めて、とても丁寧に描かれている。

    もう中年期に差し掛かっている自分としては、あの頃の感じをすっかり忘れてしまった気がしていたけれど、読み進めるにつれ、そうだった、こんな感じだった、と思い出させてくれた。

  • 社会に順応できない主人公の悲劇を描いた作品。
    あるべき姿、であれないことの苦悩が長編として描かれている。社会が高度化し、緻密になって行くほど、このような人は増えて行くのかもしれない。
    程度の差はあれ、誰もが主人公の心情の一部を理解できるのではないか、と感じる。

  • 読了。ヘルマン・ヘッセの自伝的小説である。どんな外国語文学に共通して言えることと思うが、当時のドイツの情勢やヘッセについて知識があるかないかで小説の理解が異なると思う。小説を読む前に、解説から読むのも1つの方法と思う。
    悩みながら成長する微妙な少年の心の弱さ、もろさ。それに対する大人達の態度が子供を押しつぶしてしまう。
    ヘッセの言いたかったことは何だろうか? 読み終わっても何度も自分に問いかける。時を置いて再度読み返したい本。

  •  文豪ヘルマンヘッセの代表作で、神学校に行った勉強に追われ友情とを選択しなければならないはざまで揺れる少年の気持ちを描いた大作。
     まだ恋愛感情等を抱きえない少年の、周りの期待に応えなきゃという気持ちと、勉強でなくても個性を気に入ってくれる友人への気持ちというのは、現代に通じることは少なくても想像することが難しくないくらいには、わかりやすいテーマであると思います。それをうまく描き切ったという点で、ふつうの小説家ではできないものです。

  • 勉強だけではなくて、心の豊かさも必要不可欠だと改めて感じる。

  • 秀才ハンスの繊細な心がありありと描かれた一冊。周りの期待に応えようと必死になり、自分自身を見失う様は痛々しくもあり、少年の純粋さも垣間見えた。
    周りに期待され、それに応えるために己を捨て、自分自身がやりたいことも押さえつけて生きていく必要があるのか。私自身に当てはまる部分も多分にあるため、非常に心打たれた作品であった。

  • 教育とか抑圧とか、100年前からそんなに変わってないんだよなと思う。子を持つ身としてはいろいろ考えさせられる本。でもなんつーか、親である以上、存在が抑圧でもあるわけで、逃げ回るわけにもいかんだろ、とかね。あ、それはギーベンラート君とは関係ないか。
    筋としては暗い話なんだけど不思議と清涼感があるのは、自然や人々の暮らしの精緻な描写のなせる業なのかな。りんご絞りとか、情景が立ち上がって甘酸っぱい匂いすらしてきそうだもの。
    あと、書き出しの父親ヨーゼフについての形容も秀逸。凡庸な父親を見事に写生しながら、背景やこの話の持つ雰囲気までをも召還するような。
    名作ってのはやっぱすごいね、と再認識。

  • 最近で一番気に入った本。
    もともとの文も綺麗だけど、翻訳の高橋さんの腕の良さが際立つ。本当に綺麗な世界観で、ヨーロッパ行きたくなる。

    内容は、共感する人、しない人で大きく分かれるんじゃないかな。

  • 釣りのシーンが印象的

  • 第8回(古典ビブリオバトル)

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著者プロフィール

ヘルマン・ヘッセ(Hermann Hesse)
1877~1962年。ドイツ、バーデンヴュルテンベルク州生まれ。詩人、作家。1946年ノーベル文学賞受賞。代表作に『青春彷徨』(『郷愁』)『車輪の下』『デーミアン』『シッダールタ』『荒野の狼』『ガラス玉遊戯』などがある。

「2019年 『文庫 愛することができる人は幸せだ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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