青春は美わし (新潮文庫)

  • 新潮社
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本棚登録 : 513
感想 : 39
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  • Amazon.co.jp ・本 (146ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102001042

作品紹介・あらすじ

何年ぶりかで家族の住む故郷に帰ってきた青年は、昔恋したことのある美しい少女に再会する。しかしその愛は実らず、その上、妹の友達への恋にも破れる。彼は孤独な、しかし清らかな思い出を胸に故郷を去って行く…。ふるさとを懐かしみながら放浪に心ひかれ、地道に生きようと願いながら浪漫的な憧れに駆られる青春の心を抒情性豊かに謳いあげた表題作。他に、『ラテン語学校生』。

感想・レビュー・書評

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  • 純粋な青年の恋心をテーマとした短編『青春は美わし』『ラテン語学校』の2編を収録。どちらの作品も、けっして報われることのない片想いをしている青年の姿が描かれており、読んでいる私も同情してしまうほど悲しい青春である。綺麗な情景描写などはさすがであったが、残念ながらこの2作品に関しては文学的な味わいはまったく感じられなかった。

  • 青春は美わしの方でアンナに対して「特に美しくない」などとあくまで自分が選別する側かのように言っていたのが少し嫌だったけど、恋をするときって確かにそういう傲慢さがあるかもなって思った。
    片思いをしている、いわば相手に弱みを握られているような状態なのに好意を抱く女の子2人を同時に遊びに誘ったり割とやりたい放題で笑っちゃう。
    久しぶりに帰ってきた故郷で見て感じたことや失恋を経て主人公の青春時代が終わることの切なさを感じられた。
    故郷という変わらないものと変わりゆく主人公の対比みたいなのがよかった。
    ラストを読んで主人公にとって青春は花火みたいなものだったんだろうなと、美しい。

    個人的にはラテン語学生の方が好き。
    恋をすることで急に仲間との関係を断ち詩に触れるようになったり、恋に正直というか、その純真さが良かった。
    ティーネの優しさと冷静さがあったからこそカールはこの恋によって拗れずにいれたんだと思う。
    そしてティーネの婚約者への献身的な愛に対して、ティーネに恋したばかりの頃の純粋さを無くさずに素直に学びを得たと感じられるのがカールはすごいと思った。
    青春時代の1つの恋に固執せず、あくまで経験として、これからの人生に希望を与える存在として失恋が描かれているように感じて読後はすっきりとした気持ちになった。

  • 青春は美わし。たった1つの夏を通して、懐かしさがいくつもにじんでる。ゆっくり、しっとり過ぎてく夏がちょっぴりほろ苦い。

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/713376

    数年ぶりに故郷へ帰って来た青年は、昔恋した美少女に再会する。
    しかしその恋は実らず、その上妹の友人への恋にも破れ…。
    若者の感情が豊かに美しく描かれた作品。

  • 主人公の恋がみごとに叶わない様子が読んでて切ない、

  • 淡々とした文体で故郷の美しさ、青年の心の移ろい、初恋の苦味が描かれた本だった。青春のかがやかしさが感じられる素敵な文章が続いており、読んでいてとても心地よかった。ただ、少し無機質に感じられのは、翻訳された文だからなのだろうか。

  • 翻訳された本だからなのか、登場人物の感情の表現が淡々としている印象だった。物語自体は短いのですぐ読み切れるが、ドラマチックな展開を求める人にはあまりオススメではない。

  • ラテン語学校生の方が主人公の内心と行動が大胆で面白かった。失恋したばかりだったのでこの本のおかげで立ち直れた気がした。ありがとうヘッセ。

  • 品が良いのは原文なのか、はたまた訳なのかどちらかは測りかねますが、日本人好みでいかにも教科書に出てきそう。
    内容は正直うんっ?というのが正直なところ。純と言えばそれまでですが、いくらなんでもナイーブ過ぎませんかね?
    もしかすると時代が変わってしまったということかもしれませんが。

  • 青春は美し、ラテン語学校生の二編

    アンナもティーネもいい人なあ
    美しい自然や人物の人柄?の描写がとても澄んでいて癒されるというか、読んでて一切疲弊しないので息抜きにおすすめです

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著者プロフィール

ドイツ生まれのスイスの作家。主に詩と小説によって知られる20世紀前半のドイツ文学を代表する文学者。南ドイツの風物のなかで、穏やかな人間の生き方を描いた作品が多い。また、風景や蝶々などの水彩画もよくしたため、自身の絵を添えた詩文集も刊行している。1946年に『ガラス玉演戯』などの作品が評価され、ノーベル文学賞を受賞した。

「2022年 『無伴奏男声合唱組曲 蒼穹の星』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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