世界文学をどう読むか (新潮文庫 B 1-16)

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  • Amazon.co.jp ・本 (123ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102001165

感想・レビュー・書評

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  • この本は一種の読書案内なんですが、紹介された1つ1つの本については細かい言及はされてません。読書の心得みたいな事がつらつら綴られてます。

    印象に残ったのは、自分が難しいとかつまらないと思う本を無理に読むな。子どもにも無理に読ませるな、というくだり。若い頃背伸びしてついつい難しそうな本を読んでましたが…ヘッセに言わせると、あまり意味がないんだそうです。

    インドで暮らしていた事もあるようで、東洋かぶれみたいな所があるんですね。インドのバガバッドギーターや孟子や孔子などを押してました。日本の禅や俳句も誉めてましたが、中国の書物ほど魅力がないそうです

  • ヘッセの読書考。これをハウツー本に分類するのは個人的に引けるけど、文学じゃないからしょうがない。あれだけ美しく詩的な言葉を繰る人だから、読書の突き詰め方もやはりすごい。われわれのと題した本棚の目録を見るだけで、嬉しくなる。目新しいことは書いていないけれど、文豪の読書熱を感じられただけでも。
     
    「数千年間の無数のことばや本の千差万様の織物のなかから、驚くべき崇高な、超現実的な幻像が、光を受けた瞬間に、読者をみつめるのである。即ち、無数の矛盾する表情から魔法によって一体になった人間の顔が。」
     読書を通じ、我々人間の一体性、歴史の一体性、信仰の、心情の一体性を感じるという。ヘッセのエモーショナルな嬉しくなる結論。

    14.9.13

  • タイトルからは、ヘッセの読書の流儀でも書いてあるのかと思ったが、内容の大半はヘッセが好きな(あるいは文学史上の傑作と認める)作品の羅列にすぎない。挙げられる本は、古典的な名著と呼ばれるものが殆どなので、この本を手に取る人にとってはラインナップの目新しさはあまりない。

    とはいえ、分量にしていえば僅かだが、本を読むこと自体について語った部分は、なかなか興味深い。
    しかしやはり短い文章であるゆえか、抽象的、一般的な議論のみで、至極尤もなことを言っているとは思うが、彼なりの根拠をもっと語ってほしかった。

  • B-1-16 高橋健二訳

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著者プロフィール

ドイツ生まれのスイスの作家。主に詩と小説によって知られる20世紀前半のドイツ文学を代表する文学者。南ドイツの風物のなかで、穏やかな人間の生き方を描いた作品が多い。また、風景や蝶々などの水彩画もよくしたため、自身の絵を添えた詩文集も刊行している。1946年に『ガラス玉演戯』などの作品が評価され、ノーベル文学賞を受賞した。

「2022年 『無伴奏男声合唱組曲 蒼穹の星』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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