メルヒェン (新潮文庫)

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本棚登録 : 947
感想 : 78
  • Amazon.co.jp ・本 (199ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102001172

感想・レビュー・書評

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  • 大人向けの創作童話集。8編収録。自然の美しい描写で心が洗われたり、生や死などに関する観念的な語りかけによってその世界にどっぷり浸れたりするような素晴らしい作品たちである。いつの時代でも心に響く内容で、かつ、文体も柔らかいため、子どもから大人まで幅広く楽しめるのではないだうろか。

  • 短編集でしかも本が薄いので、すぐに読み終わるかと思いきや、これがなかなか手強かった…

    『苦しい道』
    『夢から夢へ』

    これはもう読んでて訳が分からなくて、頭がおかしくなりそうだった。
    ニューエイジミュージックをイヤホンで聴きながら、なんとか読み切った感じ。

    ……


    感想もいつもはすぐに記すのだけど(というか、読みながら感想を考えてる)メルヒェンから離れたいのと反芻したい葛藤があった。

    訳された高橋健二さんの解説の中に、ヘッセが精神病を患っていたとあったので、『本当に苦しかったんだ、でも、逃げずに表現したのか…』という思いに今は至りました。

    ……

    『アウグスツス』
    『別な星の奇妙なたより』

    不思議な、でも、忘れてはいけない、心に刻んで置かなくてはいけない作品。

    言葉に簡単にできなくて、もどかしい。

    「アウグスツス」でわかった事は、
    充分に誰にでも愛されていれば幸せだとは思えなくなった。誰かの愛すべきところが、どんな状況であっても見出す事が出来たら、それこそ幸せなのかな?と。

    「別な星の奇妙なたより」は、戦争の痛ましさで胸が苦しくなった。でも…いつか忘れてしまうものなんだな、と。

  • 特別な愛読書。ビーズで飾った、手縫いのブックカバーをつけて、手もとに置いています。   …訳者の高橋健二氏が解説の最後で述べられているように、 ヘッセの書いたものの中で最も美しいものの一つ、だと思います。  短編集。 私は、 別な星の奇妙なたより  という物語が、一番好きです。

  • フォロワーさんのお勧めで読みました。大人のための創作童話集ということで、全体的にお伽噺の雰囲気がありつつも扱ってるテーマは「愛し、愛されることの本当の幸福」であり、なかなか深い。どの作品もヘッセらしい幼年期/老年期の対比、または「老いて子供に戻る」といった人生の循環を描いてる。中でも一番感動的だったのは「アウグスツス」。誰からも愛される子にと母から願いをかけられたアウグスツスの生涯を描いた作品で、愛されること、愛することの真の幸福とは?がテーマになっている。印象としては去年読んだ「知と愛」に似ている。「知と愛」も素晴らしい作品なのでお勧めだけれども少し長いので、手始めに短編の「アウグスツス」から読むのがお勧め。「知と愛」では号泣したけれども「アウグスツス」でも泣きました。とても良い作品です。

  • 中学校のとき、尊敬する担任の先生が道徳の時間に、この中の「アウグスツス」という作品を朗読してくださり、鮮烈に心に残りました。
    愛されることを望むよりも、自らが人を愛することのできる人間になれることの大切さを、強く刻みつけてくれる作品です。
    当時は作品の本意を理解しきれなかったのですが、何十年も経ち、人生の後半に差しかかってようやく、理解できるようになりました。
    深くて素敵な作品だと思います。

  • ヘッセは天才だ。
    訳者の高橋健二さんも。
    それ以外言うことがないですね‥。
    言葉の魔法。単語の天国。本を開けばいつでも見せてくれる。
    こんなに素晴らしい本が古本で105円で手に入るなんて、日本はすごい国だと思いました。
    今まで幸福論が一番好きだったけれど、これは同じくらい好きになるかもしれないです。

    【追記】
    もったいねーーーと思いながら読み終わっちゃったー!
    さいごこピクトルの変身めちゃくちゃカッケーーーー!!しびれた‥
    とくに好きだったのは「詩人」「別の星の奇妙なたより」です。アヤメもよかったな‥

  • ヘルマン・ヘッセの短編集。大人のための童話みたいな物語がたくさん収録されている。いくつか好きな作品があった。が、ヘッセの良さは短編では出きらないな、とも思った。なぜなら、ヘッセの良さというのは、人間が心の奥底で悩んでいることについて、それが自分自身にもよく言い表せないような状況において、それを見事なまでに文章化する点にある。そしてもっとすごいところは、さらに自分自身でもそこに存在していたことに気が付かなかったような細かな感情の揺れ動きまでを見事に表すことができる点にある。こんな事をするには長ーい前ふりと細やかな記述が必要なのだけれども、短編ではそこのところができなくなってしまう。なのでヘッセの作品は長編の方がいいと思う。

  • ヘルマン・ヘッセの『メルヒェン』に収められている、「アウグスツス」に不覚ながら涙した。

    アウグスツは、生まれた時に「誰からも愛さずにはいられないように」と母親から願いをかけられ、その通りになる。

    子どもの彼には、天使の歌声が聞こえた。

    しかし、誰からも愛されるあまり、彼は傲慢になり、
    あらゆる富と名声を得て、堕落し、あらゆる悪事を尽くす。

    あらゆる欲望に満たされても幸福になれない彼は、いよいよ自殺を図ろうとするが、
    魔法をかけた名付け親が現れる。

    そこで、アウグスツスは、
    「それまでの人生にかかっていた魔力を取り消し、愛することができるように」と願う。

    ラストシーンの描写があまりにも美しくて涙を誘う。

    ヘッセの文章は、精神が実体を持った風景として、あたかも「美」そのものが内側から語らせるようだ。

    実にシンプルで王道のおとぎ話だが、
    手塚治虫が漫画で描いていそうな、
    またディズニーが設定を変えて映画にしても面白いかもしれない。

  • ヘッセの短編集。あたかも童話のような佳品が並ぶ。特に印象に残ったのは、アウグスツス、詩人、笛の夢。

  • ◆きっかけ
    ブクログ。タイムラインに出てきた『失われてゆく、我々の内なる細菌』のレビューから入ったfab-labさんの本棚より。2017/3/22

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