幸福論 (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102001189

感想・レビュー・書評

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  • 宇多田書店で入手した一冊。宇多田ヒカルの歌詞に出てくるキーワードがヘルマン・ヘッセとは知らず。Gluck(幸福)という単語一つに思いを馳せるヘルマン・ヘッセが少年のような熱量で可愛らしい。そこから、さらに深まる考察は戦争をはじめとした強烈な経験をふまえてのものだと考えると感慨深い。人の一生は同じ日々はない。辛い悲しい日々もあれば、はっとするほどキラキラした日もある。

  • 期限が来てしまったので途中まで。
    (秋の体験まで)

    かわいいなんていったら失礼だけど
    かわいらしいおじいちゃんの日常。

    旅先で出会ったこがらすと話せるんだ!とか
    お友達がくる前のうきうきとか。

    das Glück が、言葉の素晴らしさから入るとは思わなかった。笑
    ckでおわるいさぎのよさ!とか。

    少しずつ、原文で読んでみたいなぁ。

  • 幸福とは何か。没時間性とは何か。どういうときが幸福なのかをヘッセ流に書いたものです。こういう幸福論もありかなと、しばらくはかぶれながら過ごしました。一理ある幸福論です。

  • CREAという雑誌の読書特集で、中谷美紀が「読んでいて幸せになる1冊」と書いていたのが妙に心に残り、うん十年ぶりに読み返してみました。

    ヘッセを読んでいたころって中学生くらいで、文学少女を気取ってスタンダールとかトルストイとかカミュとか太宰とか芥川とか、とにかくそういう背伸びした読書がマイブームでした・・・いや、今思うとハズカシいですけど
    (どこまで内容を理解していたのかは不明ですが(^^;)

    すっかり忘れさっていたので、今回は新たな気持ちで読みました

    まあ、どれもこれも丁寧に書かれていること!
    この人は本当に一字一句、言葉を文字を大切にしているのだなぁと感心ばかりしておりました。

    Glück(幸福)という言葉が、彼にとってどれほど美しく重みのあるものかという事が、切々と語られている『幸福論』を読むと、自分がいかに日々、言葉も文字もぞんざいに扱っていたかという事実を思い知らされて少し反省しました。
    それからは文字を、少し気をつけて丁寧に書くように心がけるようになりました(ああ!私って本当に、影響されやすい!)

    こんなに繊細な人は、生きるのが大変だっただろうなぁ。
    人一倍に喜びや美しさを感じる心があるから、人一倍、苦しみや悲しみも受けざるを得なかったのでしょうけれど。

    ヘッセは言葉を操る言霊師とみたり。

  • 本棚にあるが、
    まだ、手をつけていない本
    宇多田ヒカルのオススメの著者の代表作

  • 難しかった。
    生きていく中で関わる人に対して抱くヘッセの尊敬の心が、とても純度が高くて嘘がないように感じた。
    そして時折押し寄せてくる、景色が頭の中で綺麗にうかぶ描写が幸せだった。

  • 何回でも読み直したいです。
    ヘッセ自身の体験が彼の作品に顕れていると感じられ、とても面白かったです。

  • 回顧。生身のヘッセに触れられる。
    祖父、母、友、兄弟、姉、妹、場所、音楽や詩との関わりの始まり、宗教。それらヘッセを取り巻くもの、事はこれまで読んできた作品の背景にあったもの。興味深い。

    「予言者としての小鳥」のピアノ演奏も聴いた。作品の中にも出てくる音楽。ヘッセと音楽についてもっと深く知りたい。

    説明的な長文で『幸福論』が読みにくくわかりにくかった。

  • ヘッセの晩年に書かれた手記をまとめた短編集。
    「盗まれたトランク」「中断された授業時間」「幸福論」「湯治手記」「クリスマスと二つの子どもの話」「小がらす」「マウルブロン神学校生」「祖父のこと」「秋の体験」「エンガディーンの体験」「過去とのめぐり会い」「過去を呼び返す」「マルラのために」「日本の私の読者に」を収録。
    過去の自分や家族の詩·物語、読者からの声を通じて過去を顧りみるものが多かった。
    大作家、それも若き日の苦悩をもって『車輪の下』を書いた著者の考える「幸福」とはどのようなものか、何故それを幸福と考えるに至ったのかが気になり読んだが、後者の問いに関しては答えが見出せず、前者の問いに対し得られた答えも漠然としていた。
    また、個人的に「エンガディーンの体験」で垣間見えた、戦争に対する個人の責任という点での著者の考えにも納得がいかず、あまり満足はできなかった。
    しかし一方で、幸福論では類まれなほどに美しく卓越した表現でもって幸福を描き、また全編を通じ、年を重ねる中で培った、代えがたいものたちが見え隠れする。私個人の願望に答えてくれるものではなかったが、それでも文学的価値は高いと言っていいだろう。

  • 思い出を丁寧にすくい上げて豊かで鮮やかな言葉で表現する奥深さに、薄い本でありながらじっくりと読み耽ることができた。これは確かに原文を読みたくなる人たちの気持ちが分かる。

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著者プロフィール

ドイツ生まれのスイスの作家。主に詩と小説によって知られる20世紀前半のドイツ文学を代表する文学者。南ドイツの風物のなかで、穏やかな人間の生き方を描いた作品が多い。また、風景や蝶々などの水彩画もよくしたため、自身の絵を添えた詩文集も刊行している。1946年に『ガラス玉演戯』などの作品が評価され、ノーベル文学賞を受賞した。

「2022年 『無伴奏男声合唱組曲 蒼穹の星』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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