レベッカ 下 (新潮文庫)

  • 新潮社 (2008年2月28日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (368ページ) / ISBN・EAN: 9784102002049

感想・レビュー・書評

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  • 万華鏡のような作品だった。
    まさか、ころんとひと転がししただけで、これ程までに見えてくる景色が変わるとは。

    下巻の序盤を読んで、いかんこのまま読み進めたら上巻自体の感想が引きずられると思い、途中で上巻の感想をしたためておいたほど。

    ダンヴァーズ夫人のホラーめいた甘言、レベッカの魔性、マキシムの抱えた苦悩。
    上巻まではただの助走。
    ただ、それ自体がとてもよくできたゴシック小説だったので、どこへ連れていかれるのだろうくらいには思ったが、これ程までに揺れの激しい展開が待っているとは思わなかった。

    展開のきっかけとなるのはマンダレーの傍にある入り江に入り込んだ船が座礁したこと。
    それから24時間の間で、マキシムにして「きみはすっかりおとなになった・・・」と言わしめたほど主人公の自我が確立してゆく。
    また、マキシムの本意が垣間見えたこの瞬間はとても印象的で、マキシムに共感し寂しさを覚えた。

    すべてに決着がついた後、上巻の1章~2章を読み返したとき、何も分からず読んだときと比べて寂寥感の深みが増し、プロローグでありエピローグでもあるこの章に唸らされた。

    • 111108さん
      fukayanegiさん、こちらもおじゃまします。

      まさに万華鏡のような作品ですね!内容はもちろんタイトルもプロローグも計算され尽くされて...
      fukayanegiさん、こちらもおじゃまします。

      まさに万華鏡のような作品ですね!内容はもちろんタイトルもプロローグも計算され尽くされてるというか、なんて上手いんだろうと思いました♪
      2024/01/21
    • fukayanegiさん
      111108さん

      コメントありがとうございます!
      111108さんのレビューから、長らく読みたい状態が続いていましたが、やっと読むことがで...
      111108さん

      コメントありがとうございます!
      111108さんのレビューから、長らく読みたい状態が続いていましたが、やっと読むことができました。
      もっとしっとりとした作品を予想いたのですが、途中からすごい展開が待っていて、いい意味で裏切られました。
      とにかく、そこに居ない人がタイトルになっていて、主人公に名前がないという状況を描き切ってしまったのが凄いと思いました。
      2024/01/21
  • 驚きのラスト、これがあの書き出しへとつながるのか。社交下手で空想癖あるヒロインに共感しつつ語りに引き込まれる。緩急の付け方、引きの上手さ、登場人物達の生々しさなど本当に面白かった!訳もとてもいい。あとがきで映画を知ったので観よう。

    • メイさん
      こんにちは、111108さん。
      いつも、いいねありがとうございます。

      私、映画観たことあります。111108さんの(上)のレビューを読んで...
      こんにちは、111108さん。
      いつも、いいねありがとうございます。

      私、映画観たことあります。111108さんの(上)のレビューを読んでなんか知ってるぞと思い、ネットで検索して分かりました。内容を忘れてたりしたのでネタバレとか読んで思い出しました。家政婦がすごい意地悪というのが一番印象に残ってます。ヒッチコックの昔の映画ですが、良かったと思います。内容を忘れていた私が言うのもどうかと思いますが。(^^;)
      2022/11/26
    • 111108さん
      メイさん、こんにちは。
      こちらこそ、いつもいいねありがとうございます♪

      わぁ映画観られたんですね!ヒッチコック!それを知らないなんて無知な...
      メイさん、こんにちは。
      こちらこそ、いつもいいねありがとうございます♪

      わぁ映画観られたんですね!ヒッチコック!それを知らないなんて無知な私‥笑

      訳者あとがきでは、すごく有名だから日本では映画で話を知ってる人の方が多いと書いてありました。でも人物像は原作とかなり違ってるそうです。「意地悪な家政婦」が印象深かったんですね!私もどんな風に描かれてるのか興味津々、映画観たいです♪
      2022/11/26
  • 上巻から主人公に屈辱的な状況が続いていたが、急展開が連続する。
    「死者には勝てない」とレベッカの影に悩まされ続ける「わたし」の気持ちも大きく変化していく。

    色々あって、未読の方向けにあえて書かないけれどエピローグの2人は別の「死者」に永遠に捉われてしまった姿なのだろう。

    こういうジャンルはあまり読まないけど
    面白かった。そして解説を読んで気付かされる作者の技術の凄さ…

  • いやー後半明かされるレベッカが癌だったという真相、すっかり忘れていて、ドキドキさせられた。こんなどんでん返しがあるとは。
    レベッカがマキシムに撃たれた時笑った意味、「レベッカ一世一代のジョーク、もっとも上出来のやつ」がわかった時、レベッカの悪女としての魅力が更に輝いた。マキシムはもう、マンダレーとレベッカの呪縛から逃れて生きていくことはできないだろう。

    そして、この物語は、名もなきヒロインが少女から大人になる過程を描いたものでもあったのですね。
    普遍的なテーマに、しっかりと共感もできた。大人になって生きやすくなる代わりに、繊細な感受性や無邪気さ失うということ…マキシムは嘆くけれど、それが育つということなのだと思う。

  • 面白すぎて、ページを捲る手が止まらず下巻はほぼ一日で読み終えてしまった。そして最後の一文を読み終えたあと、すぐに上巻を手に取り、最初の一文「ゆうべ、またマンダレーに行った夢を見た」から読んでしまいました。こんなにも本の世界に没頭して早く続きを知りたくて仕方がないと思ったのは湊かなえの告白を読んだ時以来です。

    レベッカ(と彼女に取り憑かれたダンヴァーズ夫人)は、世界三代悪女では!?
    天使の顔をした美しくて狡猾な悪女ほど怖くて震え上がるものはないです。結局、マンダレーはレベッカにより作り上げられ、そして崩壊させられたのですね。全てはレベッカの思うまま。。。ああ、恐ろしい女だ。

    そして殺人を犯したマキシムが罪に問われない終わり方がとてもいい……!勧善懲悪の物語に慣れているから、途中でああ、マキシム捕まるんだろうなと思ったのに!
    屋敷が燃えるという終わり方が美しすぎる。マキシムと主人公は罪を逃れることはできても、永遠にマンダレーとレベッカの亡霊に付き纏われることになる。

    でも、二人が離れ離れにならなくてよかった。



    追記
    読み終わっても、まだ物語の余韻が残っている。主人公のみならず、私までマンダレーに取り憑かれてしまってマンダレーに帰りたくなるので、映画を見ることにします。

  • ヒチコックの映画で有名な「レベッカ」。
    私も映画は昔観たはずなんですが断片的にしか覚えていません。

    へえ、今さら新訳が出て文庫が平積みになるほどの本なのか、というのと、「恩田陸絶賛」という帯に魅かれて購入。

    デュ・モーリアという名前ですが作者はイギリス人で英語の作品。でも、1938年発表ということで、原書は読みにくいかもしれないし、ここは気軽に翻訳で楽しもう、と思って今回は和訳で読みました。

    いや、面白かったです。ページターナーかくあるべし。

    平凡な若い娘が年上の上流階級の男の後妻になる。ヨットの事故で死んだという先妻レベッカは、すべての人に愛された美しく才気あふれる女性だったらしく、主人公はことあるごとにこの先妻の影におびやかされる。夫もレベッカを忘れられないのでは?そんな時、新妻のお披露目をかねて恒例だった仮装パーティーを再開することになり…。

    主人公が一度も(写真さえ)目にすることのない、死んだレベッカの存在感が、簡単には本心を見せないイギリス的な会話とあいまって、ひたひたと恐怖を誘います。

    月並みですが、古さを感じさせない面白さで、特に後半は、これまた常套句ですが「ページをめくる手ももどかしく」って言う言葉が文字通り当てはまる、畳み掛けるようなサスペンスです。
    昔風の予定調和なオチでもないし、でも程よい通俗性というかメロドラマ性があって、誰でも楽しめると思います。

    気持ちとしては☆4つ半。
    サスペンス好きで未読の方がいたらぜひ。下手な新作を読むよりずーっっと面白いですよ。

  • 『レベッカ』は本当に面白い。舞踏会の翌日、座礁船の救助作業の過程でレベッカのヨットと死体が海底から見つかる。「わたし」はマキシムから衝撃の過去とレベッカがどのような人物だったか、二人がどのような関係だったかを明かされる。マキシムがレベッカを愛していなかったことを知った「わたし」は自信を持つようになり、使用人たちへの指示も堂々と出せるようになる。マキシムと秘密を共有するようになった「わたし」は少女から大人へ変貌し、そのことをマキシムは悲しむ。
    ヒッチコックの映画では、ラストの火事のシーンがしっかり描かれていた一方、原作では「そして海からの潮風に乗って、灰が飛んできた。」というラストの一文で火事が仄めかされるだけ。表現の仕方も、プロットの展開のリズムも、読者を惹き付けてマンダレーの世界に引き込むもの凄い作品。

  • わたしはマキシムが元妻レベッカのことを愛していないと知る。この真実を知っただけで、敵視され殺されかけたダンヴァース夫人に対しよくあんなに堂々とした態度を取れるなと思った。レベッカの呪縛から解放された後のラストシーン、圧巻だった。

  • 大好きな本のひとつ。複雑に花が咲き乱れる美しいお屋敷マンダレーと、怖すぎるファム・ファタール。そんな世界の語り部たる主人公があまりに朴訥としていて、あまりに自分みたいに間が抜けているので、痛々しくなって苦しくなる。それがまたいい。

  • 下巻も面白かったです。結局、主人公の名前出てこなかった…すごい。
    原作は、主人公はちゃんとマキシムと並んで立ってるのが良いな。映画はひたすら守られてる感じの弱々しい若い女性だったので。原作では成長して妻になってる。
    ふたりを執拗に追い回すレベッカの影は、失われたマンダレーを伴って濃くなった気がします。でもウィンター夫妻は離れることは無いだろうな。
    マンダレーが燃えてるっぽい…で終わるラストも良かったです。上巻の冒頭でマンダレーがどうなったかはわかるし、全てを語らなくてもよいです。

  • 死んだ人には敵わない
    …というような話かと思っていたら、下巻で話は急展開に。この展開は読めなかった。
    最後まで「わたし」の名前も何者なのかも詳しくは明かされず。でも心理描写が素晴らしくてまるで自分が「わたし」であるかのような気持ちで読んでいた。
    訳も読みやすく、終始映画を見ているようだった。

  • 読み終わってしまった‥
    もう今はいないレベッカの影にじわじわと追い詰められたような上巻とは逆に、下巻では次々と明らかになる真実にドキドキしっぱなしだった。
    でも読み終わった今、頭に浮かぶのは「わたし」と一緒でマンダレーの美しい庭や、フリスやロバートたち使用人によって儀式の様に繰り返し調えられる日常のことかもしれない。
    この余韻に浸るためにまた読みたい。

  • 完璧な小説で、ぜひ読んでほしいとすすめたいのだけど、ネタバレは避けたいので、なんて書こう。
    精巧で複雑な論理で作り上げられた現代のミステリーではなくて、ここには人間が、というよりも、神話的な偶然の一致で運命に引き摺られた(かのように思える)生身の人間の生を、読者にとって素晴らしくサディスティックな語り手が、そう、いつもミステリーなんか読まない私にとって、ミステリー作家はサディスティックにうつる。そして、思惑通り名もない主人公と一緒に焦らされ、ひっくり返され、引き摺りまわされる。小説が小説たる所以の根っこである生身の人間の表現と、作者のサービス精神が見事に合致した優れた作品だ。
    ともかく、読んでくれ。

  • 「ダフネ・デュ・モーリア」のゴシックロマン小説『レベッカ〈上〉〈下〉(原題: Rebecca)』を読みました。

    「泡坂妻夫」のミステリー作品『花嫁のさけび』が、『レベッカ』を彷彿される内容だったので、原作を読んでみたくなったんですよね。

    -----story-------------
    〈上〉
    ゆうべ、またマンダレーに行った夢を見た― この文学史に残る神秘的な一文で始まる、ゴシックロマンの金字塔、待望の新訳。
    海難事故で妻を亡くした貴族の「マキシム」に出会い、後妻に迎えられた「わたし」。
    だが彼の優雅な邸宅マンダレーには、美貌の先妻「レベッカ」の存在感が色濃く遺されていた。
    彼女を慕う家政婦頭には敵意の視線を向けられ、「わたし」は不安と嫉妬に苛まれるようになり…。

    〈下〉
    マンダレーで開かれた豪華な仮装舞踏会の翌日、海底から発見された「レベッカ」のヨット。
    キャビンには、一年以上前に葬られたはずの彼女の死体があった―。
    混乱する「わたし」に「マキシム」が告げた、恐ろしい真実。
    変わらぬ愛を確信し、彼を守る決意を固める「わたし」。
    だが、検死審問ののちに、「マキシム」すら知らなかった「レベッカ」の秘密が明らかになっていく。
    魅惑のサスペンス、衝撃の結末。
    -----------------------

    上下巻で約800ページの大作… 上巻の中心となる「わたし」と「マキシム」のやりとりは、少しもどかしい感じがしますが、下巻の仮装舞踏会から「レベッカ」のヨットが発見され事件の真相に迫る展開は面白いですねぇ、、、

    前半のもどかしさは、後半の急展開の伏線として必要なパーツなんでしょうね。

    長篇でしたが、面白かったので、意外と早く読めちゃいまいた。


    「アルフレッド・ヒッチコック」監督作品の映画『レベッカ』は何回か観ていますが、原作の雰囲気を巧く表現できているなぁ… と感じました。

    特に「レベッカ」を崇拝する「ダンヴァース婦人」のイメージは原作とぴったりですね… でも、本作を読んで、原作と映画では、一部内容が異なっていることに気付きました、、、

    前半は原作に忠実な感じですが、後半部分で、

    ○「レベッカ」の死因が異なっていたり、
     (原作:「マキシム」が銃殺、映画:「マキシム」が押し倒した拍子に事故死)

    ○「レベッカ」が映画では妊娠したと信じている描写があったり、

    ○「ベーカー医師」に「レベッカ」の診察内容を確認に行くメンツが違っていたり、
     (原作:「マキシム」に「わたし」が同行、映画:「マキシム」に「フランク」が同行)

    ○映画では、マンダレーが炎上する場面で、燃え上がる屋敷の中に「ダンヴァース婦人」のシルエットが浮かぶ場面が追加されていたり、

    という違いがありましたね。


    ちなみに、最後まで「わたし」の名前は明かされないのですが、、、

    これは「ダフネ・デュ・モーリア」が「(珍しい)名前を思いつかなかったから」なんでそうです… 意外な理由でしたね。

    久しぶりに映画も観たくなりました。

  • (上巻より)

    雇い主の強引さのせいで知り合い、
    彼女がインフルエンザにかかっている間にデートを重ね、
    結婚までいたる冒頭の部分も、
    お屋敷に住みながら女主人になりきれない部分も、
    真相を知りそれが暴かれることにおののく部分も、
    とにかく目が離せない。

    読みやすかったのは、
    思ったよりホラーでもないし、ゴシックでなかったのもあるが、
    実際に読んだ本が昭和46年発行、翻訳大久保康雄と古い版だったからかもしれない。
    単語の選び方や、登場人物の話し方がしっくりしていた。

    雰囲気が古典的で、ストーリー展開も面白かったけど、
    お客様とのアフタヌーンティーは楽しそうではなかったかな。

  • 「ゆうべ、またマンダレーに行った夢を見た」有名な書き出しで始まるサスペンス、心理スリラー、ゴシックロマンスの名作。ヒッチコックが映画化し、主人公をジョーンフォンティンが演じた「レベッカ」だ。老婦人に世話係に雇われてモンテカルロ旅行に同行した21歳の「私」は、海難事故で妻を亡くした貴族マキシムと出会い後妻となる。しかし彼の邸宅マンダレーには先妻レベッカの存在が強く残り家政婦頭には敵意さえ感じられる。舞踏会の翌日レベッカのヨットが見つかり…マキシムの秘密、レベッカの秘密、マンダレーの秘密が次々と明らかになる。ひぇー!育ちが良く美しく魅力的なレベッカの影、庶民出身の若き後妻「私」の不安、登場人物たちがそれぞれ考えていること、全部が気持ちよく繋がる見事な伏線。
    この表紙のイラストは貴族の生活とは関係ない単なるオシャレさんにしか見えずイメージは台無しだ。しかしデュモーリア自身の写真が「私」っぽくて可愛い。「私」は庶民の若くて可憐、純粋で一般的な意味で上品な女の子だ。しかし貴族社会では通用しない。貴族が持つ生まれついての気品、自信、落着きがないからだ。そんな女の子が貴族に恋し結ばれる。20世期前半に輝いた白馬の王子話だ。白馬の王子の相手役なら永遠の妖精オードリーヘップバーンの「ティファニーで朝食を」が頂点だろうか。「プリティウーマン」あたりから、かつてと違い王子=金持ちになってしまい、気品がなくなってしまった。今では気品を表現できる役者も見当たらなくなってしまった。日本の小説や映画ではこのような女性像を思いつかない。貴族と自由平等が混在した時期がほとんどないからだろうが、この匂いを感じるのは大正の女性だ。しかし日本女性は耐えてしまうので、可憐に咲き誇るヒロインがいない。ちょっと違うが川口松太郎の「紅白振袖」に出てくる君子なんか好きだけど。レベッカとは関係のない話だ。


  • ヒロイン目線で読んでるから、マンダレイに後妻として入ったヒロインに対する色んな仕打ちに心折れかけた。
    美しくて教養もあって面白味があった前妻レベッカと何かにつけて比較されて、がっかりされて。領地の人たちにも、マキシム(旦那)の姉にも、マンダレイに昔からいる執事のフリスにも、全てを取り仕切る使用人のデンヴァース夫人にも。
    みんな揃いも揃ってヒロインのことを「レベッカとはまるで違う」と言う。
    社交界なんかもあって女主人として采配をふるう必要のあるこの時代に後妻に入るとこんな面倒なんやなあと心底同情した。
    頼みの綱の旦那、マキシムはその辺全く分かってなくて、人見知りなんかそのうちなおるし(なおらんわ!)、皆そんな気にしてやしないさ(気にしてるわ!現に面と向かって色々言われてます)とか言ってヒロインの心労について全然わかってくれない。
    私は最後までマキシムのことは25、6歳も年下のうぶな若い女に手を出したおっさんとしか思えなかったので、そんなマキシムに嫌われまいと何もかも我慢して文句も言わず必死なヒロインを見てると共感できずにずっとイライラした。笑
    そういう夫婦としての在り方とか、昔の社交界とか、出会いから結婚までの怒涛の展開とかも描きつつ、幸せそうで完璧に見えてどこかいびつな屋敷の様子が描かれていてすごく面白かった。

  • 面白すぎて一気読み。先を読みたい気持ちに読むスピードが追いつけずにやきもきするような小説は本当にまれ。これがまさにそれ。
    舞踏会の失態でショックを受けた直後に船の挫傷事件があって、それをきっかけにレベッカの死の真相が明らかになり、マキシムは運良く追求を逃れたと思ったら、ダンヴァース夫人の復讐がまっているという、この急な展開と流れのうまさに息つく暇もない。
    あれだけ落ち込んでいた主人公が、マキシムがレベッカを愛していなかったと知った途端に息を吹き返すところなど、無邪気な彼女はいったいどこにいったのだという感じでちょっと怖かった。
    最後フランクがどうなったか明らかにされていないが、無事だったとよい。割と好きなキャラだったので。

  • 上巻の最初はなんだか暗いしジメジメしてるし…と読むのをやめそうになったけど、中盤からめちゃくちゃ面白くなってきて、本を読むのが遅い私も下巻は2日で読み切ってしまった!ページをめくる手が止まらないほど面白い。訳もとても読みやすくて良かった。

    主人公が大人になったというより、狂ったというほうが近い気がした。レベッカの秘密が明らかになったときの主人公は明らかに狂気の沙汰って感じ。愛ってコワ〜イ。ヒッチコック監督の映画も観てみたいと思った。

    個人的には、最後の恩田陸さんによるあとがきが面白かった。

  • 一気に読めた。面白かった。
    使用人のおばさんのいじめにどうやって立ち向かえばいいんだろうと思ってたらそれどころじゃなかった。
    相変わらず描写が好みで、マンダレイに行って隅々まで観察したくなる。イギリスってナショナルトラストとかあるし、長い年月を経てきた建物には全体を包み込む独特の空気感が存在しているんだろうと思う。これは是非原文でも読んでみたい。
    しかし一番恐ろしいのはレベッカというよりヒロインの心境の豹変っぷりだった。

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著者プロフィール

茅野美ど里
1954年東京生まれ。上智大学外国語学部英語学科卒。小・中学時代の3年間をアメリカ・イリノイ州ですごす。訳書に『赤毛のアン』『秘密の花園』『ぼくだけの山の家』、『レベッカ』などがある。

「2019年 『Road of the Tinkling Bell』 で使われていた紹介文から引用しています。」

茅野美ど里の作品

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