谷間の百合 (新潮文庫)

  • 新潮社
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本棚登録 : 444
レビュー : 30
  • Amazon.co.jp ・本 (580ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102005019

感想・レビュー・書評

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  • アンリエットからフェリックスに宛てた最後の手紙、これを読むまでは、なぜアンリエットが悲しみのために死ななければならないのか、理解できなかった。自らプラトニックで肉親的な愛を求めておきながら、フェリックスの恋愛にショックを受けるいわれがないように思えたから。
    しかし死後に読んでくれと手渡した手紙により、アンリエットの心理も理解できた。
    原文を読めないのでなんとも言えないが、非常に緻密で練られた文章であることが、優れた翻訳からも伝わってくる。
    (2016.3)

  • やはり物語というものは悲劇であるべき。ハッピーエンドには美しさがない。個人的にはゴリオ爺さんの方が好み。

  • ドストルストイの御二大作品は
    キリスト教及び欧州歴史が成す知識を前提としているかんじで
    現在日本でのほほんとしている身には
    板書している言語はしれても
    その説明するところが皆目見当つかない心地だが
    同じ人間喜劇でもこちらは修辞が比較わかりやすい気がする
    訳者の手腕が並外れているだけかもしれないけれども
    日本語ででも音読したくなるような素敵な文

    恋愛とその周囲の夫婦や家族や宗教を題材にして
    人間とその関係を描いている作品は
    「教養」や「青春」というような「小説」の分類は
    小説(登場人物と筋書きの結構)だけが
    文による表現ではないことを思い出させてくれる
    詩歌による表現はおそらく「知識という前提」がないのでわかりづらいのであり
    ならば多彩な修辞であればわかりやすいのでもないのだ
    彫り削ぎ落として本質を得ることもまた表現の手段であるなら
    そのとき足元に散らばる削り屑も見えていないのでなくそこにあるのだ

  • 結局誰もモルソフ夫人を理解してあげられてない...。最後のナタリーの手紙が良い。

  • 2016年10月29日再読終了

  • 初心な青年フィリックスと、人妻であるモルソフ伯爵夫人の恋について、ひたすらその心理のみをつぶさに描いた究極の恋愛小説。自己犠牲を美徳としたとき、恋は不幸に終わります。

  • バルザック初読。

  • 550ページ。長かった。
    最後はナタリー夫人によるフェリックスに対する批判で終わった。びっくりした。
    この話をひどく簡単にまとめてみると次ような流れである。

    青年が恋した人妻はキリスト教徒で操を立てて深く愛しあおうとしない。そのことに欲求不満が高まり続け、妖艶で活動的なイギリス女性に恋をして肉欲に溺れた。それを知った人妻は嫉妬の炎で命まで燃やしてしまい死んでしまった。死の間際に渡された手紙にはどれほど青年を愛していたかが綴られていた。青年はその後女性と関わることをやめようと決意したが、ナタリー夫人に出会い恋をした。これが私の過去です。知って欲しかったので手紙に書きました。
    という体裁で540ページ近くの手紙をナタリー夫人に送る。ナタリー夫人の回答は「昔の女の話はやめてくれ。あなたはもう愛せない。亡霊と愛しあっていてくれ」というようなもの。
    ここで終わる。

    最後の最後にモルソフ夫人の手紙、ナタリー夫人の手紙と2度の転換が訪れる。後半ダドレー夫人と出会ってからモルソフ夫人との仲の雲行きが怪しくなるにつれてどんどんおもしろくなっていくが、それまでは退屈極まりない話だった。

    官能と自然描写が非常に長く描写されているが、最も記憶に残ったのはモルソフ伯爵の人間描写である。この自己中心的で自分が一番誰よりも傷ついていると思い込んで周囲を傷つけていく人の実在するかのようなリアリティはすさまじく、モルソフ夫人に同情せざるをえない気持ちなる。同時に胸糞悪いモルソフ伯爵がいなくなる気配が全くない序盤はページを捲る手が進まなかった。

    恋だの愛だのに興味がない私にはゴリオ爺さんの方が大傑作でおもろかったがバルザックの人間観察と心理観察の鋭さがよく分かった1冊。

  • 2014/02

  • バルザック作品 累計読了 469ページ

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著者プロフィール

オノレ・ド・バルザック
1799-1850年。フランスの小説家。『幻滅』、『ゴリオ爺さん』、『谷間の百合』ほか91篇から成る「人間喜劇」を執筆。ジャーナリストとしても活動した。

「2014年 『ジャーナリストの生理学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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