赤と黒(上) (新潮文庫)

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レビュー : 119
  • Amazon.co.jp ・本 (354ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102008034

感想・レビュー・書評

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  • 大分時間がかかりましたが、やっと読み終わりました。自尊心が異常に膨れ上がった天才肌の美青年ジュリアンが、色恋とその自尊の狭間で命をすり減らし、最終的には自尊心が恋に優り、それゆえに犯した罪の元斬首される話。こんな書き方は全くあらすじではないですが、巻末にある当代の評論家がかいたその批評が、著者スタンダールの執筆意図をしっかりと言い当てています。
     フランス革命の前後において、全く変わってしまったフランスの時代的情緒を描いた作品だということです。私個人としてはフランス革命を手放しで称賛することはできない立場ですから、大革命を前後したフランスの時代を描写した本作は、とても大きな印象を私に残しました。
     もう一度じっくり読み返してみたいです。人間描写の巧みといいましょうか、それも含めて時代描写の傑作であると思います。

    15.07.23 - 15.10.18

  • ジュリアンとレナール夫人、ジュリアンとマチルダの恋愛が描かれるが、3人3様の心理が面白さの焦点。レナール夫人は子供が複数いるのに恋愛には初心で3人の中では一番純粋に相手を愛することができる人。マチルダは地位と金、若さと美しさ全てを持っているが退屈で持ってないのは幸せだけ、という人で、恋愛を人生ドラマの道具立てにして自分の中で盛り上がる人。ジュリアンは貧乏な平民の生まれのコンプレックスから自尊心を満たすために高いポジションの女性を征服することが動機となっているが、その時々で相手を愛する気持ちが生じて揺れ動く。200年近く前に書かれた小説としては、ジュリアンとマチルダの心理戦がきめ細かく描かれていて、ジュリアンが最期に冷めていくところなど古さを感じさせない。
    赤と黒のタイトルについて。情熱の赤と人間を欲望で操作する力の黒、と私は思った。

  • 高校時代授業でタイトルだけは習った本。
    フランス文学って恋愛至上主義だなぁと。
    当時のフランスの歴史的宗教的背景が解らないと読みづらい。日本史選択の自分には難しく、世界史選択の兄に度々聞いたものの「世界史は世界史でも俺は古代ローマだから」と言われました。
    そうか高校時代に読んでたら世界史の先生に色々聞けたのか!と閃くも、高校生じゃこの男女の機微と人間心理は絶対理解出来なかったな…人生はままならない。

  • サマセット・モームが挙げた『世界十大小説』のうちの一つ。そのうち読もう、と思って積読本棚に置き始めてから3年ぐらい経っちゃったので、さすがにボチボチ切り崩していかんといけんな、と思い、まずは上巻を読了。

    フランス小説だからか時代背景がなせる業なのか、全編通じて語調が緩慢というか鬱陶しいというかネットリしてるというか。どう贔屓目に見ても、テンポよくグイグイ読める、というものではありません。
    思い返すと、同じくフランス小説の『ゴリオ爺さん』や『異邦人』なんかも決して読みやすくはない文体なので、これは時代を問わずフランス文学の癖なのかもしれません。良く言えば登場人物の心の襞を細密に描写してるとも取れるし、悪く言えば話は盛り上がっているはずなのに文体が盛り上がらず、メリハリがなくて冗長、とも言えます。

    舞台はとある片田舎、ナポレオン後の王政復古の時代。軍人に憧れつつも、時代の流れを考慮して聖職者としての立身出世を目指す聡明で美しい青年ジュリヤンが主人公。貧しい自らの境遇を打破して出世したいという権力への羨望と、それに対する嫉みやら恨みやら妬みやらが連綿と描かれます。

    自身の出世のため、利用できそうな上流階級のご婦人を誑かし、しかし時を経ることで彼女への愛が本物となるなかで、とある事件により彼女の許に留まることができなくなってしまい、離れた町の神学校に通うことになる、といったあたりで上巻は終了。下巻に続く。

    当時の下層階級の若者にとって、自らの力で社会的にのし上がっていくという野望は大きなものであり、それが故に既得権益層である貴族や聖職者への羨望と恨みが非常に激烈だったということが、頻繁に出てくるジュリヤンの独白から読み取れます。もはやまごうかたなき古典文学なので、ストーリーを楽しむというより時代背景を味わう、というスタンスで臨んだほうが読みやすいかもしれません(ストーリーもそれなりに面白いんですが、なんせ文章の技法として大きく盛り上がるわけではないので、淡々とした文章を淡々と読めるならまだしも、そうでもなければ何か「目的」を持ったほうが読みやすい)。

    上巻でギブアップする人も結構いるようですが、なんか全体の雰囲気と古典西洋文学の傾向からして、下巻でジュリヤンは零落しそうな気がするので、その予測を心に留めながら下巻に進みたいと思います。

  • 下巻にまとめています。

  • 愛に落ちるということは地獄に堕ちるということ。

  • 宝塚を観に行くために原作を読んでみた。
    難しかった。
    当時のフランスの歴史的背景や社会情勢、貴族や僧や平民の生活などを知らないと、理解できないことが多い。
    急に物件が売りに出た話など、その出来事が何を意味するかがわからないくだりがちょくちょくあった。
    それでもあまり深く考えすぎずにさらっと読むだけでも、そこそこおもしろい。

  • 読書会のプレゼント企画でいただいた一冊。学生時代以来、約20年ぶりの再読になる。ナポレオンに憧れて立身出世の野心に燃える青年が主人公なのだが、ページのほとんどを地方の名士の奥様である人妻相手に恋愛の駆け引きを楽しむ描写で費やしている。心理描写らしいモノが皆無に近い現代日本の小説に慣れていると、心内文の長い本作に面食らうかもしれないが、今でも一読の価値があると思う。

  • 若き秀才 ジュリアン・ソレル。彼は製材小屋の息子ながら野心家で、実力で成り上がったナポレオンを敬愛しています。彼もそれに習い、赤(軍人)や黒(聖職者)として権力者になろうとします。これはそんなジュリアンのお話し。

  • ナポレオンをひそかに敬愛する出世欲と潔癖さと情熱の溢れる若者の話。
    スタンダールは名言集などでよく見かけたので読んでみた。
    やはり最初のほうは取っ付きにくいが、後になって登場人物がへってきてからはスラスラ読めだす。
    あっさりした描写だったけどたった一年で教え子に忘れられたジュリアンがなんかリアルでいやw

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著者プロフィール

スタンダール(本名アンリ―・ヘール)は、フランス革命からはじまるフランスの歴史的な激動時代を生き抜いた、フランスの代表的な作家。著書に「赤と黒」「パルムの僧院」「恋愛論」など。

「2016年 『ディズニープリンセス 「恋愛論」 Disney Princess Theory of Love』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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