- 新潮社 (2004年9月1日発売)
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感想 : 162件
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Amazon.co.jp ・本 (448ページ) / ISBN・EAN: 9784102009017
みんなの感想まとめ
愛と死という普遍的なテーマを描いたこの作品は、恋愛悲劇の名作として多くの読者の心をつかんでいます。美しい高級娼婦マルグリットと、彼女に恋する若者アルマンの関係は、深い愛情と切ない選択を通じて展開されま...
感想・レビュー・書評
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高級娼婦である美しいマルグリットは馬車や宝石などの高級なものに囲まれた生活を送っていたが、それらは虚栄のもので、本当の愛情を前にしたら価値がないということを理解していた。
自分の本当の幸福が何で構成されているのかということを知り、その他のものは迷いなく手放すことができる勇気がかっこいい。
聡明な女性とは、愛情深く、勇気をもって優しさを体現することができる人かもしれない。
一方で、女性の心の素直さや優しさを信じきれなかった男が悲しい。男には到底想像のつかないような、何層も深い愛情を理解するのは難しく、結局は保身に走ったように見えた。
今と異なる時代背景、身分差などはあるけれど、愛や死というものは時代が変わっても永遠に私たちを悩ませる。時には幸福を与え、時には絶望に突き落とすけれど、人と生きていきたいのならば避けることができないテーマだなと改めて思った。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
仏文3作め
相手を想って身をひく系恋愛ドラマの元祖は、「椿姫」だったんですね
アルマンが20を過ぎても未熟で短絡的な盲目キャラなのでちょっとイラッとしますが
うちひしがれた彼をプロローグでみせられるので、あんまり責められないのがこのお話の巧いところでしょうかね
アルマン父にはモヤモヤしましたが、自分の息子がキャバ嬢に溺れていると知ったら…
わたしも同じことをしたかもしれない
そんななかでマルグリットが選んだ愛は、崇高で、罪深くて…
かなしく、愛しい -
さすが名作と言われる作品である。
これを単に精神世界と物質世界を対立としてしてしまってはいけない。
実際には、あくどいお金儲けをする人間が、美しい心を持っていることもあるし、あさましい人間が素晴らしい芸術を生み出すことさえある。
それでいい。誰か(神?)が良識や道徳で天秤にはかることなんて、できやしない。
そこに人間の弱さと愚かさと親しみと尊さがあるんだ。
汚い路地裏の匂い立つ腐臭の中に捨てられた一片の詩に、金満家の心中に潜む良心に、道徳者が抱える歪んだ快楽の中に、そういうことの中に我々は人生の真髄を見出さなければいけない。
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勿論互いに2人とない最愛の人であったのだろうが、それならそれで相手を思い遣る想像する気持ちを持てなかったのかと思ってしまう。
2人の旅路が悲劇で終わってしまったのは、互いが盲目になってしまっていたから。独りよがりな行動に走り、思い通りにいかないとありとあらゆる手段で相手を苦しめたアルマンの浅はかさも破滅を呼びこむ原因だったのでは。
マルグリッドが「真実の愛」に目覚め身を引いたのに対し、アルマンは最後まで「究極の恋」を抜け出せなかったんだと思います。
ただ、それを「若さ」では片付けて欲しくない。個人的には想像力や自制心の欠如への因果応報としか思えなかった。
盲目な恋愛に身を滅ぼしてしまう物語はロマンに溢れ魅力的で、名作としてその評判に相応しい読み応えであった。 -
ほかの本、天国の本屋 恋火
という本で気になって読みました
読んだ当時は幼かったけれど、今こうして身を切られるようにどうか幸せを願って別れた人がいると、このマルグリットのようにアルマンに祈りと願いを一身にそそげるか
マルグリットは身を滅ぼしながらも、アルマンの幸せだけを望んでいる
どうか幸あれと願ってきえた人
崇高な想いが昔もあったんだなぁとじんわりします -
想像以上に魅力的な女性だった!
気高く賢い魅力的な女性だった!
可愛さ余って憎さ百倍なんてくそくらえだね
アルマンの幼稚で執拗な傷つけ方にしっかり怒りを覚えてしまったーーー -
背景にある社会問題と絡めて読まなくとも、十分に恋愛小説として楽しめる一冊ではないでしようか。
もちろん、背景を探ることで深みが増すのは間違いありませんが。
生涯遊び人であった父親の息子が書いた小説と聞くと、納得もできますね。父親が「説教が多い」と言ったのも頷けます。
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アルマンの直向きなアプローチが叶ってついに街1番の美女と恋仲に。
しだいにアルマンからの愛情によって奔放な暮らしを改め療養のためにも質素な2人の生活を望むようになるマルグリットの心の移り変わりもおもしろかった。
後に手紙の内容で明かされることになる、堅実なアルマンの父とマルグリットの掛け合いのシーンは涙が止まらなかった。
オペラ椿姫よりもずっと濃い内容でよりマルグリットという女性を知り、感情移入できたので原作を読めてよかった。 -
なーんだ、いつの時代もみんな恋愛に振り回されているのか。ほっ。
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娼婦の遺品競売シーンで幕を開ける本作は冒頭でヒロインの不幸な結末を明示しており、読者の関心はその過程へと注がれます。
堅実な家庭に育った若いアルマンはパリの街で、高級娼婦として夜ごと放蕩に明け暮れる絶世の美女である椿姫ことマルグリットに出会い、彼女を強く欲するようになります。パトロンに囲われ優雅に暮らすマルグリットは、はじめ若いアルマンの情熱を問題にしませんが、彼の強い気持ちはやがて贅沢に倦みきっていた椿姫の無垢な一面を動かします。
周囲を巻き込み、または翻弄されながらも恋に身をやつし次第に彼らの置かれた状況を見失う若い二人を通し、それにともなう多幸感や嫉妬を含む振れ幅の大きい悲喜こもごもの感情を巧みに表現する本作は、ややもすると「ベタ」だと両断されかねない、ストレートに「愛と死」を描ききる高純度な恋愛・悲恋の物語です。
通読してマルグリットの終盤の心境と振る舞いには、フランスの恋愛小説とは不似合いなはずの、演歌の世界観が重なって見えました。 -
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何度読んでも泣ける、悲劇的純愛小説。
愛する人の幸せだけを祈って身を引く。
私には出来ないけど。
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読書会をきっかけに読んでみました。タイトルしか知らなかったし、あまり興味もなかったのですが、読んでよかった一冊です。恋愛について忘れていたものを思い出しながら読んだり、時代背景を想像しながら読むのはとても楽しかったです。後から後からじわーっとくるものがあります。
お話の展開もすごくよいです。マルグリットの最初の登場はとても印象的でした。
読書会では、いろんな人の感想もまた面白くて、この読書がとても充実されたものとなりました。
また、「椿姫」のつながりで読みたい本が続々と出てきました。読んでいこうと思います。
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椿姫こと、マルグリット・ゴーティエ。『悪女入門』で、悪女の代表格として紹介された彼女がヒロインを演じる本書を、悪女萌えな私が読むのは、ある意味必然でした。悪女とは、私の定義によれば、男を惑わし破滅に導く魔性の女です。『痴人の愛』のナオミのように、男を翻弄することを趣味とするよう悪女もいますが、マルグリット・ゴーティエは、まったくの正反対でした。
http://naokis.doorblog.jp/archives/Marguerite_Gautier.html【書評】『椿姫』〜マルグリット・ゴーティエに魅せられて : なおきのブログ
2016.09.28 読書開始
2016.10.03 読了 -
真実の思いも、社会観念や偏見には敵わないんだなぁというのは改めて感じました。現在ではいくらやめていようと、過去おこなっていたことは残ってしまうということも含めて。未来の私が、過去の私に起因して諦めなければならないことがないように、そこはしっかり身をただしておかないとなと思いました。恋愛小説というよりは教訓本という印象でした。
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語り手とアルマンはキャラかぶりしていないか?そこが一番気になった。物語は一種プロトタイプにもなっている娼婦との悲恋というテーマ。マルグリットは主義主張が一貫していて気持ちがいいが相手のアルマンはダメだ。まさに口だけ達者で言い訳ばっかりのなんちゃって優男で自分の思い通りにならないとすぐ取り乱すし言って良いことと悪いことの違いもわからないし幼稚。話はまとまっていて美しいがとにかくアルマンが無理。
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口では愛しているとのたまいながらマルグリットを心から信じきれず、安易な所有に走ろうとする馬鹿な男、それがアルマンだと思う。
そんなアルマンにどうしようもなく腹立たしさを覚えた。どうしてマルグリットを信じることが出来ないのだこの男は。。失望を通りこして悲劇ですよ、もう。そもそもマノン・レスコーを贈る時点で彼は自らが産んだ思考の枠の中でしか考えられてないんしゃないのと思うんだけどさ。
ただイライラさせられたものの、個人的にはこのラストが好きだ。というより、この物語の運ばれ具合やこの物語から垣間見える人生観みたいなのが私には贅沢なくらい心地よいのだ。デュマ・フィスをもっと読みたいと思った。
それにしても、時を忘れて読みふけった作品は本当に久しぶりだ。読者を惹き付けて止まない文体と、ダイナミックな展開はエンタテイメント作品としても素晴らしい作品だと思う。ちょっと描写が薄いかなと思う所もあったけど。ストーリーで魅せられたので私は好きだ。
「マノン・レスコー」つながり。
P240「泣いてくだすったからよ。あたしを心から哀れんでくだすったたったひとりの方だからよ。」
P277「人生はもはや、一つの絶え間ない愛欲をくり返し満たしていくことにほかなりません。魂はもはや、恋の聖火を燃やしつづける巫女にすぎないのです。」
P390「情熱の時代のつぎには、男として人から尊敬されるために、まじめな地位にしっかと腰をすえなければならない時代がくる。」 -
「あたし誓って言うけど、だれにだってあたし、あなたにほど早く身を任せたことなんかなくってよ。/あたしを心から哀れんでくだすったたったひとりの方だからよ」
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あなたはアルマンを愛していてくださる。それならばそれで、その証拠を伜に見せてやっていただきたい。その証拠を見せる方法は、まだ一つだけあなたに残されている。それは伜の将来のために、あなたの恋を犠牲にすることです。今までのところべつになんの不幸も起こってはいないが、しかしいずれは起こるようなことになる。しかもそれは、わたしの予想するよりもさらに大きな不幸であるかもしれん。
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なんだか、女という生き物は、本当に可愛くて可哀想だな〜わたしも女だけど
外から覗かせてもらう分には悲恋は読み応えがあるけど、この子が最後どんな気持ちで天井見て息引き取ったかと思うと、胸がぐーっとなりますね
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