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Amazon.co.jp ・本 (304ページ) / ISBN・EAN: 9784102010068
みんなの感想まとめ
人間の尊厳と貧困が織りなす切実な物語が展開されるこの作品は、登場人物たちの心の葛藤を巧みに描写しています。ドストエフスキーの処女作でありながら、その完成度は高く、ユーモアとペーソスが絶妙に交錯していま...
感想・レビュー・書評
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トルストイと全く違う、ユーモアとペーソスの両方溢れ出るドストエフスキー節は、出世作から健在だ。ただ後期の五大長編小説と比べると、勢いは若干弱めかもしれない。
往復書簡で表面上は読みやすいが、手紙の真意を深く読み取ろうと思うと、意外に厳しい読書を強いられる。再読が必要な作品だと思った。
この作品は当時まだ作家でなかったドストエフスキーが『背水の陣』で書いた起死回生の一作。
そのせいもあってか、終盤が迫ると鬼気迫る勢いが徐々に出てきて、ページを繰る手が止まらなくなる。
コンパクトに纏まっているが、この切迫感はこれがまさにドストエフスキーの作品であることを証明している。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
処女作でこのクオリティっていうのが戦慄もの…。カラマゾフとも地下室の手記とも違う方向性だけど、完成度が高くてさすがだな…。
彼が描き出す人物像ってどうしてこうも鮮明で心に響くんだろう。純粋で繊細な人間が、お互いを思って嘘をつき、我が身を犠牲にし、慰め合い、励まし合う。でも、お金や社会的立場の面で制約が多すぎて、互いを助けるには限界があって、歯がゆい思いをしながら見ていることしかできない。
権力、家柄、病気、繊細さ、出会った人、いろんな要素が降り積もってどうにもできない不幸の中にいる2人。絶望の最中でも、神がいつか自分を救済してくれることをひたすら信じて耐えているのが切なかった。自分の日常生活ではこのような逃れられない不幸とは縁遠いようにも感じられるけど、程度の差こそあれ格差は常にあるものだし、努力ではどうすることもできない、逃れられない運命ってあるよな、と思う。
貧困に限って考えれば、ただ怠けているわけじゃない人はきちんと救済される必要があるけど、公的に狡賢く生活している人間との線引きをするっているのは難しいから、必要なところに必要な分供給するって難しいよな。返ってくる見込みのないお金を、貸したりあげたりするっていう行為に抵抗を覚えていたけど、ジェーヴシキンのように救われる人間もいるんだっていうのが鮮烈な印象として残った。ジェーヴシキンのような人がいたら厭わずに手を差し伸べることのできる人間でありたい。
貧困は人間の尊厳を危うくしてしまう。貧困に陥っていると、どんなに美しい心を持っている人でも、お金に固執しなければならないし、精神の安定を失うり、他人からの侮辱が正当なことであるかのように感じられてしまう。周囲の人間も、知らずして人を見下している。
生きていくために、互いを救うために、結局最後は離れることを選ぶのだけど、それはきっとお金よりも2人の心を引き裂くことで、悲しくて仕方ない結末だった。愛情と心の充足との引き換えに生活を得る。それしか道が残されていない。最後の手紙、渡せなかったのかな…。
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錦繍につづき、書簡体小説が読みたくて選びました。
ドストエフスキーの罪と罰が好きで、とても期待して読みましたが処女作ということでかなり若い時の作品のためか、ドストエフスキーのじわじわとくる面白さがなかなかやって来ず少し退屈に感じてしまいました。でもなんとなく記憶に残るものだと思います。
書簡体にしては手紙と手紙のやり取りにつながりがあまり感じられず、噛み合っていないことに「なぜ?」が生まれます。大切なことを書いているはずなのにそれについて一言も触れられていない返事だったり、大切な相手に向かってとにかくずっと卑屈な言葉を吐いていたり。
この何月何日の手紙はもしかしたら「出していない」のかもしれないと思い込むことにしました。だって全く噛み合っていない。
そして、ずっとお金に困っていてそれが結局「卑屈」になる原因なのだと感じました。それはドストエフスキーの他の作品にもあるものですね。
そう振り返っているうちに不思議とまた他の作品も読みたくなってきました。とすると、退屈だと思っていた作品のはずなのに、結果的に読者を惹きつけるドストエフスキーならではのなにかがあるのかもしれないですね。 -
貧しい暮らしをしている人たちが主の物語。
お金に生活が左右され、明日を生きることもままならない人達が出てくる。最後の方はとても緊迫した。
やっぱドストエフスキー面白い。 -
貧乏なおっさんと貧乏な若い女の子がお手紙を出し合うお話。
現代の日本の価値観を通して読むと、どうしてもおっさんが気持ち悪かった。汚くてメンヘラで卑屈なおっさんって、、、
憎めなくていい人ってのは伝わってくるけど。
個人的には貧乏で冴えないけど、若くて賢い男の子のが感情移入出来た。ラノベの読みすぎかな。
アンナ・フョードロヴナに対しても特にスカッとするオチはなく、おっさんが悲しんで終わり。これで終わり?って最後だった。
いわゆる名作古典作品って感じの終わり方。
自分の教養の無さ故だとは思うけど、期待した程じゃなかった。
ポクロスキー父の子を思う描写は、なんか妙に生々しく好きだった
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他レビューにもあったが、この作品がペリー来航よりも前というのがびっくりする。
ロシアの貧困。どんよりとした救いようのない作品。
母が大学時代に線引きしている箇所が興味深い(家の本棚からこっそり持ち出したので)一番最後に、1983.3.3とメモがあった。 -
読みやすさに感動した(罪と罰の後だったので…)
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新潮文庫『貧しき人びと』43年前に購入と記載あり、数か所色鉛筆で線など引いていた。「貧しさは罪ではない」という箇所、当時何を思って印を付けたのか不明だ。とにかく文章が読みやすくスラスラ読み進めることができる。大満足。
小説は説明より描写と言うが『貧しき人々』に登場する小役人が凄まじい。靴底が抜け落ちて足は泥だらけ、役所ではヘマをやらかし詰問中にたった一つの上着のボタンが転げ落ちる。その心情たるや計り知れない。このまま地べたを這いずり、のた打ち回って終わるかに見せかけての~完璧ではないにしろ救われた。 -
読んできたドストエフスキー作品の中ではいちばん読みやすかった。ラストの感情的な表現がとても良かった。
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手紙の往復という体裁が意外に読みやすい文豪の入門編。大仰な言葉の畳み掛けに一種のリズムと迫力を感じたものの、これを読んで高い文学的評価を与えられる読解力は自分には無かった。
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大作を読む前の準備体操として。
貧困に監視に相互依存と。
狭い世界でしか生きられなかった滑稽で陰鬱な人たちがそこには居た。 -
中年の役人マカール・ジェーブシキンと病弱な薄幸の娘ワルワーラ・ドブロショーロワとのやりとりを往復書簡の形式で表した小説。ジェーブシキンは自分の生活を顧みずワルワーラに援助をしている。どちらも貧困に苦しんでおり、励ましながら手紙のやりとりが続くのだが…。
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・マカール・ジェーブシキン、すごく気持ち悪いなと思う。一方的に恋して貢ぐ危ないおじさんという感じ。ていうか手紙の内容がワーレンカと比べてけっこう自分勝手のことしか書いていないんだよな
・途中、ワーレンカは相手をいい友人とだけ思っているのに、自分の貧困も顧みず、贈り物をしてくる粘着おじのマカールをワーレンカが呆れ始めているようにも見えてくる。当時の価値観ではどうなのかわからないが、下着とか贈るなよ。
・家庭教師に出させてやればよかったのに…おっさんのわがままでせっかくの話を見送ってしまった
・困窮しているマカール・ジェーブシキンにさらに金を借りさせるところ、実はワーレンカはこいつを金を持ってくる人間としかやはり見ていないのではないかという気もする。後半で仕立て屋とか宝石屋にマカールをパシらせているのも面白いが。
・閣下はなんて素晴らしい人なのか
・最後はワーレンカが金持ちおじさんと結婚? して、貢ぎに貢いだ、貧乏おじさんだけが残される。ワーレンカのいた家に移り住むの気持ち悪いよな。でも、残された物品の描写は悲壮感があり良い。
・結局、ブイコフって良いやつなのか悪いやつなのか、どちらなのか。どちらということもないのか -
この作品は中編小説ということでドストエフスキーの五大長編と比べると手頃で手に取りやすい作品であるのですが、ドストエフスキーの入門としていきなりこれを読むと理解するのはなかなか難しいかもしれません。 ある程度の前知識が必要とされますが、逆に言えばそれさえあればドストエフスキーの貧しい人や虐げられた人への優しさ、愛情がこの作品では感じられます。 ドストエフスキーの原点とも言える作品です。
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往復書簡 形式。
最後のマカールのすがる思いが切実で胸に迫ってきた -
中年の役人と病気がちな少女が文通するという、今日日ではなかなかエキセントリックな話。それほど貧しくないというところがポイント。
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