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Amazon.co.jp ・本 (320ページ) / ISBN・EAN: 9784102010082
みんなの感想まとめ
ギャンブルの恐怖と魅力を描いたこの作品は、ドストエフスキーのリアルな賭博体験に基づいています。主人公アレクセイは、借金に苦しむ将軍一家に仕えながら、遺産を手に入れるためにカジノに挑む姿が描かれています...
感想・レビュー・書評
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ギャンブルの怖さがよくわかる小説。ドストエフスキーが、債権者である出版人に苦しめられて、わずか27日の口述筆記によって完成。そのため、とっ散らかった序盤の読みづらさや、登場人物によっては行く末が尻切れトンボな人もいますが、著者のギャンブル経験あっての迫真な賭けのシーンは十分楽しめました。
あらすじ:
家庭教師のアレクセイ・イワーノヴィチは、金策にパリなどを駆けずり回り、南ドイツのカジノがある観光地に滞在している雇い主の将軍一家に合流します。この将軍、借金だらけで、フランス人債権者のデ・グリューに首根っこを抑えられている始末。頼みは、危篤状態の資産家のお祖母さんの遺産。それが手に入れば全額返済しても余裕な莫大な金額なため、遺産を手にマドモアゼル・ブランシュとの結婚を考えていたのでした。一方、将軍の義理の娘ポリーナに恋焦がれるアレクセイは、遺産がポリーナに与える影響をフランス人債権者のデ・グリューとの関係を勘ぐってヤキモキします。そんな折、お祖母さんが皆の宿泊しているホテルに現れて、亡くなるどころか健在ぶりを披露。アレクセイを伴ってカジノに行き、ルーレット勝負に大金を賭けはじめて…。
ギャンブルではアルアル話しの心理面の変化が、著者自身も賭博者だけに、なんとまあリアルな書きっぷり。賭けにハマって行く過程やスリル、そして運に見捨てられて破滅に至る終局や、勝っても負けてもお金に群がる人たち…そんな悲喜交々がドキドキしながら味わえました。やっぱりギャンブルは胴元が儲かるようにできてるんですね。読書中は某有名通訳もこんな感じだったのかなと脳裏をよぎったのでした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ギャンブルの描写が、
ギャンブルを知っているからこそ書けるというものでした。
主人公が後半に大勝負するところも含めて、
ギャンブルにはいろいろな面があり、
いろいろな局面をつくり、
いろいろと作用することがよく描かれていると思った。
そして、その魔性についても。
このギャンブルの描写はちょうど良い距離感なんでしょうね。
もっと深く、微に入り細を穿って描けそうな気もするのだけれど、
そうなると個人的すぎて、
ギャンブルとしてはひとつの断片的性格が強くなりそう。
『賭博者』の極端なギャンブルの例たちが合わさって、
ひとつの全体性みたいなものが感じられるようになっている。
ギャンブルそのものについては、そう。
ぼくもね、
けっこう競馬とパチンコではあるけれど
ぐぐっとギャンブルに両足を突っ込んだことのあるひとだから、
その点でこういう『賭博者』を書く作者(ドストエフスキー)の
ギャンブルについての知識というか、
どれだけわかっているのかを
値踏みするように読もうとしてしまうところがあります。
さてさて、賭博の成功体験をもつ主人公はどうなってくのか。
重要な脇役からの辛辣な「見抜き」で締めくくられています。
そうなんです、ギャンブルにハマるとはそういうことなんです…。
五大長編の読破以来、
久しぶりにドストエフスキーを読みましたが、
やはりよかったですね、おもしろいです。 -
この作品を27日で書き上げたのはすごい。
とても救いようのない話だった…金、金、金!
「あと一回、あと一回」が重なって有金がなくなるんだろうな。主人公もそうだし、お祖母ちゃんの破滅具合は読んでて苦しかった…ギャンブラーってこんな感じなのかなって想像できた。
あと、フランス人に対する当たりが強くて面白い。 -
ポリーナに1時間くらい待ってろって言って爆勝ちして帰ってくるの怖すぎる
最後ミスターアストリーとのシーン、友人に見限られて、ポリーナが愛していたことを知っても変わらないのはきついな -
第107回アワヒニビブリオバトル&全国大会予選で紹介された本です。3ゲーム目。ハイブリッド開催。
2023.12.29 -
デ・グリューとミスター・アストリーを同一人物だとずっと勘違いして読んでいた。最後の最下位ののシーンでなんかおかしくね?ってなって気づいたけど、ロシア文学はややこしい。
自分はパチンコ位しか賭博をやった事がないからあまり詳しくないけど、負けた時のあのゾクゾク感は分かる。その瞬間、金を取り戻す事しか頭に残らないんだよね。お祖母さんがとんでもない金額負けるシーンはなんか共感出来た。最後まで嫌な人にならず、自分の事を馬鹿な老人って反省してるのがいいね
ポリーナが自分勝手で、あんまり好きになれなかったなあ。主人公を弄んで、最後はフランス人とぬくぬく生活。まあ主人公も悪いけど。 -
舞台はドイツの架空の観光地。様々な国の人間がルーレットで賭けを楽しむ。ロシアの将軍の子の家庭教師、アレクセイ・イワーノヴィチは、将軍の親族であるポリーナに恋をする。恋愛はうまくいかず、関係者は皆、金を必要としている。そんな状況でルーレットが回り続ける…。ルーレットで賭ける様子は読んでいて緊張してしまい、ページをめくる手が止まらなかった。ラストも主人公がルーレットに憑りつかれた様子が哀しい。
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狂気がすごい
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ルーレンテンベルグなる観光地でルーレットに取り憑かれた人間模様。
賭博にハマった人たちの行動と心理描写のリアリズムが凄い。結局のところ大勝しても大敗しても破滅的な末路に陥るのは勉強になる。特にお祖母さんの顛末はテンプレート的ですらある。
魅惑のポリーナの描写が生々しいと思ったところ解説によるとモデルは不倫相手。更にドストエフスキー自身もギャンブル狂という実体験によるリアリティと納得。
ラストも印象的な賭博小説の逸品。 -
お祖母ちゃんが登場してからの展開のジェットコースター感たるや。僕は頭に血が上りやすいタイプなので、ドストのほかの作品を読んでも登場人物に共感することが多いのだが、この本はまさに賭け事にハマった自分のシミュレーションに他ならないなと感じた。パチンコにだけは手を出すまい。自らの誠実な気持ちのすべてを、賭博室へ向かうための言い訳にすり替えてしまう描写がリアルで恐ろしい。
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【印象】
射倖心に取り憑かれている人間たち。
他人の死も恋愛事情もギャンブルでしかない。
【類別】
小説。頁278の記述によれば本作は「中編」。
【構成】
大きく分ければみっつの段階で語られます。複雑さなく時点構成されており、全体の分量もさほど多くないため、さっくりと読める作品でしょう。
【表現】
地の文は一人称視点。
文体は平易。
惹かれた台詞表現は頁87「せいぜいご自愛のほどを祈りあげますよ」。 -
ヤバイ。愛も金も人生をかけてルーレットにかける主人公の感情に完全に惹きつけられた。"ロシア人特有の病的性格を浮き彫りきする"と本の広告にあるが、この一発に全てをかける気持ちは誰もが持ってるんじゃないか??
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初めてのドストエフスキー。
初めてがこれって、たぶん違うんだろうけど、読みやすかった。
登場人物全員(ロシア人、フランス人、イギリス人etc)が、お金に左右され生活を送っており、日々を楽しく生活してなさそう。
それでも、あれだけ負けても、ギャンブルは結局負けるって結論で終わってないのが面白い。まぁこの本読むと、なぜかお金を賭けたくなるんだけど。
・・・・内容は特にない気がw
とりまギャンブルはお金にも、心が余裕があるうちに止めましょう。 -
4に近い3。
賭博に嵌まった有望な若者が、色々台無しにしてしまう話。
賭け事のワクワク感を追体験できるし、(皆大好きな、笑)人が転落していく様を描いているので、あまり人を選ばない話ではないかな。
自分も十分楽しめた。いかにも知識階級な若者が弁舌を振るう話はだいたい好きだわ。特にドストエフスキーの作では、虚仮脅しの理性ではなく、既存道徳の相対化に成功した知識人が出てくるから良い。作者自身が実存主義者で、いろいろ思想小説とも呼べるような話書いてるしな。
でも相対化に成功して一般ではあり難がられる正義や道徳(人殺しは悪だ。賭博は悪だ)から自由になったところで、他の何物か(たとえば恋愛や賭博)を絶対化してしまうようなことは往々にしてあるもんだからな。そんなことなら彼は知的などころか、愚か、未熟で、思想なんか放棄してしまうほうが何ぼかましだよな。本作の主人公はそういった意味で本当に未熟だわ。飛び降りる!とか、決闘する!とか息巻いてしまう気持ちなんかは、大いに分かるけどね。完全な相対化など土台絵空事だろう。
なんてことを思いながら読んだけど、別に普通に読みやすい小説ですよ。念のため。 -
ギャンブルというテーマの下で、生々しく愚かしい人間の一面を描き出す。さすが、巨匠。長いのがニガテだけど、一作ぐらいドストエフスキーを読んでみたいな。って思っている人にオススメ。
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またもやドストエフスキー小説に登場する典型的なロシア人たちです。感情の起伏が激しく(ゼロか100か、この世の極楽か地獄か)破滅志向。自分のことを客観視することはできるのだけれど、軌道修正することはできません。そして洗練されたフランスに対して憧れと憎悪の念を併せ持つ。いやはや、厄介というか切ないというか。
フョードル・ドストエフスキーの作品
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