カラマーゾフの兄弟〈中〉 (新潮文庫)

制作 : 原 卓也 
  • 新潮社
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レビュー : 222
  • Amazon.co.jp ・本 (615ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102010112

作品紹介・あらすじ

19世紀中期、価値観の変動が激しく、無神論が横行する混乱期のロシア社会の中で、アリョーシャの精神的支柱となっていたゾシマ長老が死去する。その直後、遺産相続と、共通の愛人グルーシェニカをめぐる父フョードルと長兄ドミートリイとの醜悪な争いのうちに、謎のフョードル殺害事件が発生し、ドミートリイは、父親殺しの嫌疑で尋問され、容疑者として連行される。

感想・レビュー・書評

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  • 中巻を読み終えて、一番大好きでたまらないシーンがある。
    それは、アリョーシャが大地を抱きしめ、大地全体に接吻する。
    永遠に愛することを、そして、すべてに対してあらゆる人を赦し乞い願い祈る。

    師と慕っていたゾシマ長老が亡くなり、泣き嗚咽しながら大地にひれ伏す姿が美しく、しばらく印象に残っていた。

    か弱かった青年が立ち上がったときには、一生変わらぬ堅固な闘志となり、長老の言葉を胸に抱き、三日後には修道院を出た。
    人生の変り目時には、衝撃的な出来事とともに、誰かから力強く背中を押される体験が何かしらあるものなのだろうか。

  • 「カラマーゾフの兄弟(中)」ドストエフスキー著・原卓也訳、新潮文庫、1978.07.20
    466p ¥520 (2017.02.26読了)(1998.08.10購入)(1990.11.25・25刷)
    題名がカラマーゾフの兄弟となっているけど、父親も結構すごいので、「カラマーゾフの父と子」という所でしょうか? アンドレイが修道院に入っているためか、修道僧の話も結構な部分を占めています。そうなると「カラマーゾフの父と子と修道僧」という題名がふさわしいのかも。
    カラマーゾフのお父さんと息子のドミートリイが破天荒なので、バランスを取るために修道僧とアンドレイがいるのでしょうか? どちらも、作者・ドストエフスキーの分身なのでしょうから。

    やっと中巻を読み始めました。最近、本を読み始めるとすぐ眠くなってしまい、思うように本を読み続けることができません。今までの倍ぐらいの時間がかかります。今月中に「カラマーゾフの兄弟」を読み終わるのは難しそうです。
    上巻で、第五編が終わったと思っていたら、中巻の最初は、第五編の続きでした。イワンは、モスクワに行ってしまいました。
    「第六編 ロシアの修道僧」を読み終わりました。
    修道僧のゾシマ長老の生涯が綴られています。「カラマーゾフ」は一時お休みですね。
    ゾシマ長老は若いときに恋をしたけど、失恋し、決闘を申し込んだけど相手の拳銃の球が外れたところで、謝罪し、出家したとか。その話を聞いた男がゾシマ長老を訪ねてきて、告白したところによると、恋した女を殺害し他人に罪を着せてしまったけど、今は悔いていて自首するという。
    殺人を告白したけど、信じてもらえず精神病院に入れられて亡くなってしまったとか。
    現在でも、ストーカー殺人とか、殺人を犯したけど、その犯人が交通事故で亡くなっていたとかいうのがありますが、作家の想像力は確かで、世の中で起こりうることをしっかり予測しているかのようです。
    真剣に恋をすることは、人生にしっかり向き合うきっかけになるのでしょうか。経験のない身にはわかりません。
    「第七編 アリョーシャ」を読み終わりました。
    ゾシマ長老が亡くなりました。生前に奇跡的な事を行っていたので、亡くなっても何かやってくれるだろうと多くの人たちが期待して集まったのですが、期待に反して何も起こらず、逆に普通の人よりも早く腐臭を放ちだしました。期待していた人たちには打撃だったようです。神は存在していても、人間世界には介入しないのが鉄則ですよね。
    アレクセイは、ラキーチンに誘われてグルーシェニカのもとを訪れます。父フェードルと兄ドミートリイが取り合っている女性です。グルーシェニカは昔ひどい目にあわせられた男性のもとに喜んで馳せ参ずるようです。
    「第八編 ミーチャ」を読み終わりました。
    ミーチャは3千ルーブルを工面しようとあちらこちらと飛び回ります。頭で考える分には、うまく行くはずなのですが、何ともなりません。最後に父のところへ行きます。使用人のグリゴリーを殴って逃げ出すのですが、いつの間にか3千ルーブルの金を手に入れています。居眠りをしながら読んでいるうちに大事なところを読み落としたようです。ミーチャは大変なことをしでかしたらしいのですが、読み手の僕には、把握できません。
    何度か読みなおそうと思ったのですが、とりあえず先へと読み進めました。
    ミーチャは飲み食いの材料の手配を頼んで、馬車を雇ってグルーシェニカを追いかけます。追いついたところで、ポーランド人の男たちとトランプゲームをし、大金をかけて負けてしまいますが、ポーランド人たちの不正が暴かれ、グルーシェニカのポーランド人との恋も覚めてしまいます。
    グルーシェニカは、ミーチャを好きなのかどうかは微妙です。警官隊が現れますが、何があったのでしょう?
    「第九編 予審」を読み終わりました。
    ミーチャが父親殺しの容疑者となり取り調べを受けています。ミーチャの証言では、父親殺しはしていないと言っています。グリゴリーを殴ったことは認めています。
    ミーチャの持ち金とこの日に使ったお金を合計したら千五百ルーブルほどでした。三千ルーブルの半分でした。ミーチャは三千ルーブルと言っていましたが、実際は千五百ルーブルしか持っていなかったようです。
    父親が殺されて、父親のもとから消えたお金は、三千ルーブルです。ミーチャが盗ったとすれば、金額が合いません。
    ミーチャがもっている金の出どころは、実は、以前にさる夫人から預かったお金・三千ルーブル全部を使い果たしたといったのは嘘で、千五百ルーブルだけ使って残り半分は残しておいたのだと証言しています。
    父親を殺して三千ルーブル奪ったのは、ミーチャ(ドミートリー)なのでしょうか? またはほかの人間なのでしょうか? たとえば、グルーシェニカとか。

    【目次】
    第二部(続)
    第五編 プロとコントラ(続)
    第六編 ロシアの修道僧
    第三部
    第七編 アリョーシャ
    第八編 ミーチャ
    第九編 予審

    ●ロシアの救い(100頁)
    ロシアの救いは民衆にかかっている。ロシアの修道院は昔から民衆とともにあった。民衆が孤独であれば、われわれもまた孤独である。民衆はわれわれの流儀で神を信じているのであり、神を信じぬ指導者はたとえ心が誠実で、知力が卓抜であろうと、わがロシアでは何一つできるはずがない。
    ●蜘蛛の糸(167頁)
    神様にこう言ったのね。あの女は野菜畑で葱を一本抜いて、乞食にやったことがありますって。すると神様はこう答えたんだわ。それなら、その葱をとってきて、火の池にいる女にさしのべてやるがよい。それにつかまらせて、ひっぱるのだ。もし池から女を引きだせたら、天国に入れてやるがいいし、もし葱がちぎれたら、女はいまいる場所にそのまま留まらせるのだ。
    ●地獄には誰も(279頁)
    その昔、神の子イエスが十字架にはりつけにされて亡くなったあと、イエスは十字架から降りたその足でまっすぐ地獄に行って、苦しんでいる罪びとたちを全部釈放してやったそうです。だもんで地獄は、もう今後は一人も罪びとが来ないだろうと思って、呻きはじめたんでさ。そこで主は地獄にこう言ったんですと。『呻くでない、地獄よ、これからも偉い人たちや、政治家や、裁判官や、金持ちがどんどんやってくるだろうし、今度わたしが訪ねるまでには、永遠の昔からそうであったように、ここもまたいっぱいになっているだろうから』たしかにそのとおりでさ、この言葉は実になんとも……

    ☆ドストエフスキーの本(既読)
    「カラマーゾフの兄弟(上)」ドストエフスキー著・原卓也訳、新潮文庫、1978.07.20
    「貧しき人々」ドストエフスキー著・原久一郎訳、岩波文庫、1931.02.28
    「罪と罰 上」ドストエフスキー著・米川正夫著、新潮文庫、1951.02.05
    「罪と罰 下」ドストエフスキー著・米川正夫著、新潮文庫、1951.02.25
    「地下生活者の手記」ドストエフスキー著・中村融著、角川文庫、1952.08.15
    「白夜」ドストエフスキー著・小沼文彦訳、角川文庫、1958.04.15
    「白痴(上)」ドストエフスキー著・木村浩訳、新潮文庫、1970.12.30
    「白痴(下)」ドストエフスキー著・木村浩訳、新潮文庫、1970.12.30
    「悪霊 上」ドストエフスキー著・江川卓著、新潮文庫、1971.11.30
    「悪霊 下」ドストエフスキー著・江川卓著、新潮文庫、1971.12.05
    「賭博者」ドストエフスキー著・原卓也訳、新潮文庫、1979.02.20
    「罪と罰(上)」ドストエフスキー著・工藤精一郎訳、新潮文庫、1987.06.05
    「罪と罰(下)」ドストエフスキー著・工藤精一郎訳、新潮文庫、1987.06.05
    ●ドストエフスキーについての本(既読)
    「ドストエフスキイの生活」小林秀雄著、角川文庫、1955.08.20
    「ドストエフスキイ」埴谷雄高著、NHKブックス、1965.11.20
    「ドストエフスキーのおもしろさ」中村健之介著、岩波ジュニア新書、1988.03.22
    「ドストエフスキー『罪と罰』」亀山郁夫著、NHK出版、2013.12.01
    (2018年6月12日・記)
    (「BOOK」データベースより)amazon
    19世紀中期、価値観の変動が激しく、無神論が横行する混乱期のロシア社会の中で、アリョーシャの精神的支柱となっていたゾシマ長老が死去する。その直後、遺産相続と、共通の愛人グルーシェニカをめぐる父フョードルと長兄ドミートリイとの醜悪な争いのうちに、謎のフョードル殺害事件が発生し、ドミートリイは、父親殺しの嫌疑で尋問され、容疑者として連行される。

  • 相変わらず病的に興奮する人々ばかりだ。ミーチャよ、頼むから落ち着け。冷静に供述しろ。何もかもが必要以上に大袈裟で芝居がかっているから、嘘にしか聞こえない。キリストの愛について延々と語られた前半と一変し、後半は遂に父親殺しが行われ、容疑者としてミーチャが拘束されたわけですが、もう騒ぐ騒ぐ。なんてうるさい男なんだ。すぐ感情的になって叫ぶし。途中、ペルホーチンという、この物語の登場人物の中では稀有な存在、即ち冷静な青年が出てきましたね。このくらいミーチャも冷静なら問題はなかったのに。ところでロシアにも芥川龍之介の「蜘蛛の糸」と似た話があるんですね。ロシアは蜘蛛の糸という詩的な物ではなく、葱でしたが。葱。なぜ葱をチョイスしたのだろう。手が臭くなりそうだ。芥川の作品でお釈迦様が垂らしたのが蜘蛛の糸ではなく葱だったら、あそこまでの名作にはならなかったかもしれませんな。

  • 中巻も長かったけど、読み始めたら一気に読み終えることができた。
    ってかついに一線を越えてしまったな~。中巻だとまだ誰が殺したかわからないけど、殺されるフラグは立っていたよね。それにしてもドミートリイがサムソーノフに言われて、セッターのところに相談に行くシーンがめちゃくちゃウケたんだけど、おれだけだろうか。このシーンだけは、ドミートリイばかだな~とか思いながら本当に笑ってしまった(笑)
    中巻は本当にドミートリイが主役って感じなくらいミーチャのインパクトが強い。(無駄に呼び方変えてみた笑)実際ミーチャのヒステリックな性格見てると人を殺しかねないよなって思う。セッターだって何も悪くないのに、ただ腹が立ってるというだけで殺されてもおかしくなかったし。
    中巻はあとグルーシェニカの変わりようがおもしろかった。フョードルもミーチャも捨てて、ポーランド人のところに行ったはずなのに、一夜のうちに180度考え方が変わる感じ(笑)何かレビュー書いてて、ジョジョでいうチョコラータが死んだあとのセッコを思い出した(笑)
    それにしてもカラマーゾフの兄弟読んでいると恋愛脳っておそろしいよね。もう恋愛によって一つの行動が決定されるみたいな。逆にイワンとアリョーシャはどれだけ冷静なんだと思わざるを得ない。けど、恋愛脳による行動というのは非常に人間的だなとも思う。世の中って大体そんな感じだしね。
    レビュー書きながらパラパラ中巻見ていたら、ゾシマ長老が亡くなったのを忘れていた。なんということだ。ミーチャのインパクトが強すぎたということにしておこう(笑)
    まぁ総じてカラマーゾフの兄弟はめっちゃおもろいよね。ドストエフスキーはやっぱりすごい!

  • これを1日で読むためにインフルエンザで自宅待機していたのか。時間があるって素晴らしい。

  • ゾシマ長老の遺体から死臭で民衆どうこう、の部分は割と好き。下巻もそうだけどこの作品はけっこうゲスい描写が多く、今の心境としてはそれが心地よい。

  • どんどんおもしろくなってきました。
    しょうもないお兄さんがしょうもない事件に巻き込まれた
    怖い女だと思っていた女が急にものすごくかわいくなってきた


    上巻から続いた修道院や神の話の壮大さと、お兄ちゃんのゴタゴタの辺りの俗悪さの差がはんぱない

    グルーシェニカ!
    私はあなたの本来の純粋さに気づけて本当によかった

  • ガマンして中刊の途中まで読んだけど面白くない。口調が疲れる。「ちっとも面白くないじゃありませんか!わたくしなりにそりゃもう努力して読みましたのに!もうたくさんですわ!わたくしじゃ理解できないとおっしゃるつもりね!!・・・・!!!・・・!」

  • 有名な大審問官の章が出て来る、この部分自分には珍しく何回も読み返している。そして読む度にいろんな発見がある。

  • イワンは何かから逃げるようにモスクワへ旅立つ。ゾシマ長老の死去とともにアリョーシャの心に何かの変化が表れる。そして自暴自棄になったミーチャはついに。。検事の取調べで身も心も丸裸にされたミーチャの心情描写がリアルで、実は本当は殺していないのか?とすら思わせる。

    3人の兄弟がどういう形で再会するのか。すべてを見通していたかのようなスメルジャコフはどう絡んでくるのか。下巻が楽しみだ。

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著者プロフィール

ロシアの小説家、思想家。トルストイやチェーホフとともに19世紀後半のロシア文学を代表する文豪。

「2008年 『罪と罰 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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