青い鳥 (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102013014

感想・レビュー・書評

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  • 探しても 見つからないね 青い鳥
    「青い鳥」は、童話劇だったのですね。六幕十二場からなるチルチルのクリスマス前夜の夢のお話。
    メーテルリンクはノーベル賞取ってらっしゃるんですね。知らなかった。
    まず、登場人物の衣装設定が面白い。チルチルは、ペロー童話の“親指小僧”の ミチルは、グリム童話“赤ずきん”から使い回し?の指示の様子。
    そして、登場人物の家族が、おとうさんチル、おかあさんチル、おじいさんチル、おばあさんチル。チルって姓だったのか何か調べたのだけど、わからず。
    ストーリーは、ざっくり絵本とかと同じような。
    その中で、不幸は、幸福の花園のすぐ隣に住んでいて、その境は薄いなんていうセリフは、意味深い。
    第9場の幸福の花園は、なかなか教訓めいていて、ズレた幸福の数々が描かれます。
    道徳的な面もあるけど、楽しそうな童話劇でした。

    • 土瓶さん
      イヤーワーム、ですね。
      今日もひとつふたつ勉強になりました。
      デビルイヤーは地獄耳♪ は、デビルマンか(笑)古っ。
      イヤーワーム、ですね。
      今日もひとつふたつ勉強になりました。
      デビルイヤーは地獄耳♪ は、デビルマンか(笑)古っ。
      2023/04/15
    • みんみんさん
      大丈夫デビルマン大好きだから( ̄▽ ̄)
      大丈夫デビルマン大好きだから( ̄▽ ̄)
      2023/04/15
    • おびのりさん
      うん。好き。ガッチャマンも好きだった。
      言われる前に言うよ。チャッカマンでは、ありません。
      うん。好き。ガッチャマンも好きだった。
      言われる前に言うよ。チャッカマンでは、ありません。
      2023/04/15
  • 青い鳥、探してばかりではダメだな。

  • ベルギー象徴主義の詩人メーテルリンク(1862-1949)による童話劇、1907年。そこに描かれているのは、現在数多出回っている「人生論」「幸福論」の類の原型ともいえるメッセージである。

    人はなぜ生きるのか。作中では、生まれてくる子どもたちはみな"召命"を負っている、とされている。「みんな何かを地上へ持って行かなければいけないんだよ。手ぶらで出て行くことは止められているんだ」。たとえそれが、病気に侵されたり、罪を犯したりすることであっても。ここでは、経済的有用性や社会的効用といった卑しく浅ましい尺度によって生が値踏みされることはない。一見すると、人間の生が無条件に肯定されている。

    幸福の在処はどこか。「なんだ、これがぼくたちさんざんさがし回ってた青い鳥なんだ。ぼくたち随分遠くまで行ったけど、青い鳥ここにいたんだな」。「幸福は、気づいていないだけで、すぐ身近なところにある」という有名なテーゼ。ここにも、日常への肯定がある。

    しかし、こうした現状肯定の構えは、「現実の強要」という抑圧へと容易に転じ得る。「どんなに苦しくとも、ここではない何処かへ目を遣るのではなく、現状に満足せよ」。これでは奴隷根性の勧めだ。そこから、「幸福は常に目の前に在るのであり、にもかかわらずそれを感じることができないでいるならば、それは個人の心の持ちようの問題である」としてあらゆる苦難を個人の内面の問題に還元してしまう、悪しき心理主義が導かれる。そこでは、社会がその解決に責任を負うべき問題であっても、全て個人の責任へ転嫁されてしまう。こうして、社会に対する動的・変革的な契機はその芽を摘まれ、素朴な現状肯定は身も蓋もない現状追従という政治性を帯びざるを得ない。

    ここには、「神や現実を肯定することでそれへの依存の裡に安寧しようとする者の幸福」と「神や現実を否定することでそれとの対立関係の裡に投げ出される者の自由」との相克があるように思う。現在の殆どの「人生論」「幸福論」は、自由や政治という契機を余りに等閑視している。

    「さようなら。ぼく、ここにいつまでもいられないんだよ」

  • ・昭和47年11月25日小学館からでた少年少女世界の名作フランス編でよみなおし。
    挿絵にみとれた。
    青い鳥は近くにいたって話なんだけど、
    魔法使いの家、思い出の国、夜の宮殿、森、墓地、幸福の宮殿、未来の王国と進み、光とのわかれ。めざめとくる。

    哲学的。
    特に死んでいないおじいさんとおばあさんに会いにいくばめん。

    わたしたちはいつもここにいて、会いにきてくれる人を待っている。めったにきてくれない。いつでもわたしたちのことを思い出してくれさえすればわたしたちは目が覚めて会うことができる。

    考えれば会える。っていうのがしみじみ。
    あと、生まれてくるとき運命の袋をもっていくとこ。

    素敵な童話。

  • 童話でしか読んだことがなかったので、原作で読むと結構辛辣ではある。
    チルチルに至ってはけっこうな身勝手さを発揮しているし周りの登場人物も自己中心的ではある。
    まさしく、社会の縮図だなと感じるし人間の根本に問いかけるようなお話。大人になってから改めて読むべき。

  • 小さいころ、家にあった名作全集で一番好きな本だったので再読。
    大人になってから改めて読んでも、やっぱり好きでした。

    特に、思い出の国の話や未来の王国の話は心に響きます。
    亡くなった人がそんな国に行くのなら、きっと死んでも寂しくないなと。幼心に安心したのを思い出しました。

    懐かしくて、優しくて素敵な話です。

  • 新潮文庫の限定カバー版が出たため購入。あらすじと結末は知っていたが読んだのは初めてかもしれない。

    メーテルリンクの描く幻想的で詩的な世界に惹き込まれる。戯曲形式の小説は個人的には好きではないのだが、本作品は魅力的な登場人物たちの小気味よいやりとりに非常にマッチしていた。光、夜、幸福、喜びといった「概念」の擬人化はとても新鮮だったし、『星の王子さま』に通じる真理が散りばめられている。「未来の王国」などは善かれ悪しかれ全ての人間には生まれてくる意味があるというのはハッとさせられた。「青い鳥は身近にいる」、なんとも示唆に富む素敵なお話ではないか。

  • チルチルとミチルが青い鳥を求めて繰り広げる大冒険の戯曲です。
    貧しい木こりの家に生まれた兄妹は、クリスマスの夜に現れた隣人似の妖女に言われるまま夢想の世界へ旅立ちます。
    犬と猫、普段周りにある何気ないものに自我が与えられ、彼らを率いて乗り越えていきます。
    人生の儚さ、幸不幸、まだ見ぬ未来への期待など…、大人になっても悩む事柄がテーマとなっています。
    普段の生活では見過ごしがちな小さな幸せを教えてくれる一冊。

  • 結末では(幸せの)青い鳥は身近にいる。以前からずっと近くにいたが、それには気づかなかった。そして今は飛んでいってしまった。幸せを永遠に求めるということなのか?自分は完成させずに続いているということなのか?
    旅するきっかけは何だったのか?大人への成長過程なのか?
    戯曲の構成となっているので読むよりも見る方が楽しめるのかもしれない。
    思い出の国での死者との再開は宗教的であるが、死者を想う死を思うということは人生のためには大切である。
    母の国、母親の愛情は深い、とても身近な愛であり、この愛なくして生きてはいけない。
    旅した年月は一年?なぜ?
    精は女性である。
    出生を待つ子ども?たちという発想はすごい。

    • nico314さん
      だいさん、こんばんは。

      久しぶりにブクログにきたら、だいさんのマーク(?)が変わっていました!なにやらカワイイ感じですね♪拡大して見た...
      だいさん、こんばんは。

      久しぶりにブクログにきたら、だいさんのマーク(?)が変わっていました!なにやらカワイイ感じですね♪拡大して見たいけれど、できないのがとても残念です。
      2013/10/05
    • nico314さん
      だいさん

      わざわざありがとうございました♪
      めちゃくちゃかわいかったです!
      きっとだいさんにお目にかかったら、驚くほどイラストに似...
      だいさん

      わざわざありがとうございました♪
      めちゃくちゃかわいかったです!
      きっとだいさんにお目にかかったら、驚くほどイラストに似ていらっしゃるのでしょうね。

      それにしても大胆なタッチと、両脇のキャラクター、漢字と数字に小さな画伯の年齢の謎は深まるばかり。
      その上、3位とは・・・!(笑)
      2013/10/07
    • だいさん
      nico314さん
      こんにちは
      笑いがとれたのなら、良かったです。

      Facebookには写真が載っているかもしれませんよ?(最近はあまり使...
      nico314さん
      こんにちは
      笑いがとれたのなら、良かったです。

      Facebookには写真が載っているかもしれませんよ?(最近はあまり使っていません)。
      2013/10/08
  • 幸福達が1番印象的だった。
    序盤は名前を読んでいて面白かった。
    お金持ちである幸福、ふとりかえった幸福、地所時である幸福、虚栄に満ち足りた幸福、かわかないのに飲む幸福、ひもじくないのに食べる幸福、なにも知らない幸福、もののわからない幸福、なにもしない幸福、眠りすぎる幸福、ふとった大笑い

    そして、中盤からは心が暖かくなった。
    子供たちの幸福、あなたのおうちの幸福(健康である幸福、清い空気の幸福、両親を愛する幸福、青空の幸福、森の幸福、昼間の幸福、春の幸福、夕日の幸福、星の光出すのを見る幸福、雨の日の幸福、冬の火の幸福、無邪気な考えの幸福、露の中を素足で駆ける幸福、はしゃぎきった幸福)、大きな喜びたち(正義である喜び、善良である喜び、ものを考える喜び、もののわかる喜び、美しいものを見る喜び、ものを愛する喜び、母の愛の喜び)、

    人が一番幸福なのは、笑ってるときじゃないよ。と光が言い、幸福の花園の章ラストは、喜びや愛が、光会えて感激し、別れのキスをして、涙をうかべる。


    眠りの妹の名前は明かされないが、きっと死なんだろうと悟り、重い。
    猫は常に怪しい動きをしているので、最後の挨拶になっても微妙な気持ちだった。犬の忠誠心が凄くて、愛らしい。
    日常の全ての見方が変わって、どれも新鮮に、明るく見えるようになったチルチルとミチル。
    そんな中でもやはり、光は特別に感じる。

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