モーパッサン短編集 (2) (新潮文庫)

  • 新潮社 (1971年2月2日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (432ページ) / ISBN・EAN: 9784102014073

感想・レビュー・書評

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  • 古い本を断捨離しようと思い立ち、捨てる前に再読してみた。
    手元の本の初版は昭和四十六年とあるので、現在はさすがに新訳になっていることだろうと思ったが、今もこの青柳瑞穂訳が売られていて驚いた。モーパッサンなんて今どき売れないから、お金をかけて訳し直したりしないってことですかね。下手くそな(失礼!)ローランサンみたいな表紙絵もそのままだし。コンプライアンス的にアウトだろうという表現もあったけど、さすがにこれは直されているだろう。
    あくまでこの50年以上前の本についてだが、庶民の罵詈雑言の汚さ、同性愛や女性に対する偏見などは、現在の目から見るといかがなものかとは思う。
    しかし、やはり名文であり、人間の滑稽さ、愚かさ、悲哀というものを描き出す力はさすがである。
    「首かざり」「マドモワゼル・ペルル」「シモンのとうちゃん」などはアンソロジーなどでも複数回読んでいるのだが、「ペルル」の雪のなか赤ん坊が発見されるシーンは本当に上手い。シャンタル氏にずけずけと、あなたはマドモワゼル・ペルルを愛していたのです、と言ってしまう語り手の男の年齢は25歳。若さ故である。もっと老いていたなら、わかっても口には出さない。物語はこの男がもう少し年をとっていて、回想しているという構成。この辺の巧みなこと。
    大分前に読んだ本なのですっかり忘れていたが「野あそび」「家庭」も素晴らしかった。
    しかし「蝿」(裏表紙に紹介されている)、「父親」、「待ちこがれ」は、私が現代人だからだとは思うが、しらける感じがした。

    しかし、百年以上前の、外国の話なのに、ここまで読ませるのはさすがだなと思う。コンプライアンスがなかった頃の訳も味わいがあり、捨てるのが惜しい気持ちになった。

  • こういう古典を引っ張ってきて、何点!とかとやかくやる事の滑稽さは承知の上。でも形式を統一するため、そのようにしますよ。
    直近の数冊が良作ばかりだし、古典離れして久しいので、後で5への変更あるかも。

    で、感想。傑作の短編集だった。
    友人からの貰い物なんだが超得だわ。やっぱり基本的には純文学が好きだ。
    皮肉を利かせた作品が多くて、どの話も読後の無常感、というか虚脱感が印象的。途中、ネットでモーパッサンについて調べたんだが、「リアリズムに則った作風で、ペシミスティックな世界観の持ち主」と書かれてて激しく納得した。
    20作以上の短編を集めているというのに、外れと思う話が一つもなかった。個人的に波長が合ってるのかもなー。読み漁ってみるかな。

    あと訳者の故・青柳瑞穂さんの訳がめっちゃ良い!ような気がした(笑)巻末のこの人の解説もかなり正鵠を射ていて楽しめたし、今後彼女の訳本には少し期待を持って望むことになりそうだ。

  • 蝿だけ読みました。
    なんだか滑稽な終わり方のように感じました。

  • ■「蝿」……5人の男と、”蝿”と呼ばれるフーテン女の子との共同生活。セーヌの水面にやつらの青春がキラキラ輝く。
    ■「ポールの恋人」……ポールは恋人の異常なセックスを目撃してショックのあまり自殺する。この手のお話いくつか読んだことあるけど、どれもいまいちピンと来ん。こんなの、ぼくには逆にソソられるんだけどなぁ。
    ■「首かざり」……改めて読んでみたが、主人公夫婦が10年間、爪に火をともす生活をしてやっと返した借金が3万6千フラン。実際の首飾りの値段は「せいぜい5百フラン」だって。ところでこの作品、モーパッサンの代表作のひとつと見なされているが、ぼくにはちょっと残酷すぎてあまり好きにはなれない。
    ■「勲章」「夫の復讐」「墓場の女」……ブールヴァール演劇風。笑えるwww。
    ■「宝石」……肝心の謎は結局あかされない。それがかえって面白い。
    ■「父親」……最後、「そして、泥棒のように逃げ去った」がキマっている。
    ■「シモンのとうちゃん」……「父なし子」といじめられるシモンは池への身投げを決意するが――。古今東西でおそらく、現実として数え切れないくらいあっただろう、そのくらい普遍的な物語。涙なくしては読めない佳作。
    ■「メヌエット」……老人夫妻がメヌエットを踊るだけ。だが忘れがたい名品だ。

  • な~にせ、モーパッサンですから。
    心暖まる話も思わず涙ぐむ話も皆無です。
    白眉はモチロン、「頸かざり」でしょう。
    薄い本の中でも短い話ですが、
    ラストの一言でビシッと決まる、短篇の見本みたいな話なので、
    未読の方はこれだけでも立ち読みしてくださいね~

    ま、でも、御紹介は↓にしておこう…
    ◆クリスマスの夜
    イヴの夜に夜食の相手を探しに夜の街へ・・・
    ごく短い話で、一見ロマンチックな展開を期待できそうな設定ながら、
    非常にらしいオチに落ち着くという ^^;

    ま、お夜食はメタボの素ですから、止めるに越したことはないかも。

  • モ-1-7

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