ゲーテ格言集 (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (212ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102015063

作品紹介・あらすじ

偉大なる詩人であり作家であると同時に、最も人間的な魅力にあふれたゲーテは、無限に豊富な知と愛の言葉の宝庫を残している。彼の言葉がしばしば引用されるのも、そこには永久に新鮮な感性と深い知性と豊かな愛情とが、体験に裏づけられて溶けこんでいるからである。本書は、彼の全著作の中からと、警句、格言として独立に書かれたものの中から読者に親しみやすいものを収録した。

感想・レビュー・書評

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  • 私の人生が積み木だとしたら、1番下の土台になるようなそんな本。

    宇多田ヒカルの好きな本に掲載されてたのを観て読んでみた。

    心がスパーッとひらけるような、まっさらになるような、またスタートしたいと思えるような…

    激しく感情に揺さぶられて、自分が自分じゃなくなった時にまた読みたい。

    覚えておきたい文章はたくさんあるのだが…
    浸透するものがちゃんと心にある。

  • 図書館で借りたけど、良過ぎて
    自分用に買った

  • エレカシ宮本がゲーテが好きだということで、ゲーテを知ろうと思い格言集を手に取った。

    格言はコンテクストがないため、自分の想像でその意味を考えることができるのは一長一短か。

    格言集は一気に読むものではないと思う。
    たまに手に取って良かった言葉に出会えたら、それでいいではないか。
    スピードワゴン小沢は寺山修司の『ポケットに名言を』を毎朝適当に開いて、出会った言葉に胸に閉まって1日を過ごしていたらしい。
    それを真似したい。

    「世の中では、人間を知るということでなく、現在目の前にいる人より利口であるということの方が関心事である。年の市や露天商人がそれを証拠立てている。」

    これが今回読んで好きになった格言だ。
    私は人に関する普遍的な事実を知ることよりも、周囲の人と仲良くなることを取ってしまう。
    周りの人が気になってしまうのは、人間全般に言える性かもしれん。

  • 最近ショーペンハウアーの本を読み、ゲーテの引用が多くあることに気がついた。調べてみるとショーペンハウアーはゲーテとの出会いに「生涯で最も幸福だった出来事」の一つとして数えているらしい。
    相当親しい友好関係を築いていたのだろう、数多く引用があったことから考えが似ているのだろうと思い読んでみた。

    この本はゲーテの思想を手軽に知れる本。深く知りたい方には物足りないが初心者にはお勧めだ。
    内容は各テーマごとに短い文や詩が記されており、短い文ながら的を得たものが多くある。中には理解し難いものもあるが、そういったものは気にせず読み飛ばして良いと思う。
    難解なものは後にもう一度読み返した時理解できれば良い。それより重要なのは収録された文で気になるものがあれば、それについて理解するまで深く考えることでは無いだろうか。

  • ゲーテによる格言・名言の数々。

    様々な学問に対する興味、人間・人生についての深い洞察や愛情に根差した言葉で含蓄がある。

    頭で考えるだけでなく、実践をしてきたゲーテだからこその重みがある。

    先日読んだファウストは全然ついていけなかったけど、こちらなら読みやすいし、折に触れて繰り返し読みたいと思った。

  • ★★★★★太陽が照れば塵も輝く。人間の過ちこそ人間を本当に愛すべきものにする。心理に対する愛は至る所に善いものを見いだしこれを貴ぶことを知るという点に現れる。いつも変わらなくてこそ本当の愛だ。一切を与えられても、一切を拒まれても変わらなくてこそ。愛する人の欠点を美德と思わないほどの者は愛しているとは言えない。恋愛と情熱は消え去ることがあっても、好意は永久に勝利を告げるだろう。碑銘:少年の頃は打ちとけず反抗的で、青年の頃は高慢で卸しにくく、大人になっては実行に励み、老人となっては気軽で気まぐれ!君の墓石にこう記されるだろう。たしかにそれは人間であったのだ。人間は現在を貴び生かすことを知らないから、より良い未来にあこがれたり、過去に媚びを売ったりする。卑怯な考えのびくびくした動揺、女々しいしりごみ、小心な嘆き。そんなものは不幸を防ぎもせず、お前を自由にもしない。あらゆる暴力に逆らって自己を守り、決して屈せず力強く振る舞えば、神々の腕を呼び寄せる。中途半端にやる習慣を脱し、全体の中に、善きものの中に、美しきものの中に、決然と生くることを心せんかな。芸術も人生と同じく深く入り込めば入り込むほど広くなるものである。明瞭さとは明暗の適当な配置である。思索なんかする奴は枯野原で悪霊にぐるぐる引き回されている動物みたいなものです。その周りには美しい緑の牧場があるのに。人はみな、分かることだけを聞いている。愚か者と賢い人は同様に害がない。半分愚かな者と半分賢い者だけが最も危険である。正直であることを私は約束できるが不偏不党であることは約束できない。どんな場合にも口論なんぞするな。賢い人でも無知な者と争うと、無知に陥ってしまう。

  • いつでも自分の手の届くところにおいておきたい本だと思う。
    気分が落ち込んでいるときや、選択に迷ったとき、また人に何か言葉をささげたいとき、わたしはきっとこの本を手にとるだろう。
    この本の中にある言葉に救われたことも、少なくはない。
    人生とはとてもささやかで、それでもいとしく、大変重要なものであることを、わたしはゲーテから教わった。
    これからももっとこの本から人生のさまざまを、人間のさまざまを、感じとりたいと思う。

  • マジにちょっとえげつない人。自然と一体化している。全体構想を行う哲学者は幾らかいるが、芥川などはこの人を格別視した。大きな所から降ろしてくる、真ん中の言葉。「天才も不滅ではないことほど、凡庸なものにとって慰めになることはない」。ファウストは読みかけ。

  • もうずいぶん前(20年とか…)に読んで、持っていることすら忘れていた本書。
    先日、何かの本でゲーテの格言「今日できないことは、明日もできない」というのを読んで、ふと思い出して登録。

    短いけどはっとさせられるような言葉が多く、時々手にとっては気分をリフレッシュしていたなあ。
    久しぶりに少しパラパラと捲ってみたけど、やっぱり示唆に富んだ本です!

  • なんでかゲーテが大好きだ。情熱家のゲーテが大好きだ。好きな人を見つけることが読書の目的かもしれないというくらいこの出会いが嬉しい。ブックオフで250円の値札を付けられ眠っていたゲーテが大好きだ。詩集も持ってるが、こっちの格言集もなかなか良い。
    こんな深遠な言葉をこれでもかと吐き続けたこの天才は人一倍に悩みが多かったんだろうなあ。

    「感覚は欺かない、判断が欺くのだ。」
    どうやったらこんな言葉が出てくるのか。生涯の師匠でいて下さい。

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著者プロフィール

ゲーテ

Johann Wolfgang Goethe 一七四九―一八三二年。ドイツのフランクフルト・アム・マインに生まれる。ドイツを代表する詩人、劇作家、小説家。また、色彩論、動植物形態学、鉱物学などの自然研究にも従事、さらにワイマール公国の宮廷と政治、行政に深く関わる。小説の代表作に『若きウェルテルの悩み』『ヴィルヘルム・マイスターの修業時代』など。

「2019年 『ファウスト 悲劇第二部』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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