ハムレット (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (284ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102020036

作品紹介・あらすじ

城に現われた父王の亡霊から、その死因が叔父の計略によるものであるという事実を告げられたデンマークの王子ハムレットは、固い復讐を誓う。道徳的で内向的な彼は、日夜狂気を装い懐疑の憂悶に悩みつつ、ついに復讐を遂げるが自らも毒刃に倒れる-。恋人の変貌に狂死する美しいオフィーリアとの悲恋を織りこみ、数々の名セリフを残したシェイクスピア悲劇の最高傑作である。

感想・レビュー・書評

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  • 人生初のシェイクスピア
    四大悲劇を制覇しようと思ったのだが、どれから読んでいいのやら…
    とりあえず内容を知っているものから読むことに
    (どうやらシェイクスピアのオリジナルではなく北欧伝説を元に作られているようだ、知らなかった)

    テンポ感、躍動感がありますね
    さすが戯曲作品という感じ
    そのせいか途中まであまり「悲劇」感みたいなものが乏しく少し肩すかしを食らう
    おまけにユーモアがあることにも驚く
    勝手に終始悲壮感漂う内容かと勝手に思い込んでいたのだ

    ハムレットは最初ちょっとつかみどころのないキャラクター
    「復習に燃える男!」というよりもモヤモヤ、グズグズと葛藤しながら
    自分の不甲斐なさを嘆いたり、腹を立てたり、自分を奮い立たせたり…
    とやけに人間臭い
    これは共感されやすくていいのかも(だって王子だもんね)
    周りからは気がふれたと言われていたが狂気を装っているだけ(だと思う)
    「生きるべきか死ぬべきか、それが問題だ」
    父を殺された屈辱と、あれほど父への愛を誓っていた母の裏切りを胸に耐え忍んで生きるか、
    父を殺害した叔父であるクローディアスに復讐して自分も死ぬか
    気高く生きるには、どちらを選ぶべきなのか、深く悩む
    追い詰められ覚悟を決めたハムレット
    でも後半のハムレットはかなりのキレ者だし、愛するオフィーリアとも心できっぱり別れを告げ、(オフィーリアにひどいことをいうけど)一人孤独に闘う
    このハムレット自身の展開も作品の展開と相まって流れを作る

    最後は怒涛の如く一気に展開してあっという間に、
    まさかここまで…という大悲劇が!

    描写の細かさ、感情表現の豊かさ
    戯曲ということもあるのだろうが、ぎっしり描写のテンコ盛りであった

    あと登場人物たちがなかなかのキャラクターなんだよねぇ
    父を殺し母と再婚した叔父は言うまでもないが、母親も軽率だしいったい何を考えているのやら…
    オフィーリアも弱すぎるし、オフィーリアの父親も長いものに巻かれちゃう感じだし、オフィーリアの兄も激昂タイプ、友人らは寝返って裏切るし…

    うーん孤独な戦いで後半はハムレットの心中を察するとなかなか切ない

    あと個人的にはミレーの「オフィーリア」が大好きでオフィーリア像が自分の中で勝手に出来上がってしまっていたせいもあるのだが…
    彼女の描写に関してちょっと物足りないのと、展開に違和感も残る

    あと最後に一番残念なのが、ストーリーを読む前に把握していたことだ!
    これ知らずに読んだら最後は衝撃的でしばらく打ちのめされそうである
    (5分くらい脳震とう起こした感じになっちゃう気がする)
    ストーリーの途中だって、もっとハムレットに同調して盛り上がれた気がする
    冷静に読んでしまって、なんだかハムレットに申し訳ない気持ちになった
    まっさらな状態できちんと読みたかった!
    そういう意味では惜しいなぁ

    • 淳水堂さん
      ハイジさんこんにちは(^o^)/

      シェイクスピアはずっと前にかなり古い翻訳で読んだだけなので、ハイジさんのレビューで新潮社シェイクスピ...
      ハイジさんこんにちは(^o^)/

      シェイクスピアはずっと前にかなり古い翻訳で読んだだけなので、ハイジさんのレビューで新潮社シェイクスピアも読んでみたくなりました!


      シェイクスピアは映像でもおもしろいですよ。
      『ハムレット』の映画では、メル・ギブソン版が案外面白かったです。
      マッドマックスでリーサルウエポンな男が憂いの王子を演じるのか!?と思ったのですが、非常に躍動感があり、男の迷いや哀しみが感じらました。
      https://movies.yahoo.co.jp/movie/18428/

      クローディアスとガートルード妃が再婚したのは、私としては相続の問題か?って思いました。戦乱期の兄の未亡人と弟が再婚と同じかなって。
      なお上記の映画ではガートルード妃はグレン・クローズが演じていて、ハムレットが嘆いたように「父上が母上を大事に大事にしすぎたから」というようにな〜んにも考えていない幸せな王妃様ってかんじで、な〜んにも考えずにクローディアスと再婚して新しい幸せを掴んだのね、って感じでした 笑
      終盤はそんなガートルード妃も深刻さを帯びていくんですけどね。

      また劇団四季の舞台も見に行ったのですが、その時の配役ではボローニアスがとても良かったんですよ。ハムレットとボローニアスのやり取りはお茶目で笑えたし(狂ってるなりに筋が通ってる、というのがピッタリのやり取り)、ボローニアスがレアティスとオフィーリアに送った忠告も至極まともに聞こえました。配役って大きいですねえ。

      オフィーリアも戯曲では案外出番が少ないんですよね。ミレーの絵のおかげで最期についても絵的に印象ができてしまっていますが、戯曲ではオフィーリアの死は口頭報告だけですもんね。それでも多くの画家が想像で描きたくなる場面を書いたシェイクスピア凄いということなのか。
      なお、オフィーリアの死が口頭報告なのは、シェイクスピア当時には幕も証明もないので死体を出したら片付けなければならなくて(ボローニアスの死体はハムレットが舞台袖に引きずって片付けた)、オフィーリアの死も観客に「見せる」ことはできなかったようです。ローゼンクランツとギルデンスターンの死も取ってつけたような口頭報告ですもんね。

      あとディズニーの『ライオンキング』って要するに『ハムレット』ですよね?ライオンキング見たときに「これ良いのか?」っておもいました(^_^;)

      長々とすみません。
      2023/04/15
    • ハイジさん
      淳水堂さん こんにちは
      コメントありがとうございます!

      なんと!
      メルギブソンがハムレット演じてたんですか?
      知りませんでした
      確かにリー...
      淳水堂さん こんにちは
      コメントありがとうございます!

      なんと!
      メルギブソンがハムレット演じてたんですか?
      知りませんでした
      確かにリーサル・ウェポン、マッドマックスなどアクション俳優のイメージが強いですし、王子なんて柄じゃない…と失礼ながら笑ってしまいました
      が、淳水堂さんのコメント読んで気になりましたのでまた機会を見つけて観たいと思います
      貴重な情報をありがとうございます(^ ^)

      淳水堂さんの目の付け所も笑ってしまいました!
      〜オフィーリアなどの死が口頭報告〜
      確かにイチイチ死体を片付けるシーンを入れるのは大変ですよね
      オフィーリアには美しく死んでいただかないといけないし(笑)

      そしてあれほど有名なライオンキングのストーリーを知らない私…
      すみません

      いつも情報たくさんいただいてありがとうございます♪
      2023/04/15
  • 基本的にハムレットが気が狂っているフリをするから、会話の辻褄が合わない部分が多くて、短編だけど読むのに結構苦労した。セリフのテンポ感とか話の流れは面白いけれど。

  • 昨年、オセローを読んで、シェイクスピアの面白さ・奥深さを知りました。今回ハムレットが私にとって2作目のシェイクスピアです。
    翻訳の調子に馴れるのにすこし苦労するが、直にその歌舞伎のようなテンポの良さが心地よくなり、ページも進む。
    1度読んだだけでは、その時代背景なども含めてわからないことも多いので、折に触れてこれから再読しようと思う。

    『習慣という怪物は、どのような悪事にもたちまち人を無感覚にさせてしまうが、反面それは天使の役割もする。始終、良い行いをなさるようお心がけになれば、はじめは慣れぬ借着も、いつかは身についた普段着同様、おいおいお肌に慣れてくるものです。』

  • かなり前に読みました。何となく、、なんか有名だし、あのセリフあるし。で読み始めたのですが、クセになる独特な言い回しは全然古くなくて、逆に新しく新鮮でぐいぐい引き込まれました。
    最後の決闘のシーンは手に汗握るほど。毒を付けた剣が入れ替わったとき、思わず、あっ!と声を漏らしてしまいました。
    いまでもオリンピックでフェンシングの試合を見るたびにハムレットを思い出します。

  • 1600年ころの作品。
    彼の初期の習作時代は、ギリシャ・ローマ文化の影響を受けてはいるものの、はやりシェイクスピア独自の才気は溢れていますね。劇作家として名をはせても、決して留まることを知らず、常に作品を進化させているよう。少々固くて男性的な政治悲劇の「ジュリアス・シーザー」に比べると、「ハムレット」の詩的で流暢なセリフは飛躍を遂げていると感じます。

    黙々と煩悶する、独りぼっちのハムレットは、クライマックスに至ると己の宿命に毅然と挑みます。苦悩に満ちた内面を抉り出していることもあって、健気なハムレットに共鳴する読者は一体化しやすく、筋もシンプルでわかりやすい作品だと思います。

    「もともとやくざな古木に美徳を接ぎ木してもはじまらぬ。結局、親木の下品な花しか咲きはしない」

    「地球という素晴らしい建物も、自分にとっては荒れ果てた岬のように見える」

    「悲しみというやつは、いつもひとりではやってこない。必ずあとから束になって押し寄せてくるものだ」

    私の印象では、高貴で繊細で聡明なハムレットですが、少々激情的で陰気な気質です。叔父と母の裏切りで極度の人間不信に陥ると、さらに拍車がかかったのでしょうが、もともとの性癖も大いに影響しているという点では、運命に流されるギリシャ悲劇とは異なる「性格悲劇」の典型だと思います。そのため、細かな筋論はさておき、ハムレットという男に共感できるかどうかが評価の分かれ目になりそうです。

    ハムレットの装った狂気は演技なのかしら? いやいや性格そのものではないのかな? それにしてもこの破綻ぶりはちょっと心配よねぇ……もしや、ほんとに人格破壊されちゃったのかな? とぶつぶつ言いながら、終始目が離せず、ハラハラ怖くて面白い……。

    少々残念なのは、ハムレットと愛しいオフィーリアとの悲恋の描写が薄弱で、本当にハムレットは彼女を愛していたのかしら? オフィーリアはどうなの? う~ん、実のところよくわかりません。このあたりの男女の心理描写は、後の悲劇「オセロ―」や「アントニーとクレオパトラ」の甘美で複雑な愛憎描写と比べてみても、少々荒削りです。それゆえにシェイクスピアは進化の路を歩み続けるのでしょうか。

  • 読了はしていたのだが、読後感が今ひとつで、ラジオドラマでハムレット2作品視聴。グッと、臨場感が楽しめた。やはり演出あってのシェイクスピアなんですかね。声優さんに感謝します。

  • デンマーク王子ハムレットは、先王である亡父の亡霊より現王クローディアスが父を殺したという事実を知る。
    我が叔父であり義父となっているクローディアスへの復讐を誓うハムレットだが。悲劇四部作の一つ

    名台詞、名場面の大渋滞で、尚且つストーリーも面白く、ぐいぐい引き込まれていった。これぞ名作。シェイクスピアやばい。悲劇四部作読みたい。
    ネタバレ怖いんで(今更だけど未読の人はできるだけラスト知る前に読んで〜!)
    戯曲、大丈夫かな?(演劇あまり興味なし、映像化作品苦手)と思ったけど→

    面白いお話だとそういうの、気にならないわ(笑)むしろ誰のセリフかわかるから脳内再生しやすい。
    しかも、戯曲ならではのドタバタ感も味わえていい(ハムレット何回舞台袖から戻ってくるん?みたいな笑)
    巻末の解説も楽しい(悲劇四部作ネタバレ紹介あったから、そこだけ目を細めた)

  • ハムレット悩み過ぎやで

  • youtubeアバタロー氏
    《著者》
    英1564年生
    ルネサンス期に活躍 劇作家、詩人
    生涯で戯曲(お芝居の台本)は37作
    四大戯曲 ハムレット オセロ マクベス リア王

    《著作》
    1601年頃
    全部で5幕、北欧物語が元となっている
    セリフの癖が強い
    城はデンマークのクロンボー城
    本ではエルシノア城
    絵画1852年ミレー「オフィーリア」

    3幕
    生きることの悩みと死ぬことへの恐怖
    To be,or not to be,that is the question.
    復讐を果たせねばという使命感と焦燥感の葛藤の苦しみに心が揺らぐ

    5幕
    人生はどうなるかわからない
    結局は覚悟だろ
    なるようになればいいんだ
    死ぬことへの揺らぎが悟りの領域に近づいていった

    《感想》
    劇は何かしらのアクシデントや悲劇が必要だ
    そうはわかっていても、やりすぎと思う所があり興味は薄く、軽い気持ちで音声を聞いた

    非常に感動的だった
    元の話を下敷きにしているとはいえ、歴史的にあり得そうな話
    推理小説にも通ずる伏線や殺人は見事だった

    今日の話題
    NHK「らんまん」で、丈之助という人物が、シェークスピアをぜんぶ翻訳するのが夢と語っていた
    ちょうどタイミングが合って驚いた
    余談だが「爆誕す」を使ったセリフに、明治時代にすっごい言葉使うなと思ってたら、他の視聴者も同様に感じたらしく、SNSで盛り上がっていた

  • 福田恆存さんの訳と解題は初めてだったけれどとても面白かった。独特な解題をされると聞いていたけれどその通りの自論。「ハムレットの場合、それが今日の私たちの眼には度を超えるほどに過剰だというだけのことに過ぎない」という一文から、これだけの大作を訳していながらにして意外と冷静に(冷酷に?)認知している。
    シェイクスピアを役する人はどういう感情と心持ちで演じるのだろうか…台詞の多さといい、この激情と狂乱に似た演戯をどう表現するんだろう、と思いながら読み進めた。

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著者プロフィール

イングランドの劇作家、詩人であり、イギリス・ルネサンス演劇を代表する人物。卓越した人間観察眼からなる内面の心理描写により、最も優れた英文学の作家とも言われている。また彼ののこした膨大な著作は、初期近代英語の実態を知る上での貴重な言語学的資料ともなっている。
出生地はストラトフォード・アポン・エイヴォンで、1585年前後にロンドンに進出し、1592年には新進の劇作家として活躍した。1612年ごろに引退するまでの約20年間に、四大悲劇「ハムレット」、「マクベス」、「オセロ」、「リア王」をはじめ、「ロミオとジュリエット」、「ヴェニスの商人」、「夏の夜の夢」、「ジュリアス・シーザー」など多くの傑作を残した。「ヴィーナスとアドーニス」のような物語詩もあり、特に「ソネット集」は今日でも最高の詩編の一つと見なされている。

「2016年 『マクベス MACBETH』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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