ジュリアス・シーザー (新潮文庫)

  • 新潮社
3.56
  • (35)
  • (65)
  • (113)
  • (8)
  • (1)
本棚登録 : 901
感想 : 63
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (218ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102020067

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • タイトルからの想像を裏切る構成が面白い!
    読んでいて思ったこと。
    シーザーは織田信長
    ブルータスは明智光秀
    アントニーは豊臣秀吉
    オクタビアヌスは徳川家康
    と設定かぶりがあるような気がした。
    シーザーは暗殺されたから偉大な存在になったとも言えるのかもしれない!そんな史劇のカタルシスがなんともたまらない作品でした。

  • ドラマティックであることを求めるなら、シーザーがルビコン河を渡った瞬間か、あるいはブルータス等の一団に暗殺される場面を劇のクライマックスに選ぶだろう。タイトルからは、そうした劇を想像していたのだが、シェイクスピアはそんなに単純ではなかった。そもそも本編にはシーザーはほとんど登場することがない。その代わりにシェイクスピアは、これを見事な心理劇に仕上げて見せた。しかも、暗殺の3月15日を境に、それまではブルータスらの集団的な高揚を描き、それ以降は運命に対する戸惑いと、後悔とを実に鮮やかに描いて見せたのだ。

  • 本能寺の変みたいだ。

  •  イギリスの教科書で採用されるほど有名な悲劇作品。ローマ皇帝ジュリアス・シーザー(カエサル)を主人公とした作品で、多数の登場人物が現れる。物語は一貫して政治闘争が繰り広げられており、ゆえに多くの人物が死んでいくが、本作は四大悲劇とは性質が異なった悲劇作品である。解題で言及されているが、本作『ジュリアス・シーザー』は、上記四作品のような息抜きや笑いの場面が一切ない。その代わり、物語が終始生真面目で緊張感が続いてる。また中村保男による解説も秀逸。主人公とその敵であるブルータスいずれかの立場の視点から本作を読んでいくと、見方が180度変わる。ブルータスの悲劇的な描写は、理想主義の敗北を象徴しているらしい。

  • ローマの専制君主であるシーザーを、高潔な勇将ブルータスはシーザーが権力に近づき独裁者的になっていくのを許せず、友人のキャスアスらと共に元老院大広間で暗殺する。ローマの平和のためにシーザーを暗殺したブルータスを民衆は支持するが、アントニーの巧みな弁論によって民衆は180度考えを変え、ブルータスらをローマから追い出してしまう。アントニーの演説が巧みに群衆をシーザーを殺したブルータスを許さず、殺せというように暴徒に化していく様子は政治劇として面白かった。政治家は、群衆心理の操作によって立場が逆転するので恐ろしい.2023年6月30日読了。

  • シーザーの勉強していたついでに初のシェイクスピア作品

    どのセリフも格言チックで面白い
    個人的に好きなのは
    シーザーの「勇者にとって、死の経験は一度しかない」
    ブルータスの「おおよそ人のなすことには潮時というものがある」

    ブルータスとアントニーの演説を比べて、
    具体的な事実で感情的に訴えることが民衆を扇動するうえで重要なのだなと。

  • シェイクスピアに初挑戦。
    時代背景などより詳しく学んでから再読しよう。

  • 「ブルータス、お前もか」
    「賽は投げられた」
    セリフが独り歩きしてしまっている作品。私もそのセリフしか知らなかったのだが、その背景をようやく知れた。

    シェイクスピア四大悲劇前に執筆された政治悲劇で、大雑把に史実をなぞる展開になっているのでローマ史の勉強にもなるかも。

  • 高校の世界史の先生がブルータスの話すきだったな、と思い出しました。
    アントニーが煽動し返すシーンが面白い。

  • 「ブルータス、お前もか」の背景をようやく知った。題名にかかわらず、シーザーは前半で殺害され、話はブルータスを中心に展開される。自由を求める革命家か、単なる謀反者と評されるのか。妻の死も絡んで翻弄される純粋なブルータスである。2020.8.16

全63件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1564-1616。イギリスの劇作家・詩人。悲劇喜劇史劇をふくむ36編の脚本と154編からなる14行詩(ソネット)を書いた。その作品の言語的豊かさ、演劇的世界観・人間像は現代においてもなお、魅力を放ち続けている。

「2019年 『ヘンリー五世 シェイクスピア全集30巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

シェイクスピアの作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
ウィリアム シェ...
谷崎潤一郎
ウィリアム シェ...
ドストエフスキー
フランツ・カフカ
三島由紀夫
ヘミングウェイ
ドストエフスキー
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×