ソークラテースの弁明・クリトーン・パイドーン (新潮文庫 フ-8-1)

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  • 新潮社 (1968年1月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (256ページ) / ISBN・EAN: 9784102027011

感想・レビュー・書評

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  • ソクラテスの冤罪をめぐるプラトンの書ですね。
    田中美知太郎先生の名訳です。池田美恵さんも哲学書の訳者として定評のある方です。
    言わずと知れた名著、哲学の基本の書ですから、じっくりと少しずつ読み進めました。

  • また、読みたいと思った

  •  
    ── プラトーン/田中 美知太郎・池田 美恵・訳
    《ソークラテースの弁明/クリトーン/パイドーン 19680702 新潮文庫》
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4102027017
     
    ── クリトン/山本 光雄・訳《ソクラテスの弁明 19540820-19671010-19890830 角川文庫》
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4043016026
     対話の源流 ~ Origin of Dialogue ~
    http://www.enpitu.ne.jp/usr8/bin/search?idst=87518&key=%A5%BD%A5%AF%A5%E9%A5%C6%A5%B9
     
    ── 《新潮文庫の100冊 1979‥‥ 新潮社》
     
    (20240916)

  • 生活経験の中から、次第に哲学が形成されていく。そのドラマを見よ。昭和43年刊行の新潮文庫版は66刷53万部。読み継がれる超ロングセラー。その否定的対話によって、既存の社会体制、道徳、宗教を盲信する保守的な人々から糾弾され、不当な死刑に処せられたソークラテースが、法廷で自己の所信を力強く表明する『ソークラテースの弁明』、脱獄のすすめを退け、国法を守り平常心のまま死を迎える彼が、法と正義について弟子と対話する『クリトーン』、毒薬をあおり刑死する彼の最期を語る『パイドーン』を収録。

  • 原題:Apologia Sokratous
    原題:Kriton
    原題:Phaidon

  • 哲学の祖であるソクラテス関連三話。法廷でソクラテスが弁明するところから判決までの話である「ソクラテスの弁明」、親友クリトンがソクラテスに亡命を訴える「クリトン」、死刑執行日に行われた議論の様子からソクラテスの最期までをパイドンが語る「パイドン」の構成でできている。
    議論と言っても白熱した議論というものではなく、ソクラテスの俺つえー的論理展開。特に「パイドン」で語られる論理の組み立て方は、流石哲学の祖と言われるだけあるなーと感心する。いくつかの前提条件(魂は神に近づくほどよい、とか神が存在することなど)についてはこの時代の人々にとっての揺らぎない「定義」なので証明はしていないが、それ以外の、例えば魂が不滅である等の抽象的事柄についてはこと細かに論理立てて説明している。なるほどなー、と思う。
    そしてそれ以上に、ソクラテスが議論を進めるうえで気を付けることが、自分の正しさを証明することが目的にならないようにすべき、と言っていたのも、あー人間って昔も今も変わらないんだなー、なんて感心した。今でもそういう人いっぱいいるからな。とにかく、小難しい哲学者の言うことなんて、と敬遠せずに読んでみる価値はあると思う一冊。

    でもこの時代ってまだ天動説真っただ中だし、もし地動説を知ったならどういう反応するのかなーとか、「定義」を揺るがしかねない事件に対する対応も見たくなったな。

  • 読みやすい訳。パイドンは入っていきにくかったが、なんとか読めた。クリトンは良いですね。

  • 再読した。ほんとうに興味深い本である。

    ソークラテースはパブリック・イメージで「いじられキャラ」であり、すでに告発されていたようなものであり、「不敬神」と「若者を堕落させる」罪というのは、まあ、付け足しにすぎない。かれは「神がかり」で、デルポイの神託によって「不知を自覚」して、アテナイ市民の「知ったかぶり」をあばいていくのであるが、こういう「生活の吟味」をうけるのを市民はいやがって、けっきょく死刑に決するのである。(三十人政権で、若者の「文革」があって、権威にたてつく危険思想に警戒感がつよい時代だったのである)

    「クリトーン」は常識人のクリトーンがソクラテースに脱走をすすめる話なのだが、ソークラテースは「国法」の声を代弁して、脱走をことわる。

    いちばん難解なのが「パイドーン」である。「想起説」、「反対の性質をもつ事物はたがいから生じる」が「反対の性質そのものは反対のものにならない」とか、「1が2になるのは2そのもの(真実在)により、接近や分割によって2になるのではない」とか、そういうアイデアで「魂の不死」が証明されていく。シミアースの「魂は調和である」とする反論については、魂は琴の調和のようなものではなく、魂は身体を制御するものであるという。ケベースの「魂が転生するからといって不死不滅の証明にはならない」という反論については、ソークラテースはアナクサゴラースなどの自然哲学を学んだことを話し、その「原因」の説明になやみ、真実在(イデア )の考えに至ったという。そして、地球説や地球中心説などにもとづいて、タルタロス(奈落)と死者の国のミュートスを述べ、魂は不滅であるから、この生だけでなく全時間にわたって「魂の世話」が大事であるという。最後にクリトーンが葬式のことを聞くのであるが、のこった者には「自分を大事にするように」といい、ソクラテスではなく、ソクラテスの身体を葬ると「正確にいわねばならない」と言い残す。ソクラテスの死に方は、決然というより、簡潔である。

  • 武井壮がおススメ

  • 初期プラトンまとめ読みの3番目。で、一応、文庫本で読めるのはこの程度だと思うので、最後のはず。

    「弁明」と「クリトーン」は相当昔に読んだものの再読。「パイドーン」は初めて。

    この3作で、ソクラテスの裁判から獄中、死刑執行までを一気に読める。

    おそらくは「弁明」は、多くの人が最初に読むプラトンであろう。ここに描かれるのは、自分の魂の声に忠実に生きた勇気の人ソクラテスである。多くの人は、その姿に感動するとともに、なぜ、こんな人を死刑にしてしまうのか、と政治の不条理に憤りを覚えるに違いない。

    が、「プロタゴラス」「ゴルギアス」を先に読んで、この「弁明」に到達した私には、なんとなくソクラテスが死刑になってしまった理由が分かるような気する。

    つまり、これらの対ソフィスト論争の本を読むと、世間の人々がソクラテスを憎んでただろうことが実感できるのだ。

    そういうわけで、ソクラテスにやり込められた側から、この「弁明」を読むとどう聞こえるだろうか、という読み方を図らずもしてしまった。

    そうすると、ソクラテスが何言っても聞く耳を持たないという心理状態が手に取るように分かる。

    ソクラテスは、魂の高貴な人間なのだが、同時代にあっては、その対話によって、理解よりも、多くの憎しみを生んでしまったのだ。

    となると、ソクラテス的対話の有効性が問題になってくる。

    コミュニケーション技術として、対話篇を読むときに、ソクラテスのやり方は、共感している人に対しては、良いのだが、反感を持っている人に対しては、屁理屈というか、詭弁以外の何ものでないことがわかる。これでは、相手をやり込める事はできても、共感は得られない。

    と、「弁明」「クリトーン」をコミュニケーションの悲劇として読んでみた。

    「パイドーン」は、物語としては、「弁明」「クリトーン」と連続しているのだが、作品としては、中期プラトンに属するもので、プラトン独自の思想がかなり入ってきている。

    私は、プラトンのイデア論、魂論は、あまり好きでないので、その辺に議論が行くと、「またかー」みたいな感じがしてしまう。が、ソクラテスの魂の不滅論に対して、弟子が、疑問を投げかけるあたりから、一瞬、「おっと」面白くなる。でも、最後は、やっぱり、いつものあの世での最後の審判の話になってしまう。

    感動的なのは、ソクラテスが、魂の不滅論を「証明」したあとで、「死ぬ前に自分と皆を元気づけるためにこうしたことを言ってみたのだ」といったことをを述べるところ。

    そして、最後に言い残す事としては、「特段ない。いつも言っている事だ。皆、自分を大切にしてくれ」

    毒薬を飲んだ後の本当の最後の言葉は、「クリトーン、アスクレーピオスに鶏を長添えしなければならない。忘れないで供えてくれ」

    この辺の言葉には、すごくリアリティを感じる。きっと、ほんとうにそんな調子だったんだろう。

    誰かの最期を描いた物語としては、ブッダの「最後の旅」に匹敵する。

  • 今となってはソクラテスの論理は詭弁に思われるところも多いし、弟子たちはソクラテスの論理に全く反論しない割にはその言っているところをあまり理解してはおらず、もやもやする部分もあるけれど、純粋に論理だけで世界を理解するという点において、興味深かった。

    そして、ソクラテスはなぜ死ななければならなかったのか、ということについて考えた。
    何がソクラテスを殺したのか。
    それはソクラテス自身が言っているように、中傷や嫉妬である。人は誰しも、安易な方向に流れたいとか、これくらいの悪いことなら許されるだろうとか、やましい部分をつつかれたくないとか、そういうことを思って生きているものだ。そういう気持ちが、正義や真理を説く者を敬遠し、あわよくば、と死に追いやる。自ら手を下すという方法ではなく、大衆の意志として。自分が殺したのではなく、誰かが殺したのだ、と。
    その傲慢さ、不誠実さが人間であり、それはソクラテスの生きた時代から遠く隔たった現代においても変わらない。たくさんの知識を身に付けても、人間の本質は変わることがない。

  • ソクラテスの生と死をめぐる三作を収録したもの。古典ギリシャ哲学の泰斗による充実した翻訳を味わうことができます。

  • BSフジ「原宿ブックカフェ」のコーナー「ブックサロン」で登場。

    ゲスト岸見一郎さんの人生を変えた一冊。

    「主人公は訴えられ、死刑になってしまうのですが、その時に弁明の演説をしたのが『ソークラテースの弁明』という。それをプラトーンが書き留めたというものですね。ちょうど、僕と古賀さんのような。笑 この本に関して言うと、言葉の難しさはないです。でも、哲学はこういうものなんだな、哲学は優しい言葉で書かれたものなんだというのを初めて知った本です」(岸見一郎さん)



    原宿ブックカフェ公式サイト
    http://www.bsfuji.tv/hjbookcafe/index.html
    http://nestle.jp/entertain/bookcafe

  • (2003.06.06読了)(2003.03.28購入)
    内容紹介 amazon
    その否定的対話によって、既存の社会体制、道徳、宗教を盲信する保守的な人々から糾弾され、不当な死刑に処せられたソークラテースが、法廷で自己の所信を力強く表明する『ソークラテースの弁明』、脱獄のすすめを退け、国法を守って平常心のまま死を迎える彼が、法と正義について弟子と対話する『クリトーン』、毒薬をあおって刑死する彼の最期を語る『パイドーン』を収録する。

    ☆関連図書(既読)
    「ソクラテスの弁明・クリトン」プラトン著・久保勉訳、岩波文庫、1927.07.03
    「饗宴」プラトン著・久保勉訳、岩波文庫、1952.10.05
    「ソクラテス」田中美知太郎著、岩波新書、1957.01.17
    「プラトンの哲学」藤沢令夫著、岩波新書、1998.01.20

  • よく耳にする本で、一度は読んでみたいなぁと思っていた本です。ようやく読めました。
    ソクラテスの弁明とクリトーンとパイドーンの3作品がおさめられています。
    クリトーンもパイドーンも人名。
    内容的には、ソクラテスが裁判での弁明、入獄中の会話、ソクラテス最後の時の会話がそれぞれにあたります。
    けっこう印象としてはまわりくどく理論が展開され、数学の証明的な思考で主に生命と正義に関して話がされています。
    小林秀雄の「考えるヒント」を読んでいるような感覚に陥りました;
    ギリシャ時代の本が今に伝えられていることもすごいですが、善に関する思考が現代と変わらず論じられていることに少し驚いた感じです。

  • 難しすぎた。集中して一気に読まないと、わけわからなくなる。

  • 紀元前か…

    古過ぎることにより、新しくなっている。
    いや、この領域に古いも新しいも無いのかもしれないな。

    魂なるものは、あの頃も、今もよく分からないままじゃないか。

  • パイドンがややこしくて面白かった。

  • 自らの存在に漠然と不安を抱いていた悩める高校時代。ある日、それを察したかのように隣家の従姉が4冊の本を持ってきてくれた。そのうちの1冊が本書である。アテナイ衆愚政治の犠牲となったソクラテスが、裁判において自らの正当性を主張した「ソクラテスの弁明」、脱獄を勧めるクリトーンに法と正義について説く「クリトーン」、毒杯を仰ぐ前に魂の不死について語る「パイドーン」。いわゆるプラトンのソクラテス三部作である。特に「パイドーン」では、ソクラテスは「死とは不死の魂と肉体との分離である。それ故に、魂の浄化を熱望する哲学者は死を恐れない」と説いて従容として死に就く。その論証に異論の余地はあろうが、ソクラテスのパトスだけは少年の心に刻まれたのだった。

  • 先に「国家」を読んでしまったため、内容的に目新しいものはあまりなかったが、プラトンの思想に大きな影響を与えたソクラテスの、より生に近いことばを聞ける点に意義があった。
    また、併録の「パイドーン」の魂の不滅性についての議論は、論理的な意味では今日では荒唐無稽とも言われそうなものではあるが、より良い生を生きるためのヒントを得るという点で得るものはあったと思う。

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著者プロフィール

1902年新潟市生まれ.
1926年,京都帝国大学文学部選科修了.
法政大学講師,東京文理科大学講師などを経て,1950年,京都大学文学部教授.
京都大学名誉教授.文学博士.古代ギリシア哲学専攻.
哲学のみならず,広くギリシアへの深い造詣により,わが国の古典ギリシア研究の水準を高めることに寄与.


「1977年 『国際学術講演集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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