二都物語 (下巻) (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (357ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102030042

感想・レビュー・書評

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  • すばらしかった。。好みすぎます。。
    仏革命前夜のパリの絶望なのか希望なのかもはや狂ってるとしか言えないこの感じ、そしてすべての登場人物の運命の、なんと美しく絡まること・・・!
    特に下巻からは展開がドラマティックすぎて一気読みしました。
    いつか読もういつか読もうと思ってわりと放っていたディケンズですが、これは読まないと損ですね。次は大いなる遺産かな。
     

  • ディケンズ、読んでいてなんだかほのぼのとしてしまう。もちろん、暗い場面や人間の醜さや悲惨さを表現する場面もあるのだけれども、物語の奥に通底する人間への厚い信頼に、こちらも心が自然とほぐれてしまうのだ。ジェイン・オースティンを読んだ時のような手放しの面白みも感じる。私にとって大切な作家のひとりとなっていくようだ。

  • フランス革命という激動の舞台で強い想いが交錯する。伏線の回収がしっかりしており、終わり方には切ない余韻が残る。各キャラが上手く表現されており、終盤にスポットの当たるカートンは放蕩無頼な一面を事前に描く事で、中盤以降の一途な愛情を際立たせ、真なる美しい内奥を照らしだす事に成功している。

  • ※上下巻の感想
    とにかく翻訳がダサい。訳者の手によるあとがきも自虐的でひどい。
    著者へのリスペクト込みで星二つが一杯。

  • フランス革命真っ只中。ギロチン大流行、貴族王族がどんどん首はねの舞台。イギリスとフランスの二都がメイン。ディケンズらしい大衆文学。最後のカートンの身代わり作戦も感動的。マダム・ドファルジュのラスボス感がすごかったが最後あっけなかった。マダム・ドファルジュとミス・プロスの言葉は通じない言い合っている描写が迫力があった。ドクトル・マネットの気の狂れ方が切なかった。

  • 第二巻 黄金の糸
     第十七章 ある夜
     第十八章 九日間
     第十九章 専門医の所見
     第二十章 訴願
     第二一章 足音はこだまする
     第二二章 波はなお高まる
     第二三章 火は燃え上がる
     第二四章 磁石は巌に吸い寄せられて
    第三巻 嵐の跡
     第一章 秘密に
     第二章 回転砥石
     第三章 暗い影
     第四章 嵐の中の凪ぎ
     第五章 樵夫
     第六章 凱旋行列
     第七章 扉をノックする音
     第八章 カルタの手札
     第九章 勝負
     第十章 暗影の実態
     第十一章 薄暮
     第十二章 闇黒
     第十三章 五十二人
     第十四章 編物は終わる
     第十五章 足音は永久に消える

    力も知識もどのように使うかが大切だ、と思った。
    どのような心が、それらを使うのか。
    パリの狂った熱気が伝わってきた。
    心だけを暴走させる恐ろしさ。
    復讐や恨みの心の強さ・根深さも、恐ろしいとともに悲しい。
    マダム・ドファルジュの素性も、途中から思い当たった。
    全てが一つの輪の中で、ぐるぐる回っている。
    その暗い輪を壊し、ルーシーたちを外に弾き飛ばしたのは、輪の外にいるはずの人物だった。
    関係者ではダメだった。
    解決できなかったのだ。
    カートンは未来を夢見る。
    自分から新しい輪が生まれて、その中で大切な人たちが生きることを。
    暖かさと清らさ、善良さという光にあふれた輪は、やはり誠実で美しい心から生まれるのだ、と思った。

    壮大な話だった。
    よくできた劇、という感じもする。
    人間の愚かさや悲しさ、残忍さ、群集の狂気。
    そうさせてしまった貴族たちの愚かさを。
    学びきれないほどの多くのことにに思いをはせられそうな気がした。

  • 舞台の千秋楽と前後して読了。吹きつける荒々しい砂埃の中に静かに佇んで微笑んでいるような、広く大きな愛の物語だった。さぁと与えられて、ゆきなさいと背を押されても、カートンの持てる思いは両腕ではとても抱えきれなかったかも。彼自身がきっとそれだけのものをダーニーやルーシーに貰ったのだろうけれど。それでも何て大きな人だろうと思う。そしてカートンを含めた家族として暮らせなかった彼らが切ない。そう感じるのはひとえに役者さんたち、舞台を作った人たちの力に因るだろう。もしかしたら本だけではこういう感想を持たなかったかもしれない。殺伐として、疑心と狂気に溢れた恐ろしい社会を諷刺したり象徴的に描き出した、ゴヤの絵画を見ている感覚があったので。

  • 映画を見てから読む

  • 残虐シーンも容赦ないですが、小説自体が猟奇的ってわけでもなく、微笑ましいところやユーモラスなところもある。『クリスマスキャロル』以来二作品目のディケンズで、でも、ディケンズの深い温かみみたいなのを裏に感じはするんです。

  • どこが面白いのかさっぱり分かりませんでした。読んでいて苦痛でした。

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著者プロフィール

1800年代を代表するイギリスの小説家。おもに下層階級を主人公とし、弱者の視点で社会を諷刺した作品を発表した。新聞記者を務めながら小説を発表し、英国の国民作家とも評されている。『オリバー・ツイスト』『クリスマス・キャロル』『デイヴィッド・コパフィールド』『二都物語』『大いなる遺産』などは、現在でも度々映画化されており、児童書の発行部数でも、複数の作品が世界的なランキングで上位にランクされている。

「2020年 『クリスマス・キャロル』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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