白鯨 下 (新潮文庫 メ-2-2 新潮文庫)

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  • 新潮社 (1952年2月12日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (576ページ) / ISBN・EAN: 9784102032022

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

壮大な海の冒険と人間の執念が交錯する物語が展開されます。復讐に燃える捕鯨船の船長エイハブが、伝説の白鯨を追い求めて繰り広げる壮絶な戦いは、海の荒々しさと穏やかさを鮮やかに描き出しています。著者のリアル...

感想・レビュー・書評

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  • 「まさにこのとき、身を弓なりに後ろへ反らせ、それと釣合いをとって両腕を高くまっすぐに挙げた姿勢で、渾身の憎悪をこめた熱鉄の銛を、それにも勝る熱火の呪詛とともに、怨み重なる鯨めがけて発止となげた。鏃と呪いと、ふたつながら泥沢に吸い込まれるように目標に沈んで行ったとき、モービィ•ディックは横ざまに身をひねった」

    エイハブの執着、モービィ•ディックの海の王者たる姿!乗組員たちの葛藤
    海の荒々しさ、海の穏やかさ
    海のすべてがここにあってすざましかった

    当時の捕鯨船はどんなものなのか知る由もないが
    実際作者は乗船していたようなので
    すべての表現は大袈裟でなくリアルなんだろうな
    戯曲のようなセリフもまた舞台を見ているようにさせてくれる

    日本の近くを通る情景もあり、当時鎖国中である
    日本のすぐそばでこんなすざましい闘いが繰り広げられていたのかと思うと、なんだか不思議
    日本の捕鯨は明治時代から始まったとされているから、まだまだこの頃は思ってもいないことなんだろう

    読みづらさもたまらなくあったけれど
    とにかくすごかった!読みきれて良かった!
    また、よみかえすことがあるだろうか?
    その時はもっと理解できる気がする

  • アメリカ文学の古典の一つと言われている「白鯨」を読んだ。分厚い文庫本上下2冊で、文章も古い訳で現代文とは言いにくくちょっと読みづらい。いつも通り通勤時に読んで1冊約3週間、上下で一ヶ月半ぐらいを要した。

    ストーリーは、伝説の白鯨(巨大な白いマッコウクジラ)を復讐に憑かれた捕鯨船の船長エイハブが探し求めて仕留めようと、アメリカ東海岸から大西洋を南下、アフリカ喜望峰を回ってインド洋に入り、東南アジアから太平洋、日本近く(たぶん小笠原近海)まで至り、ついに白鯨と戦う話である。

    物語自体はなかなか面白く、良くできている。途中、鯨に関する様々な解説が長々とあったり、当時の捕鯨の様子も細かく解説されている。この辺りに興味のない方には、文章の長さはちょっと辛いかも。私は、両方とも興味を持って読めたので、遅々として進まないストーリー展開も耐えてなんとか最後まで読めた。

    個人的に楽しかったのは、途中数多く登場する島々の名前が、趣味(アマチュア無線)の方で結構馴染み深いものばかりであった点である。結構珍しいところが多い。

    あと、この話に登場するコーヒー好きの一等航海士の名前がスターバックと言い、あの有名コーヒーチェーンのスターバックスの名前がここから取られたものであるらしいことを初めて知った。

    最後まで読んで、ふと、中学生のころ、学校の映画鑑賞会か何かで「白鯨」の映画を見たことがあるような気がしてきた。

    2007年3月24日 読了。

  • マチルダが映画の中で読んでいたので、気になっていた。難関本として知られているけれど、プロットだけで見たら比較的読みやすい部類だと思う。しかしこれに宗教観、鯨や航海術などの学術的な説明が加わり、それを全部読み取ろうとすると一気に難しくなる。この難しさがスターバックやクィークェグ、フラスクなどの魅力的なキャラクターたちに中和されて、より魅力的で深い物語になっていると思った。また読み直して深く味わえたらと思う。

  • 世界文学の中でも「難読」で知られる一冊だと思う。難読という評価には主に二つの理由があり、

    ・純粋にページ数が莫大
    ・ストーリーを追うタイプの小説とは異なる

    特に後者の影響が大きかろう。そもそもストーリーだけに絞って書かれたとすれば上下巻になる必要もなく、児童絵本のページ数があれば十分。

    では何が書き加えられるかと云えば、鯨に関する生物学的考察、古典文書からの引用、近代芸術における鯨、考古学における鯨、宗教史における鯨、等々である。これら記述の ”熱量” の異常さ、こだわりの "執拗さ" を感知せずに読み終えた読者はいないと思われる。

    読んでいてもっとも中てられたのはこの点で、読む時間経過とともに「違和感」→「忌避感」→「畏怖の念」→「畏敬の念」という移り変わり具合。何やら面倒なことに巻き込まれたような地点から始まって、最後はもう好きなだけやってくれという感想に至る。

    そもそもの小説の構成として(新潮文庫のページ数でいえば)全884ページであるこの小説、肝心の白鯨との対決の場面は836ページ目のことである。その上、前述のとおり836ページの大半は、鯨に対する学術的考察がコラージュ状に、異様な執着心で書き連ねられているのであるから、そうしてやろうと発想した作者のねらいが異様だ。

    アメリカで発表当時なんら話題にならず、作者の死後に再評価をされたという歴史が語るように、ある評価軸からすれば本作は不器用な(ぶざまな?)作品。世界文学の古典として、ここまで「いびつ」な作品は他に思い当たるものもない。

  • 文章全体が、悪く言えば「遠回しで難しい比喩表現」、良く言えば「知に富んだ詩的表現」の洪水。この読みにくさが魅力。多分。私は好き。
    しかし、いかに自分が知識不足かを思い知らされる内容だった。
    白鯨を100%楽しむためにはある程度の宗教学(特にキリスト教・拝火教)、鯨類学、帆船の知識…等が必要なのかな。今後の読書のためにも勉強しようと思う。
    散々結末についてネタバレされていても(古典なので仕方ない)、読み通して迎える転がり落ちるようなラストは胸を打つ。百聞は一見にしかず。

  • ☆☆☆2019年10月☆☆☆

    長い長い物語を終えた。
    途中から何が何だかわからなかった。
    鯨から油を搾り取るために、なんと苦しい旅に出ることか!まったく気が知れない。
    一等航海士のスターバックは、エイハブの個人的恨みを晴らすために白鯨を追う事には反対だった。だからこそその死は悼ましい。

  • 幾重にも重なる捕鯨の記述。重厚な叙情。好奇心と勢いに満ちた上巻に対して破滅の予感と悲壮な下巻。やっと鯨を取る描写が出てくる。当時はこういう取り方をしてたのね。
    その知識の厚みと説明は素晴らしいんだけど、やはりモッタリする。登場人物の生き生きとした会話ややり取りがないと。クィークェグも冒頭では魅力的に書かれていたのに、全く出てこなくて心の内も分からなくなってしまった。しかも索やなどは図解がないと詳細に説明されてもよく分からない。イメージを広げるのには役立ちましたが。

    最後の最後まで読まないと白鯨は出てこなかった。
    破滅に向かって進む船。あらゆる凶兆に逆らう狂気の船長。スタブが頻繁に出てきて、あの調子が印象に残った。

  • 何年も前に読んだ小説を読み直した。難解な小説で、以前は全くわからなかった。今回は少しづつ読み解けてきた気がする。

    捕鯨船に乗り込んだ主人公の目線で船員たちの様々な「価値観」が語られている。特に船長の白鯨に対する憎しみと執着は力強く書かれている。ところが、この「価値観」が今の私の価値観と大きくかけ離れているから簡単には理解できない。

    今回の読書でもわからないことだらけだったのだけど、なぜ難しいのかということがわかってきただけでも収穫に思えた。気がついたことを書き留めておく。
    ・鯨を神話を持ち出して語ることで、いかに巨大で困難な相手と戦おうとしているのかを描写している。しかし、神話や聖書に疎い自分では、話が簡単には頭に入ってこない。
    ・長い物語だが、本筋の話から脱線した話が多く、さらにその個々の脱線した話も高度な話が展開されている。例えば、鯨の種類についての学術的な解説や、捕鯨船の仕組みや仕事の詳細についての話。これらの話に理解が追いつけずに、いまどういう場面なのかを見失ってしまう。

    難解だが、船長エイハブの狂信的な行動力、食人のクィークェグの思慮深さなどの個性が、長編小説ながらのじっくりと描かれている。
    読み込めばもっと他の人たちの個性や作品全体の力強さが見えてくると思うのだが、今の私の理解力では、十分には楽しめていない。まだまだ何度か読まなければいけないと思った。

  • 一言で言うと、長かった。とにかく鯨に関するあれやこれやの知識を詰めまくった長大すぎる小説なので、多くの人が挫折するのも致し方なし、といった感じ。
    鯨の生態、性質、解剖学を微に入り細に入り書き連ねるほか 旧約聖書やら、ヨブ記からの知識まで入れてくるので、本筋(ストーリー)が遅々として進まない。娯楽として小説を好むひとにはかなり退屈なのではないか?
    しかしこの小説の醍醐味は、その『鯨知識の深さ』にある。ただのストーリーだけを逐う小説だったら、おそらく後世ここまで評価されなかったろう。

    鯨に関する知識教養はさることながら、作者の実地体験からくる記述もかなりおもしろかった。例えば、別の船の船乗り同士が打ち解けて交歓をかわす『ガム』という宴会?。粗野なヤロウどもが、お酒を飲んで騒ぐ場面は、とてもワクワクした。
    船乗りあるあるみたいなネタも面白い。マレー人の海賊?とっ遭遇したり、大王イカを発見したり、何度かマッコウクジラを仕留めたりもした。仕留めた後の処置(どのように鯨油を搾取するのか等)もかなり詳細に描かれている。ちょっと残酷、というかグロ、というか
    昔の鯨捕りは大変だったんだね。単純に、勉強になった

    物語根底には、常に気怠い陰鬱なムードが漂っており、海が人をゆっくりと狂わせる様は、その後の凄惨な結末へとつながってゆく。真綿で首を絞められるような感覚だ。
    ネタバレになるのでここでは書かないが、主人公イシュメールの体験した『白鯨との戦い』。
    終盤の、息を呑む怒涛の展開は読む人をあっといわせ、手に汗を握らせ、その結末にだれもが放心してしまうのではないだろうか。

    中盤が冗長だからといって、心折れて本を閉じてしまうなかれ。
    読後はなんとも言えない複雑な心境になること請け合いである、


    たにみに、だけど、某コーヒーチェーン店の名前は、
    一等航海士のスターバック君からとってるんですね
    へえ~!!って思ったw
    なお、物語に登場するスターバック君は、作中一口もコーヒーを飲まない。

  • やっと、やっと読み終えたー!!!モビー・ディックに出会う為の本当に長い長い道程だった。モビー・ディックとの格闘まではほとんど面白いところがなくて流し読むようにして少しずつ進んできた。最後の3章は圧巻の出来。情景が目に浮かび、心が高揚した。白鯨モビー・ディックは強く、そして気高かった。白鯨に立ち向かった男たちも熱かった。この本を執筆する為にメルヴィルは捕鯨船に乗り込んだという。作者の鯨、そして捕鯨への思いが余すことなく詰め込まれた一大叙事詩。ただもう一度読みたいとは思えない。2012/146

  • 鯨に勝てるか人類。大きいのは態度だけか。

  • アメリカ東海岸の捕鯨基地に現われた風来坊イシュメール――陸の生活に倦み果て、浪漫的なあこがれを抱いて乗り組んだのが捕鯨船ピークォド号。出帆後数日してやっと姿をみせた船長エイハブは、自分の片脚をもぎとった神出鬼没の妖怪モービィ・ディックを倒すことにのみ、異常な執念を燃やしていた。堅忍不抜の決意を秘めたエイハブの命令一下、狂気の復讐は開始された……。獰猛で狡知に長けた白鯨を追って、風雨、激浪の荒れ狂う海をピークォド号は進んだ。ホーン岬、インド洋、日本沖を経た長い航海の後、ついにエイハブは、太平洋の赤道付近で目ざす仇敵をみつけた。熱火の呪詛とともに、渾身の憎悪をこめた銛は飛んだ……。作者の実体験と文献の知識を総動員して、鯨の生態と捕鯨の実態をないまぜながら、エイハブの運命的悲劇を描いた一大叙事詩。

  • スタバで読了。スタブ達カッコよかった。

  • 大部分がクジラと捕鯨船に関するうんちく。読むのにかなりの時間がかかった。これを名著と呼べるのか、個人的には疑問。
    最後は悲劇的な結末だが、あっさりしている。

  • クライマックスの,モビー・ディックとの攻防がやはり,読み応えがあった。
    特に第1日目の描写がとても美しかった・・・!

  • あああ、やっと読み終わった。
    下巻も長編なので、何冊か併読しながら読み終わりましたー。

    下巻の前半は、またまた鯨サイエンスの解説で、後半からやっと話の展開が早くなって面白くなった。

    エイハブはほんとMoby Dickに取り憑かれてたねー。
    まぁ、ああまでクレイジーになって海で最期を遂げたのは、彼に相応しい終わり方だったと思う。

    その当時の生活に欠かせない鯨油をとるために、何人もの人が犠牲になって、最悪の場合はこうやって船ごと沈んでいく。命がけだったのね。

    でも、やっぱり捕鯨は可哀想だよなぁ。
    その後、捕鯨が禁止になって良かったです。

  • 寄り道しながらやっとたどりついたモビーディック。今まで人間にやられた仲間の復讐かというほど敵対心むき出し。上下巻に及んだ長い旅はあっさり終了してしまった。

  • 鯨というネタだけでよくもこんなに量書けるなと思った。性格はどうあれ情熱を持ち続ける船長の生き様に見習うところはある。鯨について少し詳しくなれる。

  • 東大京大教授が薦めるリスト100選抜

  • なんというか、これ、読み終えた人ってどのくらいいるんだろう? 難解というのではなく、難読。文体がどんどん変わり、しかも博学はわかるが、物語がとことん停滞するので辛い。あーようやく終わった、というのが本当の感想。

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著者プロフィール

アメリカの小説家・詩人。マンハッタンの商家に生まれる。1832年父の事業破綻に続く、父の狂乱死を経験。以後十分な教育を受けることなく、商船体験や捕鯨船体験、軍艦体験を経て、世界の状況を観察。1844年帰国。捕鯨船脱走ののち食人種「タイピー族」と暮らした船員時代の経験を、1846年に『タイピー』として作品化して評判を得、作家として自立。代表作『白鯨』(1851)は出版時の評価は不調であった。次作『ピェール』(1852)は重要な作品ながら厳しい評価を受けた。短編集『ピアザ物語』(1856)、生前最後の小説『詐欺師』(1857)などを書き続けたが、以後は詩作に専念する。1866年から20年ほど税関に勤務する。ほかに長詩『クラレル』(1876)、遺作として『ビリー・バッド』(1924年出版)などがある。

「2025年 『南北戦争詩集 近代総力戦へのまなざし』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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