- Amazon.co.jp ・本 (365ページ)
- / ISBN・EAN: 9784102033012
感想・レビュー・書評
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人生の本質は苦悩であると説いた彼が、ひたすら「幸福」の虚妄を説いているのが面白い点。
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ぎっしりとしている内容で、訳文も読みやすい方ではなかったですが、しっかりとした興味深い思想書でした。
厭世的でやや虚無的な傾向があり、生きる方にポジティブではないかと思います。その為自分なりの思考やら考えやらが定まってからの方が、この本に踊らされちゃいそうな気も。 -
『意志と表象としての世界』よりは歯ごたえがないが、それでもアルトゥル・ショーペンハウアーの良さが出ていると思う。
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孤独こそが幸せであるというのは解せないが、正しいことも言っている。
毒のある文面は実に面白くて、哲学書にしては珍しくスラスラ読めた。「女について」の方が毒々しくて何倍も好きだけどw -
「騎士的な名誉について長々と述べてきたが、それはべつに悪意があってのことではなく、この世の道徳的・知的な怪物に対抗する唯一の勇者は哲学だからである。」
「したがって人間各自、自己に具わる価値と正確に比例して、孤独をのがれたり、孤独に耐えたり、孤独を愛したりするであろう。」
「一日一日が小さな一生なのだ。毎日毎日の起床が小さな出生、毎朝毎朝のすがすがしい時が小さな青春、毎夜の臥床就寝が小さな死なのである。」
孤独な人間が、真に幸福であるかの議論は横に置いて、間違ったことは言っていない。 -
ショーペンハウアー曰く、
いずれにせよ、知り合ったばかりの人間を非常によい人間だと思ったりしないように、細心の注意を払うがよい。そうでなければ、ほとんどすべての場合に失望させられ、われながら恥ずかしい思いをしたり、はなはだしきは損害をこうむったりするであろう。
ここで次の点をも考慮に入れておくがよい。すなわち緊張を要しないような些細なことに、人間はかえってその性格を現すものだが、こういうときに、かりそめの行為やちょっとした態度に、他人をいささかも顧みない底抜けの利己主義を十分にうかがうことができ、後に大きな問題にぶつかると、事実その利己主義が、仮面をかぶっていても、おのずから現れるものだということである。(p.222)
と…。
オトナならば、誰でも知っているようなことでも、ショーペンハウアーが述べるととても似あう。堂々としているところが、やや憎らしい。。
また曰く、
さて、われわれが交渉をもち、あるいは交際している人間が、不快な態度ないし腹の立つような態度をとった場合、今後幾度か同じ態度を、しかも輪をかけてとられても我慢する気もちになるくらいに大事な人間であるかどうかを、心に問うてみさえすればよい。
その人がそれほど大事な人間なら、何を言ってもまずどうにもならないのだから、それについて言うべきことはあまりない。小言を言うなり、言わぬなりして、事を水に流すほかないが、しかしそれはもう一度やってくれと頼んだも同然だということを覚悟するがよい。
反対に、それほど大事な人間でなければ、即座に、かつ永久に、この親友と断行するか、召使なら解雇するかしなければならない。(p.223)
と…。
Tell me about it... -
僕meets哲学のきっかけ。
ペシミスト的幸福論は目から鱗。 -
ほとんど衝動的に買った本。
しかも最初2,3ページしか読んでない。
先日の大掃除で見つけたけれど、なんでこんな本を買ったのかいまだに謎。
これから、読むのかどうか・・・考え中(笑) -
考え方とか以前に、この人の話し方が好き。押し付けないけど、しっかり主張しているかんじがします。
内容は…私の考えかたとは真逆で、すごく刺激的でした。
厭世的なショーペンハウアーさんが幸福について考えるという面白味もありました♪ -
初のショーペンハウアー。ある著書の一部抜粋らしい。幸福についてというタイトルも、後付けだということ。しかし読むことにこれほどほねおれるとは思わなかった。「人間が幸福を追うことは一大迷妄である。しかしそれを気付かせないままに、正しい方向に導いていこう。幸福を追うことが迷妄なのだから、それを導くやり方もユーモアや冗談でなければならない」印象に残ったままに書きましたが、この一文からあまり全く共感行かないままだったので、読みながらもほとんど全く頭に入らなかった。幸せを支える一番の要素は健康。健康第一それを損なわないようにいかに人生を楽しむか。処世術だったとしても、立場が全く他人事のようにしか聞こえなかった。人を導くにはどんな立場であれ、もっと真剣であってほしい。
09/6/24