ツァラトストラかく語りき(上) (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (353ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102035016

感想・レビュー・書評

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  • 確か最寄りの戸田書店にて購入。齋藤孝『就職力』(毎日新聞社)にて、「この本の内容を理解できることが大学卒業の証」とあったのが手に取るきっかけになった。
    岡本太郎『自分の中に毒を持て』を思い出した。それもまた、自分という枠、人々の「常識」つまり18歳までに集められた偏見のコレクションでできた枠を打ち破れとあった。ニーチェも岡本太郎も、たった一人で枠を突き破ろうとそれに立ち向かったのだろう。私たちに同じことができるだろうか?

  • やはりこれは名訳だと思う。旧版では漢字が読めなくて困ったが、最近の新しい版ではほとんどの難しめの漢字にはルビがふってある。意味があまりよくわからなくても、文章の調子こそが重要(この本について言えば、実際、どんな訳でも意味がわからないところはよくある)なので、新潮文庫はずっとこの訳を変えずに出し続けてほしいと思う。

  • 「医者よ、なんじみずからを治療せよ。
    かくしてはじめて、なんじはなんじの患者を治療しうる。
    医者の最上の治療とは、みずからを治療する人間を出現せしむるにある(p181)」

  • ツァラトストラがいろいろなテーマにおいて自論を語ります。

    本文、注、本文、注の順に読んでいくと、すこしわかりやすくなります。

    はっきり言ってむずかしいです。

    正直、内容は現代社会に役に立ちません。
    しかし、ニーチェの思考に触れることに意味があると思います。

    超訳に不満な人、普通訳にチャレンジしてはいかがでしょう

  •  人間は、獣と超人との間に張りわたされた一条の綱である。――一つの深淵を越ゆる一条の綱である。
     渡りゆくも危く、途上にあるも危く、後(しりえ)を見るも危く、戦慄するも、はた佇立するも危い。
    人間が偉大なる所以は、彼が目的にあらずして、橋梁たるにある。人間にして愛されうべき所以は、彼が一つの過渡たり、没落たるにある。
    ~上巻p24


     すべての道徳は他の道徳を嫉妬する。かかる嫉妬はおそるべきものである。道徳と雖(いえども)、嫉妬によって破滅することがありうる。
     嫉妬の炎によって囲繞(いによう)された道徳は、ついには蠍のごとくに、毒ある螫(はり)をみずからに向けて突き刺す。
     ああ、同胞よ、なんじ、いまだみずからを誹謗せず、みずからを刺し殺さないところの道徳を一つでも見たことがあるか?
     人間は克服せらるべき或物である。されば、なんじはなんじの道徳を愛すべきだ。
    ――なんじはなんじの道徳によって没落するであろうが故に。――
    ~上巻p80

  • 面白いのだけれど、重厚な訳は時としてその魅力を殺してしまうほどの読みづらさを伴う。漢文が苦手の僕には相当しんどくて、途中で辟易としてしまったよ。

  • 長かったーーー(´Д`)

  • ツァラトストラはかく語った。よく語ったねー!
    下巻へ続く。

  • (1967.12.27読了)( 1966.12.18購入)
    内容紹介
    ペルシアの教祖ツァラトストラは、「ついに神は死んだ」と叫んでふたたび人間の中に帰り、宗教的厭世主義を否定し、群集を前にして地上を讃美し生を肯定して「人間は征服するために生れ、かつ生きる」と説く。1881年8月突如おとずれた“永劫回帰"の霊感を、ツァラトストラが超人へと高まりゆく内的過程に表現化した本書は、ニーチェ最後の境地であり、実存主義への端緒となった。

  • 狂人の書だけに何を言ってるのか良く解らないが、神は死んだとする下りは何故か小気味良い。著者は神殺しの共犯者の一人であり、史上初めて純粋なニヒリズムに到達したパイオニアである。

  •  ゾロアスター教の教祖として知られるツァラトゥストラは、世間を離れて山に籠っていたが、ある時「神は死んだ」と宣言して世間に戻る。そして彼が行く先々で「超人」や「永劫回帰」、「(権)力への意志」といった思想を説く、という形式の本。

     何よりも目に付いたのは、文章全体から伝わってくる、誤魔化しようのない高揚感と躍動感。ツァラトゥストラは背後世界(人間が救済される神の国)、ルサンティマンに基づくキリスト教的道徳を捏造した人々を痛烈に批判し、内側から湧き出てくる生のエネルギーをありのままに肯定する。それは背後世界の人々や、「汝かくあるべし」と説く人々(重圧の霊)の観念が、人間の現実から剥離し、本来持っている生きる力を奪うため。

     「権力への意志」とはそのような体の内から立ち昇る、生きんと意欲する力のこと。あらゆる事物、現象がループのように繰り返される「永劫回帰」の中で、厭世的なニヒリズムや過酷な現実をも受け容れて、克服する。それができるのは、著者ニーチェの理想とする存在=「超人(Übermensch)」です。英語で言うと、super manというよりはover man。

     超人は背後世界の人や、彼らによってニヒリズムに囚われた「末人」と異なり、「善悪」よりも「美醜」や「貴賎」を価値の基準とする。権力の意志を持つ者は高貴である、という具合の評価を下す。そのようにして、弱者に同情するよりも、過酷な現実を超克して古い価値観を壊し、新たな価値観を創造するのが超人の役目。

     全体を通して伝わってくる偽りのなさには、ただただ清々しいと思うばかり。体の中を「紫電」が駆け巡るようで、胸が透くという以外の感想が思い付かない。格調高く、かつ素朴に生命賛歌を歌い上げる文章から、この本が哲学書であることを忘れて忘我の境地を漂っていた。それほどの怪著。

  •  ニーチェの代表作である「ツァラトストラかく語りき」ですが、ニーチェの使う比喩表現を日本語で訳すとこんなにも難しい表現や言葉に訳されるのかといった印象でした。
     けれど、「友」や「隣人の愛」、「創造主の道」、「道徳家たち」、「高名なる賢者たち」、「自己克服」はアフォリズムが利いており、読んでいて楽しかったです。読むのに苦労しましたが、一度は目を通しておきたい作品だと思います。
     

  • 言葉使いが古く、雰囲気は出てるがペースを掴むのが大変だった。最初は言葉の真意を汲み取ろうと注釈も読んでいたが途中で断念、字面通りの物語として読了したが、魅力は半分以下になったのだろう。

  • 光文社古典文庫の意欲的な訳をいつも感心しているが、これだけは竹山道雄訳が好き。

  • こっちの邦題のほうがかっこいいよ~

  • ニーチェの本が巷で流行っている。
    私自身、少し悩んでいた時期があり、どうすれば相手を理解できるのか、また理解してもらえるのか悩んでいたときに彼の
    「愛は赦す」
    という言葉に救われた。そうなのだ、すべては赦されるべきで受け止めることができるはずなのだ。
    人間にはその強さ、そして赦すという儚さを備えているのだと思い、かなり心の荷が降りた気分になったのであった。

    そしてこの本では。
    女は男を手段として使い、男は危険なる遊びの欲望として女を使う。
    という文章にふむふむとうなったのであった。

    ちょっと読みづらいと思う方は超訳ニーチェの言葉でもよんでみることをおすすめする。

  • 目次
     第一部
      ツァラトストラの序説
       超人と末人について
      ツァラトストラの言説
       三態の變化
       道德の講壇
       背世界者
       肉體の侮蔑者
       歡樂と情熱
       蒼白き犯罪者
       読むことと、書くこと
       山腹の樹
       死の説敎者
       戰爭と戰士
       新しい偶像
       市場の蠅
       純潔
       友
       千及一の目標
       隣人の愛
       創造者の道
       老いたる女と若き女
       蝮の咬毒
       子と結婚
       自由なる死
       與うる德

     第二部
       鏡を持った小兒
       幸福の島にて
       同情者
       祭司たち
       道德者たち
       愚衆
       タランテラ
       高名なる賢者たち
       夜の歌
       舞の歌
       墓の歌
       自己克服
       祟高なる者
       敎養の國
       純粹なる認識
       學者
       詩人
       大いなる事件
       豫言者
       救濟
       對人的狡智
       靜かなる時

  • 「足をひろげ股をひらきなさい」

    ちょwwwwニーチェwwww

    どーやら失恋作だそーですうううう

  • 奥が深い哲学系の本。
    難しいからなかなか進まないけど、ツァラトストラって響きが好き。

    鬱な時によく読む本。

  • 脳みそがついていかなかった

  • ニーチェ!
    かなり狂った香りがするけどカッコイイ!
    今読んでる途中・・
    血をもって書かれてる感が伝わるね

  • PT#23 2002.12

  • 本書は言わずと知れた名著で、敢えて僕が書き加えるまでもないですが、最も衝撃となる本であるのは間違いないでしょう。

    この本を最初に読んだのは3年ほど前でししたが、その時のこの本の熱意の衝撃は今でも忘れられません。


    「いつか空の飛び方を知りたいと思っている者は、まず立ちあがり、歩き、走り、上り、踊ることを学ばなければならない。
    その過程を飛ばして、飛ぶことはできない。」

    そんなロックな本です。

  • ついに神は死んだ――ツァラトストラが超人へと高まりゆく内的過程を追いながら、永劫回帰の思想を語った律動感にあふれる名著。

  • 詩であり物語であり警句に満ちた一冊。
    世界を見通す澄徹とした眼差しを感じてしまう一冊です。

  • 上下巻 「ついに神は死んだ」と語り、「人言は征服するために生まれ、かつ生きる」と説き、永劫回帰への霊感を語る。文学作品でありまた、思想でもある。実存主義への端緒となった作品。

  • 意外にパロディーとかも含んでいて笑える。
    私はかなり気に入っている。
    人生を悲観的でなく考え直すなら是非どうぞ。

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著者プロフィール

フリードリヒ・ヴィルヘルム・ニーチェ(Friedrich Wilhelm Nietzsche)
1844年10月15日 - 1900年8月25日
ドイツの哲学者、古典文献学者。近代がはらむ問題を一新に受け止め、古代以来の哲学との対決に挑み、実存主義の先駆者、生の哲学の哲学者として知られる。その思想は20世紀に続く様々な思想に衝撃と影響を与えた。
代表作に『悲劇の誕生』『道徳の系譜』『ツァラトゥストラはこう言った』『善悪の彼岸』など。

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