ねじの回転 (新潮文庫)

  • 新潮社
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本棚登録 : 627
感想 : 70
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  • Amazon.co.jp ・本 (299ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102041024

感想・レビュー・書評

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  •  ホラー苦手な私が読める幽霊小説と言えばこれ。ただ見てるだけ、近くに来るだけで、日本の幽霊みたいに襲ってこないところが好き。霊的な恐怖よりも、愛らしい兄妹2人の底の知れなさと、語り手となる家庭教師の主人公がだんだんと狂気に陥っていく様子が怖い。謎が多く残るラストだが、その余韻も楽しめる。
     原文から難解なようだが、とにかく文章がまわりくどくて読みにくい。でも一旦流れをつかむとさらさらと読める不思議な本。著者他作品は『デイジー・ミラー』も読んだが、今作は取り立てて恐ろしい事件が起こる訳でもないのに、なぜかとても印象に残っている作品。

  • ホラーの名作ということです。内容はごくシンプルなお話のはずなんですが難しいし、そもそもプロローグの部分は何の伏線?と読み終わっても謎が残ります。作品の解釈をしたホームページがたくさんあったので参考になりました。古いけど映画もあるそうなので見てみたいですね。

  • わからない。
    亡霊は、子供たちをどうしたかったのだろう。
    なぜ、家庭教師には見えたのだろう。
    子どもたちの奇妙なふるまいの理由は?

    先が気になってぐいぐい読んだが、次々に疑問が浮かんできて結局真相は闇の中、といった感じ。
    解釈は読者の手にゆだねられている、と解説には書いてあるけど、一つも解釈できない…。
    うーん、モヤモヤする~。

  • 小川洋子さんがラジオで紹介していて知りました。
    小川さんが紹介するだけあってじっとりと薄暗い雰囲気です。洋館の雰囲気にズブズブ浸る楽しみはわかりましたが、肝心の話の本筋が一切理解できないまま読み終えてしまいました。
    私の学の無さ故に汲み取れなかったのかもしれませんが、楽しめず、合わなかったなと思いました。
    楽しむ、という小説では無いのだろうなとは思います。

    • 日曜日さん
      先ほどレビューにも書きましたが、私も新潮文庫版ではポカーンとしてしまいました。岩波文庫のあとがきだけでもお読みになると、印象が変わると思いま...
      先ほどレビューにも書きましたが、私も新潮文庫版ではポカーンとしてしまいました。岩波文庫のあとがきだけでもお読みになると、印象が変わると思いますので、お手すきの時に是非!
      2013/02/28
    • akmtksさん
      @日曜日さん
      私もポカーンというのが本当にピッタリでした。
      それなりに時間をかけて読んだので、この読書を無駄にしたくないと思っていましたので...
      @日曜日さん
      私もポカーンというのが本当にピッタリでした。
      それなりに時間をかけて読んだので、この読書を無駄にしたくないと思っていましたので、参考にさせて頂きます。
      レビューも拝見して、ひとまず岩波文庫を探してみつつ、著者の他の本も手をつけてみようかなと思えました。ありがとうございます。
      2013/03/02
  • 何かが起こりそうという気配がずっとあって、実際「なにか」は起こるのだけど、なにが起こったのかはさっぱり分からない、という素晴らしい小説です。意味が分かりません。
    解説によれば、むしろそれこそが作者の狙いだったと書かれています。つまり、「あれがあれのメタファーで」といった説明では固定されない小説を書いたのだと。どうやら本人もそれに近いことを言ってるらしいので(解説によれば)、そうなんだろうと思います。

  • 題名は知っていた、
    そこから想像していた内容と全然違った!

    なにか深遠なる哲学的なお勉強っぽいお話か、
    なんらかのねじが回転する話かと思っていた!

    古典的な怪談話と言う体裁のストーリー

    皆が集まって怪談話をしている夜、

    ある男性が、妹の家庭教師だった女性から聞いた、
    彼女が初めて家庭教師の仕事についた時の話をはじめる…

    両親と死別した幼い兄妹が大きなお屋敷に住んでいる。

    父方の伯父が後見人だが、彼女を雇う際の契約は
    面倒なことは一切言わず、
    すべて問題をそちらで処理する、と言うもの。

    赴任した彼女が見たものは
    幼い兄妹を意のままに操り、
    悪い世界に引き寄せようとする
    亡霊の姿だった。

    家庭教師の彼女の相談相手と言えば
    世話頭のグロース夫人

    「ハイジ」や「レベッカ」など大体の世話頭(女中頭)って
    怖いか意地悪かなので、
    優しいグロース夫人にほっとする。

    怪談としてはさほど恐ろしくなく、
    ポカーンとして終了、

    ただ、
    亡霊を見ているのが彼女だけである、
    と言うところから
    すべて妄想?という観点からみると
    ふーむとなる、のか?

    と言うのは翻訳が拙い感じで
    ちょいちょい気が散って今ひとつ入り込めなかったから。

    たくさんのネットの書評をみて

    岩波の行方さんの翻訳が断然よかったと言うのを
    参考にそちらをまた読もうというのと、
    (行方さんにはモームの「お菓子とビール」でお世話になった。
    あれでモームが大好きになったんだもの、恩人だ)

    それでもだめなら(?)

    「ヘンリー・ジェイムズはこの本が有名だが、
    もっともっと素晴らしいのがあるので
    ここで評価を下してくれるな」と書いていた方を
    信じてみよう、と言うところ。

  • 三月は深き紅の淵を

  • 金大生のための読書案内で展示していた図書です。
    ▼先生の推薦文はこちら
    https://library.kanazawa-u.ac.jp/?page_id=18357

    ▼金沢大学附属図書館の所蔵情報
    http://www1.lib.kanazawa-u.ac.jp/recordID/catalog.bib/BA7341763X

  • ちょっとしたホラー小説というところなんだけれど、
    まったくうまく噛み合わなかった。

    その「恐ろしいもの」を直接に描かないことで恐怖を与えるという書き振りなのはわかる。
    しかし、書かれていないものの恐怖はリアクションだけで伝わるかというとそうではない。
    共有するべき常識が最後まで共有されなかったと感じる。

    悪徳に誘惑されること、それ自体に恐怖感を与えるものがあったようだが
    主人公が勝手にビビったり急に頑張ろうとしたりと忙しくしているだけのように見える。

    僕のような不信心ものではなく
    キリスト教者であれば恐れ慄いて読むことができるのだろう。
    (それは信心深いのだろうか?)

    別枠で、少年少女を美しく描くことはできているので
    ロリ、ショタ好きにもアピールできると思う。

    >>
    「先生に、ぼくのことを、ーー気分転換にーー“悪い子”だって思われたかったの!」
     この言葉を言い放った時のマイルズの愛らしさと、うきうきした愉しい表情を、そしてまた、それにもまして、前かがみになって、わたしにキッスしたあの時の様子を、わたしはいつまでも、決して忘れることはできないだろう。(p.149)
    <<

    おねショタ一丁あがり。

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著者プロフィール

Henry James.1843-1916
19世紀後半~20世紀の英米文学を代表する小説家。
主要作品に『デイジー・ミラー』、『ある婦人の肖像』、
『ねじの回転』、『鳩の翼』等。
映画化作品が多いが、難解なテクストで知られる。

「2016年 『ヨーロッパ人』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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